宴もたけなわって話です。
……ゴジラマイナスゼロ見てきました。
ギドラもだけど、ゴジラもやべぇと思いました(小並)
『なら良し。すり潰せ』
「御意」
ディアブロは歓喜に打ち震えつつ、邪悪に嗤う。
『思念伝達』を介し、主たるレイタロウの言葉を得て、全ての実力行使が可能となったからだ。
本音としてはさっさと愚か者共を駆除したいのだが、その前に一つやるべきことが残っている。
「……さて、皆さんご無事ですか?」
気分良く報道陣に問いかけるディアブロ。
それに答えたのは、
「あ、あぁ、無事だよ。……アンタが張ってくれた結界のおかげで、報道陣の連中は怪我一つない」
七曜の一人が放った火球はディアブロの張った結界によって阻まれ、報道陣に犠牲者はいない。
その結界に身を寄せていたエドワルド王やその護衛の騎士達も、誰一人として怪我を負ってはいなかった。
だがしかし、報道陣の間に動揺と混乱が広がる。
「い、今の、私達が狙われたんだよな……?」
「馬鹿な!三武仙のサーレ殿が〝七曜の老師〟と呼んでいたんだぞ!?」
「そうだよ、偉大なる英雄達が一般人を害するワケがないだろ」
「……しかし、明らかにこちらに向けて魔法を放っていたじゃないか」
「で、では、本当に証拠隠滅のために、我々はここで七曜に殺されるのか……?」
「そんな!!」
「(まずい、パニックが起きたら結界の外へ逃げ出す者もいるだろう。そうなっては必ず犠牲者が出てしまう)」
「安心するがいい。私がお前達を守ってやろう」
パニック寸前だった記者達の目には、ディアブロの笑みが御仏の如く慈悲に満ちているように見えた。
同時に、過去の英雄達が牙を剥いて自分達に襲いかかってきている以上、差し伸べられた手がたとえ悪魔の手であろうと縋るほか無かったとも言える。
「あ、悪魔への願いには対価が必要なんだろう?」
「お、俺達は何をすれば……」
当然、ディアブロが何を見返りとして求めるのか、それを気にする者もいる。
悪魔はタダでは動かない。
必ず何らかの見返りを求めるものなのだ。
そしてそれは、ディアブロも同じ。
唯一絶対の主であるレイタロウ以外の者に対しては、理由なしには動かないのである。
「クフフフ……理解が早くて助かります。私が求めるものはひとつ、大司教殺しの真実を周知させることです。貴方達の得意なやり方で」
記者達はそれを聞き、安堵すると同時に納得もした。
極悪な悪魔と聞かされていたが、真実は異なるのだと。
神聖法皇国ルベリオスの大幹部であるサーレまでも巻き添えになっていることから、これは最高幹部である〝七曜〟が裏で動いた策略なのだと気付かされたのだ。
ならば自分達もまた利用されただけであり、ディアブロの要求を拒否する理由などない。
「も、勿論だとも!真実を大いに報道させてもらう!」
「アンタが私達を守ってくれたことも記事にしよう!」
「だから頼む、俺達を助けてくれ!」
百名近い報道陣。
その全員が、ディアブロの支持を約束する。
……そしてそれは、彼の
裏切ることすら頭から抜け落ちる。
これにて契約は完了したのだ。
「クフフフ……いいでしょう。皆様をお助けすると、この私が約束します。ただしお前は駄目だ。エドワルド王」
「……え?」
そう言ってディアブロが睨みつけたのは、自分も助かったと思い込んでいたエドワルド王であった。
「な、何故!?余が何をしたと……ッ」
「何故?……何故だと?貴様は偉大なるレイタロウ様を愚弄した。貴様など助ける価値がないと知れ」
吐き捨てるようにそう告げるディアブロ。
エドワルド王は、回らぬ頭で必死で考える。
しかし、何も良い考えなど浮かばない。
ただ一つ確かなのは、このままでは自分が確実に死ぬということだけ。
「お願いします!何とぞ、どうか何とぞ!余も、いや私もお救いください!全て差し上げます!……金も地位も、王、王位も譲ります!!」
「……王位、ですか」
それを聞いて、しばし熟考するディアブロ。
「そういえば英雄ヨウムが先王エドマリスを匿っていましたね。彼こそファルムスを導くに相応しい男だと思うのですが、貴方はどう考えますか?」
少しだけ口調を優しくして、エドワルド王に問いかける。
エドワルド王は人生で最大限に頭の回転を速くして、そして理解した。
「わ、私もそう考えます!彼は見どころがある!」
エドワルドの出した答えは、ディアブロを非常に満足させるものだった。
「君達!私はヨウム殿を後継者として公に発表したい!!これも記事にしてくれるかね!?」
「は、はは、新たな英雄王の誕生ですね」
「これは大々的に報道しないと……」
記者達もまた空気を読み、ディアブロの意図を正しく理解してそう述べた。
ディアブロは嬉しそうに頷く。
これでお膳立ては完璧なものとなり、結果は満足いくものとなりそうである。
「……あとは、ゴミの始末ですね」
そう言って、
自分達の術式への自信からか、余裕ぶった態度で成り行きを見守っていた七曜達。
「ふん、貴様が悠長に根回ししている間に準備は整った」
「
「この魔法より逃れる術はない!」
「
「〝
……そんな彼らに、絶望の時が訪れる。
「?……??……!?」
「なんじゃ、何が起こった!?何処だここは!?」
「我らの組み上げた術式が消えておる!」
「馬鹿な!!奴は、
「滅びゆく世界の中で何も出来ぬ絶望を知れ」
「貴様、一体何をした!?」
「滅びゆく世界だと?どういう意味だ!?」
「お前達は私の
「……!?」
「自分達の愚かさを深淵の底で悔やむがいい」
「ま、待て、こんなことが……ッ」
「おい……!」
「おい、お こんなこ かり通ってなるも か! こん …!何も ず
『誘惑世界』の崩壊は、その内に取り込んだ者をも巻き込んで進行する。
七曜達の絶望も呑み込んで、世界は終わりを告げたのだ。
崩壊した世界をホコリのごとくパッパと払い除けたディアブロは、主より与えられた仕事の全てが完了したことを確認する。
「……さて、レイタロウ様にご報告申し上げなければ」
「き、貴様ぁ、本当に我らとの全面戦争になるのだぞ!?それで良いというのかぁ!!?」
やぁ皆、元気にしてるか〜い?
