心に潜む誰かと、この世界を彩るそらと   作:かんそら

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注意喚起 
・本作は、原作ばやちゃお様による一次創作、「魔けモン!」の二次創作作品です。
・オリキャラ、オリジナル設定などの要素が含まれています。
・念の為言っておきますが、本作にはシリアス描写が多く含まれていることがあります。苦手な方は、閲覧をここで閉じることをおすすめします。
・本作の投稿主は小説初心者のため、お見苦しい表現が含まれていることが多いと思いますが、そこはご了承お願いします。
・本作の感想、指摘は大歓迎です。ぜひ書いてください。
・なるべく魔けモン!のキャラは公式設定に文章を寄せていますが、一部言葉使いなどが公式とは違うことがある可能性があります。その際はコメントにて指摘していただけますようお願いします。
なんでも許せる方はどうぞ。


第1章 【誰か】の記憶。そして空の下で 第1話 【誰か】という存在。【ソラ】という存在

………っ………

 

僕(……?)かすかに、声が聞こえる。女子のような声だった。その声は、だんだん小さくなる……ではなく、むしろその真逆で、その声はだんだん大きくなっていく。

 

……?……

ん……ぞ……

僕(……話し声?)最初はなにか焦っているような声だったのだが、少しずつ大きくなるときに、最初の声とは違って、少し不思議に思ったような声をしている。そして、さっきの女子のような声とは違う、活発そうな男の子のような声も聞こえ始めた。

 

っ!……な………と……っ!だ……じょ……っ?!

僕(ん?)また最初の焦っている声にもどった。

 

……いし……もどらな…………

僕(もどらない?)声が大きくなって少しずつだけど、喋っていることがわかるような気がする。

 

とりあ………室に………

僕(室に?怪我してるのか?)なんの室なのかはわからないが、おそらく保健室とかだろう。たしかに怪我しているような記憶はあるのだが……聞き覚えのない声であるため、確実とはいえない。

 

我が運ぼう

僕(?)突然、さっきの2つの声とは低い声が、言葉も鮮明に聞こえてきた。

さわっ

僕(?!)そして突然、なにかに触れたような感覚を感じた。それを感じたすぐに、

ひょいっ

僕(?!)背中あたりの感覚がさっきとは違う触られている感覚になり、足のあたりは感覚がなくなった。そしてすぐに右半身も触れられている感覚になる。

僕(もしかして……抱き抱えられてる?)その予想を確かめるために、僕は、さっきより重いまぶたをゆっくりと開けた。

僕「ん……」

???「ん?あっ…おい!大丈夫か?」

視界は、黄色いもふもふしている……人?が僕が目を開けたことに気づいて、まあまあでかい声で話してくるのが見えた。

僕「ここは……?」

黄色いもふもふ「今それより!お前を医療室に連れて行くからな!」

僕(今それよりって……医療室?……まさか……)僕の問いかけは捌かれ、医療室という言葉が出てくるという、緊急事態のような反応され、僕はすごく戸惑った。

……が、それは一瞬のことであり、黄色いもふもふが言っていたことにすぐに察する。

僕(……ここ、どこだろ……)すこししか頭を働かせていないのに、疲れたのか眠くなってくる。

ほんとなら、自分が大怪我をしているとなれば、自分も怖くなって、焦りだすはずだ。しかし、その不思議な現象にも一応説明はできる。

抱き抱えられている感覚と、右半身の真ん中がドクン、ドクンと、振動と音が鳴っていて、はあ、はあという息切れの音。それが不思議なことに心地よいのだ。あと、黄色いもふもふの腕の中が……あたたかいのだ。

……というか、それがほとんどの理由なのかもしれない。あいにく僕は眠い。考えごとも、……ままならなくなる……。

僕「ん……」無意識に、目を閉じて、……………

やがて、睡魔に負けた僕は、そのまま意識の奥に沈んでいくのだった。

 

 

 

 

