銀の雪はt…ぅぉデッッッ!!!! 作:Tkmraeua2341
さぁ…!!これで不満に思うならあなたもその思いを形にしてネットへ流しましょう!!
一週間後、包帯やら三角巾やらはまだ付けたままだが退院し、学校に向かうと妙に視線を感じた。
今までの不良アレルギーみたいな、嫌な感じの目線でなく、ソワソワしたような、よく分からないが負の感情ではない雰囲気を感じた。
変だな〜と思いながら挨拶しつつ教室に入ればヒルダさんが居た。
「ヒルダサン!?ヒルダサンナンデ!?」
「おー古市、やっと治ったか」
「お、おう男鹿、それでなんでヒルダさんがここに?制服似合ってるけど…」
「なに、少し調べ物でな…それはそうと古市、何を勝手に坊っちゃまのお傍を離れたのだ。肉壁になるのなら坊っちゃまのためになれ」
「あ、あはは、了解です」
これはヒルダさんなりの励ましや労いだろう、うん、わたしゃうれしいよ。
「これを使っておけ」
涙をちょちょぎらせてると、ヒルダさんがピンクに水色、紫色の毒々しい二枚貝を渡してきた。
「これは?」
「お前の容態を聞いたラミアが送ってきた塗り薬だ。打撲と骨折どちらにも効くらしい、基本は朝夕の一日二回、塗り始めて三日後には夕方に一回でいいそうだ」
「…ありがとう、ございます。あの、ラミアにお礼を送れますか?」
「…いいだろう、アランドロンにも言っておけ」
「はい!」
ありがてぇ!ありがとうラミア!
何がいいかな〜…医者…忙しそう…。
片手間でいいもの…ならヨーグルッチだな!!
いい加減席に向かえば邦枝さんが話しかけてくれた。
「古市、ケガは大丈夫なの?」
「邦枝さん、包帯とかはまだ外せませんけど勉学には支障がないので大丈夫です」
「そう…無理しないで、なんかあったら言いなさいよ」
心配そうにこちらを見る邦枝さんに、同じ目線を送るレッドテイルの皆さん、優しい人達ばっかりだなぁ。
「………おい古市」
「…?神崎さん?」
「………城山が世話になった、そんだけだ」
言うだけ言ってそっぽ向く神崎さん。
不器用なその様子に笑みをこぼしてしまう。
そっかぁ、とうとう神崎さんもでれたかぁ。
あれだよね、野良猫がやっと甘えてきたみたいで和むよね。
「所で、三木って六騎聖のチビと男鹿で三角関係になってるってウワサが流れてんだが、本当か?」
「ぇ…は?え?」
姫川さんの発言に真っ白になる。
「あー…なんでそんな話が?」
「お前と城山がやられた日、なんでも昼間そのチビと楽しそーに話してたらしいじゃねーか。そんでお前と城山をやった奴らは三ヶ月の停学、更には大学への推薦援助なしをくらってんだが、教師の奴らが言うには元々2週間だけの軽い処置で済ませるつもりだったらしいぜ?」
「話の前半は確かに合ってます、三木君は私と男鹿と揃って同じ中学でしたから。でも後半は何があったんですか?刑がかなり重くなってますけど」
「その刑を重くしたのがあのチビだったのさ。初めは取り繕ってたらしいが、オレらがケンカして次の日に、お前の状態を聞いた上で教師の奴らの決定を聞いた時爆発したらしい。えれぇ暴れ様で六騎聖の男手全員で抑えなきゃならん程だったとよ。その騒ぎと昼間のおしゃべりが、娯楽に飢えた想像力豊かなバカ共に知られて後はお察しさ。男鹿が巻き込まれての三角関係は話のどっかでお前と男鹿が幼馴染で、チビと3人全員が同じ中学だったって情報が入ったからだな」
やば…想定外の方でやば…周りの目線が、特に女子の目線がやば…。
「さて、同じ中学だって事は本人確認が取れた訳だが?」
「実際気にはなる、姐さんと金パツでクソ羨ましい状態の中、ちゅーぶらりんな関係の友達以上恋人未満な幼馴染に男の影とか」
「少女マンガによくある幼馴染へのテコ入れっぽいスけど現実でそんな事中々ないっスからねー。さぁ、キリキリ吐くっスよー!!」
「…ドキドキ」
「あんたら…」
「ご、誤解だーー!!!」
…何とか誤解を解いたが、既に学校中に広まっているらしくウワサの根絶は諦めるしかなかった。
それから三週間近く、忙しくも騒がしい、石矢魔組は日常を送り続け。
学園祭、当日をむかえた。
─学園祭の三日前、
「さて、古市。始めるか」
「はい」
いつもの川原で相対する私達、ヒルダさんがボールを構え、私もすぐ動けるように身構える。
石矢魔組のバレー練習の帰り、辺りがすっかり暗くなった中で行われる秘密の特訓。
始まりは四日前、激しくなければ運動しても良いとお墨付きが貰えた。
通常ではありえないほどの回復力に病院の先生に驚かれたが…ラミア様々である。
それまでほとんど軽い手伝いしか出来なかった私だが、
「こい」
バレーの練習を一人でこっそりしてた所をヒルダさんに捕まり、川原でヒルダさんに指導してもらうことが決まった。
「いくぞ」
自身の身の丈以上に飛び上がり、後ろに引いた腕でボールを激しくも確実に捉える。
正に殺人級のボールが一瞬にして目の前に迫る。
私はそれを止め、上に上げようとする。
腕だけで止めようと思うな。
初日も二日目もそれで死にかけた。
ボールが腕に触れる感覚と共に身体全体をバネが縮むイメージで反動を必死に抑える。
一瞬が何時間にも思えるような不可思議な感覚と共に徐々にボールを上へ。
上へ。
上へ!
