転移したらスライムと一緒だった件:REY   作:びよんど

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皆一様にヤバくなったって話です。


かんぱーい

 

 

《告。体内の魔素残量が一定値を割り込みました。低位活動状態(スリープモード)へと移行します。尚、完全回復の予想時刻は、三日後です 》

 

 

『大賢者』のアナウンスを聞いて最初に思ったこと。

……なんでやねん。

 

ゴブリン達や牙狼達に適当に名前を付けてあげてただけなのに、突然ゴッソリと魔素が抜き取られたのだ。

 

次いで、猛烈な虚脱感。

 

この体に生まれ変わってから、感じたこともない疲労感。

 

『魔力感知』を維持させることもままならず、レイタロウさんの後ろ姿を最後に、俺は、外界から切り離されてしまったのだ。

 

 

 

 

 

けど意識はある。

 

当然だ、俺に睡眠は必要ないのだから。

 

『大賢者』の声も聞こえている。

 

ゆっくりと、理解が俺の心に到達した。

 

魔素の使いすぎ、だと?

……MPを使い切ったみたいなものか。

 

しかし、一体何をしたから魔素を消費したんだろう?

……今までの使用(ツケ)が一気にきたとか?

 

というか、そういう感じでもなかったのだが。

 

体を動かそうとしても動かせない。

 

低位活動状態とは、冬眠みたいな感じになるようだ。

 

寝てるワケではないのだが……。

 

この感触は……レイタロウさんだな。

 

割と大慌てで、俺の体を介抱している気がする。

 

最も、出来ることなどなく、焚き火の傍に設けられた上座に座らされているだけだが……。

 

意識はあるものの、出来ることはない。

 

 

《告。個体名レイタロウより、魔素の供給が開始されました。完全回復の予想時刻を再計算いたします》

 

 

俺は、今の現象について考察する。

 

名前を付けていたら、魔素切れを起こした?

 

……名前付けるのに、魔素を消費したとか?

 

そういえば……牙狼(リーダー)に名前を付けた瞬間に、大きく魔素が抜け落ちたような……?

 

仮定だが、魔物に名前を付けるのには、魔素を消費するのではないだろうか?

 

あークソッ、マジかぁ……。

 

ちょっと待てよ。

……もしかして魔物には常識だった、とか?

 

言えよ!?と思わなくもなかったが、聞き流していたのは自分の責任だ。

 

ここで文句を言ったら八つ当たりにしかならない。

 

ただまぁ、体が自由に動いたら文句を言っていただろう。

 

八つ当たり?……そんなの知らん。

 

……でも、そうだな。

もし目覚めたら、レイタロウさんに魔素の扱い方について軽く御教授を賜るのも有りかもしれないな。

 

あの人、そういうの得意そうだし。

 

ま、それはそうと目覚めるのが先決だな。

 

あーホント、しくったよ……。

 

 

《告。完全回復の予想時刻が大幅に繰り上げられました。三秒後に再起動いたします》

 

 

えっマジで?

 

 

 

 

 

完☆全☆回☆復

 

 

魔素の枯渇を起こしたのだが、倒れる前よりも魔力と魔素の総量が上がった気がする。

 

魔力とは、操作する力。

 

魔素とは、使用するエネルギー量。

 

そういう認識で大体合ってると思う。

 

死にかけると強くなる!……みたいな感じなのだろうか?

 

一瞬、試して見るか?と思ったが止めておこう。

 

そこまでする必要を感じないし、死にかけるつもりで死んでしまったら洒落にならん。

 

何しろ、俺はすぐに一線を越えてしまう男なのだ。

 

油断したら負け!である。

 

さて、俺が起き出したことに気付き、遠巻きに見つめていたゴブリン達が一斉に集まって来た。

 

勿論、そこには牙狼達もいる。

 

それはいいのだ。

……だが、これは一体?

 

 

「お前ら……なんか凄いことになってない?」

 

 

そう、体長150cm程度だったゴブリン。

……なのに、今は180cmはありそうだ。

 

俺の目の前に控えたヤツなど、二メートルは超えていそうである。

 

いや、身長が伸びてる程度だったらまだ良かった。

 

え、ゴブリン……だよね?

