「んー、美味い!」
杉元は嬉しそうにウサギのつみれ汁を飯盒の蓋に溜めながら啜り、ホクホクと発汗している。ちょっと臭いなと思いながら笠原と由竹につみれ汁を装う。
「アシリパさん、ここままでも十分美味しいんだが、味噌を入れたら絶対合うんじゃないの?コレさ」
「ミソって何だ?」
「味噌知らねえのか?」
「和人とアイヌの生活の違いってとこか」
私もお味噌を貰おうかと考えながらお椀を雪の上に敷いた切り株の上に置き、竹の水筒の水を飲む。お酒はあんまり好きじゃないから水がいい。
「試しに入れてみようぜ」
そう言いながら杉元がお味噌を出した瞬間、アシリパは「うわッ!?」と悲鳴をあげ、私の袖を掴んでビックリしている。
?
……ただの、普通のお味噌だけど。
「杉元それ、オソマじゃないか!?」
「オソマ?」
「うんこだ!!」
ん゛ん゛ん゛ん゛ッ……!?
「うんこじゃねえよ、味噌だよ」
「うんこだ!」
言い争いを始める前に、パンと手を叩く。
「食事中に下品な言葉は言わない。分かった?」
「やーい、怒られてやんの」
「良い大人が子供に張り合うなよ」
「てめぇら、味噌やらねえぞ!」
そんな会話を続ける杉元達に軽蔑の眼差しを向けるアシリパにお味噌の作り方と原料を教えて、お醤油も同じだと教えてあげる。
「お醤油が、オソマ?」
「んん…!思った通りだ、バッチリ合うぞ。ああぁ~~、やっぱ日本人と言ったら味噌だな」
「うわあ、うんこ食べてる…」
「人を変態みたいに言うんじゃありませんッ」
「ん、アシリパは女の子なんだから、そういう言葉をあんまり言っちゃダメよ?ほら、口許にチタタプがつけたままだから」
「……ありがとう、緋村」
「ん、気にしなくて良いわ」
よしよしとアシリパの頭を撫でてあげると照れ臭そうに頬を赤らめる。フフ、ひとえの子供も恥ずかしがって頬を赤らめていたけど。
やっぱり、小さな子はみんなそっくりだね。
「ヒンナヒンナ」
「だまれ」
わざと言ったな?と杉元を見遣る。
「んー、スウィートだぜぇ」
「飴か?俺にもくれ」
「やだよ、俺のだもん」
「お前ら静かに食えよ!?」
笠原と由竹は取っ組み合いを始め、クチャの外に転がり出ても飴を取り合っている。アシリパが見ているのに、良い大人のすることかあれが?
「アシリパにもお菓子あげる」
「なんだこれ?固いオソマか?」
「
パキッと銀紙に包まれていた貯古齢糖を折り、食べやすい大きさにして、アシリリパに食べさせてあげると目が輝いた。
「固いオソマ美味しい!」
だから、これは貯古齢糖だよ。