上へ!!
「上ぁがぁれぇぇっ!!」
バシュンッ!!
今までに聞いた事のない、手応えのある音。
しばらくしてトントンと地面に落ちてきたボールが、やっと実感を与えてくれた。
「ひろ…えた…?」
「あぁ、四日目にしてやっとだがな。ま、邦枝以外では私のボールを拾えたのはお前だけだ、誇るといい」
「…はい」
「大したものだ、体調面を見て一日に2本だけ面倒を見てやったが、やれば出来るものだな」
「ヒルダさんの指導が良かったからですよ、んぅぁ〜疲れた〜」
「…フン、当たり前だ」
「じゃ、明日もよろしくです、ヒルダさん」
「ああ、ではな」
男鹿にも言ってない秘密の特訓。
ちょっとの罪悪感と成長した達成感に、ヒルダさんとの特訓という優越感。
フハハ男鹿よ、私はお前の先を行っているぞ!
…。
疲れすぎてテンションがバカみたいになってる。
……あいつ今日も東条さんと殴りあってるんだろうなぁ。
………。
「もっともっと、頑張りますか」
─学園祭当日、
「それではこれより聖石舞祭、石矢魔対聖石矢魔部長連のエキシビジョンマッチを開催する!」
宣言と共に観客の雄叫びが体育館の天井を揺らす。
お互いに気を引き締めた表情でコートに入っていく石矢魔組と六騎聖。
「両チーム整列!!!」
司会進行の古奈さんと元バレー部のキャラが定まってないねこな畑山さんがマイクにむかい声を張る。
所であの古奈さんって方、放送部らしいけど盛り上げ方上手すぎない?
趣味でプロレス実況とか見てたりしない?
まぁそれは置いといて、両チームのリーダーの握手で生徒会長だと判明し、生徒会長のファンクラブによって邦枝さんが批難される。
それを歯切りに石矢魔への、不良への嫌悪感を隠さない声が上がる。
チクチク言葉ハンターイ!
「アウェー、すねー」
「数に物いわせてズイブン強気じゃない…」
「ばかやろうっ!!」
入口から石矢魔の応援旗を掲げ、それぞれが応援団の格好をして入ってきたのは、城山さんと三年生5人だった。
…ってちょ、
「城山さん!私達ホントは激しい運動とか厳禁なんですよ!?お互い病み上がりなんだし城山さんのことだからある程度抑えて応援とか出来ないでしょ!?」
「わかってるじゃないか、古市。だが安心しろっ!!気合いで乗り切る!!」グラッ
「言ってるそばからフラフラじゃないですか!」
「この城山、命尽きるまで応援するぞ!!!!」
「あぁ…だめだこれ…」
なお、駆け付けた医者と看護師(と持ち込まれた鎮静剤)によって城山さんは搬送された。
その後もベル坊の事とかで審判に聞かれたりしたが、両チームに異論なしと言うことで試合は開始された。
最初の方は良かった。
サーブは六騎聖側、金髪の留学生?ハーフ?君によるジャンプサーブ。
それを危なげなく拾う邦枝さん、夏目さんがトスし姫川さんのスパイク。
ボールはリーダーさんにブロックされたが、ちゃんとしたバレーに見ていた生徒や先生が驚いた。
ふふん、凄かろう凄かろう、この日のために皆特訓してたからな!
が、問題は男鹿と東条さんだった。
続く金髪君のジャンプサーフ、それを拾う邦枝さん、繋げる夏目さん、からの…
「むぅん!」
ボールを両手で受け止めた東条さん、それを男鹿へパス、男鹿はそのまま流れるようにドリブルし相手コートへダンクシュート。
…。
「反則」ピィー
「何っ!?」
当たり前だよおバカァ…。
上げて落とされた気分だよ。
その後も男鹿と東条さんによる反則により1セット目の中盤は18-12、あまりにもあんまりな状況を変えるため姫川さんがタイムをとった。
上から見ている聖石矢魔生徒からの見下した発言が耳を掠めるが、それを受け入れてしまいそうなほど酷い作戦をうちのチームは企てていた。
タイムアウトが終了しそれぞれのポジションに戻っていく両チーム、先程との違いと言えば、うちのチームの表情くらい。
邦枝さんは納得できない事を飲み込むような、ホントは良くないけど黙認しないといけない…という微妙な表情を。
他の男共は悪ガキがイタズラを思いついた時のような、悪人が獲物を前にどう悪事を働こうかという表情をうかべていた。
「……何?」
「いーから、とっとと打てよ」
「おう来いやこら」
姫川さんが言っていた事を振り返る。
─反則ってのはルールを破るから反則になるんだ
─って事はだ、裏を返せばルールにのっとった反則は反則じゃねぇ、よぉく考えてみろ…
─オレ達にはオレ達にだけ許された特別ルールがあるだろう?
