網走監獄を出て、森の中に入るときに「着せ替えカメラ」を使って信二の事をアイヌに変える。しっかりと見えないようにしてから、だ。
「信二、網走監獄の構造は覚えてる?」
「ん?ああ、覚えてるぞ」
ん、土方と斎藤の読みは正しかった。
けど、どうやって侵入するんだろう?と小首を傾げつつ、網走監獄の外側に出来たクチャに入ろうとしたその時、オガタの銃が私を狙った。
「斬るよ?」
「ははあ、箱入り娘に出来ますかな?」
「.........なんで尾形に気に入られてるんだ。いや、景の娘だから変なやさぐれ方したヤツに好かれやすいのは知ってるけどよ」
ブツブツと何か言い始める信二に小首を傾げ、クチャのなかに入ると杉元達の頑張る姿が見えた。やっぱり、そういうのに絡まれやすいよね。
「ん、酸欠になる前に出て。えと、ち、?」
「チアノーゼ。酸素欠乏症のことですね、山道や坑道の作業員や、激しい運動をしたときに身体の酸素が足りず、顔色が青紫色になったりもします」
「白石だな!」
「えぇ、ぼくぅ?」
ビックリしている由竹の顔色は確かに悪く、私は横になるように伝えて、チョコレートを食べさせてあげながら、優しく頭を撫でてあげる。
「......おっかちゃあぁん」
「私はおっかちゃんじゃないよ」
ギリギリギリギリギリギリギリギリッと嫉妬と怒りと憎しみと殺意を込めて、由竹を睨んだまま歯軋りする剣路にクスクスと笑ってしまう。
「ん、剣路は本当に私が大好き」
「やだ、嫉妬してるの?剣路」
「うるせぇー、悪いかよ」
そう言うと由竹に膝枕をしている私の事を引っ張り、私の事を抱き締める剣路に少しだけビックリしながらも嬉しく思う。
「尾形、何見てんだよ」
「なにも」
「羨ましいならお前も結婚しろ」
そう言うと剣路は私の事を膝に乗せたまま笑い、みんなの生暖かい視線に私は少しだけ恥ずかしく思いつつ、剣路の顎が私の頭の上に乗る。
ん、そういうのはダメだと思う。
「土汚れだらけ。汚い」
「まあ、気にするな」
「んッ!汚いのは嫌い」
「ぐふっ」
パタリと倒れた剣路はすごく悲しそうにしているけど。でも土で汚いのは本当だから、あとでまたお風呂に入ろうね。
「しとり!私もお風呂に入りたいぞ!」
「ん、じゃあ、一緒に入る?」
「「「入る!」」」
「なんで、剣路と由竹も言うの?」
アシリパは女の子だから分かるけど。ふたりとも男の人だから一緒に入るのはダメだと思うし。エッチなのはダメだって母様も言っていた。
だから、ダメなんだよ。