「はあああぁぁぁ……」
ポカポカと温かいお風呂に浸かりつつ、アシリパとインカラマッの二人も来れば良かったのにと思う。
ただ、竹の仕切りの向こう側に剣路達がいると考えたら確かに恥ずかしい。でも、そういうときもある。ゆっくりと楽しめるときに楽しんでおこう。
そう考えていたとき、いきなり銃声が隣から聴こえてきた。竹の仕切りのおかげで気付かれていないのか、由竹の言っていた盲目の囚人達だ。
「(…手拭いだけだと腰しか隠せない)」
ゆっくりと身体の前に手拭いを置き、刀に手を伸ばすと仕切り越しに刀の鞘を撃たれ、電光丸が岩の向こう側に飛んでしまった。
ん、大変な事になってきた。
「そっちは女湯だ!」
「……なら、女と子供を退けろ」
杉元の叫び声に驚きつつ、手拭いを腰に巻いてリボンで胸を縛って隠す。みんなが見えないのなら、一瞬だけ見えるようにすれば良いだけだ。
「しとり、チカパシ連れて離れてろ」
「ん、分かった。けど、此方を見ないようにしてね」
「? ああ、分かった」
仕切りの上に飛び乗り、左手に唇に当てる。
「────
無限刃を引き抜くと同時に炎が閃く。
「トカプだ!!!」
「キャハァー!しとりちゃん、大胆すぎっ!」
「ウォルルアァァ!!!」
チカパシと由竹の言葉に見上げそうになる男達だったけど。目の前にいる囚人を倒すことに意識を向け、此方を見上げたオガタは何だか変だった。
「形勢不利だ!逃げるぞ!」
すぐに囚人達は逃げ出したけど、何人かは捕まえた事を確認し、私は無限刃を岩に突き立てて脱衣場に向かって着替える。
メラメラと燃える刀に集まる、裸のみんなにイヤな気持ちになる。
私の刀、裸の男に囲まれてる。
あんまり行きたくない。
「しとりに渡しに行くべきだよな」
「ってか、これ胸から出てこなかったか?」
「トカプ大きかった!」
「やめるんだ、チカパシ」
トカプって、なに?と小首を傾げながらも「早く服を着て欲しいんだけど」と伝えると、ぞろぞろとみんなは脱衣場に向かっていく。
「逃げちゃダメだよ」
「……昔、嗅いだことのある臭いだ。その刀、大悪党の持ってた刀じゃないか?」
「ん、半分正解。その刀の影打ち」
カチンと無限刃を鞘に納める。
飛ばされた電光丸の土汚れを払い、あとで清めるために風呂敷に包んでカバンの中に仕舞い、動かない盲目の囚人達の手におむすびを置いていく。
ん、食べて元気になる。