相手サーブを拾う邦枝さん、トスしようとする夏目さん、それを隠すように否、隠すために前に出た男鹿。
両サイドも東条さんと姫川さんが挟むように前に出て3人同時にジャンプ。
そして、ボールのようなものが見えたのは、男鹿の後ろ。
いち早く反応しブロックしようとする相手選手、しかし、重力に従い落ちてきたのはボールではなかった。
それは、相手選手に男らしい目付きでピースサインを送る、ベル坊だった。
一瞬、時が止まったかのような静けさが訪れ、姫川さんがボールを入れた。
テンッテンッと跳ねるボールを見て釈然としない顔をしながらも加点する審判、それを実況…間違えた司会進行の古奈さんが伝え館内が揺れた。
三木君が正当な抗議をしているが姫川さんに丸め込まれてる、ほんとこういうの好きよな姫川さん。
思う所があるはずの邦枝さんも目を瞑るようだ。
こうして、ベル坊の加勢が認められたまま試合が進んだ。
親子時間差、ベル坊ブロック、電撃による金縛り。
もはややりたい放題、ねこの畑山さんが言う通りバレーではない。
ベル坊の活躍により点差は逆転、21-24でこちらのセットポイント。
だが、
「な…」
「あかんわーもう、あかんあかん」
生徒会長のサーブボールが、邦枝さんを吹っ飛ばした。
「1セット目は普通のバレーしとこ思ってたのに…君らのせいやで?」
二度目のサーブ、ボールを高く上げ、構えをとり、銃弾が火を吹くようにボールが飛ぶ。
ボールの体積が何倍にもなったかのような錯覚をしてしまう程の威力。
「ぐっ…あぁ!!」
受け止める邦枝さんだが、勢いを止めることができず。
また、吹き飛ばされる。
1セット目はこの生徒会長のサーブを決め手に、六騎聖にとられてしまった。
〇〇〇〇
「あーあー、すげぇ赤くなっちゃってるね、大丈夫?」
「ええ…」
「あのクソメガネ…なんちゅーサーブ打ちやがる」
戻ってきたチームの空気は、重い。
邦枝さんの腕はボールを受け止めた辺りが赤くなっており、本当にバレーでできた負傷とは思えない有様だった。
「これ一回休んだ方がいいっすね…葵姐さん腕上がんないっしょ?」
「……」
「そうね…でも代わりなんて」
花飾りの可愛い花澤さんがスプレーで邦枝さんの腕を冷やしつつ寧々さんも交えて相談する。
これは…やるしかないな。
「…寧々さん、ユニフォーム確かあと1着ありましたよね」
「あるけど…まさか古市あんた!」
「私が出ます」
絶句する周囲。
それもそうだろう、病み上がりの、練習もろくにこなせてない女に何が出来るかって話だし。
ここにはレッドテイルの人達だって、ヒルダさんだって居る、私の出る幕ではないかもしれない。
でも、
「腕が治った後、ヒルダさんに特訓をつけて貰ったんです。ある程度ならなんとかなるかと」
「でもあんた病み上がりでしょ!?」
「出たいんです、ケンカ出来ない私だって、石矢魔なんです。邦枝さん、私は長くは持たないでしょう、でもその腕を回復させるまでの時間くらいは稼いでみせます。だから」
「……わかったわ」
「姐さん!?」
「古市、頼んだわよ」
「はい」
「ああもう!由加、包帯とかすぐ使えるようにしといて!氷嚢も!」
「りょ、了解っス」
「寧々さん…」
「は〜…無茶すんじゃないわよ」
「…はい!」
『さぁ第2セットが始まりました!!もう後がない石矢魔!!果たして逆転は出来るのか!!』
「すみません皆さん、お待たせしました」
『おおーっと石矢魔チーム選手を代えてきましたね!!邦枝選手に代わり入ったのは古市選手!!同チームである男鹿選手と六騎聖の三木選手との三角関係が校内をざわつかせて話題に欠かない方です!!そのうち取材させて頂きますね』
「まじか」
出場したら取材を受ける事になった件、端折りすぎて意味わからん。
落ち着け、切り替えろ。
私は私に出来る精一杯をするんだ。
『古市選手地味にアンダーサーブーッ!!六騎聖は流れるような連携でこれを返すー!!おぉ!?』
「…っ!!」
ボールは拾えたが、夏目さんには程遠い。
ボールに一番近いのは…
「神崎さん!」
「わかってる!」
『古市選手が六騎聖のアタックを拾い神崎選手がボールを繋ぐ!!それを夏目選手がアタックー!!しかし鉄壁の守りにより先制点は六騎聖が持っていったーっ!!』
それから試合は進み、点数は8-4。
生徒会長のサーブを拾えた事でざわめきもあったがどんどん身体の動きが悪くなり点差も開く一方だった。
一度流れを切るためにタイムを取る。
「はぁ…っはぁ…っ」
「古市が限界近ぇか、やべぇな…」
「はぁ…っ…まだっ、動けっゲボっ」
「辞めとけ、今までレシーブは邦枝に任せっきりだったからな…古市以外全員ザルだ」
「てめーが一番ひでぇけどな」
「「あ"?」」
「やめなさい!!」
チームが無力感と焦燥感でギスギスしていると、邦枝さんが止めた。
「古市、交代よ…よく頑張ったわ」
「はぁ…っはい…っ」
思わず崩れ落ちそうになってレッドテイルの飛鳥さんと梅宮さんに支えられる。
ベンチに戻りながら、背後から聞こえる声に。
「みんな聞いて、今から全部のボール、私が拾って拾って拾いまくるわ」
見ることが出来ないけど、分かる。
「だから、絶対、勝つわよ」
「「「「「おぉうっ!!」」」」」
皆の姿を、想像する。
声だけでこれなんだから。
実際に見たら、
「絶対、もっとかっこいいんだろうなぁ…」
