メンヘラは恐ろしい!
家に到着した三人は、トラックから大量の買い物袋を降ろし始めた。
降りる前に、健太が二人に向かって言った。
「二人の部屋は2階の上がった一番奥の左と右側だよ。布団とかは運んでるから安心して。」
みよりは嬉しそうに笑顔で返した。
「ありがとうございます。2階の一番奥ですね!」
ゆかりも荷物を抱えながら、
「じゃあみよりのバッグ私が持っていくよ!」
みよりは「ありがとう!」と言い、大量の荷物を持ったまま家の方へ歩き出した。
「じゃあ健太さん、先入ってるからね〜」
健太は咄嗟に二人の荷物の半分以上を素早く引き取り、
「手伝うよ。女性にこんな沢山の荷物持たせるのも大変だし、家の階段急だから万が一って事もある。」
そう言って荷物を軽々と持ち上げた。
みよりが優しい笑顔で健太を見つめながら言った。
「健太さんそう言う所男らしいですよね。本当ノーマルの子だったらキュンポイントですよ。」
健太は少し照れくさそうに、
「そうかな、普通だと思うけど!」
ゆかりも穏やかに微笑みながら、
「まぁ世の男性がどうかはわかりませんが、私はかっこいいと思いましたよ!」
健太は荷物を抱えたまま、嬉しそうに答えた。
「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいよ。」
三人(と大量の荷物)は一緒に家の中に入り、2階の部屋へと向かった。
階段を上る間も、軽い笑い声が響いていた。
部屋に荷物を運び終わると、健太が二人に向かって言った。
「じゃあ俺は夕食の支度しちゃうね。二人はどうする?」
みよりが少し悩むような顔をして、
「うーんちょっと汗かいちゃったし、早いけどお風呂入っちゃおうかな〜」
そう言うと、ゆかりもすぐに頷いた。
「あ、じゃあ私も入ろう!」
健太は優しく微笑んだ。
「わかった。じゃあお風呂炊いてくるから少し待って、ゆっくり入っていいよ。その間に夕食作るから。」
みよりは心から感謝の気持ちを込めて言った。
「本当に昨日から迷惑かけっぱなしでありがとうございます。」
ゆかりも静かに、でも真剣に続けた。
「私達をここに置いてくれた事もそうですけど、こんなに優しくしてもらって、感謝しかありません。」
健太は照れくさそうに笑いながら、
「いいんだよ。言っただろ?好きなだけ居ていいって。夕食終わったら例の件ちゃんと話すから。」
そう言って、健太は部屋を出ていった。
健太が去った後、お風呂が沸くまでの間、みよりとゆかりは買ったばかりの雑誌を広げて見ていた。
みよりが嬉しそうに、でも少し真剣な顔で聞いた。
「ねぇねぇゆかり。さっきの事どう思う?
ゆかりは雑誌から顔を上げて、
「さっきの事? あぁ車の中で話してた新居って奴でしょ?」
みよりは頷きながら、「そうそう、相手の人が宿って言ってた。もしかして、宿泊施設でもやるのかな?」
ゆかりは急に悩んだような表情になり、しばらく考えてから言った。
「そうか、でもそれだとバレるリスク増えるし……あ! いい事思いついた。」
ゆかりが真剣な顔でみよりを見つめた。
「ん? どうしたのゆかり?」
ゆかりは少し緊張した様子で、はっきりと言った。
「ねぇみより、私健太さんと結婚して、赤ちゃん産む。」
みよりは一瞬固まり、目を丸くして困惑した。
「は? え? どういう事? わけわかんないんだけど……」
ゆかりが真剣な顔をして、みよりの目を見つめながら言った。
「健太さんが宿をやるってことは、人気になったら取材とかも来るし、そうでなくても宿の評価サイトとかに私達の写真が載るかもしれない。そうなれば絶対に連れ戻される。それならいっそ健太さんと籍入れて子供も作っちゃえば本家は絶対に見捨てる。その方がみよりと一緒に居られる。どう? この考え?」
みよりは一瞬言葉を失った。
(え……ゆかり、本気で言ってる……?
籍を入れて、子供を……健太さんと?
確かに、ゆかりの家の人たちが来たら、今の状況じゃ絶対に引き裂かれる……。
でも……まだ会って二日目なのに、結婚して子供を作るって……そんなの急ぎすぎじゃない?)