俺はレイタロウ・スターモンズ。
ジュラ・スターモンズ連邦国の国王にして、
現在、喚き散らす七曜の老害達を見据えながら不敵な笑みを浮かべている真っ最中なのだ。
「フッ、よく言うものだ。……伝言を書き換え、和解の芽を摘んでおきながら」
「ッ……」
「大司教殺しの真犯人は君達だと今さっき連絡が入った。残念ながら我が執事に濡れ衣を着せるのは失敗だ。全てお見通しなのだよ」
このまま放置したりはしない。
殺るならば、徹底的にだ。
「俺に喧嘩を売ったのだから、当然覚悟は出来ているんだろう?……老害共」
「フッ、ハッハハハ!!そこまでバレているとは思わなんだ!!」
七曜達に動揺はなく、それどころか高らかに、かつ醜悪に笑い始める。
「しかし〝聖人〟は既に身動きが取れずにおる!魔王レイタロウよ、貴様もヒナタとの戦いで力を使い果たしておるのだろう?」
「この好機、利用せぬ手は無いわ!!」
「よく回る口だな。
ホントにそうだよね、よく言ったよベニマル。
自分達に勝機があると、本気で思っているのかしら?
「心配ご無用、聞かれて困ることなどないのだよ」
「「「「 なっ、これは……!!? 」」」」
「元より皆殺しにするつもりだったのでな!!」
その場から宙に浮かび上がった三人を中心に、大規模な魔法陣が構築されていく。
これは最初から準備しておかなければ発動できない類の、人智を越えた危険な代物のようである。
範囲内には俺達は当然として、三獣士の二人や聖騎士達も含まれている。
完全に皆殺しにして、証拠隠滅を図るつもりらしいね。
「
「あぁいいよいいよベニマル。何もしなくて」
「え、いいんですか?」
「直接手を下すまでもない。連中は全員
「あぁ……なるほど」
色々察してくれたベニマルが、その手を下ろす。
リムルさんやソウエイも察してくれたようで、あくまで不動を貫いている。
「クハッハッハ!そうじゃそうじゃ!抵抗など無意味!魔物にこの魔法陣を破壊することは不可能!大人しく消え去るがよい!!」
「「「 ………………はっ? 」」」
宙に浮いていた老害共が、ハエ叩きではたき落とされたハエのごとく地面に落ち、激突する。
その際、カエルを潰したような滑稽な悲鳴も上がった。
落下した時に当たりどころが悪かったのか、脚を抱えながら痛みに悶える七曜までいる。
「ッ〜〜〜、ど、どういうことじゃ!?なぜ魔法陣が消えておるんじゃ!?」
「クソッ、魔法が使えん!どういうことなんじゃ!!?」
「あ、脚が折れてしもうた!誰ぞ手を貸してくれ!回復魔法をかけてくれぇぇ!!」
聞くに耐えない惨めな大合唱が響き渡る。
聖騎士達にも言えることだけど、君達が勝負の舞台に立てているのはひとえに俺の温情があってこそなんだよ?
人んちの領土で好き勝手暴れておいて、タダで帰れると思ったら大違いなんだからね!?
「……我が国が誇る護国結界を起動させた。君達の現状はその結界の作用によるものだ」
「「「 ッ!!? 」」」
「君達は調子に乗りすぎたのさ。大人しく若手に全てを委ねて隠居していれば良かったものを。散々周囲の足を引っ張った挙げ句、今となっては祖国の
一歩、七曜達に近付く。
歩み寄るためではなく、トドメを刺すために。
「わ、我らに手を出せば、神ルミナスの信徒が黙ってはおらぬぞ!?」
「その通りだ!我ら人類の守護者を貴様らのような魔物が害するのは間違っておる!」
「神ルミナスの怒りを買いたくなくば、我らを無事にこの場から逃がさねばならんのじゃ!」
はいはい、分かった分かった。
下手くそな命乞いの言葉どうもセンキューね。
……どっちにしても、君達に明日は無いけどね。
「魔王レイタロウよ、迷惑をかけたようじゃな」
その時響き渡ったのは、凛として涼やかな声だった。
空間を割いて、巨大な門が出現する。
それが開かれて、中から美しい少女が姿を現した。
七曜の老師にとっての
毎日更新し続けたら、はや百話を超えていた件について。
皆さんは内政パートがお好きですか?
それとも怪獣が暴れ回る様を見るのが好きですか?