ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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千手頼久豆知識
割とその場の状況で朝令暮改を行うことに躊躇いなく、上に立つとろくな事にならないという自覚があるため、ゲルマニアグループ総帥なんてなったらアカンと思ってる。


第15話 暴行事件と天災の降臨

――Side 頼久

 

6月は何事もなく平和に過ぎていき、7月に入ったが……

 

「あれ?CP250あるはずなのにPP振込されてない?」

 

「おかしいな……」

 

登校初日にD組の面々にCPによるPP振込がされておらず、クラスの面々が困惑していたら……。

 

「すまねぇ!オレのせいなんだ!」

 

いきなり教壇にあがって頭下げる須藤。

 

「……一体何があったんだい?」

 

平田が問いかけると彼は懺悔するように答える。

 

曰く特別棟でC組の連中3人に難癖つけられて殴りかかられたりしたが、殴り返したあと起こることとかから全部スルーしてスゴク不本意だが逃げることに成功した。

 

しかし翌日ソイツらが怪我をしており、自分が殴ってきたことになっていた。

 

異議申し立てをC組担任に行ったが本人の証言だけでは怪我という物証を否定できる材料無しと切り捨てられた。

 

しかし茶柱先生と理事長が介入し、2週間後に生徒会で裁判することとソレまでPP配布の停止が通告されて今に至るという。

 

「須藤が言うとおりなら巻き込まれ事故だろ」

 

「監視カメラの映像で何とかならないの?」

 

「いや、特別棟は監視カメラが少ない。経路次第だが映らずに出入りもできるだろう」

 

「向こうが勝手に怪我したのを須藤のせいにしてるってことだろ?コレ難癖つけ放題じゃねぇかよ」

 

ざわめくなか茶柱先生が入ってくる。

 

直ぐに席につく面々。

 

「……どうやら知ってるようだが、本校にて暴行事件が発生したらしく、解決まで関係者であるCクラス及びDクラスのPP振込を遅延するとのことだ」

 

一度生徒を見回す茶柱先生。

 

「Cクラスの言い分が全て正しいとなった場合、須藤が数週間の停学、DクラスのCP減少は免れられないだろう。もっと酷い場合もあり得る……とだけ言っておく」

 

そう告げたあとため息吐いて

 

「裁判は2週間後、担任として私も立ち会う。須藤以外で最大3人が同席可能だ。こちらに不利な結果にならないことを願っている」

 

そう言うとホームルームでざっくりと通達だけして茶柱先生が教室をあとにする。

 

「取りあえず、事件が起きたという昨日、誰かの目撃証言がないかを確認しよう」

 

「もしここにいなくても、他のクラスや学年なら、誰がいるかもしれないし!」

 

平田と桔梗がそう告げると、CP喪失のデメリット示唆されたのもあり、他の生徒も動こうとするが……。

 

「ちょっと待った」

 

「どうしたの綾川さん」

 

急なストップに全員が清華に視線を集める。

 

「聞き込みとかするのは妥当だ。ただ須藤の二の舞になって連続的にDクラスがやったと言われたら更に不利が重なる。……可能な限り……特に監視カメラのないところでは2人以上で一組になり、端末のカメラや録音機能をつけておいたほうがいいと思う」

 

「たしかに?」「監視カメラがないところで因縁つけられたりしたら困るし……」

 

「恐らくクラス間の揉め事に学校側がどう動くのか、Cクラスの中心人物が手駒……須藤の言う3人等を使って調べてるというところでしょう。結果次第では……」

 

「治安がすごくいい国の治安悪化してくときとか、世界大戦の引き金とか、ソレに近いものを感じるんだけど……?」

 

トキの言葉に長谷部がそう零し、オレ以外の殆どが嫌な汗を流すだろう。

 

「……緊急性の高い案件だ。監視カメラのないエリアには複数人での集団行動とカメラや録音を欠かさないように」

 

「同時に他クラスや他学年にも須藤君の事件とこの警戒について協力を呼びかけたいから手伝ってくれるかな」

 

平田と桔梗の言葉に多少はあれど賛同する面々。

 

……そういえば愛里は自撮りとか写真の趣味頻度落ちてるからもしかして目撃とかしてない……詰んだ?

 

 

 

 

 

放課後、愛里に確認とるが……

 

「あれ、私昨日お部屋に居たよね……? どうしてそんなことを?」

 

「すまん、錯乱してたかもしれない。気にしないでくれ」

 

「???」

 

はい(はい)

 

ダメでしたね。

 

やべぇ、須藤擁護する方法が無いぞ(詰み)

 

せっかく早期に覚醒してたのに……。

 

……ん?

 

 

 

 

 

 

――Side 愛里

 

「愛里、清華。済まないが職員室に行きたいからついてきてくれ」

 

頼久君がそう言って歩き出した。

 

「何かあったの?」

 

「ちょっとな」

 

綾川さんの言葉をはぐらかす頼久君。

 

「……何か悪いこと?」

 

「良いこと……では有るけど、裁判まで伏せておきたい」

 

「……Cクラスに手痛い反撃するためね?」

 

「概ねそう」

 

つまりしっかりとした証拠になるものを持ってる、あるいは出せる人がいて、職員室……教師の誰かか、教師が必要な連絡方法じゃないと連絡取れない……?

