吹雪の中を進んでいると由竹が見えた。
オガタは片目がない。
杉元とアシリパはアンモニア臭い。
由竹はズボンを脱いでいる。
「全員、斬れば分かる」
ん、答えは得た。
「しとりちゃん、まってぇー?!」
「成っ敗!」
電光丸の鞘で頭を軽く叩いて叱り、怪我を負ったオガタの事を見下ろす。お尻ペンペンはもう出来ないし、狙撃手の命はもう無くなった。
「しとり!」
「久しぶり、アシリパ」
お腹に抱き付いてくるアシリパの肩を掴み、優しく受け止め、抱き締める。小さいのによく頑張ったね。
すごくすごく偉かったね。
「…ごめん。アシリパ、ちょっと臭い」
スッと彼女の事を引き剥がすと「白石!!」と怒り出す彼女に私は困惑しながら、杉元を見ると杉元も臭くて仕方ないとカバンを開け、母様の発明品「キャンピングハット」を取り出して中にオガタも運び込む。
「杉元と由竹は、そっちのお風呂ね」
「はーい!」
「便利だよな、本当」
「しとりと入るのは久しぶりだ!」
アイヌの衣装は中々に洗いにくいので私の着物と一緒に籠に入れ、洗濯してくれる機巧人形に杉元達の分もお願いしてお風呂に入る。
「しとり、太ったのか?」
「ん、違うよ。赤ちゃん」
ペタペタと私のお腹に触って首を傾げているアシリパにそう伝えると「剣路だ!」と目を見開いて、ペタペタとまた私のお腹を触ってくる。
ん、ちょっとだけ恥ずかしい。
「おお…!」
「まだ、そんなに耳を当てても動かないよ」
そう言って話しながらアシリパの身体の向きを変えて、髪の毛にお湯を掛け、シャンプーで使ってゴワゴワを取り除いていく。
三人ともアシリパをお風呂に入れていなかったのかと思うぐらい髪の毛が痛んでいる。ん、もっと髪の毛に良いやつを使おう。
「痛くない?」
「平気だ。気持ちいいぞ」
「そう?」
ワシャワシャと泡立つ髪の毛。
二回、三回、洗い終える頃には艶やかな髪に戻ってくれた。ん、磯臭さも無くなった。身体も優しく洗ってあげ、しっかりと泡を洗い落として浴槽に入れる。
「はふうぅ……」
「......ん、元気になって良かった」
「オガタはどうなってる?」
「機巧人形が見てるけど。……やっぱり、お医者さんの力が必要になるかな」
ドクトルは出てくれないし、どうせまた母様の秘密を隠そうとしているんだろうけど。私の目と鼻は特別だから、すぐに見つけることは出来る。
「ん、すごく困るね」
「なにがだ?」
「オガタが死んだらお尻ペンペンできない」
「......確かに、大変だな!」
「けど、なんでオガタの目にナイフが?」
「それは、分からないけ…」
ナイフを投げた人がいる?