みよりの胸が激しくざわついた。
困惑と驚きが渦巻き、頭がうまく回らない。
同時に、ゆかりの真剣な眼差しを見ていると、胸が熱くなった。
(ゆかり……そんなに私と一緒にいたいって思ってくれてるんだ……。
私もゆかりと離れたくない。一生一緒にいたい。
でも健太さん……確かに優しくて、全部受け止めてくれそうで……ちょっと興味が出てきたのも本当だ。
でもこれって……浮気? いや、違うよね。私たちはまだ健太さんとそういう関係じゃないし……。
それに、健太さんが本気で向き合ってくれるなら……三人で家族になるのも……悪くないかも……?
でも怖い……本当にこれでいいの? 後悔しない?)
みよりは唇を噛み、複雑な表情でゆかりを見つめ返した。
「ゆかり……本気なの?」
ゆかりは強く頷き「本気だよ。遅かれ早かれこのままの関係じゃ居られない。いずれは本家の連中も気付く、そうなる前に先手を打たないと」
しばらくの沈黙の後、みよりがゆっくりと口を開いた。
「わかった。いいよ、健太さんと籍入れても。
その代わり条件がある。私も健太さんと子供作る。」
ゆかりが驚いて目を丸くした。
「え? それはいいけど、法律的には複雑になるよ?」
みよりは少し照れくさそうに、でも真剣な目で続けた。
「ゆかりだけに大変な思いさせるわけにはいかないし……それに、最近考えてたんだよね。
このまま二人で一緒に居ても子供は作れないけど、子供欲しいなって……。
でも男の人とそういう関係になるなんて無理だと思ってた。
でも健太さんに会ってから……この人になら抱かれてもいいかなって、ふと思っちゃったの。
不思議だよね。まだ会って二日しか経ってないのに。」
ゆかりは窓の外を見つめながら、静かに頷いた。
「きっとそういう雰囲気が出てるんじゃないかな?
そしてその気持ちを裏切らない、だから信用できるんだと思う。」
風呂が沸いたので、健太は1階の階段から二人に声をかけた。
「二人共〜お風呂沸いたよ〜!」
するとすぐに部屋の扉が開く音がして、みよりの元気な声が聞こえてきた。
「はぁーい、今行きます!」
健太はその明るい声を聞いて、ほっこりしながら台所に向かった。
今日は鳥肉料理を中心に据えることにした。
道の駅で買った新鮮な鶏肉を丸々3羽使い、全ての部位を無駄なく活用する。
• 鶏肉の唐揚げ
• 鶏肉の照り焼き
• 鶏白湯スープ
• その他、鶏ガラから取った出汁を使った副菜
次々と料理が完成していく。
健太は味見をしながら、
「よし、味はこんなもんでいいか。」
と満足げに頷き、冷蔵庫から漬物や酢の物を取り出した。
「二人が上がって来たらすぐに食べられるように、お酒も用意しておくか。」
そう言って、健太は酒倉に向かった。
倉の明かりをつけると、棚に並んだ日本酒の瓶が美しく光る。
鶏肉料理に合うものを選ぶ。
「鶏肉ならこれだな……大関 唐揚げと楽しむ大吟醸と玉乃光 純米吟醸 94。
肉料理と合わせる場合温度帯が大事だし、燗酒にするか。」
次にウィスキーコーナーへ。
「ウィスキーはどれがいいんだ? ネットで調べるか?」
スマホで簡単に調べると、
「グレンリベット12年? あれ? これ確かここにあった。これがいいのか、おすすめの飲み方はハイボールか。丁度いいな。」
そう言ってグレンリベット12年を手に取り、先程の日本酒と一緒に持って台所に戻った。
「今日の晩餐も楽しくなりそうだ。それに例の話もしなきゃな。
二人共気に入ってくれたらいいけど……」
健太は少し胸を高鳴らせながら、倉を出た。
二人はお風呂に入り、湯船に浸かりながらゆっくりと話していた。
みよりが天井を見つめながら、ぼんやりと言った。
「でもさぁ、なんか信じられないよね?」
ゆかりが髪を洗いながら、
「何が?」
みよりは少し照れくさそうに、
「私達がまさか男の人と一緒になるなんて……もう私達レズビアンじゃないでしょ?