『さぁー大変な事になりました!!一体誰がこんな展開を予想したでしょうか!!両者一歩も譲らぬ激しい攻防!!1セット目は六騎聖!!2セット目は石矢魔がそれぞれとり、そしてデュースに次ぐデュース!!試合は第3セットまでもつれこみ得点は27対28!!石矢魔5回目のマッチポイントです!!』
意識が飛んでる内に終盤まで進んでいた。
ベンチから身体を起こして周囲を見る。
皆、真剣に試合を見ている。
始まる時にはこっちをバカにしてた生徒も、何も期待していなかった先生も、例外なくこの試合を見ている。
『おっと姫川選手サーブが乱れました!!』
『もう体力の限界なのでしょう』
コート内を見る。
皆疲れ果てている。
石矢魔も六騎聖も関係なく、そこに立つ全員が汗に濡れ今にも倒れそうだった。
『さぁー六騎聖チャンスボールです!!出馬選手の渾身のスパイク!!!ブロックはじいたーッ!!邦枝選手これを追うが間に合わない!!』
夏目さんの手が後ろへ弾かれるほどのスパイク、邦枝さんが走るが間に合いそうになかった。
でも、その後ろを走ってるあいつなら、
『な、なんと男鹿選手…ポジションを無視してこれにくらいついている!!』
そうだよな男鹿、お前は意地でも諦めない。
足りない高さを補うために飛び上がり、ケンカの時のように思いっきり握った拳でボールを殴る。
ターンと音を立てつつ落ちたボールの位置は…
『は、入ったーーッ!!入りました!!まさかの返球に一歩も動けず!!27対29!!エキシビションマッチバレーボール対決を制したのはなんと、石矢魔です!!!』
次の瞬間、歓声で体育館が振動した。
皆が思い思いに喜び涙を流した。
選手が整列し、邦枝さんと生徒会長…出馬会長が握手すれば拍手の嵐。
私達はやっと、
『あ、ちょ、何ですかあなた!!返してくださいっ!!ちょ…』
『あーあーテステス』
気がしたんだけどなぁ。
最低だよ、このクソマリモ。
始まりは中学一年の終わり、雪の降る下校中の事だった。
奈良に引っ越すという三木君との思い出を増やしたくて、買ってきたおやつを男鹿と三木君の3人で食べるために普段入らない廃ビルに入った。
少し喋って帰る途中、三木君が忘れ物をしたと言って廃ビルに戻るのを男鹿と追いかけたら、そこには三木君以外にも霧矢とその取り巻きが居た。
男鹿は取り巻き達を瞬殺した後、三木君が霧矢から忘れ物を取り返そうとするのを尊重して初めは手を出さなかった。
まぁ、最後は手を出してしまったんだけど。
その次の日、霧矢がうちの中学まで報復しに来た。
男鹿が出ていくのと共に三木君も出てくると男鹿は三木君との関係を隠すために三木君をズタボロになるまでボコった。
後でなんとか聞き出したが、男鹿は、三木君と同じように霧矢も奈良に引っ越す事を知っていたらしい。
だから三木君を傷付けることで、三木君を守ったのだ。
男鹿は、自分の思いを通す為なら人に暴力を振るう事に戸惑いがない。
それは相手だけでなく自分自身も含めて。
だから、今も男鹿は霧矢からの暴力を耐えている。
バレー試合で勝ち取った結果を無下にしないために。
でも、三木君は耐えられなかった。
観客を人質にするために十数人の帝毛の生徒が観客の傍にいる中、霧矢に殴りかかる。
鍛え上げた武術の一撃は霧矢が持っていた鉄バットを折り曲げた。
そして因縁なら自分にもある筈だと叫ぶ三木君。
そこで発覚した霧矢が奈良へ引っ越した事実に固まった。
察しのいい三木君の事だ、すぐに分かったんだろう、男鹿が三木君を傷付けることで守った事を。
そんな三木君を足蹴に登場した四人組。
チャラいの、デカいの、武人風の、オカマのハゲの帝毛生。
喋ってる4人組にまた挑む三木君、それを迎え撃つ武人風とオカマのハゲ。
吹き飛ばされ追撃を受けそうになる三木君だが、
「死ぬのは、てめぇらだっ!!!」
背後から駆け出した二人の顔を床に叩きつける黒い影。
「しょーがねぇ、てめーとの勝負はおあずけだ。とっとと片づけんぞ…三木」
…ああもう、カッコよすぎない?男鹿。
さて、男鹿と三木君が帝毛の「影組」と呼ばれる四人組を瞬殺する前に邦枝さんと近くに居た六騎聖の女子に小さい声で話しかける。
「邦枝さん、レッドテイルの皆で観客の傍にいる帝毛をやっちゃいましょう、六騎聖の方々も協力してください。人質解放作戦です」
「でも大勢で動いたら気付かれるでしょ?どうする気?」
「こんな騒ぎです、さっきまでの私達みたいに中央に居る男鹿達に注目が集まっています。男鹿は絶対にあいつらを一撃で瞬殺します、おそらく三木君もそうでしょう。そうなれば霧矢は人質を使うはず…その前に解放すれば、今度こそ王手です。こんな騒ぎの中なら意外と気付かれないものです、目線に注意しつつ二人か三人ずつ向かいましょう」
「わかったわ、出馬君達にも話しとく」
「こっちも寧々達に伝えるわ、古市」
「お願いします」
まぁ皆すごい強いし心配ないけど。
いやー、影組と霧矢は強敵でしたね。
なんて冗談を零しつつベル坊にミルクを飲ませる。
夕日が差し込む屋上、私と男鹿の他にもヒルダさんやアランドロンが居る中、男鹿がヒルダさんに相談する。
あの後、男鹿がチャラいのとデカいのを、三木君が武人風のを一撃で倒した後、霧矢が人質を使う前に残りの帝毛生を皆がとっちめて。
