【完結】最も手を伸ばすのは神威の花。   作:SUN'S

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五稜郭 急

ドォン、ドォン…!

 

砲撃の降り注ぐ最中を駆け抜けていき、此方に向かって来ているであろう第七師団の集団に見えるように麻袋を担いで走っていく。

 

麻袋は砂金じゃなくて土くれだけど。

 

母様の発明品を使って、幻術を掛けている。

 

「金塊だ!」

 

「俺が先だ!」

 

キラキラと光っているように見える土くれを放り投げると殴り合いを始める第七師団の兵隊に呆れながら、電光丸で意識を刈り取り、丘に登って鶴見の事を見据える。

 

パヴリチェンコは別のところかな?と考えながら、カッコいい女の人が見え、軽く会釈しておき、松の木の向こう側に視線を戻す。

 

「キラウシ、門倉、新八は?」

 

「交渉に向かってる!」

 

「シトゥリも逃げろ!」

 

そう言ってくれる二人の言葉を聞き届け、私は電光丸を地面に突き刺して、襷を使って袖を縛り上げ、ゆっくりと左手で刀を握り締める。

 

いつでも戦える。

 

────刹那、鶴見達と別方向に気配を感じる。

 

「紗那、やっぱり敵になるんだね」

 

黄金の輝きを放つ長刀を構えた鯉登紗那の姿を見つけ、私は鶴見達を無視して、堀の近くを歩き始める。向こう側の兵士は私を狙っているけど。

 

そんなものは、どうでもいい。

 

「紗那、貴女に私を倒せる?」

 

「鳳凰の羽ばたきは二度と起こりませんわ」

 

その言葉を皮切りに電光丸と黄金剣は衝突し、僅か二度の鍔迫り合いで電光丸の電撃は吸い尽くされ、色を失った電光丸を素早く鞘に納め、身体の中に納める。

 

「────陰陽十干(いんようのよみ)、乙女の弓手(ゆんで)に封ず、四番目(よつ)の丁(ひのと)、強圉の炎群(きょうぎょのほむら)を解き抜く。無限刃・影打!」

 

「妖刀の炎など黄金の輝きには遠く及びません事よ!さっさと貴女の聖剣を抜きなさい!いくら序列の高い十本刀であろうと聖剣には敵いませんわ!!」

 

私の放った焔霊を消し飛ばす紗那に舌打ちをして、無限刃を鞘に納めて、また素手に戻って彼女の事を見据える。別に侮っている訳じゃない。

 

「鳳凰天舞、来なさい」

 

そう告げると轟音を発して、私の目の前に電光を纏って赤熱化した聖剣が出現する。これは、母様のやり残しでもお墓参りのお友達を探すためでもない。

 

「私の名は糸色後、十聖剣の頂点に君臨する鳳凰天舞の遣い手として鯉登紗那と戦う」

 

「私の名は鯉登紗那、十聖剣に於いて最も美しき黄金剣の遣い手として糸色後と戦う」

 

ゆっくりと私は聖剣を正眼に構える。

 

対して、紗那は右蜻蛉の構えだ。

 

いつだって、紗那はその構えを取っている。

 

故に、私の好敵手足り得る────。

 

 

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