【完結】最も手を伸ばすのは神威の花。   作:SUN'S

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亜港監獄 破

いそいそと「翻訳コンニャク」を食べ直して、囚人を避けて、チカパシとエノノカとヘンケを連れて移動していると銃を構えた集団、おそらく兵士に狙われて仕方なく左手の中指を唇に添える。

 

「────陰陽十干(いんようのよみ)、乙女の弓手(ゆんで)に封ず、八番目(やつ)(かのと)重光の佐波理(じゅうこうのさはり)を解き抜く。無明鬼哭刀!」

 

るおんっ、と八尺を越える大刀が現れる。戦骨の遺した刀の一振り、私の手に一番馴染むのは電光丸だけど。この妖刀も嫌いじゃない。

 

「シトゥリの刀、でかい!それも勃起!?」

 

「ん、違う」

 

左肩に担いでいた無明鬼哭刀の鞘に噛みつき、刀身を引き抜く。見た目に反して短刀のように短い刀身に笑い声を出した兵士の顔の真横を穿つ。

 

「私の剣は月まで貫ける…!」

 

そう言うと同時に銃を狙って突きを繰り出し、我武者羅に金槌や鍬を手に向かってきた兵士に腰に佩いていた電光丸の鞘を押して口に柄を近づけ、口に刀を咥えたまま攻撃を受け止める。

 

あふぉがいふぁい(顎が痛い)!」

 

「うぐあっ!」

 

兵士のお腹を蹴り、右手の指を刀に引っ掛け、ゆっけりと飛び出て帯から落ち掛けている鞘に電光丸を納め、地面に転がった無明鬼哭刀の鞘を拾い上げる。

 

「殺さないけど。倒す」

 

私の言葉に後退り、銃も持たずに他の囚人を追いかける彼らに溜め息をこぼしながら、私はキラキラと刀に視線を向けるチカパシとエノノカに笑う。

 

「ん、今のは内緒にしてね?」

 

「分かった!あとで教えて!」

 

「……ん、気が向いたらね」

 

無明鬼哭刀を左手の中に仕舞う。

 

左手は陰の力が強いから身体を蝕む。危険なのは紅桜だけど。この無明鬼哭刀も油断すると地面を切り裂いて、星を真っ二つにしてしまう。

 

「シトゥリカッケマッ!追いかけよう!」

 

「ヘンケ、行こう!」

 

「ん、そうだね」

 

電光丸を戻したいけど。右手に霊気を集めて暴走したら危ないから使えない。オガタに撃たれたせいではあるけど、あまり気負うつもりはない。

 

そう思いながら氷上を歩いていると、吹雪の向こうにけんちゃんが見えた。

 

「ん?けんちゃーん!」

 

「しとり?バカッ、叫ぶな!」

 

その言葉を聞くと同時に吹雪の中を飛んできた銃弾を切り裂き、吹雪の向こうを睨み付ける。見つけた、ようやく見つけた、オガタ。

 

お尻ペンペンじゃ許さない。

 

しっかりと、みんなに「ごめんなさい」って言わせるから覚悟してもらおう。

 

「オガタァ!!捕まえたらお尻ペンペンだから!」

 

私の言葉に吹雪の向こうが騒がしくなった。

 

 

 

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