平太の意識は戻ったけど。
アイツを倒したとか何とか良く分からないことをいいながら、意識は途切れ、息を引き取った。由竹と杉元は残念そうに病院に連れていこうと話す。
「フンフン」
「ん、どうしたの?」
トントンと肩を叩かれて横を向くとスケッチブックを持ったパヴリチェンコが絵を見せてきた。裸の平太の事を描いているけど。
網走監獄の囚人の刺青があった。
「マジか。いつ描いたんだ?」
「フンフン!」
「わかんねえよ」
「フンフン!!」
みんなに詰め寄られてビックリしているパヴリチェンコを放置し、私は平太の皮を剥ぐと話す杉元を見ないように離れ、剣路と一緒に川の近くに移動する。
「ん、いま蹴ったかな」
「! 本当か?!」
バッと私のお腹に耳を当てる剣路を真似しようとしたパヴリチェンコを剣路は怒り、折れた刀を引き抜いて、怒鳴ろうとするものの。
私が近くにいるから怒るに怒らないらしい。
「ん、くすぐったい」
そんなことを話し合いながら剣路と一緒に待っていると、アシリパが呆れた顔でこっちに来るのが見えた。
砂白金の取り合いをしているって。
「ばかなの?」
「バカなんだ」
「子供の前でみっイデッ!?」
「子供扱いするなッ、剣路ニシパ!」
「やめろ!?脛を蹴るな」
女の子を子供扱いするのは良くないかな。
ひとえにも同じことして、いっぱい張り手を受けたのにまだ直ってないんだね。と母様みたいに苦笑を浮かべつつ、のんびりと待っていると、ボコボコにされた由竹と無傷の杉元が帰ってきた。
「ん、悲惨だね」
「クゥーン」
「砂白金独り占めするからだ」
よしよしと由竹の頭を撫でてあげようとしたら、剣路とアシリパが軟膏を塗ってあげると由竹の顔に軟膏を叩きつけた。
「なんでぇ?」
「しとりに移るだろうが」
「赤ちゃんがいるんだ。気を付けろ、白石」
まあ、そういうことらしい。パヴリチェンコも「フンフン」と頷いているけど。ちゃんと分かっているのかと小首を傾げつつ、アシリパが新しく作った仮小屋を目指す。
「どうしたの?」
「いや、もうすぐ生まれるんだよね」
「ん、杉元も抱っこしたいの?」
「……えと、まあ、うん」
「フフ、けんちゃんが許したらね」
その言葉に杉元はけんちゃんを見るも「お前には絶対に触らせん」と言いはなった。そんなに怒らなくても良いんじゃないかな?と思う。
「けんちゃんは厳しいね」
「大事な子供だ。野蛮な杉元が抱っこしたら怪我するかも知れないだろう」
「そこまで不器用じゃねえよ!?」
「ん、杉元は不器用だよ」
あと銃も下手だからオガタとは戦っちゃダメだね。