【完結】最も手を伸ばすのは神威の花。   作:SUN'S

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地獄が還ってきた 破

ガタガタと動く列車の車両。

 

その二両目、三両目の喧騒が消えた。

 

杉元達も異様な気配に気づき、

 

「It was a living hell(地獄が還ってきたぞオォ)!!!!!」

 

吹き荒れる風が車両を切り裂く。

 

「ジャック…!」

 

「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAH!!!!!!!!!」

 

吹き抜ける風に前髪が斜めに斬れ、ムッと顔をしかめる。見えているけど、避け損ねた事に不満を感じながら電光丸を左手で抜いて、構える。

 

「なんだ、こいつ?」

 

「前に話したジャック・ザ・リッパーだよ。地獄に落ちたのに、また出てくるなんて本当に母様と父様にいい迷惑だと思う!」

 

「匂う!臭う!死の薫りだ!!」

 

両手首の孔を開いて突っ込んできたジャックの腕を掴み、窓の外に放り投げ、斬れた髪の毛を触ってものすごく怒りそうになる。

 

「ん、ちょっと倒してくるね」

 

「待て、アレは人なのか?妖怪なのか?」

 

私を呼び止めて、そう聞いてきた斎藤の事を見上げつつ、少し考える。フランケンシュタインって、人間と妖怪のどっちなんだろう?

 

そんなこと考えたことなかったけど。

 

「死体は死体だよ。黄泉還っちゃダメだ」

 

私の言葉の意味を察したのは斎藤と新八だけ。

 

ずっと昔の出来事だけど。

 

母様と一緒に黄泉還っちゃった人の事を止めようと頑張っていたのを覚えている。だから、ほんのちょっとだけ希望を抱いてしまう。

 

───母様も黄泉還るって考えた。

 

だけど。悪いことなんてしていない母様が地獄の門を抜けて還ってくることは絶対にあり得ない。還ってきたとしてもそれは母様の偽物だ。

 

本物は天国に居て、私達を見守っている。

 

「HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!!!!!!」

 

騒々しく笑って列車に追随して空を駆けるジャックを睨んだまま電光丸を構えたまま窓枠を掴み、列車の屋根に身体を翻し、飛び乗る。

 

びゅうびゅうと風がうるさい。

 

「KILLーKILLーKILL!!!!」

 

「斬るのは私だよ、ジャック」

 

「HAーHAーHA!!!!」

 

肺に溜め込んだ空気を吐き出して、すごい速さで突っ込んできたジャックの頬を切り裂き、肩を斬る。ん、右手と同じように振っちゃった。

 

「やっぱり、そうだ。お前、俺の事を殴った男と一緒にいた眼鏡の女だな?」

 

「ん、それは私の母様だから違う。私は糸色しとり、この世で一番強くて素敵なお母さん!」

 

そう言って電光丸の切っ先をジャックに突きつける。

 

「私のお友達と家族に手出しするなら、今度は私が貴方を地獄に送り返してあげる。掛かってきなさい、相手をしてあげる。イギリスの切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)」

 

 

 

 

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