 

なんか妙に既視感(デジャブ)を感じる。

……これは多分あれだ、ウルト○シリーズに登場するタイプの怪獣の意匠がチラホラ見えるからだな。

 

その最たる例がリグルドの息子リグルだろう。

 

細マッチョな若者なのはいいとして、側頭部から三日月型の巨大な双角を生やし、鼻の先っちょからも一本角が生え、胴体前面には松かさ状の鱗がビッシリと生え、極めつけは大阪城をぶっ壊してそうな長大で強靭な尻尾も生えている。

 

これだけヒントを出して分からない人はいないだろうから敢えてここでは言うまいよ。

 

雄ゴブリンは言わずもがな。

 

雌ゴブリンは、怪獣らしい荒々しさを残しつつも、可愛らしい女の子としての特徴もまた全面に押し出された素ン晴らしい造形となっている。

 

画面の向こう側にいるお前達に見せてやれないのが残念でならない。ムホホホホ……(笑)

 

 

 

 

 

牙狼達も、焦げ茶色だった体毛が漆黒に変色しており、艶やかな艶と光沢を放っている。

 

更に驚きなのが、体長が二十メートル近くに成長していたことだ。

 

確か二メートル程度しかなかったハズ……(汗)

 

これもう、ちょっとした象だよ。

 

そして、先頭に音もなく歩いてきた個体は、異様な妖気(オーラ)と風格を漂わせ、その体長は三十メートルに届きそうなほどだ。ちょっと怖い。

 

その上―――

 

 

「我が主よ!御快復、心よりお慶び仕ります!!!」

 

 

……などと、流暢な人語で語りかけてきた。

 

まさかこいつ、ランガなのか!?

 

この数分の間に、一体何が……?

 

俺の戸惑いを他所に、魔物達は喜びの雄たけびを上げ始めていた。

 

……少し遠くで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を目撃してしまったが、たぶん気の所為だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ゴブタ

 

「何ッスか。レイタロウ様?」

 

「……いや、何でもない」

 

「?」

 

 

そこは〝なんだい?〟でしょうが。

 

そんな背中からビッシリ棘を生やしてさぁ、どこぞのア○ギラスを連想させるじゃないの。

 

……いや、そもそもここ異世界だし。

 

ゴブタじゃ知りようもないよなぁ。このやりとり。

 

第一どこに偵察に行かせるの?って話なワケよぉ。

 

 

「それにしても皆、随分と成長、いや進化したもんだ」

 

「ほぼほぼ面影なくなったッスよね〜」

 

「言うて君はそれほど変わってないよねぇ」

 

「またまた〜」

 

 

進化する前のゴブタに、棘と尻尾を雑に付け足したのが現在のゴブタとなる。そのくらい変わってない。

 

そもそもの話、ほかの皆が劇的に変わりすぎなんだよな。

 

リムルさんが名を与え、連帯責任の如く俺の『気』も吸い取っていったゴブリン達は、驚くほどに見た目が変化してしまったのだ。

 

なるべく簡潔に纏めると、ゴブリン特有の緑肌はそのままに、雄は男らしいムキムキマッチョのイケメン寄りに、雌は女らしいボンキュッボンな美女寄りになり、そこに付け足すようにウルト○怪獣の要素が散りばめられるといった体を成している。

 

リグルドはコ○グみたいだし。

 

その息子のリグルはゴモ○っぽいし。

 

ゴブタはどういうワケかアンギ○スだし。

 

ゴブゾウはレッ○キングなんだろうなぁと思ってたし。

 

ハルナはまさかまさかのピグモ○だし。

 

ウルト○怪獣擬人化計画じゃあるまいし……こんなバリエーション豊かなゴブリン群を異世界で見ることになるとは思いもしなかったわ。

 

 

「レイタロウ様。リムル様。宴の準備が整いました」

 

「ん?……あぁ。ありがとうリグルド」

 

「名を呼んでくださるとは、ありがたき幸せ!」

 

「うっひょ〜!久しぶりの宴ッスよ〜!」

 

「ゴブタ!お前のための宴ではないのだぞ!?」

 

