「リオ様、遂に出番です」
「そう……トキ、私の髪は乱れていないかしら?」
「問題ありません、リオ様」
「そう……なら、安心ね」
「はい。先生にもきっと良い印象を与えられるかと」
「っ!そ、そういう話ではないわ。ただ、皆の前に立つ以上、身だしなみを確認しただけだわ」
「……承知しました。そういう事にしておきます」
部屋の空気が、一瞬で張り詰める。
「そんな……! 何で、ユキノ先輩以外のC&Cも……!?」
ユウカは信じられないものを見るように、画面へ近付いた。
「イロハ。この画像の信憑性は?」
「ほぼ百パーセントです。確認しましたが、捏造された形跡は見当たりません」
イロハは淡々と答える。
「それに……制服、装備、体格、歩行データまで照合しています。誤認の可能性は極めて低いです」
「そんなはず……」
ユウカはその画像に映る現実を認めたくないようで、小さく首を振っている。
そんなユウカと同じように、ノノミも画面から目を離さない。
「C&Cが、ユキノ先輩と一緒に……?」
「ノノミ。一つ聞きたいのですが、C&Cは現在、何らかの任務に出ているんですか?」
ノノミに対して、イロハがC&Cの任務の有無を聞く。
「っ……セミナー側にそのような任務記録はありません」
「そう、ね……ノノミの言う通りだわ」
ユウカが唇を噛み、ポケットの中から素早くスマホを取り出す。
「……今すぐに確認します。ユキノ先輩はまだしも……他のC&Cのメンバーなら、任務中でも最低限の連絡は取れるはず……!」
ユウカは一人目へ通話の着信を送る。
『…………』
応答はない。
続けて二人目。
『…………』
やはり応答はない。
三人目も応答はなく、最後にユキノにも連絡をとるが、誰一人として通話に出る者はいなかった。
通話終了を告げる電子音だけが、静かな部室に虚しく響いた。
「そんな……」
ノノミが息を呑む。
ユウカは端末を見つめたまま固まっていた。
「全員……通信圏内にはいるはずなのに……」
そのユウカの声は震えていた。
「誰も、応答しない、んだね……」
私は思わず呟く。
そんなユウカ達の焦る様子を横目に、私はイロハが映した『C&C』の画像に近付く。
(……ユキノはいなさそうだけど……それでも、人数は三人映ってる)
画質も荒く、誰なのかまでは判別できないが、それでも原作知識と同じように、ユキノを含めるとC&Cは合計四人いる事になる。
イロハは大きく溜息を吐くと、静かにモニターへ視線を戻す。
「これが、私が『最後の問題』と言った理由です」
彼女は淡々と続ける。
「C&Cの他のメンバーも『廃墟』地区にいる……そして、ここまでC&Cとの通信が途絶えるのは異常です。通信妨害を受けているか、自ら通信を切っているか、そのどちらかでしょう」
イロハの推測に、部屋の空気がさらに重くなる。
「つまり……」
そんな絶望的な中、アズサが腕を組んだまま口を開く。
「ユキノ一人を追えば済む話ではなくなった、ということか?」
「そういうことになります」
イロハは画面に映る廃墟地区を指差した。
「現時点で判明しているだけでも、廃墟地区にはユキノ先輩、そしてC&Cがいます」
「うへぇ……」
ホシノも珍しく笑みを消していた。
「C&Cってミレニアムの中でも最強の戦闘集団なんでしょ〜。流石に、おじさん達が突っ込むには相手が豪華すぎるねぇ〜」
「っ……けれど、ホシノ先輩。サキさんを助ける為にも、私達が行かない選択肢はありません」
チナツが一歩前へ出る。
「サキさんが連れ去られている以上、一刻も早く助けに行かなければ……!」
「そうだねぇ〜……チナツちゃん」
ホシノはそう言うと、静かに画面のメイド服の生徒達を見据える。
「ですが、相手の戦力も分からないまま突入するのは危険ですよ」
──沈黙。
イロハの言葉は先程から正論であり、誰も反論できなかった。
私もチナツ達と同様に、焦る気持ちはある。