 

「時間かかるかもだから、必要なら恋とトキに連絡して交代してくれ」

 

「わかったよ」「上手くいくと良いけどね」

 

 

 

 

――Side 頼久

 

「今度は何だ?」

 

「この学校の監視カメラのデータが集まるデータセンターへの立ち入り許可、いくらで買えるかなって」

 

茶柱先生はオレの言葉に目を細めた。

 

「目的は?」

 

「身内の恥のせいでこういう各自のプライベートエリアの映像を光学迷彩つけた自立虫型カメラロボで撮影されデータセンターに蓄積され続けていいなら構いませんよ」

 

送りつけられた担任の痴態を見せた瞬間端末弾き飛ばされそうになったので慌てて回収。

 

「それを消せ!」

 

「消したところで大本を絶たないと元の木阿弥です。ちなみにソレは3回消して、4回目の送りつけされた動画です」

 

「……! 良いだろう。 入れるよう申請してやる。……いや、先に本当に消せないかだけ……」

 

オレは茶柱先生に端末差し出す。

 

茶柱先生の痴態動画が直ぐに消されるが――通知音と共に別の映像が入ったららしく、顔が赤くなったり青くなったりする。

 

「……たぶん次もっとやばいのになるかなって「何がヤバいのかしら?」」

 

横を向くとBクラスの担任の星之宮先生が茶柱先生のところに向かってる最中で――

 

「! 何でもない!」

 

オレに端末投げつけてきた。

 

顔にクリティカルである。

 

「真面目に教えに来たのに恩を仇で返すとか訴訟も辞さない」

 

「え、何か佐枝ちゃんに親切したのに無碍にされてオマケに顔に端末投げつけなんて……ひどすぎるわ。千手君、いつでもウチのクラスに移籍しても(きても)良いからね。今なら貸し2をどう返そうか悩んでて手籠めにされても流されそうな帆波ちゃんつけてあげるから」

 

前屈みで谷間見せつけの上目遣いはダメだと思います(こなみ)

 

「一之瀬さんだけだとオレの相手は無理だと思いますし、先生も応じてくれるならもう少し前向きに検討してもいいですけどね」

 

「千手、断る前提で釣り上げ要求するな。そしてお前はお前で人の生徒を誘惑するな馬鹿者」

 

なんかのほほんとしてるが星之宮先生の心がざわめいてる気がする……まあいいか。

 

「んで、データセンター立ち入りの方はどうなりました?」

 

「今申請が通った。ケヤキモールに行くぞ」

 

「へーい」

 

 

 

 

 

 

ケヤキモールのとある使用禁止されてるエレベーター。

 

そこに茶柱先生が専用のカードキーをスキャンし、蓋を外す。

 

そしてB6のボタンがあるパネルを押すと、エレベーターは地下に進み始める。

 

目的地に着くとそこは通常モードのせいか薄暗い照明とサーバーの電子機器の光だけが頼りな巨大なサーバールームと言える場所があり……

 

「……束、居るんだろ?」

 

オレの声に部屋の明かりが全てつく。

 

「待ってたよ、よーくん♪」

 

中央、制御端末のある席にて悪役のボスみたいに椅子を回転させてこちらを向いた女性。

 

機械仕掛けのウサミミに不思議の国のアリスを思わせるエプロンドレス。

 

相変わらずの人である。

 

「……ここ暫く失踪してるせいでゲルマニアグループから捜索依頼出されてる篠ノ之博士……何故ここに?」

 

茶柱先生の問いかけに束は笑顔を向ける。

 

「そりゃ、よーくんがここでモラトリアムすると聞いたからが第1の理由。他はまあ誤差。 んでよーくんがブチギレそうな案件起きたら困るなーって心配して、4月からずっと光学迷彩付きの虫型カメラをこの高育中に配置して様子見してたってところ?そしたら案の定ってね」

 

「このデータセンター立ち入りについては高育校舎で入退室ログが残るはずだ。しかしここ半年ログはのこっていない……」

 

「高育のSシステム組んだのおかーさんで、後引き継ぎして管理者権限持ちの特殊アカウントと普通のアカウントあるのは私。特殊アカウント使った認証は入退室ログが残らないんだよね」

 

「……なるほど、バックドアを仕込まれていたのか」

 

「必要なければ使わないけど」

 

「……まあいい。千手を呼び出すために行動したようだしな」

 

茶柱先生が引き下がる。

 

「よーくんが欲しい物、用意してあるよ」

 

「……また総帥にサボってごめんなさいを一緒にしてほしいのか……」

 

オレの言葉に硬直したあと、機械仕掛けのウサミミ萎れさせて頷く。

 

「うん……天才や秀才自称してるバカ連中にレベル下げて話たり相手のわからないところを理解するのに疲れちゃって……慰めてほしい」

 

抱きしめて撫でるといつものように落ち着きを見せる。

 

「先生、オレの寮に同居人増えたりしても問題ないですよね?」

 

「私は何も聞いてない。面倒見切れん」

 

「おっとここに星ノ宮とか言う人のアドレスと茶柱先生という人の痴態動画が「分かった、学校への交渉窓口とある程度の対応するからそれは勘弁してくれ」及第点かな」

 

愛里が写真撮ってなかったりで詰んだかと思ったが……案外なんとかなるものだ……。

 

 

 

 

あっ、桔梗たちにもちゃんと束のこと教えたり、オレにとって3人目なのを教えておかないと……。

 

 

 




篠ノ之束
ゲルマニアグループ最高技術顧問。
親も天才の類だが、娘が規格外だったため速攻で自分の地位をおしつ……譲ったとされる。
ストレスからちょくちょく失踪かまして捜索願が出されたりしてる。
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