モジュロ虎杖成り代わり、透き通る世界へ 作:もじゅろいたどり好き
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賃貸やスマホの契約が終わって少し機嫌がいい。家具とかも揃えたいから、賞金狙いでゲヘナの不良を捕まえてたら少し名が広まったみたいだな。不良達が俺を見ると、警戒する素振りを見せるようになった。
さて、服も買った、食っていく金に困ることもなくなり、家具も揃った。キヴォトスに来てから数週間、当初の目的である生活の安定は達成したと言っていいだろう。
しかし、収入源は確保しておきたいな。いつまでも賞金稼ぎだと少し不安だからな。不良が捕まらなくなった時のことも考えて貯金はしているが、金はいくらあっても困るものではない。それに家賃を一回でも滞納したら即退去って言われているからな。賞金稼ぎの継続的な収入は不安があるから、ある程度は仕方ないと思うが、そういう意味でも賞金稼ぎ以外の収入源の確保を急ごう。
生活が安定したから、次は呪術について考えよう。
これまでも検証をしてきたが、それは力を把握することを主な目標にしていたものだ。これからするのは発展。彼から貰ったこの力を自分の力として進化させる。
俺は買ったばかりのベッドに寝転び、ここ数週間で見慣れた天井を見つめながら、思考を巡らせていた。
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まずは赤血操術だ。これに関しては、万能。この一言に尽きる。攻撃、拘束、身体強化、自分の血が付いたものを操れるから、敵から銃を取り上げたりと、できることが幅広い。
原作では赤血操術の術式反転は出てこない。つまり、俺が一から考える必要があるんだが………思いついていた物がある。
頭に血がのぼる。つまり怒るということは、交感神経による血圧の上昇や心拍数の増加により、体を熱くさせる。ここで注目するのが頭を冷やすという表現。神経の昂りや興奮を抑え、冷静になることを表す比喩表現だが、この表現から、血液によって温度の調整ができるのではないかと考えた。赤燐躍動を使っていたときに体が熱くなったように、術式反転により、温度を下げることができるかもしれない。いや、できるようにする。
名前は、そうだな…………
『術式反転・
なんてどうだろうか。効果は自身の血液が触れているものから熱を奪う、といったところかな。キヴォトスではなかなか便利そうだ。大半の銃は発砲に火薬が必要だろう。ということは火薬に着火させる必要がある。だがこの術式反転を使うことで火薬に火をつける事ができなくなると思う。結果、発砲はできなくなり、抵抗の手段が減る。最高だな。マジでキヴォトスにピッタリだ。
赤血操術はこのぐらいでいいだろう。次は御厨子だ。
御厨子は攻撃力に全振りしてるから威力の検証とかやりづらいんだよなぁ。
ただまぁ、攻撃力を下げる方法なら考えてはある。術式の切れ味を悪くすることだ。切れ味を鋭くすることができるのなら逆も然りだろう。刃を鈍くすることで、打撃のように扱う。また、斬撃(打撃)のサイズを調整することで、不可視の弾丸のようにすることもできる。
次に考えたのは攻撃の対象をずらすこと。御厨子をなぜ生徒相手に使ってないのか。答えは簡単だ、相手に怪我をさせるから。ならば、体に傷を作らなければいい。そのためにはどうするか。
気絶という言葉がある。つまり、気を絶つということ。この気のみを切れば、傷を残さずに生徒相手にも御厨子を使えるのではないか、と考えた。ただ、この気のみを絶つことが割と難しい。だから幾つかの縛りを設けることで、俺は気絶をマスターした。
一つ、俺の掌が使う相手の体、または身に付けているものに触れていること。
一つ、触れていない方の掌は、刀印を結ぶこと。