焦る霧矢は男鹿とベル坊の全開ゼブルブラストによって黒焦げ+パンイチにされた。
帝毛の生徒を全員追い出せた訳だが、見せてしまった魔王の力は出馬会長と七海さんの協力により隠す事が出来た。
だが、男鹿は出馬会長がすれ違う去り際に言われたらしい。
悪魔の力を無闇に見せてはいけない、と。
男鹿が聞けばヒルダさん達にも思い当たる節がないらしい。
謎を残したまま、今日は終わった。
「ダッダッダー♪ダッダッダー♪ダバビデーブッブー♪」
学園祭明け、登校中の男鹿と合流したらベル坊がかなりご機嫌だった。
恐らく力を思いっきり使えたからだろうな、楽しそうだからいいけど。
なお、その学園祭での影響は凄まじいようで…
「ベールちゃん」
「おはよー」
「子連れ番長だー!」
「ベルちゃんこれ食べるー?」
「かわちー」
学校の敷地内に入ったあたりから結構な頻度でベル坊へ挨拶や手を振る女子が現れた。
全体的にベル坊が目当てのようだが、時々男鹿も一緒に挨拶をされている。
今までこんなに気軽に話しかけてくる女子が居なかったせいか、男鹿はかなり戸惑っていた。
当然か、男鹿って初対面の女子には怯えられるか威嚇されるかの二通りだったしな…。
まぁベル坊のファンクラブが写真撮りに来たあたりで三木君が助けに来てくれたが。
私?笑いながら見てたよ。
「おはよ」
からのこれですよ。
眼光の鋭い邦枝さんからの真冬のような挨拶、思わず固まっちゃうね。
続くレッドテイルの皆様から足蹴にされ言いたい放題される男鹿。
まぁ…ね、邦枝さんの味方な寧々さん達からしたらこの状況は一言入れたくなっちゃうか。
「…ったく、何なんだ」
「…男鹿」
ん、どうしたんだ三木君、そんな照れた顔して。
「あん?」
「今日…その…一緒に、一緒に帰らないか!?」
「やだよ」
「マ"」
……三木君や、噂されてる三角関係の矢印の向きがすげー事になりそうだからそういうの控えてくんね?
頼むぞ?マジで。
なんせ既にこっちを見ながら鼻血を垂らしてメモとってる女子が居たんだから。
〇〇〇〇
「…というわけで、今日からお前らの担任になる、早乙女だ」
あれから荷物を私に任せた後、HRの時間まで帰って来なかった男鹿は、今教卓にいる新しい担任に担がれて来た。
一緒に東条さんも担がれてたせいで今も誰も騒がない。
ボサボサな黒髪、無精髭、不健康そうな目元、バンダナ…PTAに怒られそうな教員とは思えない男。
発言も結構危うい、セクハラです。
でも私を見ても驚いたり凝視したりしなかったんだよなぁ、でも男鹿や東条さんみたいなタイプには見えないし。
まぁHRが終わったらすぐに出て行ったから何もわからず次第、教室内ではうちの二人の最強を下した謎の男として度肝を抜かし続けたのだった。
その後は自習したり、職員室まで先生へ勉強の質問に行ったりといつものように時間が過ぎていった。
そして夕方。
「男鹿…聞きたい事があるの…」
体育館と倉庫の中間辺りにある脇道で邦枝さんが静かに話す。
まるで告白場面だ…実際にはそんな甘酸っぱいものではないんだけど。
「答えて…その子、一体何者なの?」
「……何者…?」
放課後になりどっか消えた男鹿を探してこんな場所まで来てしまったが、どえらい場面に出くわしてしまった。
息を殺し、バレないように様子を伺えば、邦枝さんの後ろ姿と困惑する男鹿が見えた。
男鹿は悩み、考え込み、あごに手を当て、終いには頭を抱えてる。
これは…ダメなんじゃね?
頑張れ!どうにか誤魔化すんだ!
「だぁぁっ!!面倒くせぇっ!!ベル坊っ!!お前自分で答えろ!!」
「ニョ!?」
ベル坊にぶん投げたぁ!?
無理だろ!?投げちゃダメだろ男鹿!!
ベル坊まだ赤ちゃんなんだぞ!!
「……」
「……」
「ダ」
「ダ…?」
「…だ」ウム
「ダ」コクリ
「だ……?」
「だじゃなぁぁーーいッ!!!!」
「古市!」
案の定だよこのおばか!!
「ばか!!だじゃないよ!!なんにも説明できてないよボケ!!邦枝さんもしっかりつっこんで下さい!!あのままずっとボケ倒すつもりだったんですか!!??」
「いーとこに来たな古市、こいつの名前なんだっけ?」
「ニョ!?」
「そこ!?酷いにも程があるぞお前!!」
「…あなたも知ってるの…?」
「もちろん!!ただ…詳しい事情はヒルダさんと相談して出来るだけ話しますが、話せないこともある事は理解してください。それで名前ですけど、その子の名前は、カイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世。名前の感じで分かると思いますが王ぞ…っと?」
「ア"ーッ!!」
ベル坊が突然男鹿の腕から私の腕にダイブしてきたんだけど。
「アゥ…」
「あーもう泣くなよベル坊、確かにあのバカすげー酷かったけど」
「そうよぉ?ダメじゃない、大魔王様の息子が簡単に泣いたりしちゃ」
ベル坊をあやしてると、ヒルダさんによく似た女性に話しかけられた。
「……どちら様ですか?」
ヒルダさんと瓜二つだけど、違う。
つい眉間に皺を寄せつつ聞けば、なんでもないように近づいてくる女性。
「ふぅん、あの下衆女と間違えない程度には見る目があるのね、あなた」
「…っ男鹿!ベル坊を!」
女が目前に迫る一瞬、振り返り男鹿へベル坊を投げ渡す。
男鹿の驚いた顔を眺めながら、私はまたしても意識が暗転した。
…最近私気絶され過ぎじゃね?