……ホ

…ポ

…ポ

…ポ

僕「ん……」僕は謎の音で目を開けた。音は電子音のようで、すこしテンポが揺れている。

僕(なに?……この音)決して嫌いな音ではないが、すこし聞き慣れない音であった。

開いた目の視界は、白い天井。なんの特徴もない、ただの白い天井があった。

僕(ここは……病院?)とりあえず、あたりを見渡してみる。すると、僕がいる空間はグリーン色のカーテンに囲まれていて、その右を見ると、57。という数字と、波形が映し出されていた。その波形はポッという電子音と同時に揺らいでジグザグを短い距離で描いて、また中心にもどる……それを繰り返していた。

僕(心拍数モニターか……うん……病院っぽいね。ここ)とてもわかりやすい光景だった。わかりやすすぎて、思わずため息を漏らしてしまったほどだ。

僕(ええっと……なんで僕はここにいるんだったっけ……)脳の記憶の中から、複数の記憶が出た。それを即座に時系列順に整理をする。

僕(確か、空から落ちてきて……それで怪我をしたのかな?)それを確かめるために、僕は下を向いた。

僕(ん?)見覚えのない体。さっきの誰かの記憶では全身を見たわけではないが、今の自分の手がまず違う。誰かの記憶は指が5本あったのに、今の体の指は4本しかない。しかもその指は毛で隠れることができてしまうほど、もふもふだった。毛の色はクリーム色で、なんだか落ち着くような気がする。

そして腹あたりを見ると、指の毛の色と同じ、クリーム色。どうやら僕の体はクリーム色らしい。腹あたりももふもふだったので、おそらく僕はもふもふの生き物になっている。

……怪我は?

クリーム色のもふもふに夢中になっていたが、僕は包帯が巻かれていない違和感に気づく。

僕(あれ、さっき怪我したはずだよね?しかも空からだから相当大量出血とか傷だらけとかになっているはず……)意味がわからない。理解できない。自分の記憶違いか?と思い再度記憶を整理する。

僕(えっと、落ちてきたあとは……あの黄色いもふもふに抱き抱えられてたんだ。あの黄色いもふもふは人というべきなのかな……)また謎が出てくる。予想はできるのだが。

僕(それは、多分人という種類ではない。……別の生き物なのだろう。そして僕も、その生き物になっていると……)そうやって考え事をしていると、どんだけ時間がかかるのだろう。そのぐらい考え事が多すぎる。一体、どうすればいいことやら……

シャアア

僕(っ?!)突然、カーテンが開いた。さすがに誰かが入ってくることを想像していなかった。僕はその突然すぎることにびくっと、全身をちょっと跳ねた。

???「…あっ、おい。大丈夫か?」全身がオレンジの毛で、頭に赤の帽子みたいなものを被っている男の子が、聞き覚えのある声で僕に問いかけてきた。しかもそのオレンジのもふもふの後ろには全身が白い毛で、青の帽子みたいなものを被っている子もいる。

僕「へ?あっ…はい!」まだ状況が追いついていなく、テンパった言い方になってしまった。

白いもふもふ「はぁあ良かった〜。目が覚めたみたいで」白いもふもふは、オレンジのもふもふの声の前に聞こえた女子のような声をしていた。

僕「はい……あの、ここは?」

白いもふもふ「ええっと、その前に、怪我は大丈夫?医者の方が回復魔法かけてくれたから大丈夫だと思うんだけど……」

僕「魔法?あっ……」真っ先に思いついた言葉を口走った。

白いもふもふ「あっええっと、君は、ヤマトの国の出身?」

僕「ヤマトの国?あっ……」また口走ってしまった。これだとこの子も困惑する。どうしたらいいかを考える時間もなかった。

白いもふもふ「うーん……記憶、失っちゃっているのかなぁ……」

僕「そうとも、いえますね……ただ、」

白いもふもふ「ただ?」

僕「実は、落ちてきたときの記憶はあります。ただ、その記憶は……えっと、すごい高さから落下していることだけで、あとは……」

オレンジのもふもふ「だからあんな傷まみれだったのか〜」

僕(傷まみれ……か……)やはり、本当に緊急事態だった。さっきの予想が、事実とあたっていた。

白いもふもふ「すごい高さから落下する。か〜……」一方、白いもふもふは僕の発した言葉を聞いてから、その言葉について何か考えている様子だった。

白いもふもふ「あっごめんね。あとは?」

僕「ん〜……誰かがっ……命を落とすような……」やばい。今これ僕は完全に変なことを言っている生き物……でも、もう口走ってしまったことは仕方ない。そうすぐに切り替えて、白いもふもふをもう一度しっかり見る。