ほらなんだっけ? 両刀遣いのやつ……」
ゆかりが髪を流した後、苦笑いしながら言った。
「両刀遣いって言い方がなんか下品……バイでしょ? バイセクシャル。」
そう言って、ゆかりは湯船に入り、みよりの隣に寄り添った。
みよりは頷きながら、
「そうそう、バイセクシャル!」
ゆかりはみよりの肩にそっと頭を乗せて、優しく続けた。
「そういうのってセクシュアル・フルイディティ(性的流動性)って言うらしいよ。
環境で女性しか好きじゃなかった人が、男性も好きになるってよくあることみたい。」
みよりが少し驚いた顔で、
「へぇーゆかり難しい言葉知ってるね。」
そう言ってみよりがゆかりを見つめる。
互いの距離が自然と近づき、やがて柔らかい唇が触れ合った。
優しく、甘いキス。
みよりが少し息を弾ませながら、
「こう言うこと……これから沢山健太さんともするんだよね?
大丈夫かな? 私達?」
ゆかりは優しい笑顔でみよりの頰を撫でながら言った。
「大丈夫よ、みよりと一緒なら。
それに今すぐじゃなくてもいい。
子供を作るって決めたからには、真剣に健太さんの事も愛そう!」
みよりも穏やかな笑顔になり、
「そうだね……」
そう言って、再び二人は唇を重ね合わせた。
湯気の中で、二人の想いは静かに、深く交わっていた。
みよりとゆかりが風呂から上がり、着替えを済ませた後、廊下を二人で手をつないで歩いた。
居間の襖を開けた瞬間、湯気とともに美味しそうな匂いがふわりと広がる。
テーブルには、黄金色に揚がった鶏の唐揚げ、照り照りと光る鶏肉の照り焼き、湯気を立てる鶏白湯スープ、そしてその他の副菜がずらりと並んでいた。
丁度その時、健太が熱燗を入れた日本酒をお猪口に注いでいるところだった。
「おぉ、来たね。丁度用意できたところだよ。
お風呂入った後でなんだけど、鶏料理には熱燗がいいんだ。みよりちゃん、かまわない?」
みよりは少し驚いた顔で、
「全然、むしろ熱燗も大好きです。」
健太が嬉しそうに笑うと、ゆかりも驚いた様子で聞いた。
「私のハイボールも用意してくれたんですか?」
「もちろん。ウィスキーのことはよくわからなかったからネットで調べたら、丁度該当する奴があってね。」
健太は氷の入ったグラスに炭酸水を注ぎ、ウィスキーを静かに注いだ。
「それじゃ、改めて二人とも、ようこそ我が家へ! 乾杯。」
「乾杯!」
三人はグラスを軽く重ね、口を寄せた。
みよりは熱燗をぐいっと飲みながら、心の中でそっと思った。
(あぁ……この暖かさと優しさに、惚れたのかな、私……)
ゆかりもグラスを口元に運びながら、胸に込み上げる熱い思いを感じていた。
(なんだか不安だったことが、吹っ飛びました。
大変なことはたくさんあるかもしれないけれど、3人となら、なんだって乗り越えられる気がする……)
食卓には、香ばしい鶏の匂いと温かな湯気、そして三人の穏やかな笑顔が満ちていた。
みよりは唐揚げを一口食べて、目を輝かせながら言った。
「うん! この唐揚げすごく美味しい! しかもこの日本酒合う〜!
油のギトギト感を洗い流してくれて、スッキリ爽やか。何度でも肉料理食べれる!
