姉畑支遁の捜索は難航している。
動物の事を熟知している姉畑支遁と、動物の狩りに熟知しているアシリパの読み合いは苛烈さを極め、一手二手とお互いを出し抜き、場所を隠して割り出し合っている。
「ん、雨が降る」
「今日はもう休もう。しとり、斎藤に聞いたぞ。家を出せるんだろう」
おのれ、斎藤。
カバンを開けずに袖に手を差し込み、私は「壁かけハウス」を取り出して木の幹に軽く張り付けて、ドアノブを捻って中に入るように杉元とアシリパに伝えると、杉元は恐る恐る、アシリパはズカズカと家の中に入った。
「和洋折衷みたいな家だね、しとりさん」
「ん、新しいやつだよ」
そう言いながら靴を脱いで部屋に入った二人に着替えを用意し、二人のちょっと……ものすごく臭くなった服を洗うために向かい、お風呂を沸かす。
「二人で入る?」
「何いっちゃってんの!?」
「……流石に、私でも恥ずかしいぞ。しとり」
「じゃあ、アシリパから入るでいい?」
「あ、ああ、うん」
お風呂に向かっていった後、アシリパの服を持って部屋を退出し、無臭の洗剤を使い、彼女のアイヌの衣装を手洗いしていく。
汚れを出して、タライに溜まった汚れを流して捨て、それを何度か繰り返し、ショドウフォンで温風を放って乾かしていき、モフモフになった毛皮を畳む。
アシリパが出てきたら、次は杉元の軍服を洗濯する。血を吸っていたから念入りに洗い、温風で乾かしてほつれやボタンを縫い直す。
「ん、二人とも出てきたね」
「森の中でお風呂に入れた……」
「大きなお風呂だった」
じゃあ、ご飯にしようか。
流石に、今から準備すると真夜中になるから「植物改造エキス」を居間の端に置かれた木に刺し、グングンと膨らんで実った実をもぎ取る。
「しとりさんって仙人か妖怪だったりする?」
「ん、違う。それより割って食べる」
パカッと実を割る。
「うおおぉっ、エビフライだ!?」
「これがエビフライ…!」
二人がヒンナヒンナと食べている間に私もお風呂に入って汚れを洗い流して、浴衣に着替える。明日が最終日。谷垣のためにも早く見つけないといけない。
「はあぁ……しとりさんのカバンや服の中は魔法の道具がいっぱいあるんだな」
「ん、これは科学だから魔法じゃないよ」
「科学の力ってすげえ」
杉元はそんなことを言いながらエビフライと白米を食べて、お茶を飲んでいる。アシリパもいっぱいエビフライを食べて、とても幸せそうに「ヒンナヒンナ」と言っている。
「美味しかった?」
「「ヒンナすぎるぅ……」」
フフ、それなら良かったかな。