「……で、侍女悪魔さん達と焔王様っていうベル坊のお兄さんが登場、自己紹介されて、落ち着いて話をするために私の家に連れてきたと?」
「すまん…仕方なかったんだ。オレん家がぶっ壊されたりしちゃかなわんだろ?」
「おま…おま…はぁー…。あー、ごめんほのか、お茶ありがと、もう部屋戻っときな、ごめんなほんと」
「いいけど…お姉ちゃん大丈夫なのこの人達…」
「うん、多分、きっと、メイビー…お姉ちゃんガンバル」
一息ついて焔王様と侍女悪魔さんが話すには、事の発端は大魔王様らしい。
簡単に言えば、ベル坊が時間かかってるから焔王様に手伝わせようって話。
毎度の事ながら超テキトーだな大魔王。
「そんなわけでよろしくの、弟よ」
「アウ?」
ベル坊に手を差し伸ばす焔王様、それに対しベル坊は、
「アーアー、エアッ」
先程男鹿がやって侍女悪魔さんのヨルダさんに制裁された時のようにコップの氷を焔王様の頭に投げつけてしまった。
「アーッ!!」
キャッキャッと喜ぶベル坊、唖然とする周囲。
男鹿はヨルダさんの後も失礼発言してヒルダさんに制裁されたからまだ起きられない。
ヒルダさんや侍女悪魔さん達は止めたいけど主君のした事だからか上手く止められない。
そんな状況でまた氷を投げようとするベル坊の手を、優しく掴んで止める。
「ゥ?」
「ベル坊、それはダメだよ」
握っていた氷をやさしくコップに戻し私の方に抱き寄せて言う。
「人間の私が、将来魔王様になるベル坊に言うのは変なんだけど、焔王様は大魔王様の言葉があったとはいえベル坊が心配で手伝いに来たんだ。いいか、ベル坊を思って人間界なんて遠い場所まで来た。立派にお兄ちゃんをしにここまで来たんだ、わかるな?」
「アゥ…」
つい強く言い過ぎてしまった。
あぁ、この後ヒルダさん達にしばかれるかもなぁ…。
でも、これは教えなきゃ。
教えなきゃダメなことだ。
「ベル坊はまだ赤ん坊だから知らなくてもしょーがないよ、だから私が教える。家族は大事に、だぞベル坊。わかるな、家族は大事に、だ」
「ウゥ…」
「じゃあ焔王様にイタズラした事、謝らないとな?大丈夫さベル坊、こんな遠くまでベル坊を心配して来てくれるお兄ちゃんだぞ焔王様は、絶対許してくれるさ」
「ゥ……ァウ」ペコリ
私に抱き抱えられながらも、焔王様に頭を下げるベル坊、焔王様はどこかキリッとした表情でそれに応えた。
「うむ、謝罪を受け取ろう」
そしてまた手を差し伸ばす焔王様、距離が届かないだろうと思ってベル坊を焔王様の前まで持っていく。
今度こそ、二人は握手できた。
「古市と言ったか」
「え、あ、はい」
「弟のこと、よろしく頼むぞ」
「…へ?…へい」
それ私に言うのか?
「所で古市よ、この場に人間界のゲームはないか?人間を滅ぼす前にさわってみたくてのぅ!」
「えーはい、ありますよPS2」
「PS2…?」
数十分後……。
「イザベラ!!ヨルダ!!サテュラ!!明日ゲームショップに行くぞ!!人間を滅ぼすのはその後じゃ!!」
人類滅亡は先伸ばされた。
が、焔王様達が帰る前にとんでも情報を渡してきた。
ベヘモット34柱師団、焔王様の家臣達で過激な連中もいてベル坊にまで危害を加えようとする奴までいる集団らしい。
「そーゆーわけじゃからの男鹿とやら」
「あ?」
「そのうち余の部下達が殺しに来るかもしれんが…ま、頑張れよ!!」
「…はぁ?」
翌日、
「葵姉さん休みとか、今までこんな事なかったのに…」
「男鹿もです、実は昨日あの二人一緒に帰ったらしいんですよ、男鹿のお姉さんに男鹿が帰って来ない事聞いた時についでに教えられたんですけど…」
「まさか……!?」
〇〇〇〇
「…ち…古…起きなさい…!古市!!」
急かされるような声で目が覚めると目の前にロリがいた。
腹部に感じるちょびっとの圧迫感から察するに布団越しとはいえ私に馬乗りになっているロリ、もといラミア。
事案かな?
「やっと起きたわね、さっさと起きて支度なさい!!今から焔王坊っちゃま捜しに行くんだから!」
「…おはよう、塗り薬ありがと。あと、降りてもらっても?支度するから」
「40秒でやりなさい!!」
最近天空の城でも見たのだろうか。
パジャマから外行用の服に着替えつつラミアから説明を受ける。
その際の「…あなた、何も知らないのね」という言葉が妙に心に刺さったが、聞いていくうちに自身の顔が真っ青になっていくのを自覚するほど血の気が引いていく。
「ヒルダさんは無事!?いやラミア達が来たから無事か!!男鹿は!?ベル坊は!?怪我してない!?」
転生してすぐ並に発狂した。
だってヒルダさんだぞ?あのヒルダさんがだぞ!?
