3人の空気感が少しでも伝わればと…。
ちょっと主人公視点少なすぎて挟んだって部分もあります。
柚葉とのショッピングを終えた翌日の日曜日…俺は…。
「あ、兄貴……?本当にこれで…?」
「今のオレは兄貴ではない、ご主人様と呼んでくれ!」
「あたしのことはお嬢様でよろしく」
「ご主人様…お嬢様…」
「めっちゃ顔赤い、学校のロールプレイは平気そうなのにこれは恥ずかしいんだ。」
「いや、これは流石に恥ずかしいだろ!」
家でメイド服を着ていた。
きっかけは少し前に遡る。
朝食を食べ終えた時、兄貴が唐突に爆弾発言をした。
「美夢よ!先日何でもしてくれると言っていたな!」
「え、言ったけど…常識的な範囲で頼むよ?」
「美夢には今日1日メイドになって貰いたい!」
「メイドぉ…?」
「もちろん服の用意は済んでいる!さぁ柚葉ちゃん!美夢の着替えを頼んだぞ!」
「お任せあれ〜」
そして柚葉に連れられて服を剥ぎ取られメイド服を着せられた。
ミニスカメイド服にニーハイソックス、ガーターベルトまで...これ兄貴の性癖なんじゃないか?兄貴、俺のことをそういう目で見てないよね?
コスプレ感がないわけではないが、布の質も良く、胸元が過度に開いてるみたいなこともなかったので、下品には見えないようにできている。
俺はロングスカートのクラシカルなメイド服の方が好みなんだけどね…。
てか何でサイズぴったりで、この質のメイド服どうやって用意した?ずっと前から用意してたりなんかしないよな?
こうしてメイド服に着替えさせられ、兄貴の前に連れて行かれ今に至る。
このミニスカ仕様のメイド服、恥ずかしすぎる!クラシカルメイド服ならマシだったかもしれないのに!
でもこれも兄貴に恩返しする為だ、こうなったら、普段学校でロールプレイし続けてる俺の実力を見せてやる!
「それでご主人様、私に何をお望みなのでしょうか?」
「いざメイド服の美夢を目にすると可愛すぎて何も思いつかなくなるな!家事…それはいつも通りか?そうだ!メイドといえばオムライスが食べたいな!」
「承知いたしました」
それメイドというより萌え萌えキュン的なメイド喫茶の方じゃないですか?
「でもまだお昼を作るには早いんじゃない?紅茶でも淹れてよメイドさん」
揶揄うように柚葉が言ってくる。でもこっちの方がメイドっぽい要望だ。
「ですがこの家には茶葉もティーセットもありませんよ?」
「思ってたよりこだわり強いね、別にティーパックでも…」
「ティーセットと茶葉なら用意してあるぞ!我が妹よ!そこまでこだわり抜くとは素晴らしい!」
咄嗟に出た回答がオムライスの癖に、何でそんなもん用意してあるんだよ。
「それでは失礼いたします」
この場面で行うのが正しいかはわからないが、こういうのは正しさより雰囲気が大事だろう。
カーテシーと呼ばれる動きを行い、その場から離れ紅茶を淹れる。
紅茶を淹れた経験なんてない為スマホで調べながら淹れていく。
紅茶なんてあまり飲まないし、美味しくできたかはわからないけれど、何とか出来上がったので2人の前に向かう。
「お待たせいたしました」
2人の前にティーカップを置き、高いところから注いでいく、雰囲気だけは出ているはず。
「どうぞお召し上がりください」
2人が俺の用意した紅茶を飲む。
「とても美味しいぞ!美夢!流石我が妹だ!」
好評みたいだね?案外美味しくできたのかな。
「いや、雰囲気だけは凄い様になってるけど味は微妙じゃない?これ」
あれ微妙なの?
「美夢が愛情を込めて入れてくれたんだ、美味いに決まってるだろう!」
「
今日のお昼ご飯は俺がオムライスを作ることになった、普段の食事は柚葉と俺が7:3くらいの割合で用意している。
柚葉は料理が好きで料理スキルは俺より高い、とはいえ全て任せるのは悪いので俺も少しは料理しつつ、他の家事を多めに担当することでバランスを取っている。
柚葉ほどではないとはいえ、前世の自炊経験や今世では母親に教えられてきたのである程度の料理スキルなら俺も持っている。
せっかくメイドというロールプレイをしていて、リクエストまで受けたんだ!ここはパカっと開いてデミグラスソースをかけるタイプのこだわったオムライスを作ってみせようじゃないか!
2人の前に銀色の蓋をしたオムライスを配膳、蓋を開け卵を開きデミグラスソースをかける。
ふふふ、これは完璧なのでは!?
「どうぞお召し上がりください」
兄貴が露骨に残念そうな顔をしている、なんで?
「なんでデミグラスソースなんだ…!メイド服にオムライスといえばケチャップで字を書いて、『美味しくなーれ♡』ってする奴じゃないのか!?」
「え…」
「確かに朝日さんの要望には適してないかもね、朝日さんの言うメイドってそっちの方向性でしょ?」
「そんな…めっちゃ張り切って凝って、美味しくて雰囲気が出るものを作ったつもりなのに…」
考えてみれば兄貴の望むものがメイド喫茶の方向性なのはわかっていた、テンションが上がって張り切りすぎてしまった。
俺のやったことはただの空回りで、自分本位で、兄貴への恩返しが満足にできていなかったのではないか…そうショックを受けていると柚葉がオムライスに手をつける。
「み、美夢!めっちゃ美味しいよこれ、最高。ほら朝日さんも食べて食べて」
「最高だ!こんなに美味しい料理ができるなんて美夢は天才だな!演出にもこだわっていて完璧だ!」
2人は本当に美味しそうに食べてくれていて、その表情を見ていると心が温かくなる。
これが奉仕の心というものなのだろうか…。
でも喜んでるみたいだし張り切ってよかった!
その後も兄貴(時々柚葉)の要望に応えていった。
「膝枕をしてもらえないだろうか!」
「え……どうぞ…私の膝の上でお寛ぎください」
「このまま耳かきを!」
「……それでは始めますね、ご主人様痛くはありませんか?」
「チェキ撮ろうよ〜チェ〜キ!」
「お嬢様、それは完全にメイド喫茶の方では…」
「いいからいいから」
「晩御飯こそは、あのセリフを言ってくれないか!?」
「お、美味しくなぁれ…萌え…萌え…キュ…ン」
「美夢、お風呂で背中流して」
「おい待て、流石に騙されないぞ、それはメイド関係ないだろ」
だんだんエスカレートしていく要求に応えているうちにメイド服姿にも慣れ、今日という1日を乗り切ったのであった。
滅茶苦茶恥ずかしかったけど、普段とは違った趣旨のロールプレイも面白いかもしれないな。
清楚系を演じてるTS黒髪ロング美少女にミニスカメイド服を着せて恥ずかしがらせましょう!
自分、クラシカルメイドの方が好みなんですがそれだと美夢は多分恥ずかしがらないんですよね。