この二つだ。正直、軽いとすら思っている。これは俺の黒閃による熟練した呪力操作や魂の知覚ができること、さらに御厨子による殺傷能力を捨てていることが関係していると思っている。
軽い縛りで強い技が打てるのならそれに越したことはない。気にせずにいこう。
御厨子と言ったら忘れられないのがフーガだ。俺の身体に刻まれた御厨子の形が宿儺のものとは多少違くとも、本質は同じはずだ。つまり俺のフーガも凡そは宿儺のものと同じだと思う。宿儺はフーガに縛りを設けることによってフーガを強化したが、俺はまだ縛りを設けない。後から調整が利くようにしておきたいからな。
次は御厨子の術式反転についてだ。これに関しても見当はついている。御厨子の本質は『切る』こと。切ることの逆は、繋げること。御厨子の術式反転は、繋げるという効果にする。
順転に解と捌があるように、反転にも種類を作ろうか。名付けて………
『術式反転・
『術式反転・
だ。この二つの違いは、大まかに言うと丁寧さだ。結はただ繋ぐだけ。接着剤を使って二つの物体を固定することに近い。それに比べて融の方は、溶接に近いと思う。上手く使えば、傷口を閉じたり、切断された腕をくっつけたりできるかも。
さて、この二つの使い道なんだが、結のほうは不良の鎮圧に使える。不良をその場所の空気と繋げる、或いは、不良の銃と弾を繋げる。それだけで身動きが取れなくなったり、弾づまりを起こしたりできる。融の方はすでに言ったように傷の手当て、後これはできるか分からないんだが、思考を繋ぐことでテレパシーのようなものもできるかもしれない。あくまでも可能性だが、できることが多くて困ることなんてほぼないだろう。
フーガの術式反転は、簡単だろう。炎の反対、即ち氷。周囲を凍らせる矢を放つ。名前は……
『術式反転・氷室・
でどうだろう。よし、術式に関してはこんなもんだな。
さて、頭を使ったら腹が減る。初日以降柴関ラーメンにいけてなかったから、久々にアビドスに行こうかな。ついでに砂漠で新しい技や領域なんかも試しておきたい。
◆
電車に揺られ、アビドスの地を踏む頃には太陽が高く昇り、昼ご飯を食べるにはちょうどいい時間になっていた。俺は迷うことなく柴関ラーメンへと向い、柴大将に話しかける。
「やぁ、柴大将。久しぶりだな」
「おっ!ユージ君じゃないか。数週間ぶりじゃないか?」
柴大将がカウンターの奥から返事を返してくれる。てか俺のこと覚えてたんだな、あの一回しか来てないのに。カウンター席に座りながら、返事を返す。
「そうだな、ここ最近は少し忙しくてさ。なかなか時間が取れなかったんだ。」
「へぇ、そうなのかい。まぁ、あの日がキヴォトスに来た初日だって言ってたから時間が取れねぇのも無理はないか。生活は落ち着いてきたのかい?」
「あぁ、まぁな。家も決まったし、収入もそこそこってところだ。」
「そうかそうか、そりゃあ良かったよ。じゃあ今日は何にするよ?」
「そうだなぁ、今日は腹が減ってるからな、味噌ラーメンに餃子、あとは……チャーハンもくれ。」
「よく食うなぁ!よし、任せてくれ!」
俺が注文を終えると、店の扉が開く音がした。目を向けると、そこに立っていたのは制服を着た少女。髪色は緑がかった薄い水色。あぁ、知っているとも。まだ、生きていたんだな。よかったよ。
──梔子ユメ
「こんにちはー!柴大将!」
「ユメちゃんじゃないか!こんにちは。今日は一人かい?」
「うん。ホシノちゃんを誘ったんだけど…忙しいって言って断られちゃった。ひぃん…」
「そうなのか。あまり根を詰めすぎないように言っといてくれ。それから、好きな席に掛けてくれ。」
「うん、バッチリ伝えとくよ!えっと…柴関ラーメンで!……あれ、お兄さんは初めましてかな?」
梔子ユメが俺に声をかけてくる。俺だけが前世の記憶で一方的に知っているからな。ここは初対面のフリを…いやフリっていうか初対面ではあるんだが。
「あぁ、初めましてだな。」