健太さん、これって……へぇー大関 唐揚げと楽しむ大吟醸って言うんだ〜。
油物にも合うなんて、やっぱり日本酒は万能だし奥が深いねぇー こっちはなんて言うお酒?玉乃光 純米吟醸 94 これも後で飲んでみよう!」
ゆかりもハイボールを一口飲んで、優しく微笑んだ。
「このハイボールすごく美味しいですね? ウィスキーが特別なんですかね。
なんでしたっけ銘柄は?」
健太は笑いながら答えた。
「グレンリベット12年だね。そこそこの値段だけどめちゃくちゃ高いわけじゃないよ。」
ゆかりはもう一口飲んで、
「フルーティーな香りで蜂蜜とかバニラみたいな甘い芳醇な風味で、鶏肉料理に合いますね♪」
健太は嬉しそうに頷いた。
「気に入ってもらえてよかったよ。」
食後、結局四合瓶を2本空けたみよりとウィスキーを1本空けたゆかりは、ほろ酔いのまま居間でくつろいでいた。
健太が洗い物を済ませて戻ってくると、二人の対面に座り、静かに話し始めた。
「さてと……車に乗ってた時の電話で薄々気付いているかもしれないけれど、この度新居を建設してそこで宿をやりたいと思ってる。そんなに大人数が泊まるような宿じゃなくてこじんまりとしてる感じになると思う、勿論高額にはしない。むしろ自然の中で沢山羽を伸ばして欲しいと思っている。日常で疲れた心を癒せるような、そんな宿にしたいんだ。
そこで提案なんだけど、二人共家の宿で従業員として働いてくれないか?」
そう切り出す健太に、ゆかりが真剣な目で彼を見つめて言った。
「その答えを出す前に、私達も一つ提案があります。
健太さん、私と籍を入れて子供を作ってください!」
健太は一瞬目を見開いたが、すぐに冷静になり、静かに聞いた。
「どういうことか説明してもらえる?」
ゆかりは深呼吸をして、言葉を選びながら続けた。
「健太さんが宿をやるって事は、遅かれ早かれ何かしらの形で私の家にここにいる事がバレます。その時私を連れ戻しに来た両親が、健太さんの事を誘拐犯だと決めつけて警察に通報するでしょう。訴えてもおかしくありません。あの連中はそう言う事を平気でします。そうならないように、既成事実を作りたいんです。
もう私は結婚している。それに子供も居るから戻るつもりは無いときっぱり言いたいんです。」
健太は少し考え込みながら答えた。
「うーん、俺は正直君達を恋愛対象として見てない……それでも結婚したら愛すよ。良いところ悪い所も全部受け入れてね。
でも良いのかい? みよりちゃんはそれで?」
みよりは少し迷った後、はっきりと言った。
「ゆかりが決めた事だから、それにゆかりとこれからずっと一緒にいる為に必要な事!」
健太は少し苦笑いしながら、
「その為に好きでもない男と結婚して子供作るなんて、ゆかりちゃんの両親とやってる事同じじゃ無い?」
ゆかりは穏やかに微笑んだ。
「大丈夫ですよ。正直健太さんの事好きになってしまったかもしれないので!」
健太は驚きながら、
「かもしれないで結婚するのかい?」
ゆかりは真っ直ぐに健太を見つめて、
「それでも良いんです。今すぐじゃなくても、徐々に大好きになって行きます。」
健太は頭を掻きながら、
「みよりちゃんもそれで良いなら俺もいいけど……うーん」
みよりは少し照れながら、
「私も健太さんの事好きになったので、子供欲しいです。」
健太は一瞬目を見開き、言葉を失った。
彼はしばらく二人を交互に見つめ、複雑な表情を浮かべた。驚き、困惑、責任感、そして少しの戸惑いが混じり合っている。
「……突然すぎて、正直頭が追いつかないよ。」
健太はため息をつき、頭を軽く掻いた。
「俺は……正直、君達を恋愛対象として見てなかった。
ただ、困ってる二人を放っておけなかっただけなんだ。
それが急に結婚して、子供を作れって……。
俺は君達の人生を、軽々しく変えるような真似はしたくない。
好きでもない相手と籍を入れて、子供を作るなんて……それが本当に君達の幸せになるのか、俺にはまだ分からない。」
彼は少し声を落として続けた。
「でも……ゆかりちゃんがそこまで覚悟を決めてるなら、俺もちゃんと向き合うよ。
みよりちゃんもそれでいいなら……俺は協力する。
ただ、急ぎすぎないでくれ。
俺も君達のことを、ちゃんと知りたいし、好きになりたい。
この関係が、ただの方便じゃなくて、本物の家族になれるように……。」
