にっこりと笑みを浮かべ、私は剣路達のところに帰って鳳凰天舞の鐺を地面に置き、第七師団を見据えるように鳳凰天舞を突き立て、構える。
「剣路、お前の嫁さん何なの?」
「強いて言うなら世界最強」
「今のヤツを見たら誇張じゃねえのは分かるよ。正直、あんなに強いヤツを俺は見たことねえよ」
杉元と由竹の言葉に小首を傾げる。
「名前を売っていない兵は沢山いるよ?その気になれば新撰組も私みたいなこと出来るだろうし」
「「出来るわけないだろう」」
そうなの?と不思議そうな顔を向けると、「これだから糸色の女は苦手なんだ。他人を思い遣るのはいい、自分の事に無頓着なのはどうにかならんのか?」と斎藤がブツブツと文句を言っている。
砲撃は鳴り止んでいる。
私と紗那の戦いに怖じけるとは思えないけど。また、私の一撃を受けると警戒しているのなら問題ない。私の「絶景」は全身全霊の兜割り────。
本来は、左片手一本の技じゃない。
故に、不殺の業に成った。
「しかし、あの一撃は見事だった。剣の極致とも言えるであろう剣戟、まだまだ剣の道も捨てたものではないと向こうの剣士は気付いただろう」
「銃剣だけで来たら面白いね」
「阿呆が。有利を捨てるものがいるか」
そう言う斎藤を見る。
ちょっとだけ期待しているようにも見えるけど。そんなことを言ったら、また「阿呆が」って怒るに決まっている。
「ところで、金塊はあったの?」
「あったよ。けど、今は取り出せない」
「まあ、そうだろうな。オレもあんなに多いとは思わなかったぜ」
金塊なんて「フエルミラー」でいっぱいに出せるよ?と言いかけたところで止める。そういうことは絶対にやっちゃいけないって、母様と約束している。
「しとり、その剣はすごいのか?」
「ん、この世に十本だけ存在する聖剣。その頂点に君臨するのが、この鳳凰天舞だよ。残り九本の聖剣は、この鳳凰天舞には逆らえない、勝てない」
だから、鍵に成り得る。
ずっと、空に封じていた理由もある。
地獄の門を閉じるために────。
「…ん、地鳴りが聴こえる。みんな、第七師団が攻めてくる」
私の言葉にみんなは各々の武器や銃を構える。アシリパも参戦しようとしていたけど。杉元と由竹の二人に権利書を持って、私と一緒に居るように言われていた。
歯痒くて、悔しいよね。
子供の頃は、いつだってそうだった。
母様を守りたかった。
父様と一緒に戦いたかった。
「御庭番衆、剣客兵器、忍風館、迅雷義塾、伊賀崎流、戸隠流、隠流、みんなも死なない程度に戦ってあげて」
私の言葉に忍びが弾ける。