「まあまあリグルド。宴って聞いたら誰でもはしゃぐもんだろ?無礼講だ無礼講」

 

「……ブレイコウ?とは何でしょうかリムル様?」

 

「身分の差に関係なく、皆で楽しく飲んで騒いではしゃごうぜってことさ」

 

「なるほど!素晴らしき教えですな!」

 

 

リムルさんの言葉に得心したリグルドを横目に見やる。

 

教えじゃなくて、そういう楽しみ方なんだけど……まっ、それをここで指摘するのも野暮ってもんだ。

 

そうしてあらかじめ集められたゴブリン改めホブゴブリン&ゴブリナと牙狼族改め嵐牙狼族(テンペストウルフ)の面々を前にした俺達は、水を入れたヒビ割れコップを掲げて〝乾杯〟を行う。

 

いつの間にか木の実や焼いた肉なども並べられており、準備は万端と言った感じだ。

 

 

「えーと、それでは、皆の進化と、戦の終わり、ついでに俺の回復を祝って、かんぱ―――

 

「「「「 ……… 」」」」ジィィィィ…

 

「見つめてないでしろよ乾杯!恥ずかしいわ(/////////)」

 

 

……もしかして乾杯の意味も知らないとか?

 

 

「リ、リムル様。かんぱいとは一体……?」

 

「え?……あぁなんだ、知らなかったのか。じゃあ俺が手本を見せてやるよ。まずこうやってコップを掲げて、次にコップ同士を軽くぶつけて……」

 

「つまりはこうだ。……かんぱーい!

 

「「「「 かんぱーい! 」」」」

 

「あっ、ちょ……」

 

 

まぁよくよく考えれば、元いた世界の社会常識が通用するとは限らないしな。

……そもそも人間じゃないゴブリンだし。

 

羞恥心はなさそうで、肉も生肉か焼いただけ。

 

極めつけは家もボロボロと、軽く見渡しただけでも課題は山積みであった。

 

ここで生活する以上は、最低でも衣食住は確保しておきたいし、俺も自分の力を出し惜しみなんてしてられん。

 

……フッ、いいさ、見せてやるとも。

 

宇宙船をぶっ壊した時、完全にモノにした俺の力。

 

〝創造〟の力をな……!

 

 

「レイタロウ様かんぱーい!」

 

「オイラもかんぱーいしてくださいッス!」

 

「ズルーい!私もかんぱーいしたいのにー!」

 

「次はオレにかんぱーいしてください!」

 

 

……それはそうと、今はゴブリン達の乾杯合戦を収拾せねばなるまいよ。

 

はーやれやれ、お偉いさんも楽じゃないねぇ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《告。個体名リムル=テンペストと個体名レイタロウの庇護下に収まったホブゴブリンとゴブリナ、嵐牙狼族に、ユニークスキル『巨神之従僕(オオイナルシモベ)』が発現しました。

 

 ユニークスキル『巨神之従僕(オオイナルシモベ)』の効果……

 

 従僕の証:リムル=テンペスト、あるいはレイタロウの従僕となった個体は、その個体が有する経験や記憶、技術、スキルなどと言った()()を主を含めたほかの従僕と共有する義務が生じる。

 

 大いなる一:リムル=テンペスト、レイタロウを頂点とする精神接続回廊。従僕が蓄積した文字通り()()を、主やほかの従僕にも共有・習得させることが出来る。

 知覚さえすれば従僕の立ち入り自体は自由であり、時空間に干渉されていないため、ここで過ごした時間は現実のほんの一瞬にも満たない。

 

 王衣無法:従僕となった個体は、魔素に依らない特性と強靭な肉体を主から与えられる。魔法とは似て非なる〝身体特性〟が発現し、魔法と同等以上の奇跡を行使することが出来る。

 

 ……いまだ拡張性の高いスキルであり、その全貌は従僕の努力と才能によってのみ、切り開くことが出来ると推測。以降も解析を試みていきます》

 




ゴブタすらも怪獣化の餌食に……!

一応、メインキャラとそれ以外で区別するため、ある法則性を持たせています。皆分かるかな?

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究極の二択。どっちのルートを見たいですか?

  • クレイマンが割りを食うルート
  • リムルが割りを食うルート
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