時系列は明確には決めていませんがエピローグよりは前です!
最初だけ美夢視点、残りは祐希視点です。
今は金曜日の放課後、科学実験部室で祐希君に勉強を教えているところだ。
柚葉は結衣ちゃんと2人で出かけて行ったし、松戸君も奥で一人で何か実験をしているようなので祐希君と2人きりという事になる。
「祐希君は覚えが良いね、これなら俺が教えなくても良かったんじゃない?」
「いえ美夢さんに教えてもらった方が頭に入りやすいですから、それに彩縁よりも説明がわかりやすいですし」
「そう?まあ本人が必要だって言うならそれで良いけどさ、こうして教えている時間も嫌いじゃないし」
松戸君は典型的な自己完結している天才タイプだからなぁ、前世という下駄を履いた上で普通に勉強して成績を上げている俺の方が説明がわかりやすいというのも納得ではある、世事かもしれないけど。
とはいえ祐希君も俺は教える必要がないくらいには成績が良いと思うんだけどね、本気で勉強しなきゃいけないのは柚葉の方なんだけど……まぁ今いない柚葉の事は考えても意味がないか。
しばらく勉強をして、そろそろ帰ろうと思ったところで、窓を叩きつけるような激しい音が聞こえてくる。
「美夢さん!凄い雨が降ってますよ!」
「え?まじ……?傘持ってきてないよ……どうしよ」
「しばらく止みそうにないですね……ちょっと彩縁に何かないか聞いてきます」
しばらくすると奥の方から祐希君が帰ってくる。
「傘が1個だけ余ってたみたいです、美夢さんはこれを使ってください」
「祐希君はどうするつもりなの?」
「それは……なんとかします」
何とかするあてがあるのだろうか……流石に祐希君を傘も無しで帰す訳にはいかない。
打開策を思いついたので、傘を開いて大きさを確認する、よし、これならいけそうだ。
急に雨が降って傘も一つしかない、そんな状況で僕達は何をしているかというと……。
「ほら、濡れちゃうよ?もっと寄って?」
「は、はい……」
「流石に祐希君は大きすぎて入れないけどましろちゃんなら問題ないね」
横を見上げると近くに美夢さんの顔がある、それに何だか良い匂いもして……。
「ん?大丈夫……?」
「い、いえ!大丈夫です !」
「とりあえず俺の家に行こうか、祐希君の家よりは近いだろうからね」
「は、はい!」
美夢さんと密着して傘の中に……緊張する……男の僕は体格が良いから、ましろとして美夢さんより小さくなっている感覚は慣れなくて、でも凄くドキドキする。
「ああ、ごめん歩くの早かったかな」
「あ、いえ……」
ドキドキしていて遅くなっていただけなんだけど、美夢さんが僕に合わせて歩く速度を遅くしてくれる、この時間が長く続くならそれでも良いかな。
ドキドキしながらも歩いていると美夢さんの家へと辿り着いた、あれ?今思うと美夢さんの家に来るって初めて……?
「結構濡れちゃったね」
そう言いながら美夢さんがスマホを取り出しながら、奥へと歩いて行きタオルを持って戻ってきた。
「後1時間半くらいで雨が止むっぽいし、柚葉も居ないから雨が止むまでここに居なよ、それに女の子として家に帰るわけにもいかないでしょ?」
「え」
「はい、これタオル、俺はお風呂沸かしてくるからそこらへんで適当にしてて」
美夢さんから青いタオルを手渡される、これ普段から美夢さんが使っているタオルなのだろうか*1、そう考えると何だかとても特別な物に見えてくる気がして*2……ってそんな事考えてる場合じゃないなちゃんと拭かないと。
タオルで体を拭き、スマホを確認すると結衣から電話がかかって来ていたことに気付く、美夢さんはまだ戻ってきていないようなので、結衣に電話を掛けた。
『お兄ちゃん、雨大丈夫?』
「あ、何とかね」
『え!?ましろちゃんになってる!?』
今の状況を結衣に説明する。
『美夢ちゃんの家で2人きりなんだ、これは仲を深めるチャンスだよ!柚葉ちゃんはなるべくこっちで足止めしておくから!頑張って!』
「頑張ってって何を……」
『それは自分で考えなよ~、まぁ攻めたことをするなら女の子同士だし一緒にお風呂に入っても良いんじゃない?人によっては忌避感もあるかもしれないけど、美夢ちゃんは柚葉ちゃんとたまに入ってるみたいだから行けるんじゃないかな?』
「え!?そんなことできないよっ……!」
『美夢さんとお兄ちゃんの仲なら行けると思うけどなぁ、最近結構距離も近くなってきてるし、まぁ何をするのかは任せるけど折角のチャンス無駄にしちゃダメだよ!』
「そんなこと言われても……」
『あ、柚葉ちゃん帰ってきた!ごめん切るね?』
そのまま電話は切られてしまった、結局何をすれば?と考えていると美夢さんが戻ってきた、手には何かを持っているようだ。
「これ着替え、中学のジャージなんだけどましろちゃんの体格なら着れそうかなって、濡れた服のままなのは良くないでしょ?」
「えっと……」
「今は使ってない奴だから多少濡れたりしても気にしなくて良いよ、脱衣所使って良いから着替えてきちゃって」
そのまま脱衣所へと押し込まれた、美夢さんが着てた服……?