いや、切り替えろ…無理にでも切り替えろ!
心はホットでも思考はクールに…!
「焔王様を探すのね、了解」
「じゃあどっか行きそうな場所とか心当たりないの?」
「…焔王様は帰る前に地球のゲームに興味を持ってた。うちで遊んだゲームが新鮮だったんだろう、侍女悪魔さん達に『ゲームセンターに行くぞ!』て言ってたからまずはゲームセンターかな」
「げーむせんたぁー…行ったことないわね」
「そっか、案内するけど、結構うるさい場所だからそれは注意かな」
後はガラの悪いお兄さんが多いのも注意か。
…あれ、そういやなんで私?
「ねぇラミア、私が協力者でいいの?用心棒みたいなの出来ないよ?」
「しょ…しょーがないでしょ…?だって…人間界で知ってる奴なんてアンタしかいないし…つべこべ言わずに付き合いなさいよ」
少し頬を赤くしそっぽを向くラミア、可愛いものが見れたので話題転換のために男鹿も誘おうと言えば、邦枝さんと修業に行ったらしい。
…やばい、ほんとに役たたずになりかけてる。
「もうちょっと、もうちょっとよー。もーうちょっと…はいそこっ!!」
ピタッ
「よーしきたきた…」
グググーー…ン…ガシ
「おぉおおーーっ!!」
プラーン
「きた、きたきたきたきた。き…たぁ〜…」
ガコン
「とったどーっ!!!」
「やったーっ!!」
っじゃなくて!!
「私何してんの?クレーンゲームに1200円突っ込んで…」
「は?焔王坊っちゃま捜しに来たに決まってるじゃない、忘れたの!?ったくしっかりしなさいよね、行くわよ!!遊びに来たんじゃないんだから!!」
長々と叱るラミア、しかしその腕の中には先程とった犬のぬいぐるみが抱えられておりさっさと歩く後ろ姿からも分かるくらいご機嫌であった。
…母さん、父さん…もう歳だろうけど、もう1人くらい頑張ってみない?
ほのかで我慢しなさい?…確かに。
「でもラミア、自分で言っといてなんだけどゲームセンターはさっと見たらすぐ次に行こうと思うんだ」
「なんで?」
「ゲームセンターはここ以外にも数箇所あるんだ、行き違いになったりしても数をこなした方がいいと思って…」
「おう古市じゃねーか、お前もメダルゲームか?」
「…いえ、ちょっと人探しを…」
「誰?」
なんでこんなとこいんだ神崎さん…。
「ラミア、こちら神崎さん、私や男鹿の先輩で部下思いの強い人。神崎さん、こいつはラミアって言って…男鹿の親戚みたいなものです」
「ふーん」
「あと好物はヨーグルッチです」
「ほー…わかってるじゃねぇか」
「神崎くーんヨーグルッチ買ってきたよー…お?」
「古市…」
夏目さんに城山さんまで…ここは神崎さんとこの縄張りだったようだ。
ひとまず場所を変えて焔王様が来たかどうかを聞けば、見たらしい。
「緑色の頭をしたガキだろ?ここはオレ様の城だからな、目立つ奴は憶えてるよ」
それで案内してもらった先の格ゲーの対戦台には…
「また負けたぁぁっ!!なんじゃこいつはぁぁパネぇぇぇっっ!!」
今日も元気で頭の花飾りが可愛い花澤さんが居た。
アホ可愛い…だが先輩だ。
「およっ神崎先輩」
「……」
おもむろに花澤さんの頭を握り始める神崎さん。
「パー子…なんでてめーがオレの城にいんだ?あれか?ファンか?ファンなのか?」
「いやいやいやっ!!知らねーっスよ!!たまたまっつかパー子ってなんスか!!?」
傍から見たら痴話喧嘩にしか見えない争いが終わると神崎さんが焔王様の事を聞いてくれた。
が…
「緑色のガキ?いやぁ…見てないっスね…地球人っスか?」
「省略しすぎだ、なんだ?緑色のガキって、こえーよ」
「ゲーム強いんスか?んーもしかしてウチが戦ってた相手だったりして」
花澤さんの対戦相手は、姫川さんだった。
わーぁ、よく見るメンツでいっぱいだぁ…。
…ん?姫川さん?
…ここは神崎さんの城…二人は犬猿の仲…おそらく姫川さんは知らずにここに遊びに来た…。
縄張り争い、勃発!!
私こと古市と悪魔のラミアは焔王様を探しにゲームセンターへやってきた訳だが…
「クソメガネ…オレ様の城に土足で入ってきてんじゃねぇよ…!!ボッコボコにされてぇのか…!?」
「あぁ?やってみろよ。そういや、てめーとの決着はまだつけてなかったよなぁ…?この際だ…どっちが上かはっきりさせとこうじゃねぇか」
「おもしれぇ…いくぜオラァ!!」
「こいやぁぁっっ!!」
《Ready Fight!!》
いや格ゲーでつけるのかよ…。
「犬と猿というか…蛇とマングースというか…」
「…しょうがないわね、まかせて」
「またれよ」
ジャコンじゃないのよ、何急に銃取り出してんだよ物騒だなおい。
「時間が無いのよ、大丈夫よ薬うちこむだけだから…ちょっと気持ちよくなって操り人形みたいになるやつ」
「全然大丈夫じゃねぇっ!!」
「大丈夫なやつよ、半日もすれば解放されるわ…この世のしがらみとかから」
「死んでるよね!?それ!!操られた挙句死んでるよね!!」
あかんー!
