股座の光る男を見つけ、杉元とも合流して第七師団を迎え撃つか逃げるかを話し合う。由竹はまだ帰ってきてないから辺見和雄を見つけられない。
「みなさん、その人を探しているんですね」
「ああ、アンタも気を付けろよ」
「はい…」
男は杉元の労り、労う言葉に頬を染める。
なんとなく理解した。この男も由竹やアシリパリのように、優しさと強さを兼ね備えた杉元の事を好きになったということなんだろう。
「しかし、何処に居やがるんだ。別のニシン漁の船か番屋にいるのか」
ぞろぞろと移動する私達の目の前に紺色の隊服を着た男が現れ、杉元の顔を見ると歩兵銃を構えようと力んだ瞬間に短刀を振り抜き、手首の骨を砕き、脛を蹴って姿勢を崩し、手早く兵隊の持っていた銃を分解する。
「ん、動かないで。この距離なら銃より短刀のほうが速い。銃は構えて、狙って、撃つ。けど、短刀は抜くと斬るは同時だよ?」
「糸色家の御令嬢とは思えん゛ッ」
「御令嬢じゃなくて、私が当主」
ぐいっと歩兵銃の負い紐を首と片足に引っ掛け、縛る。こうしておけば動けない。足を伸ばして縄を解こうとすれば首を絞めることになる。
銃剣と弾は杉元に投げ渡す。
「杉元、聞きたいことあるなら聞く?」
「剣路、アンタの嫁さんおっかないな」
「オレもアレされたことあるよ」
アレは剣路が酔ったまま、ひとえと私を間違えてキスしようとしたからだよ。いきなりキスしようとしたら、ひとえだってビックリするし、ひとえも思いっきり張り手を見舞っていた。
結論、剣路は深酒しちゃダメ。
「じゃあ、一つ聞かせて貰う。他の刺青囚人の居場所を知っているなら素直に話せ。冷たい海に沈むか、撃ち殺されるか。好きに選べ」
「…………」
「
「杉元、どうする気だ。殺すのはダメだぞ」
「分かってるよ、アシリパさん。剣路、お前も何か情報を聞き出す方法を知っているか?知ってるなら使って聞き出してくれ」
そう言われた剣路に視線が集まる。
「オレか……そうだな」
暫しの沈黙の後、剣路が私を見てきた。
「ん、普通に聞けば良いだけ。私の知り合いも来ているから、そっちに任せよう」
そう言って海の方に視線を向けると、みんなも視線を海の方に向けた瞬間、血の気が引いて真っ青な顔色になっていくのが見えた。
「な、なんだあれは?!」
「船幽霊だよ、貴方の魂が欲しいんだって」
トンと海に押し出すと海に引きずり込まれ、必死に逃げようと暴れるも沈んでいく。一分ほど潜ってから、気泡が消える寸前に吐き出された兵隊は身ぐるみを剥がされ、ガタガタと震えている。
「幽霊も妖怪もいるから話してくれる?」