シリアス寄りの他作品を書いている途中で、文化祭の話してぇなぁ……って思いついて性癖に従って書いた奴です!
前にメイド回やってるのにメイド喫茶なのは、文化祭イベントに関する自分の引き出しが少ないのとメイドが癖だからです……。
今回を含め2、3話程度の話になるかなとは思っています。
時系列的には水着回より後のバレンタイン回より前です。
TSっ娘は受け!TSっ娘は美少女!TSっ娘には可愛い服を着せたい!
今日は文化祭の出し物を決めるということでクラス全体で盛り上がっていた。
学級委員長が全体から意見を募り黒板へと書き出している。
「お化け屋敷とかどうかな!」
「このクラスは美形の女子が多いしそれを活かしたものにした方が良いんじゃない?」
「劇とか……?」
「現世さんと篠宮さんにお姫様と王子様とかやってもらったら映えそう……」
「メイド喫茶!メイド喫茶にしよう!」
「メイドだけだと女子の負担が多すぎない?」
「リアル脱出ゲームとかやってみたい……」
盛り上がってる周りを見ながら柚葉と会話をする。
「美夢はやりたい事とかないの?」
「特にこれといったのはありませんね、どれも楽しそうですし、強いていうならあまり表に出たくないというか裏方を担当したいですね」
「そ、そう……上手くいくと良いね」
最終的には執事・メイド喫茶をやることになった。
このクラスは男女共に俺を含め、容姿に優れた人物が多くそれを活かさないのは勿体無いと、とある生徒が力説し、それに流される形で決まってしまった。
クラスメイトと共にメイド服を着るだけならまだ良い、いやそれだけでも恥ずかしくはあるがまだ耐えられる。
でもそれに加えて不特定多数に対して接客でしょ?
ん〜……流石に恥ずかしい、やるなら接客より料理かな。
「私としては料理担当になりたいですね……」
柚葉ほどではないが、人並み以上には料理ができる、役立てるはずだ。
「なれると良いね〜」
後日、役割を決めた、接客担当だった。
なにゆえ???
役割を決める時、料理担当に立候補した、はずだったんだ、ただクラスメイトと会話をしていたら……。
「現世さんって料理どれくらいできるの?」
「人並み以上にはできますよ、柚葉には負けますが」
「美夢がこの前作った料理の写真が……ほらこれ……」
「ちょっま……」
確かに俺が作ったオムライスの写真である、それだけなら良かったんだが、写っていたのはそれだけではなかった。
俺がメイド服を着ている姿がバッチリ写っていて……。
「え!?このメイド服着てるのって現世さん!?可愛いっ!」
「現世さんってこういう服を着ることもあるんだ……これはすごいね」
「普段はこんな服着てくれないんだけどね、でも理由さえあれば着てくれるよ」
「この子を表に出さないのは学校の……いや世界の損失だよ」
「裏方にするのは勿体無い!美夢さんは接客担当ね!」
「は、はい……わかりました……」
てな感じで流されて接客をする事になってしまった。
俺は家に帰ってから柚葉にあの写真を見せたことを含めて文句を言った。
そしたら俺のメイド服を見たかったとか言って開き直りだしたのでとても怒っている。
「てか柚葉はなんでちゃっかり料理担当になってんの?」
「あたしの料理の腕は美夢も知ってるでしょ?」
「……ぐぬぬ」
柚葉の容姿は整っている、普通であれば接客に回されてもおかしくはないんだが……柚葉の料理スキルは別格だからなぁ……それを言われると納得してしまう。
俺の料理スキルが人並み以上とするなら柚葉はプロ一歩手前くらいはあるだろうか。
多少の贔屓があることは否定しないが、それでも俺より上手い事には変わりない。
文化祭の準備期間、結衣ちゃんや俺を含めた接客担当のクラスメイトで集まって衣装を考えていた。
「執事服……着てみたい……です」
「現世さんは執事服も似合いそうだよね」
「でも美夢ちゃんには可愛い服を着せたいなぁ……そうだ!」
結衣ちゃんが小声で話しかけてくる。
「可愛い服を着てお兄ちゃんに見てもらいましょうよ」
「なっ……なんでですか!?」
なんで見せる必要があるんだよ!いや、まぁ?祐希君には、いや正確に言うならましろちゃんには、俺のわがままで色んな服を着てもらってるし?お礼としてこちらも何かを見せると言うのは、ありなのかもしれないけど?ね?
「きっと美夢ちゃんが可愛いメイド服で接客してあげるだけで喜ぶと思うんですよ、お兄ちゃんは単純なので」
「はぁ……仕方ないですね……」
別に見てもらいたいわけではない、ただこのまま断り続けても場の雰囲気を悪くするだけだからね、仕方ない。
「……やっぱチョロいなこの人」
「何か言いましたか?」
「いや!なんでもないよ!」
そのまま流され続けて文化祭当日、俺はメイド服に身を包み接客をしていた。
結衣ちゃんはコスプレ衣装も作っているくらいには服飾が得意なようで、何人かのメイド服を用意してくれたが……。
個性的すぎる!ジャージメイド?中華風?SF風?サブカルに脳が汚染されすぎじゃないか?