「だよね!見たことないと思ったんだ〜。キヴォトスで男の人って初めて見た!フード取ってもらってもいいかな〜?」
「かまわないが──ほら。」
「ひぃん…すごいイケメンだよぉ。」
「ユージ君そんな顔してたのかい!前に来たときもフードをかぶったまんまだったからなぁ。何でフードをかぶってるんだ?」
「俺は男だからな…目立つんだよ。」
「そっかぁ。キヴォトスは男の人珍しいもんねぇ。」
「確かにそうだなぁ。人間の男は見たことねぇ。相談があったら遠慮なく俺に言ってくれよ、ユージ君!」
「ありがとう、大将。」
「ねぇねぇ、ところでさ、ユージ君はよくアビドスに来るの?」
「いや、二回目だ。最近キヴォトスに越してきたからな。」
「そっかそっかぁ、ユージ君と柴大将って知り合い?」
そういいながら梔子ユメは俺の隣に腰掛ける。
「あぁ、そうさ。こないだ来たときにユージ君があんまり美味しそうにラーメン食うからな、思わず名前聞いちまったんだよ。」
「へぇ〜!そうなんだ。あっ!私はまだ名前聞いてないよ!えっと…お名前は?」
「俺は虎杖悠仁だ。よろしくな。君の名前は?」
「ひぃん…自己紹介するの忘れてたよ……私は梔子ユメ!よろしくね、ユージ君!」
「あぁ、よろしく。そういえば梔子さん「ユメ!」えっと…ユメは制服を着ているな。どこの生徒なんだ?」
「私はアビドス高等学校の生徒だよ!今は二人しかいないけど、いつか大っきな学校にするんだ〜。」
「アビドス高校っていうと…大将が言ってな。」
「そうそう、このユメちゃんと、あとは小鳥遊ホシノっていう娘が頑張ってんだ。」
「ユージ君は学校行ってないの?」
「あぁ、俺は高校生っていう年でもないしな。それにもう卒業したんだ、高校は。
「年って…ユージ君は幾つなんだい?」
「俺は……八十は越えてるぞ。」
「ひぃん、嘘だよぉ。だってユージ君すごく若く見えるのに…」
「ホントかい、ユージ君?年の割に落ち着いた雰囲気を出してるとは思ってたが……八十はないだろう。」
「いや、ほんとだよ。」
「ふ〜ん、そっかぁ。それにもう卒業したんだったら再入学もできないだろうし、残念だなぁ」
「悪かったな、まぁ学校を立て直す応援ぐらいはさせてもらうよ。」
「ホント!?ありがとう!助かるよぉ〜」
「よし、ユージ君、出来たよ!ユメちゃんはもう少し待ってくれ」
「ありがとう、相変わらず美味そうだな。」
俺は箸を手に取り、前回と同じように食べ進めていく。
「よし、ユメちゃんの分もできたよ!」
「わぁ!ありがとう柴大将!」
ユメの分も来たようで、二人で揃ってラーメンを啜る。本当に美味いな。餃子の焼きがげんもチャーハンの炒め具合も完璧だ。
「美味いよ大将。」
「うん!本当に美味しいよ!」
「そうかい、ありがとな!」
食べ終わった俺とユメは、ラーメンのお代を払い大将に礼と別れを告げ、閑散とした街を歩いていた。
「ねぇ、ユージ君は何しにアビドスに来たの?」
「大将に会うついでにラーメンを食べるってのが一つ、もう一つは、砂漠でやりたいことがあってな。」
「砂漠で?珍しいね〜。そのやりたい事って急ぎ?」
「………いや、別に。少し確かめたいことがあるだけだから。」
「じゃあさ、私たちの高校に来ない?」
「…まぁ、いいぞ。どうせ時間はあるしな。」
「やったぁ!ユージ君にはホシノちゃんを紹介したいんだぁ。とってもいい子なんだよ!きっとユージ君とも仲良くなれると思う!」
「そうか。」
この頃の小鳥遊ホシノって結構ツンケンしてるんだったか?仲良くなれるといいなぁ……
皆様のおかげで評価バーに色が付きました!ありがとうございます!お気に入りも着々と増えているし、自分の書いた稚拙な文章がこんなにたくさんの人に見てもらえてるとは!ものすごく嬉しいです!これからもこの作品をよろしくお願いします!(感嘆符多め)
序盤の術式の解釈ですが、作者の勝手な考えで書いてます。その設定はおかしい、というものがあれば教えてもらえれば嬉しいです。