半年後────。
私は五稜郭へとやって来た。
黄泉還った新撰組と第七師団の衝突は攻め込んできたロシア軍という事になり、土方歳三はその戦中に鯉登に負け、息を引き取ったそうだ。
新八と斎藤は悲しそうだったけど。最期の最期で新撰組と誠の旗を背負い、駆け抜けることが出来て、彼もみんなも満足していたと刈羽君に教えて貰えた。
「どのような敵が出てくるのか楽しみです!」
「チッ。また面倒事か」
クワッと笑顔になる岩息舞治と斎藤の二人は青空に浮かぶ地獄門を抜けて落ちてきたのは、やっぱり、黄泉還りの三人だった。
「悪趣味すぎるぞ、しとり」
「ん、斎藤のおじ様と舞治もよろしくね」
「ホホウ。彼方も打撃ですね!」
そう言って私は黄泉還った土方歳三を斎藤に預け、舞治に戌亥番神に似た見た目の筋骨粒々な壮年の男を預け、私は目の前に立つ男を見据える。
子供の頃に一度だけ見た覚えがある。
〝戦国最強の兇鬼〟戦骨
「地獄釜の外で湯冷ましだな。そっちの細長いのとデカブツは相手がいるのか。で、俺の相手はチビ」
「ん、チビじゃないよ。しとりだよ」
ゴキゴキと首を鳴らす戦骨は退屈そうに身体を動かし、私を見据え、ほんの一瞬だけ
「ぐっ、うぅぅ…!」
「おお、ちゃんと受け止めたな。偉いぞ、チビ!」
「チビじゃない!」
電光丸を抜いて切りつけた瞬間、青白い雷撃が迸り、戦骨の身体を焦が────否、電光丸の切っ先に噛みつき、剣戟を受け止めていた。
「ろうひは?」
パキンと切っ先が砕け、私の顔に拳が飛来する。
受け────違う、跳ねる!!
後ろに大きく飛び退いて、電光丸を鞘に納めて身体の中に仕舞い、身体の中に封じ込めていた無限刃を引き抜いて構える。
「確か、燃える刀だったか。俺の時代にはなかったが、炎じゃ俺の命には届かねえよ」
「(構えた?)」
空手や柔術とは違う。
両腕を左右に大きく振り上げたヒグマの威嚇めいた構えに目を細める。打撃技?組み技?と考えを巡らせていた刹那、私の目の前に地面が現れる。
「~~~~~~ッッッ!??!!?」
慌てて、立ち上がる。
「おっ。起き上がったな」
「……今の、回し蹴り?」
顎の痛みに技を予測し、問う。
「へえ、見えたのか。正解だぜ、チビ」
「(蹴りの終わりしか見えなかった。この人は私より疾くて打撃の重さは父様以上だ。刀の間合いも潰される、左片手じゃ対応が遅れる)」
─────だけど。
かなり、楽しく感じてきた。