けれど、ここで焦って、敵の戦力も把握できずに危険に晒されれば、本末転倒だ。
──そんな時だった。
「……先生」
ユウカが静かに口を開く。
「この件は、私達だけで判断できる問題ではありません」
彼女はC&Cに繋がらないスマホを、握り締めながら続ける。
「セミナーの
ユウカは覚悟を決めた表情で、私達を見回す。
「セミナーの会長に?」
「はい」
ユウカは力強く頷いた。
ユウカの言葉に、私の脳裏には原作知識からセミナーの会長が思い浮かぶ。
それは──
ミレニアムのビッグシスターと呼ばれる彼女であれば、後方支援において右に出る者は少ない程に有能な生徒だ。
それに──私は画面のC&Cを見つめて、その
(もしかすると、C&Cの五人目の子を戦力として期待ができるかもしれない……原作だと、その枠は
この世界だと、トキは便利屋68に居ることは判明している。
けれど、C&Cの五人目──コールサインゼロフォーの生徒がいるはずだ。
その子の助けが借りられるのであれば、対C&C戦において心強い。
「……ユウカの言う通りですね。今回の件は、ユキノ先輩の単独行動ではなく、C&C全体に関わる可能性があります。正式な判断を仰ぐべきです」
ユウカの言葉に、ヴェリタスのイロハも異論はないようだった。
「そう、ですね。私も賛成です」
ノノミも頷き、ユウカとイロハに賛同する。
「では──先生、そしてアビドスの皆さん」
ユウカが私達へ向き直る。
「セミナーの生徒会室まで、来ていただけますか?」
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ヴェリタスの部室を後にし、私達は静まり返った校舎を歩く。
先ほどまで未来的だと感じていた廊下は、今ではどこか冷たく感じられた。
誰も口数は多くない。
皆、それぞれにC&Cのことを考えているのだろうか。
やがて、私達は広いミレニアムの校舎の中──最上階に辿り着く。
その最上階の一際大きな扉の前で、ユウカが足を止めた。
「こちらです」
重厚な扉には──【セミナー 生徒会室】と、そう刻まれていた。
ユウカは一度深呼吸すると、扉を軽くノックする。
「
私達は、ゆっくりと扉を開いて、その室内へ一歩踏み入れた瞬間だった。
「っ……」
──圧を感じた。
誰一人として言葉を発していないはずなのに、空気だけが張り詰めている。
まるで、この部屋そのものが、セミナーの会長という存在に支配されているようだった。
室内には必要最低限の照明だけが灯っていた。
静かな部屋の奥には、大量の書類が置かれた執務机がある。
その執務机にて、一人の少女が、静かに資料へ目を通していた。
(──っ。違う。リオじゃない。
確かにリオがセミナーの会長でない可能性もあるとは思っていた。
けれど、セミナーの会長なら、当然リオだと思っていた。
(こ、この世界では、多少の所属の違いはあるけど……それでも、セミナーの会長はリオで変わらないと勝手に思い込んでいた)
だからこそ、この生徒がセミナーの会長だとは思ってもいなかった。
その生徒は──、
──幼い体格に、ふわふわの
──漆黒の
──黒い
「……待っていたわ、ユウカ。それにノノミとイロハも」
不思議だった。
彼女は椅子に腰掛けているだけなのに、 誰よりも存在感がある。
確かにこの子であれば、会長を務められるカリスマと器はあるとは思う。
私はその生徒の紫色の瞳と目が合う。
「そして、やっぱり貴方だったのね……
その生徒の名前は──『
ゲヘナ学園の風紀委員長。
ゲヘナの問題児達を次々と鎮圧し、
そんな彼女が、今──セミナーの会長として、私の前にいる。
私の知るヒナとは、あまりにも立場が違う。
ゲヘナではなく、ミレニアム。
風紀委員長ではなく、セミナーの会長。
それでも──。
目の前の少女から感じる圧倒的な存在感が、私に『
そんなヒナに対して、私は一つ深呼吸をすると、前に一歩踏み出して、ゆっくりと口を開く。
