日常を謳歌するぜ!って話です。
「只今戻りました、
「おかえりシュナ、お疲れだったねぇ」ギュッ
「「 お母さんおかえりー!! 」」ギュゥゥゥ
「フフッ、ただいま。アカシ、シュカ」
ハローエブリワン、元気にしているかい皆ーッ!?
俺は
今は旧クレイマン城から帰還した
あー、可愛い可愛い可愛いよー!!
双子ちゃんもだけどシュナも可愛くて素敵!!
「ソウエイも無事で何よりだ」
「はっ」
「……それで、後ろにいるのが例の骸骨?」
「神よ……ッ」
「はっ。……『空間移動』にへばり憑いてきた元
感極まって会話どころじゃなさそうだなぁ。
……ディアブロから報告を受けた日の翌朝、ベニマルやシオン、シュナ、ソウエイらが一斉に帰還していた。
ハクロウやゲルド二世等の最低限の戦力をジスターヴに残してはあるが、それらは調査や戦利品の仕分け、城で降伏した捕虜の指揮に当たってくれているらしい。
ハクロウは『空間移動』を使えないはずだし、終わった頃にはリムルさんに迎えに行かせればいいな。
「……とりあえず、封印の洞窟に連れて行くといい。後ろの
「承知しました。……行くぞ」
ズルズルズル…「あぁ〜〜ッ、神よぉ〜〜!!」
「……しかしまさか、こうも早く帰ってこれるとはな。ジスターヴのほうはもういいのか、シュナ?」
「はい、ハクロウに後の処理を任せました!」
「……そうなのね」
こりゃあハクロウ、押し付けられちゃったな。
お手数おかけします……。
「ご苦労だったなベニマル。どうだ、一杯やってくか?」
「レイタロウ様ほどじゃありません。それはそうと遠慮なく頂きますね」
その日の夜、比較的ラフな格好で執務室にやって来たベニマルとブドウの
「
「身を寄せられる村がある者はそっちに行ってもらって、此処へ来るのは寝食に困っている者と技術の習得を希望する者達です。それに捕虜の大部分は大まかに編成してゲルド二世に預けてあります」
「
ワイングラスに並々と注がれた
ギィが言うように、ホントに美味い酒だ。
……アルコールを無毒化する強靭極まる肝臓のおかげで、全くと言っていいほど酔えないが。
「しかし捕虜の中には悪感情を抱いている者もいるだろう。移動中に暴動が起きなければいいが……」
「あぁ、それはご安心を。……目の前で軽く
「……あぁそう?」
……まぁ
「ただ、ウチの連中には念のため周知させておきたい。頼めるかリグルド殿」
「分かりました。捕虜の件は私から皆に説明しましょう」
フッ、頼もしい連中だ。
〝君臨すれども統治せず〟……なんて日が来るのも時間の問題かもしれないなぁ。
「ベニマル、シオン、ランガと……これでもまだ余るな」
「何の話です、レイタロウ様?」
「いやなに、ファルムス王国軍二万から徴収した魂を分配してもまだ余りそうなのでな。出来れば綺麗に分け合いたいんだよ」
「……?」
「あと二人、魔王種に至っている者がいればな……」
……数日後、和睦協定を締結させたディアブロが報告のために執務室まで訪ねてきた。
俺の隣には秘書としてシュナが控えている。
ソファーには〝
「こちらが証書になります。そしてこちらが……賠償金の一部として支払われた星金貨千五百枚です」
おぉ……キラキラ、めっちゃキラキラしてるよぉ。
そんくらいしか感想が湧かないや。
「ほぉ……流石はファルムス、大国と言われるだけはあるな。よくぞここまで貯め込んだものだ」
「はい、ですが大半はエドマリスの私的財産から捻出したようです」
製造元であるガゼル王曰く、この世界に出回っている星金貨の総数は一万あるかどうかというところらしい。
ひと月に一枚製造できるか出来ないかというレベルの高度な偽造防止処置が施されており、贋金を造ったところですぐ見破られるのがオチだそうな。
つまり、全流通の一割以上が俺の手元にあるということ。
そう考えると恐ろしいなぁ……。
「予定通りに戦争になりそうか?」
「はい、間違いなく。請求額に足りない分を借款として貸し付けましたので、新王エドワルドはこれに我慢できないでしょうから」
「先王のエドマリスはどうなった?」
「あの者は王位を返上の上、地方の小領地に移り住むことになりました。新王は先王に全責任を押し付けようと動くはずですので、そこをヨウム殿に阻止させます。新王の不誠実さを糾弾することで乱が起きるでしょう」
流石は悪魔、人身を操るのはお手の物だなぁ。
「引き続き君に任せるとしよう。……なるべく民衆には被害が出ないように立ち回れよ」
「それがお望みとあらば、このディアブロにお任せください」
「くれぐれも警戒を怠るなよ。……そろそろ
「……あぁなるほど、そういうことでしたか。ご報告が遅れてしまい申し訳ございません。西方聖教会がレイヒムに出頭を命じました。如何致しますか?」
「勿論出頭させる。が、その前にメッセージを持たせるとしよう。……シュナ、水晶を持ってきておくれ」
「かしこまりました」
さーてと、ここからが正念場だなぁ。
正義は我らにあり!ってところを広く発信していかねば。
更に数日後、獣人や捕虜を連れたガビル達も戻ってきた。
「レイタロウ様、只今戻りましたぞ!」
