申し訳ないです
オリジナルのアイデアが思いつきませんでした
おまけ程度と思ってください
『最終第10試合、スタート!!』
演習場にアナウンスが響き渡る。しかし、ステージに立つ緑谷くんと爆豪くんの二人は、開始直後だというのにすでに激しい口喧嘩を始めていた。
「お前の力なんか借りねえっつってんだろクソデクがァ!!」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ、相手はオールマイトなんだよ!?」
モニター室に戻ってきた白煙くんと透ちゃんは、画面越しの二人の険悪な空気に思わず苦笑いをしてしまう。
「うわぁ……相変わらずすっごい仲の悪さだね……」
「そうねケロ。白煙ちゃんと透ちゃんの、あの完璧なお互いを信頼し合ったチームワークとは真逆だわ」
梅雨ちゃんの言葉に、障子くんも「ああ。だがこれが彼らのいつもの距離感だ。もはやA組の常識だからな」と頷く。
しかし、二人が揉めている間にも、「最強」の壁は容赦なく
牙を剥いた。
――ドゴォォォォンッ!!!
「なっ……!?」
白煙くんの頭の煙が、恐怖で一瞬にして真っ白になった。
オールマイトは教師陣共通のハンデである「高重力の重り」を全身に身につけているはずだった。それなのに、街のビルを風圧だけで吹き飛ばすほどの圧倒的なスピードと破壊力。ナンバーワンヒーローには、そんなハンデすら全く意味を成していなかった。
大怪獣のようなプレッシャーで生徒二人を蹂躙していくオールマイトの姿は、圧倒的で、理不尽で、そして気高いほどにかっこよかった。
「勝つんだよ……! アイツを越えて、勝つんだよぉぉぉおおお!!!」
満身創痍になりながらも、爆豪くんのプライドが吠える。
絶対に緑谷くんの協力を認めようとしなかった爆豪くんだが、オールマイトの絶望的な強さを前に、ついにそのプライドをねじ曲げ、無理矢理にチームワーク(連携)の形を作り出した。
爆豪くんが緑谷くんの腕を掴み、自身の爆破の推進力を使って緑谷くんをオールマイトの死角へと強引に投げ飛ばす! それは信頼の連携というよりは、勝利のために貪欲に緑谷くんを「利用」した突撃だった。
それでも――オールマイトは微塵も揺るがない。
「若者が執念を燃やすなら、私はそれをさらに上からねじ伏せるのがプロだ!!」
二人の渾身の一撃を正面から受け止め、地面に叩きつけるオールマイト。その圧倒的な背中を見つめながら、白煙くんの胸に畏怖と感動が同時に込み上げていた。
(すごい……。これまでずっと、このたった一人の人の圧倒的な強さと正義によって、この国は、僕たちの平和は守られてきたんだ……!)
タイムリミットが刻一刻と迫る。爆豪くんの籠手を使った最大出力の爆破ですら、オールマイトの足をほんの数秒止めるのがやっとだった。爆豪くんが意識を失いかけ、万事休すかと思われたその瞬間――。
「――動け、僕の足ぃぃぃいいい!!!」
緑谷くんが、ボロボロの身体に再び『ワン・フォー・オール』の稲妻を纏わせ、猛然と跳び上がった。
オールマイトの拳が迫る中、緑谷くんは逃げることではなく、気絶しかけた爆豪くんの身体をガシッと抱きかかえることを選んだ。そして、爆豪くんを救い出しながら、そのままの勢いで脱出ゲートの向こう側へと飛び込んでいったのだ。
『緑谷・爆豪ペア、ゲート脱出――試験、合格!!!』
「やった……! やったよ!!」
白煙くんは思わず叫び、頭の煙を嬉しそうにもこもこと大きく波打たせた。
「格好良かったわ、緑谷ちゃん。最後の最後まで、仲間を救うことを諦めなかったわね」
梅雨ちゃんの言う通り、画面の中で大の字に倒れ込む緑谷くんの姿は、ボロボロだけれど、誰よりも輝いて見えた。
こうして、A組の誰もが全力を尽くし、涙を流し、限界を超えた過酷な期末実技試験の全日程が、ついに幕を閉じるのだった。