「初めましてだね。私は連邦捜査部『シャーレ』の先生だよ。これから、よろしくね」
「っ……そうね。私は
ヒナは静かに私の名を呼ぶ。
その声は決して大きくない。
それなのに、不思議と部屋中へよく通る。
「まずは全員、座ってちょうだい」
ヒナに促されるまま、私達は応接用のソファへ腰を下ろした。
ヒナは書類を静かに閉じると、立ち上がる。
コツ、コツ、と規則正しい足音だけが、生徒会室に響いた。
そして私たちの前まで来ると、一人ひとりの顔を見渡す。
──ホシノ。
──アズサ。
──チナツ。
──ノア。
──ユウカ。
──ノノミ。
──イロハ。
そして最後に、私へ視線を止めた。
「まずは、C&Cのユキノについてはユウカから聞いている。アビドスの対策委員会には申し訳なく思うわ……ごめんなさい」
そう言って、ヒナは対策委員会のメンバーに頭を下げる。
「っ……まあまあ〜、頭を上げてよ、
「ありがとう……貴方は、
「んへぇ? おじさんの事を知っているんだ?」
ヒナがホシノをじっと見つめて、小さく頷く。
「……貴方は私の事を
「あぁ〜、ごめんねぇ。確かにおじさんは、対策委員会の委員長だけど……各学園のトップと話す事はなくてねぇ。初対面だよね、会長ちゃん?」
「そうね……
ヒナはそれだけ言い放つと、少しだけ目を瞑り、私達の前のソファに腰掛ける。
「ユウカ……改めて報告して」
ヒナの言葉に、ユウカは姿勢を正す。
「はい。先ほどヴェリタスのイロハが解析した監視カメラの映像から、ユキノ先輩の足取りを追跡しました」
そう言って、ユウカは携帯端末をヒナへ差し出す。
「結果、ミレニアム近郊の廃墟地区まで移動したことを確認しています」
ヒナは無言で画面を見る。
その表情は、ほとんど変わらない。
「さらに……廃墟地区では、C&Cと思われる三名の姿を確認しました」
部屋が静まり返る。
「私は直ちにC&C全員へ通信を試みましたが……」
ユウカは悔しそうに拳を握る。
「ユキノ先輩を含め、誰一人として応答しませんでした」
「……そう」
ヒナは短く答える。
その声色に、驚きも焦りもない。
まるで、最悪の事態すら冷静に受け止めているかのようだった。
数秒の沈黙の後、ヒナは静かに口を開く。
「状況は理解したわ」
ヒナは静かにそう告げる。
その声には、動揺も焦りもない。
ただ──目の前で起きている問題を、一つずつ整理しているような冷静さだけがあった。
「まず確認するわ」
ヒナは端末を操作し、廃墟地区の拡大された地図を表示する。
「C&Cの通信途絶から考えられる可能性は三つ」
「三つ、ですか……?」
ノアがヒナに対して聞き返す。
「えぇ。一つ目は、外部からの通信妨害」
ヒナは指を一本立てる。
「二つ目は、C&C自身が何らかの理由で通信を遮断している」
そして、少しだけ間を置く。
「三つ目は──」
ヒナの紫色の瞳が、画面に映る廃墟地区へ向けられる。
「通信できない状態に陥っている」
「っ……」
その言葉に、部屋の空気が重くなる。
「つまり……C&Cの皆が戦闘不能になっている可能性も……」
ユウカが小さく呟く。
「可能性としては否定できないわ」
ヒナは淡々と答える。
しかし、画面を触るその指先が僅かに震える。
ほんの一瞬──それは、誰も気付かないほど小さな変化。
けれど、私は気付いてしまった。
(っ……ヒナも、不安なんだ)
当たり前だと思う。
C&Cはミレニアム最強の武力集団であるのだから、その彼女たちが戦闘不能になっているのだとしたら、それは敵の戦力がC&C以上に強い事になる。
それに──きっと、ヒナにとって、C&Cはただの戦力ではない。
長い間を共に過ごしてきた、同じミレニアムを支える仲間なのだろう。
「
「っ……! ヒナ先輩が、出られるんですね」
イロハが目を見開いて、驚きの表情を見せる。