「ご苦労だったなガビル。道中問題なかったか?」
「えぇ。我輩達がいる限り問題など起こさせませぬ!」
「フッ、頼もしい限りだ。……ならそろそろ、君を幹部として迎え入れても良さそうだな」
「なっ、それはつまり……!?」
「次の会議には君も出席しろ。
「……やっ」
「「「「 やったー!ガビル様が出世したー! 」」」」
……むしろ、遅すぎた決定とも言える。
ガビルの今の実力なら十分ベニマル達とも渡り合えるはずだからなぁ。
ああ見えて面倒見はいいし、急に増えた隣人とも上手くやっていけるだろう。
「そうそう、洞窟に変な骸骨がいると思うけど、仲良くしてくれると非常に助かるよ」
「変な骸骨!?」
リムルさんからゲルド二世の悩みや、ハクロウからの報告であるジスターヴに眠る古代遺跡の話を聞かされたり等、そこそこ慌ただしい日々を過ごしていた。
「……というワケで、ようやく皆揃ったな」
そして現在、リムルさんやベニマルら幹部一同を会議室に集めさせた俺は、とある
「えーと、まずはな、もう皆知っているかもしれないが、このたび十大魔王は
「おめでとうございます!」パチパチパチ…
「感無量です!」パチパチパチ…
「レイタロウ様の時代の幕開けですね!」パチパチパチ…
いやまぁホントに今更なんだけど。
嬉しいもんだね、ここまで喜ばれると。
「そんなワケで、俺の支配地域が正式にジュラの大森林全域に決まった。あらかじめ話し合っていたこととはいえ、伝えるのが遅くなってしまったのは申し訳ない」
「いえ、そのための〝開国祭〟と聞かされましたから、こちらとしても準備はバッチリです」
「ジュラの大森林に住まう者達の所在と種族は把握しております!ご命令とあらばすぐにでも招待状を送れるよう手筈も整えて御座いますが……?」
ジュラの大森林全域というのは、川の向こう側……つまりは東の帝国に隣接している平原も含まれる。
そこに住まう魔物や亜人が、俺の魔王襲名を祝うための挨拶をしに訪れることを想定して開国祭を開くのだ。
「……ちなみにリグルド、開国祭の準備はどの程度まで進んでいる?」
「具体的な話し合いを行うまでは、敢えて最低限の準備に留めておくように周知しておきました。いわゆる骨子の部分までは出来上がっております」
「そこから更に肉付けをしていくワケだな」
祭りってのは、馬鹿にならないと楽しめないものだ。
ここは思い切って、そういうのに慣れている人材にぶん投げるのが最適解だな。
「リムルさん」
「ん、なんじゃらホイ?」
「君を、開国祭総責任者に任命する」
「……拒否権は、無いようね」
「「「「 リムル様!おめでとうございます! 」」」」
「予算度外視で盛大にやってくれ。……金のほうは俺が何とかするからさ」
「はいはい、分かったよ全く……」
開国祭の一切を取り仕切る重要な役職であり、ここはリムルさん以外に考えられないんだよね。
まぁそんなこんなで、リムルさんは渋々快く総責任者の役を引き受けてくれた。
……さて、皆お祭りのことで頭がいっぱいだが、楽しむためには仕事をキッチリ終わらせとかないといけない。
まずはファルムス攻略の進捗状況だ。
「ディアブロ、計画は順調か?」
「はい、レイタロウ様。予定通り新王エドワルドが兵を集め始めました。内乱が起こるのも時間の問題でしょう」
ふーん、想像よりだいぶ早い展開だなぁ。
「そして、
「向こうには辿り着けたんだな?」
「はい、手の者に護送させましたので、確実に」
「まだ生きているな?」
「生きております。『
……ま、それは
「……よろしい。
「クフフ……全てはレイタロウ様の掌の上でございます」
「順調に計画が狂いだすことが良いことなのですか?」
「俺にとっては予定通りってことさ、シオン」
「……?……??」
いかん、シオンの頭に大量の?マークが付いている。
話を難しくしすぎたか……。
「やれやれ……レイタロウ様の深淵のごとき智謀を理解しきることは至難を極めますが、せめてその一片でも理解し、主の考えを読んで行動するのは配下として当然のことですよ、シオン殿」
「なっ……そ、そのくらいのこと、あなたに言われずとも分かっていますとも!」
こらこら、喧嘩するんじゃないよ全く……。
「クフフ……では、レイタロウ様が一体どこまで先を見通しておられるか、シオン殿には理解りますか?」
「それはもう、開国祭のことです!!」エッヘン!!
……あーね、それも確かに一つではあるんだよね。
正確には
「なるほど、それも確かに正解の一つではありますね」
「当たり前です!皆で楽しくお祭りをすることがレイタロウ様の望みなのですから!!」
「……しかしながら、それだけではないでしょう」
「え?」
「……ここからは俺が話すよ」
ディアブロに話させると何を言い出すか分かったもんじゃないから、今ある材料で、どこまで状況を調理できるかの話に留めておくとしよう。
「神ルミナス、もとい魔王ルミナスから七曜の導師の生殺与奪の権利を譲り受けたんでな。そいつらを黒幕に据えたファルムス動乱を考えているんだよ」
言われなくても勝手に動いてくれる素敵な老害達。
レイタロウさんの七曜に対する認識はそんなもんです。