小樽について2日が経過した。
「ねえ様、どう?」
「ん、大分楽になった。ありがとう」
ひとえの『癒やしの力』を受けて、全身の歪みと痛みを癒やして貰う。肥立ちの悪さも軽減され、万全の状態に近い身体に戻っている。
これなら問題なく紗那と戦える。
「かあさま、いっちゃうの?」
「壑ちゃん?」
私の部屋に入ってきたのは、絃の前に生まれた次男の
とても悲しい匂いがする。
「ごめんね」
「……ぅん、かあさま」
ぎゅうっと抱き着いてくれる壑ちゃんを優しく抱き締めて、頭を撫でてあげる。私もひとえも父様と母様の戦いを見ていることしか出来なかった。
寂しかったし、怖かった。
だから、ひとえが子供を預かってくれると言ってくれたときはすごく安心していたし、きっと大丈夫だと思っていた。だけど、全然大丈夫じゃなかったんだね。
「壑ちゃん、お父さんが今まさに戦おうとしているの。だから、あともうちょっとだけ我慢できる?」
「……ぅん、がんばる」
「ん、良い子良い子」
よしよしと壑ちゃんの頭を撫でてあげる。
「ねえ様、赤ちゃんは任せて下さいね」
「信用しているよ、ひーちゃん」
袴を履いて襷で袖を縛り、髪をリボンで結ぶ。
「ひとえ、剣路に繋げてもらえる?」
「あい」
昔のような言葉に、クスリと笑みを向ける。
ゆっくりと目の前に出てきた鏡を通り抜け、飛び込むと土まみれの剣路や杉元、アシリパ達が私の姿に目を見開いている。
ここは、列車かな?
「ん、元気そうだね」
「なんできた!」
「時空間転移」
「じく、?」
私の言葉に困惑する全員におむすびと水筒を渡し、しっかりと剣路を見据える。
「剣路、私は紗那と戦うためだけに来た。他のみんなで金塊を探していて、その間に私は紗那と聖剣の勝負を済ませないといけない」
「……紗那と戦ったら帰れよ」
「分かってるよ」
そう言って私は剣路に頭を撫でられる。
ん、みんなが見ているのに大胆だと思う。
「しとり」
「なに、アシリパ」
「来てくれて、ありがとう」
「ん。大事なお友達だからね。それに、みんなには私と剣路に付き合って、しっかりとお墓参りと子供達を待たせた事を一緒に謝ってもらわないとだし」
「しとり、それが最初から目的か?」
「私はずっと言ってるよ。母様のお友達に一緒にお墓参りしてほしいって」
「土方さん、糸色の女はこういうものだ」
斎藤、どういう意味かな?