「キロランケニシパが私の父を殺したのか」
お風呂に入ってアシリパ達の事を探して、砂浜を歩いていると、なんだか険悪な雰囲気になっている場面に出くわしてしまった。
どうしようかと剣路を見ると、いつでも刀を抜けるように左手を腰に近づけ、ジッとキロランケの事を見つめているのが見えた。
ん、流石にダメだよ。
「その女、鶴見中尉と通じてるぞ」
「ん、失礼。私は剣路一筋」
私の方を向いてきたから、そう言い返すと「いや、シトゥリじゃなくて、その隣だ」とキロランケに言われ、私は隣に立っている谷垣とインカラマッへと、ゆっくりと視線を向ける。
「インカラマッは違うよ。谷垣も違う」
「親しいから庇ってるのか?」
「オガタは静かにしなさい」
わざと空気を乱そうとするオガタを注意し、私はお札を取り出してインカラマッの顔に向かって、ペタリとお札を貼る。
「し、しとり、これはなんだ?」
「ん、ウソを言えなくなるお札。質問は1個しか答えられないけど、聞くね。インカラマッ、貴女は私達を裏切っている鶴見の仲間なの?」
「……いいえ、私は貴女達の味方です」
私の質問に答えた瞬間、インカラマッの顔に貼っていたお札は青白い炎を纏って燃え始め、すぐに消えてしまった。
「ん、味方だってさ」
「信用できるか。民間療法じゃねえか」
「オガタ、うるさい。飴でも舐めてなさい」
「ぐむっ」
カラコロと飴を舐めるオガタは座り、よしよしと頭を撫でてあげるも剣路によって私はオガタの傍を離れた。ん、オガタに嫉妬してるんだあ?
「……なんだよ」
「んー、けんちゃんは私が大好きだね」
「…………」
ぷいっと顔を背けるけんちゃんに思わず、クスクスと笑いながら、杉元が「裏切った方をブチ殺す」と言ったことで話し合いは解決した。
「アシリパ、チョコ食べる?」
「食べる」
あまり考えすぎるのも大変だからと甘いものを食べさせて、よしよしと頭を撫でてあげる。まだ、こんなに小さな女の子なのに、みんな押し付けすぎなんだよ。
「ん、いっぱいお食べ」
「ヒンナヒンナ」
「なあ、杉元。チョコって高級品だよな?」
「美味いのかな?ねえ、アシリパさん、それちょうだっ、すごい大口で食べた!?」
「ふぃんなふぃんな」
「一欠片でもちょうだいよ!?」
「し、しとりちゃん、俺にもちょうだあい」
「………裸で抱き合う男はちょっと」
スッと剣路の後ろに隠れながら、私がそう言うとインカラマッとアシリパ以外の男達の肩は、ビクゥン!と大きく跳ねて目が物凄く泳いでいる。
私、由竹は友達だと思ってるけど。
さすがに、ちょっとだけ無理かな。