白いもふもふ「っ……ごめん。今は思い出さなくてもいいよ」白いもふもふはなにかを察した顔で言ってくる。……ちょっと重くなりすぎたか。

僕「いや、全然大丈夫です。こっちこそ、ちょっと重くなりすぎちゃいましたから」

白いもふもふ「そうなの……?あまり思い出したくない記憶だと思うけど……」

僕(……)確かに、あの恐ろしいとも言える笑い声と、すべての色が赤く見える謎の光景はあまり思い出しはしたくないが、それよりも今は思い出したくないより、不思議だという感情が湧き上がっていた。さっきまでは思い出したくないと思ったばかりなのに……

僕「いや、僕は恐怖よりも、不思議という感情が湧いてくるんですよね」

白いもふもふ「そうなの……?……とにかく、今はあまり思い出さないほうがいいよ。それに、まだ君はこのマジリシアのこともわかってないと思うし……」確かに、このマジリシア?という世界のこともわからないのに、初対面の子と僕の記憶のことで話し合うのは、やるべきことではない。

僕「……そうですね。今この場で考えるべきじゃないですね」

白いもふもふ「あと、敬語じゃなくてもいいよ。気使わないほうが話しやすいと思うし」

僕「えっ……?」突然初対面ではなさそうな振る舞いをしていいと、初対面の子の口から出てくる。

僕(確かにそのほうが話しやすいとは思うんだけど……)確かに言い分はわかるんだけど……という、違和感が湧いてくる。

僕「いいの?ほんとに?」

白いもふもふ「初対面だからこそ、君と仲良くしたいんだ。ていうか、もう使ってるじゃんっ」白いもふもふはほほえみながら、僕が自然に使ったことを言ってくる。

オレンジのもふもふ「そうだぞー。ティングの言うとおり、気にしなくてもいいぞー!」オレンジのもふもふも、満面の笑みで言ってきた。

僕「あっ……ははっ」ちょっと恥ずかしくて、思わず自分も微笑む。

ティング「そういえば、僕たちの名前は言ってなかったね。僕は【ティング】。こっちは【ペイン】だよ。よろしくね」

僕(こんな女子みたいな声してるのに僕っ子なんだ……意外)

僕「うん!よろしくね」

ティング「君の名前は覚えてない?」

僕「名前……」そういえば、まだ僕の名前は思い出せない。一回脳の記憶から探しては見たものの、僕の名前らしき言葉はひとつもなかった。

僕「……それも覚えてない」

ティング「うーん……どうしよ」

ペイン「名前決めたらいいじゃないか?」

僕(……えっ?)

ティング「……そうだね。でも、それだったらお父さんともいっしょに考える?」

僕(お父さん?なら、あの僕を抱き抱えてくれたもふもふのことかな?)そのもふもふは、紛れもないあの黄色いもふもふ。僕は急に抱き抱えられていたから、当時はあまり気にしていなかったが、確かに、僕を抱き抱えたときに結構な高さまで上げていた。もちろん確実とは言えないが……

ペイン「さんせー!」

ティング「僕たちで決めちゃっていい?君の名前」

僕「うーん。その前に僕は一つ名前を考えてたんだけど……」実はここまでの時間、僕は自分の名前についてすこし考えていた。僕は【何】と呼べばいいのか。おそらくあの自殺のような記憶の誰かと、今の僕は別の存在。だから、それぞれ別の名前にしたほうが辻褄が合うのだ。

ペイン「おー?」

ティング「なになに?」

僕「【ソラ】っていう名前はどうかな。」

ペインティング「ソラ……」

僕「一見、ちょっとシンプルすぎると思うけど、あの空から落ちるときの記憶とか、いろいろな記憶の中で特にこの【そら】っていう文字が結構あったんだよね。だから、僕にぴったりかなって。呼びやすいし」

