――Side 頼久
「私、彼と付き合ってるから」
「いや、オレ8人目はまだいないぞ*1。七股クソ野郎ではあるけど」
「えっ?」
オレは何故こんな百合未遂痴情の縺れ寸前の修羅場モドキにオレは巻き込まれたのか……コレガワカラナイ。
たしか久しぶりの休日で、平穏を謳歌してた。
愛里は井の頭とみーちゃん(with高円寺)とファンシーショップ巡りとか言っていたが……
とか思いつつ適当に外をうろついてたら、
なんか声がしたからそっちの方に近寄ると。
「誰かと付き合っているんですか、帆波ちゃん……!」
「いや、えっと、その……あっ!」
こっちを見つけた一之瀬がこちらに駆けてきて
「私、彼と付き合ってるから」
たしかこうだったはずだ。
「……で、どっちが本当なんですか?」
なんか幽鬼みたいなヨロヨロとした動きで問いかけるのは白波という女子生徒。
「オレだよ。何なら7人全員呼んで証言してもらおうか?」
「……嘘、ついてなさそうですね。ってことは帆波ちゃんが……?」
うそつきやきころすがーるみたいになってる白波。
「……ごめん! 私付き合うとかそういうの考え事もなくて、まして女の子同士とか全く考えてないの……」
「……はぁ、それを最初に言ってくれたらよかったんですよ……」
白波から怒りが鎮火していく。
「ちなみにオレと一之瀬が本当に付き合ってたらどうしてたん?」
「あなた使って帆波ちゃんと竿姉妹になってましたね」
「「ひえっ」」
白波さんの目に闇が溢れてる。
これはガチである。
「……そのほうが私としては一番丸く収まってた気がしますけどね」
「それはないと思う」
「その……友達からで……」
一之瀬の言葉に目を細める白波。
「今はそれで構いません。……卒業までに振り向かせて見せますから……!」
今日はこれで、と去っていく白波。
「……千手君、その「コレで貸し3な」ハイ……」
どうやって返そうか頭抱えてる一之瀬。
「……あ、そうだ」
「これは一体……」
「どういう集まりなんですかね?」
「私は千手君に作った借り返したいと思っただけなんだけど……」
鈴音と坂柳をケヤキモールの一角にあるカフェに呼びつけたオレ。
……2人とも良く来てくれたね?(他人事)
「取りあえず堀北は一之瀬から協調性を、坂柳から統率者としての采配を学んでください」
「……藪から棒すぎるわね「オレがクラス引っ張ろうとすると他クラスの紋章持ちが出てきて全面戦争になるし、平田は心の傷考えたら暴走リスクあるしサブリーダーさせたほうが安定する。桔梗は調整役で牽引役にはたりない。だから堀北育成計画とかもろもろついで発足のために呼びつけた」……なる……ほど……?」
思うところがあるのか思考を回す鈴音。
「坂柳は堀北から運動基礎を学び、一之瀬から友達作りを学んでください」
「……友達等必要な「ボッチで女王様気取りのままクラスメイトを全て手駒として扱う限り勝負はしないと清華のメッセージが」良いでしょう、友達の1人や2人、直ぐに作ってみせますから」
オレは坂柳の買い言葉に頷く。
「……あれ、私は?」
何も言わないことに首を傾げる一之瀬。
「2人にお前さんの強みの根源を見せたりしてくれればソレでいい。オレとしては貸し3の価値がある。教えるついでに2人から何か学ぶ分には止めはしない」
「……なる……ほど?」
「ソレはそうと、坂柳と一之瀬は……それぞれのクラスメイトがこっち見てるし、彼らに説明してあげてくれ。ここの代金はオレが持つから」
オレの言葉に坂柳と一之瀬はそれぞれのクラスメイト(坂柳は自分派閥メンバー)に気が付き、こちらに離席を告げて去っていく。
「……それで、わざわざ私を残した意味は?」
「いや、普通に二人を見るクラスメイト居たから教えてあげただけだし」
オレの言葉に鈴音がテーブルの下でオレを蹴る。
「ひどくない?」
「何かあるのかと身構えたこっちが馬鹿みたいじゃない」
そう言われても……。
「ないものは、ない!」
「胸張って言い切れば誤魔化せるとでも?」
「事実なんだから是非もないよね!」
オレの言葉でため息をつく鈴音。
「須藤君の一件が取り下げられたおかげで兄さんと接触できる名目無くしたし、やってられないわね」
「……今のお前なら少しは評価見直すだろうが……『友達作れ、十人十色を踏まえ人を見ろ、まだオレの影を追ってるぞ』とか言うだろうな」
実際何処から聞いたのか数日前に学の部屋で格闘ゲーでハメ殺しして桃鉄で逆襲されたときに鈴音評をしていたが、だいたいそんなことを言ってたから嘘じゃない。
あとオレに『そろそろ手を出してもいいと思うぞ?』とか抜かしてきたのはどういう心境なんだろう。
シスコンで血涙流して距離置いてるからメンタルやられてるのかな……?
それとも鈴音に自身TSのIFを投影してる……?
……コレ以上考えるのはまずい気がしてきたので思考を切り上げる。
「……あなたのカキタレになれば何か変わるかしら」
「おい待て早まるな、あと何処からそんな単語を? あとソレだとオレが無責任に遊んで捨てるドブカスになるやろがい!」
何処でそんな低俗な言葉を……かつて学にこっそりプレイさせてた18禁ゲーしか心あたり無いぞ?
「あら、あなたが兄さんにプレイさせてたゲームで学んだわよ? 兄さん居ない間に金庫開けてね。私の誕生日が開ける番号で良かったわ」
アカン色々ツッコミどころしかない。
白装束と短刀、あと介錯用の刀と介錯人準備したほうがいいやろか(現実逃避)
「ソレはそれとして櫛田さんと話合えるようにもしてくれる? あなたの部屋のベッドの上なら、きっと逃げられないだろうし、学級崩壊について私も黙ってることにメリットあるって伝えておきたいから」
……桔梗の起こした案件、覚えてないわけじゃなくて、学の残滓探ししてたのと、同じ学校で揉め事起こした桔梗に下手に触れて自爆テロされた困るからブラコンだったの利用してすっとぼけかましてたのか……オレを騙すとかやるじゃん(上から目線)
取りあえず鈴音を部屋に連れ帰り、桔梗呼び出して3人で仲良しして、爆弾解除ヨシ!
……にしても良くも悪くも、鈴音がコレと決めたら無茶苦茶なことでも一生懸命努力できることをベッドの上で知るとは、この海のリハクの目を以てしても見抜けなかった……。
学「……そうか、鈴音が……大人になったか……」
?「堀北君、どうしたんです?」
学「妹が先に大人の階段登ったらしい」
?「大人の……階段……」
学「まあオレは恋人も居ないし、当面そこから先等なさそうだがな。鈴音の将来も問題なさそうだし、恋人を作るのも考えてよさそうだ」
?「なる……ほど……?(コレは……フリ……?)」