そう言って優しい笑顔で笑った。
ゆかりも笑顔になる。「焦らずに行きましょう。籍は直ぐに入れますが、子供は覚悟が決まってからじゃないと産まれてくる赤ちゃんに失礼です。」
「これからもよろしくね健太君」とみよりが笑顔で言うとゆかりも「よろしくね健太!」と呼び捨てにした。
ゆかりが健太に近付き見つめ合う。
ゆかり「健太、今後のために練習したいです。
キス してくれますか?」
健太は小さく頷く、ゆかりは腕を健太の首に回して唇を重ねる。
瞬間みよりに電撃が走る(やっぱり心がザワザワする。でもこれはどっちのザワザワ?ゆかりが健太君とキスしていることに対して?それとも健太君がゆかりとキスしていることに対して?どっちに嫉妬してるんだろう?はぁー耐えられるかな私)
長いキスを終えて唇を離す。
ゆかりはみよりの方に向いて何かを言おうとした時、ゆかりが驚いた顔になる。「みよりなんで泣いてるの?」
その瞬間みよりが「え?」と困惑しながら自分の頬に触れる。その瞬間立ち上がりながら「ちょっとごめん、無理」
と言って部屋を出ていく、その後をゆかりも追いかける。
みよりは家の縁側で泣いて居た。ゆかりが近づき隣に座る。
しばらく隣に座っていると、泣きながらみよりが言う「ごめんねゆかりやっぱり無理だよ。さっきゆかりと健太君がキスしてる所見て、心がザワザワした。ずーとザワザワ ザワザワってした。でもどっちに嫉妬してるかわからなかったの、その瞬間心の中ミキサーで混ぜられたみたいにぐちゃぐちゃになって、耐えられるかなって、思っちゃった。」
そう言うと隣に座っていたゆかりがそっとみよりの頭を抱きしめ頭を撫でながら話す。
「よしよし、ごめんねみより、私自分の事しか考えてなかった。確かにみよりと一緒に居たいけど、みよりがそこまで拒絶するなら、この話は無しでも良いよ。」
みよりが泣きながら声を振り絞って言う「違うの、ゆかりと健太君と3人で幸せになりたいって言うのは本心なの、でも感情が追いつかなくって、昨日まで私だけのゆかりだった。私だけ見てくれてたのに、健太君に取られちゃうんじゃないかって思ったの。」
ゆかりが頭を離して「みよりこっち向いて」と言う、いつのまにか健太も来ており、隣でティッシュの箱を持っている。
ゆかりは健太が持っているティッシュを2枚ほど取りみよりの目元を拭く「ねぇみより、私の貴方に対する愛は変わらない、貴方が一番大好きなのよ。
でもね 健太の事も好きになって欲しい、勝手な事を言って居るのはわかってる。
それでも私はみよりとこのままずーっと一緒に居たいの、本家に戻ってあのクソ新次郎と一緒になるなんて絶対に嫌」
そう言うとみよりが「うんわかってる。私もゆかりの事が大好きだし、一緒に居たいから!ごめんね健太君取り乱しちゃって。」
そう言うといつになく真剣な顔で健太がみよりを見つめる。
「みよりちゃん、君の気持ちからしたらそれりゃ嫌だと思う、正直二人の仲を割くくらいなら、俺は傍観者でよかった。大事なのは君の心だ!みよりちゃんはどうしたいの?」
一度下を向いてからしっかりとした視線で健太を見るみより「私はゆかりが好き、でも健太君の事も好きになった。この気持ちを素直に受け入れる。心の葛藤も妬みも 嫉妬も 全部私が背負って行くものだから、それでも3人一緒に居たいって決めたから。だからこれからもよろしくお願いします。」と二人にお辞儀した。
ゆかりがニコッと笑顔で言う「じゃあさっきの続き しよう!」とゆかりが言うと、みよりは「お、おっす!」と変な返事を返す。
ゆかりが「なにその返事おかしい。」
とクスクス笑う、みよりは健太の目の前に行き目を瞑る。
しばらくしても唇の感覚がないみよりが不思議に思ったのか目を少し開けた瞬間健太は唇を重ねた。
みよりはビクッとしたがすぐさま自然と腕を健太の首に回す。
ゆかりは思う(このドキドキ、やはり私は変なんでしょうね。みよりと健太のキスを見てると興奮する。)
1分以上のキスをして「プハー」と言いながら唇を離す。目をトロンとさせながら言う「やばかった〜男の人とのキス凄い。」はぁはぁと息をしながら健太を見つめる。
外の静けさにと違い、部屋の中はなんとも言えない雰囲気に満たされていた。
浜崎あゆみさんのVoyageを聴きながら編集や投稿をしています。
感想などありましたら是非よろしくお願いします。