もはやメイドと呼んで良いかも怪しい物も多い。
全員分は用意できなかったらしく、大多数は間に合わせで手に入れてきた執事服やメイド服なんだけど……これ結衣ちゃんが用意してきた服だけ浮いてるよ。
気合いが入り過ぎてるって。
一部の人だけ気合いを入れた衣装であることに関してはあまり不満は出なかった。
むしろ容姿の優れた人を活かして押し出すべきだとか、眼福だとか言って称賛されてたくらいだ。
まぁ行列ができるくらいには人が来ていることを考えると、美男美女のビジュアルで釣る作戦は大成功なんだろうなぁ……。
ちなみに結衣ちゃんが着ている服はクラシカルメイドと呼ばれるタイプで露出は少ないんだが……豊満な胸が強調されていて、アンバランスさというかギャップがもの凄くある。
自分で衣装を用意してきたということは狙ってやっているんだろうから恐ろしい。
俺は和風メイド服で、露出は少ないがフリル多めの可愛らしい服装になっている。
まぁ俺の見た目は清楚系美少女なので?和風はあってるんじゃないだろうか、可愛らしい面も強調されていて素晴らしい。
清楚さと可愛さのバランスがちょうど良いというか、この衣装を作ってきた結衣ちゃんは天才だね。
俺自身が着ているという一点を除けば欠点は無いだろう。
周囲からの視線を感じながらも接客をしているんだけれど、客が絶える気がしない、忙しすぎる……。
柚葉も余裕ができたら接客を手伝ってくれるって言って執事服を着てたのに、料理を作る手が足りなくて余裕なんてなさそうだし!
あ、執事服の柚葉は惚れそうになるくらいカッコよかったよ、あれは女子に人気が出るタイプ。
じゃなくてだね、普通に羞恥心とかの前に体が限界だが!?こちとら容姿端麗成績優秀な代わりに身体能力にデバフかけられてる*1んだよ!
「お帰りなさいませご主人様」
「美夢!その服も良く似合ってるぞ!是非とも写真を……」
おい兄貴!声がでかいよ!
「ご主人様?当店は撮影は禁止ですよ、美夢ちゃんの写真は後で送るので今は……」
「おぉ……すまないな……」
兄貴の事は結衣ちゃんが対応してくれるみたいで助かった、身内しかいないならともかく猫を被りまくってる今の状況で兄貴の相手するのはきつい。
結衣ちゃんが兄貴の相手をしていると、もう一人の知り合いがやってくる。
「お帰りなさいませご主人様」
「え、あ……美夢さん、凄く……その……可愛いです……」
祐希君、照れながら褒めるのは本気で言ってる感が出て、こっちも恥ずかしくなるので止めてくれないか。
「こちらにおかけください」
「えっとコーヒーをお願いします」
「それだけでよろしいですか?こちらのオムライスがオススメで、ケチャップでイラストと提供時におまじないを……」
「あ、いやコーヒーだけでも大丈夫……」
折角今日に向けて色々練習したのに、見ずに帰る気なのかよ、俺の事が好きなんだろ?見てけって。
「こちらのオムライスがオススメで~」
「そ、それもお願いします!」
「よしっ……!」
って何がよしなんだよ。
いや別に?好きとか言ってきた癖にこういうものに食いつかないのが癪だっただけで、嬉しかったりはしないよ?
オムライスと、コーヒーを持って祐希君の元へと向かう。
「お待たせいたしました、オムライスに描くイラストの希望はありますか?」
正直絵心は無いので簡単な物にしてほしい。
「猫とか?」
オムライスにケチャップでイラストを描く、これは猫……なのか?いや多分猫だろ。
「独創的で良いと思いますよ!」
「……」
「えっと、美味しくなるようにおまじないを……かけさせていただきますね……?」
「美味しくなぁれ!萌え萌えキュン!」
やっぱ恥ずかしいわこれ!無理無理無理!
「おぉ……」
おぉ……じゃないよ!何なのさ!
「どうぞお召し上がりください……」
「凄く美味しそうです……!いただきますね!」
美味しそうに食べてるな、まぁ柚葉が関わってるんだ、不味いわけがない。
さて、次の接客に向かう前に一言だけ伝えておこう。
「祐希君、明日なんですが……もしよろしければ一緒に他の所を見て回りませんか?」
「え!?良いんですか!?」
「声が大きいですよ!今日はここを抜けた後は柚葉と回る予定で埋まっているのですが、明日なら時間が取れると思うんです……もちろん無理にとは言いません」
「無理なんてことはないですよ、むしろこちらからお願いしたいくらいで……」
「よし!なら決まりですね!楽しみにしています」
その後は接客をこなしつつ途中で他の人と交代して柚葉と他のクラスの出し物を見て回った。
柚葉と居ると気を遣わなくて良いから楽なんだよね。
疲れたけど充実した一日だったな、明日は祐希君と回る約束をしている、それもとても楽しみだ。
水着回は、自分が男を好きになれるのかわからない、くらいから始まってますが。
今回は少し時間が経過して好きなのかもしれない……でも俺は元男だぞ?みたいな気持ちで素直に認められないくらいのつもりで書いてはいます。