「ご協力いただき、ありがとうございます。それでは、直ぐにでも、戦闘準備を整えて、救出作戦を始めないと……時間がありません」
チナツが拳を強く握りながら、ヒナを真っ直ぐに見つめる。
「サキさんが、まだ無事だという保証がないのですから……!」
「そうね。分かっているわ」
ヒナはチナツの言葉を遮らない。
ヒナはただ真っ直ぐにチナツの目を見て、静かに言葉を続ける。
「だからこそ……焦ってはいけない」
「……っ」
その言葉に、チナツは少しだけ目を伏せる。
「助けたいという気持ちは理解しているわ。私も同じだから」
ヒナは画面に映る廃墟地区を見る。
「でも、相手はC&Cを止められるだけの何かを持っている可能性もある。もしくは、C&C自体が敵の可能性もある」
部屋が静まり返る。
誰も反論できなかった。
ヒナの言葉は冷たいように聞こえる。
けれど、それは違う。
彼女は諦めているのではない。
一人でも多く救うために、最悪の状況を想定しているのだ。
「救出作戦で一番避けるべきなのは……助けに行った側まで倒れること」
ヒナは全員を見る。
「だから、準備をするわ」
「準備、ですか……?」
ユウカが聞き返す。
「えぇ」
ヒナは頷く。
「廃墟地区の監視と封鎖。敵戦力の推測。撤退経路の確保。そして──」
一瞬だけ、ヒナの視線が私へ向く。
「先生の安全確保」
「え? 私?」
突然名前を呼ばれ、私は戸惑う。
「当然よ。先生はきっと危険だとしても……私達と一緒に来るのでしょ?」
「それは勿論だよ。生徒の皆が戦っているのに、私だけ安全な所にいる訳にはいかないからね」
「そうね……貴方はそういう人だから」
ヒナは優しく微笑みながらそう言うと、画面を切り替える。
そこには複数の作戦ルートが表示されていた。
「まず、こんな夜遅くに、申し訳ないのだけれど、ヴェリタスのイロハは廃墟地区の監視をお願い」
「そう頭を貴方に下げられたら、断れませんよ……分かりました。任せてください」
イロハは気怠げに溜息を吐きながらも、口角を上げて答える。
「次に、セミナーは廃墟地区周辺の封鎖準備をお願い」
「「了解です」」
ユウカとノノミが迷わずに返事をする。
「最後に……対策委員会は、先生と共に待機して」
「……待機? それはどういうことだ?」
アズサが納得いかない表情をして、ヒナに対して問いかける。
「うへぇ〜。おじさん達、助けに行かなくていいの? もしかして、身内だけで終わらせようとしているのなら、それは、いただけないかなぁ?」
「違うわ」
ヒナはホシノ達を見ながら、即座に否定する。
「むしろ……対策委員会には、戦力として期待せざるを得ないわ……今回の作戦で表に立って戦うのは、私と貴方達になる可能性が高い」
「……へぇ〜、随分、私達を買ってくれているんだねぇ?」
ホシノの表情が少し変わった。
「当然よ。だからこそ、貴方達には、無駄に消耗してほしくない」
「なるほどねぇ」
ホシノは目を細める。
「会長ちゃん、結構優しいんだねぇ〜」
「……そういうつもりはないわ」
「そういうところだよ〜! ミレニアムは良い会長ちゃんを持ったねぇ〜?」
「ふふっ、勿論ですよ。ヒナ会長は優しい人ですから〜!」
ホシノの言葉に、ノノミが嬉しそうに答える。
「……?」
そんな会話に、ヒナは不思議そうに首を傾げる。
その様子を見て、私は思わず少し笑ってしまった。
原作で知っていたヒナとは立場が全然違う。
だけど──やっぱり、この子はヒナなんだと思った。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■
──ミレニアム近郊の『廃墟』地区。
そこは人の管理の手を離れ、崩れかけたビル群と自律型戦闘ロボットだけが徘徊する廃墟が広がる。
そんな『廃墟』地区にある、ジメジメとしたビルの一室。
「……っ」
その薄暗い部屋の中で、ゆっくりとサキは意識を取り戻した。
(っ……こ、此処はどこだ? というか、何だこの状況!?)