ラミア優しくて可愛いいけどやっぱ悪魔だよこれー!
ど、どうにかしなくては…。
ひとまず銃は没収し、暇してる花澤さん経由でレッドテイルの方々に聞いてみると、
『はぁ?子供を捜してる?それどころじゃないわよ、こっちだって姐さん捜してんだから』
「いないんスか?」
電話越しに寧々さんの声が漏れる、声は聞こえないが恐らく千秋さんも傍に居るだろう、大体いつも一緒だし。
『家に行ってもいないし携帯は圏外だし、もう丸2日会ってないのよ?どーなってんのよ』
「あの…私居場所知ってます」
『その声…ユキ!?あんたなんで由加と一緒に…いや、姐さんの居場所知ってる!?どこ!?』
「とりあえず説明するんで来て貰えます?」
「今日皆さんに集まって貰ったのは他でもない、とある人物を手分けして捜し出す為です」
あの電話の後、神崎さん達と姫川さんと一緒にカフェとレストランを兼ねるカストまで移動して寧々さん達と合流した。
「おいおい古市…てめーぶっ殺されてーのか?勝負の邪魔してまでオレ達をこんな所へ連れてきた理由がそれか?」
「…同感だね古市ちゃん、あんまり調子にのっちゃダメだよー?君それオレ達をアゴで使おうってわけ?」
「そんな事はどーでもいいのよ!!葵姐さんはどこなの葵姐さんは!!」
因みに神崎さんと姫川さんは一勝一敗1引き分けのすげーいい勝負してたからまじで申し訳ない。
でもラミアがまた変なの出てきそうだったから許して…。
「すみません、しかしこれは男鹿と邦枝さん…さらに言うなら石矢魔の沽券に関わる問題なんです」
「あ?」
(ちょっと大丈夫なの?適当な事言って…)ヒソヒソ
(しょーがねーだろ!!こうなりゃもう石矢魔全体の問題にするしかねーの!!でたとこ勝負だよこんちくしょー!!)ヒソヒソ
古市、頭を回せ、舌を回せ、私ならできる…できる筈だ…
男鹿やベル坊、邦枝さんは今も辛い思いをしてるはずだ…それにヒルダさん…。
…大丈夫、私は大丈夫…よし!!
ラミアの話、焔王様との会話、石矢魔でのゴタゴタを混ぜ合わせぶちまける!!
「先日、男鹿と邦枝さんが何者かによって襲撃を受けました」
「「「!!」」」
「幸い二人共無事でしたが、相手は信じられない程強く、あの男鹿ですら勝つ事が出来ませんでした…そんな奴らが今度は、この石矢魔に攻めてくるというのです。しかも近いうちに…はっきり言ってピンチです」
「ちょっ…ちょっと待って…それで、姐さんは…!?」
「その際、殿を務めたヒルダさんが負傷…力のなさを痛感した二人は今、とある場所で特訓しているそうです」
「特訓!?」
「はい、魔二津の山奥です。あの二人は必ず力をつけて帰ってきます、だから…誰の為でもない!!石矢魔の為に!!お願いします!!先輩達にその主謀者を捜す為、協力して欲しいんです!!」
どうだ…いけるか…?
「もしかしてそいつら…妙なコートの制服を着た奴らか?だったらオレもやり合ったぜ…なぁパー子」
「…神崎君?」
「は…はいっ」
「由加?」
「いやウチも偶然見たんスけどマジパネェっスよ!!奴らあの東条先輩もボッコボコにやられてましたから!!」
お、これは…
「前に言ってた奴らの事か…確かに東条の野郎ボロボロだったな…」
「どこの学校よ?」
「この辺の奴らじゃねぇ…多分修学旅行生とかだぜ?「アクマ」がどーとかいってたけど…」
「悪魔ぁ?」
「いやでもマジ悪魔的に強かったんスよ!!」
「なんにしてもナメられっぱなしってわけにもいかねーな…」
やったぜ。
やり遂げた達成感で内心コロンビアしてしまった。
後ろではユニコーンが流れてる。
でもどうする、流れは来てるけどあと一押しって感じだ…なにか…そうだ名前!
なにか相手を敵と断定できるような名称を…シンプルに…わかりやすいの…
「敵の名は…悪魔野学園…!!!」
まてラミア、そんな顔すんな。
大丈夫だ、この人達はこれくらいわかりやすい方がいいんだ。
「悪魔野…学園…」
「なんて悪そうな名前の学校だ…!!」
「あぁっ!!オレ達がぶっ潰してやんぜ!!!」
やったぜ(2回目)。
カストの会計を終わらせてる最中、気になった事をラミアに尋ねる。
「そういえばラミア、何かヒルダさんから連絡とか来てない?ヒルダさんの事だから情報が入り次第すぐ連絡してくると思うんだけど」
「えーと…あ、ヒルダ姉様からメールが来てたわ!…「ネトゲサイコー」?ネトゲって何?」
「…皆さん作戦変更です!」
いつか投稿したいネタ未満のなにか
※次話とは何も関係ありません。
原作:ブルアカ
名前:穴山 ハチミツ
所属:アビドス
武器:スタンロッド(銃じゃないんかい!)
学年:1年
概要:数多くの
断念理由:あまりにも原作がよくて私の技量ではノイズ以外の何物でもなかった……この作品?それでも……出したかったんだよ!!
つまりこの熱量をハチミツちゃんへ持ててないのだ…すまない。