ペインティング「なるほど、確かに……」

ペイン「もうこれでよくないかー?」

ティング「うん。僕もそう思う。この名前、お父さんに提案してもいい?」

僕「いいよー!」ペインもティングも、この【ソラ】という名前がいいみたいで、僕はすこしほっとした。その時だった。

???「聞いていたぞ」

僕(っ?!)突然、」開いていたカーテンの隙間から、聞き覚えのある声と同時に、黄色いもふもふが顔をのぞかせた。……さっきと同じの反応を僕はした。

ペインティング「っ?!」……二人ともも僕と同じ、一瞬体をびくっとさせて、すぐに後ろを振り向いた。

ティング「びっくりした〜……驚かせないでよ〜……」

ペイン「そうだそうだー……」

???「……それはすまなかった。【ソラ】というやつもすまなかった」ペインたちからの言葉を結構重く受け止めているようだ……

僕「……あっ…全然大丈夫ですよ……」すこし気まずい雰囲気になりながらも、僕はその黄色いもふもふの方へ視線を向けた。その黄色いもふもふは、頭に王冠、体にもこもこのマントをつけていた。……まさに王様。いや、きっと王様なのだろう。

???「一応確認しておくが、【ソラ】という名前で合ってるか?」

僕「へ?あっ……まだ、決めてる途中なんですけどね……」

僕(……もしかして、この王様も僕の名前を【ソラ】にすることに賛成なの……?)すでに名前があるような言い方をされたので、僕はちょっと戸惑った。

???「……【ソラ】……うん……我も、その名前が良いと思っている。とりあえずしばらくはここに泊まらせるから、これからは【ソラ】と呼んでいいか?」

僕(……やっぱり……)本当だったようだ。意外にもこの名前が評判が良かったのを見て、僕はまたほっとする。……しかも、しばらくここに泊まらせてくれる。それは、一瞬でも驚くことがない、とにかくありがたいことだった。

ソラ「……はい、いいですよ。」僕は、ソラとして生きていく。そう、僕は決めた。その瞬間、僕の存在がくっきりと、この世界……【マジリシア】に示されたような気がした。

???「よし!ソラで決まりだな!」

ペインティング「うん!」

僕(……ふふっ)この三人の絆の前で、僕に不安がなくなったような……そんな気がする。完全には消えてないだろうけどね。

パレット「そういえば我の名前はまだ言ってないな。我の名前は【パレット】。芸術と光の郷【フェネンス】の国王だ。こっちは、我の息子のペインとティングだ。よろしくな」」

ペインティング「よろしくー!」

僕「うん!よろしくね!」

パレット「……じゃあ、とりあえずここを案内するか。ついてこい」パレットはそう言って、後ろを振り向き歩いていく。

ペイン「あっ待てよー!」ペインは先にパレットへ走ってついていく。それを見てティングは、

ティング「……ソラ。行こっか。立てる?」そう言って、手を差し伸べる。

ソラ「……うん!よいしょ……」体はどこにも痛みがなく、難なく立つことができた。ふと心拍数モニターがあった場所に目を向けてみたが、もう、波形はなかった。57という数字も、ポッという音も、気づけばなくなっていた。

ソラ(……?……いつから消えてたのかな……?)確か、さっきはあったのだが……という不思議と疑問が脳内から浮かび上がってくる。

ティング「ほら、先行っちゃうよ!急いで!」僕がすこし心拍数モニターを見ていると、ティングは開いたカーテンから走って出ていく。

ソラ「あっ…ちょっと待ってよ〜!」僕も、それに続いて開いたカーテンから走って出ていった。

 

この場所、医療室から、始まる。0から続いていく。その時から、空は、この【マジリシア】を彩っていた。

 

その空の下で始まる、【誰か】の記憶を持つ僕――ソラの物語―――

 




かんそらです。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
そういえば、もう夏休みの時期に入りましたね。ということで、この時期はできるだけたくさん投稿しようと思っています。週1ぐらいの頻度で投稿できたらいいなぁ……
もし達成できなかったらすみません。でも、たくさん投稿しますので皆様もたくさん閲覧してください!
これからも、よろしくお願いします!
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