サキは反射的に身体を動かそうとする。
「んっ……んんっ!」
しかし、両腕は椅子の背に固く拘束され、胴体から足首まで何重にもロープで縛られていた。
口元にはガムテープが貼り付けられ、思うように声を出すこともできない。
(落ち着け……まずは状況を確認しろ)
サキは深く息を整え、ゆっくりと周囲へ視線を巡らせる。
(私は、誘拐、されたんだよな? ……だとすると、此処は監禁部屋、か?)
サキは眉をひそめる。
あの時──アビドスの路地裏で、狐耳の女に襲われて負けた時の事が脳裏に蘇り、その悔しさに胸を締め付ける。
もし自分が捕まったことでアビドスの皆や先生まで危険に巻き込まれていたら。
(っ……セリカはどうなった? 先生は? 皆まで巻き込まれていたら……!)
そう思うだけで、こんな所で捕まっている場合じゃないと思考を回す。
──そんな時だった。
「ッ……!」
廊下の向こうから、小さく足音が聞こえた。
コツ。
コツ。
コツ。
その足音は、規則正しく近付いてくる。
(……まさか)
サキは咄嗟に身構えた。
やがて、扉の前で足音が止まり、『ギィ』という音ともに、一人の少女が静かに部屋へ入ってくる。
(っ──! こいつは!!)
「んッ!!! んんんッ!!!」
サキは喋れない代わりに、必死に動いて部屋に入ってきた女──
「……」
そんなサキに対して、ユキノは何も言わない。
ただ、無表情のままサキを見つめている。
その瞳には、サキの知る優しさも、厳しさもなかった。
あるのは──何かを決意し切った者だけが宿す、冷たい
ユキノはゆっくりと、拘束されたサキの背後へと歩いていく。
「……空井隊員、君は何を失ったのかを覚えているか?」
(……何を言っているんだ、この女は?)
突然、背後で喋り出したと思えば、その言葉の意味をサキは理解する事ができない。
「君にはまだ、この
「んんっ! んんッん!!」
ユキノはサキの反応にも意を介さない。
「……
そうして、ユキノはサキの背後にある
「……今から一つの
すると、サキの背後で機械音が鳴り響き、正面にある壁に映像が投影される。
(な、何を言ってるんだ……こいつ? 尋問ではなく、映像だと……? そ、そんなの観るわけな──)
だが、サキはその投影された映像が再生されると、その映像に釘付けになる。
何故なら、その映像は──、
映像の中では、SRT特殊学園での訓練風景が映し出されていた。
──広大な演習場。
──並べられた数々の銃。
──整然と並ぶ射撃標的。
そして──、
『空井隊員……射撃姿勢が甘い』
『は、はい!』
画面の中のサキが、慌てて銃を構え直す。
その隣では、次の番である
「何ィ! ルールは? コデックスは? 空崎ヒナ、だと? チ、チートだ! ハードモードへ移行したと言うのに、こんなのが許されてたまるか……! チートだ、チート。チートだァァァァァッ!!」