流石に下着はなくて安心したが、これを着るのか……?
「終わった~?」
「ああ!ちょっと待ってください!」
覚悟を決めて急いで着替えて外に出る、長らく着ていなかった物だからか良い匂いがするだなんてことはなかったけれど、美夢さんが着ていたものというだけで不思議な気持ちになる。
「大丈夫そうだね、温かい飲み物用意したからどうぞ、コーヒーで良かったよね?」
「あ、はい!」
その後もしばらく美夢さんと話していたけれど、緊張して何を話したかはあまり覚えていない。
「あ、お風呂沸いたみたいだね、お先にどうぞ」
「いやいや美夢さんが先で良いですよ!レディーファースト?ってやつです」
「今はましろちゃんも女の子でしょ遠慮しなくても良いのに、あ、もしかして女の子の体だと洗い方がわからないとか?教えてあげようか?」
「えっ……いや、わ、わかりました!先に入りますね!」
流石に一緒に入るのはまずいと思って、急いで服を脱ぎお風呂に入る、女の子の姿でお風呂に入るのは初めてだ、鏡に映る自分の姿を見るだけでも罪悪感が凄い。
この小さくて細い女の子が僕だなんて未だに信じられないな……美夢さんには負けるがとても可愛らしい。
あまり鏡を見ないようにしながら体を洗っていると外から声を掛けられる。
「大丈夫?ちゃんと洗えてる?シャンプーとかわかる?」
「だ、大丈夫です!」
「本当かな?心配だから俺も入っちゃおうかななんて」
「そ、それはやめてください!」
「冗談だよ、ゆっくり入ってね」
冗談でも入るとか言わないでほしい想像するだけで心臓に悪い。
その後は無心で体を洗い湯船に浸かった。
風呂から上がり体を乾かす、男に戻る時間が近いということでぶかぶかだけど男の制服に身を包んで美夢さんのところへと戻った。
「上がりました!」
「ふむ……」
美夢さんが僕の体をじっと見つめてくる。
「長くて大変だろうけど髪もちゃんと乾かしなよ?やってあげようか?」
「雑でも大丈夫ですよ!そろそろ男に戻るんですし……美夢さんは早くお風呂に入ってきてください!」
「……わかったよ」
なんでちょっと不満そうなんだろう、僕の事を揶揄って楽しんでいたんだろうか……。
美夢さんは不満げな表情のままお風呂へと向かった。
静かな空間に一人で居ると色々と考えてしまう、さっきまで僕が入っていたお風呂に美夢さんが入っている、それにさっき僕が使ったシャンプーなどは美夢さんが普段から使っている物で……そう思うとドキドキが止まらない。
僕が男に戻り、少し時間が経つとお風呂から美夢さんが出てきた。
少し湿った髪、離れてても届いてくる良い匂いに、可愛らしいルームウェア、とても魅力的で言葉を失ってしまった。
「髪をちゃんと乾かさないと……」
そういってドライヤーを手にした美夢さんの一挙手一投足から目が離せない。
「ん?そんなじっと見つめてどうしたの?」
「え、いや、えっと……その……」
「何か変かな?」
「いや!変なんてことはないです!その……とても魅力的に見えるというかなんというか」
「そ、そう……」
美夢さんの顔が真っ赤だったのはお風呂上がりだからなのだろうか、それとも……。
個人的な感覚ですが、美夢とましろの場合はましろが受けで、美夢と祐希の場合は美夢が受けなことが多いと思っています。
割とこの作品は性癖に従って書いた欲まみれのやつです!よろしくね!