ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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無人島編は長いかもしれません(予告)


1年生編夏休み
第18話 天国から地獄へ 無人島生活開始


――Side 頼久

 

7月は期末試験含めて滞りなく終わり(今回山内はギリギリ赤点回避したらしい。中間テストより平均点低かったのあるだろうが……)、夏季休暇になった。

 

と言っても夏故に暑くて寮や各種冷房の効いた施設がメインで暑い場所にいる人間は限られているが……。

 

 

 

「わざわざ生徒を引きこもりから引きずり出すのはすごいと思う」

 

「一年生全員参加となれば、行かざるを得ない」

 

「強制参加でなければ、図書館と部屋、おまけでスーパーを往復する夏休みの予定だったのですが……」

 

ひよりさんがそうボヤいている。

 

ここは豪華客船の中。

 

一年生全員強制参加のクルージングである。

 

強制参加のあたりなんかあるのかと警戒してるのがそこそこいるが、リゾート用施設で1週間、船上で2週間弱という学校からの大本営発表で大半が浮かれている。

 

何しろ船のレストランや各種施設は無料。

 

浮かれない方が無理というもの。

 

ちなみにひよりさんは清華や愛里となんか過ごしやすいとクルージング開始の初日から2人と一緒なのを目撃したり、オレに声かけしたりしてきている。

 

なんか一悶着あった気がするから、茶柱先生に追加で600万ポイント追加で預けておいたがどうなることやら……。

 

『これより、上陸予定の島を周回します。有意義な時間になると思われますので、確認することをオススメいたします』

 

「……」

 

その言葉で思い出したよ、コレ無人島サバイバル(笑)イベじゃん。

 

取りあえず近くにいた恋、清華、鈴音、ひよりと共にデッキに向かう。

 

既に人だかりできてるが、頭1つ抜けてるオレ的には全然見える。

 

「……清華、肩車するから念のため全景頭に叩き込んでおいてくれ」

 

「自分で覚えればいいんじゃないの……?」

 

「オレが変なところでポカするのは知ってるだろう?」

 

「……まあいいけど」

 

そういいつつ肩に乗る清華。

 

片方に乗せられるが全然余裕あるな。反対側に誰か乗ったほうがバランス取れそうだが……

 

なんか面白そう、と言いたそうな顔してるひよりの顔が目にはいる。

 

「……乗る?」

 

「良いので? ではお言葉に甘えて……」

 

一度膝をついて反対側にひより乗せて立ち上がる。

 

「わぁ、高いですね」

 

「その分目立ってるけど」

 

恋の言葉の通り、周りの目線が集まっている。

 

まあこの程度で動じるオレではないからいいか。(現場猫感)

 

「……ひよりはいいの?」

 

「へ?」

 

「……コイツに尻とかの感触堪能されることになるけど」

 

「「……!?」」

 

オレとひよりは目を見開いた。

 

「……頼久まで驚くのは無自覚だったのね。てっきりそういう目的かと……」

 

「意識しちまっただろうが清華、どうしてくれる……!」

 

「……っ! それより、島についてちゃんと見ておきましょう!」

 

ひより、ありがとう!(ストックホルム症候群被害者状態感)

 

周りになんか陰口叩かれてるが、もう開き直ってスルーだスルー!

 

 

 

 

 

『生徒は私物を持って下船してください』

 

今思うがアナウンスの声誰なんだろう……

 

そう思いつつ島に降り立つと――クラスごとに並べられ――

 

「コレより特別試験を開始する!」

 

 

 

 

 

 

はい、知ってた(白目)。

 

ただなんかイベントがいくつか起きてたのは覚えてるが、もう記憶曖昧である。

 

無人島で1週間!クラスごとに割り当てられた専用ポイントは色々なものと交換できる!

 

ただし専用ポイントは試験後CPになるから計画的に!

 

リーダー当てや島の専用エリアをリーダーがスキャンして集められるポイントとかもあるよ。

 

学校側から渡すものは限定的!

 

私物は回収されてるからPPを使えない!

 

リタイアすると専用ポイントが減るらしい!

 

高性能腕時計で位置とバイタルはバッチリチェックされてるから安心!

 

これら踏まえてどうするかは自由だ!というこの試験。

 

「一先ずこのルール本を……?」

 

さっとトキが平田から回収してオレ、恋、トキで手早く目を通す。

 

「取りあえず、恋たちは状況把握した。恋は探索してくる」

 

恋がすぐさまその場をあとにした。

 

「ちなみにコレ、専用ポイントで交換できるモノのカタログが殆どです。ルールが最後の方に書いてあります。少し気になることあるので、読み終えたらまた貸してください」

 

「……分かった」

 

ページをめくってたトキがわざわざそういったこと、支給品にマッチが一箱あること、つまりは……。

 

「取りあえず何処かベースキャンプ決めないとまずくねぇ?」

 

「リーダーとかもな」

 

「つか他のクラス全員移動してるし」

 

ざわめくDクラスの面々。

 

「平田」

 

「うん?」

 

オレが声をかけると顔を上げる。

 

「試験前半、リーダーとスポット関連の方をオレに委任して何人か連れて点呼以外別行動を黙認してくれるか? リーダー決めやスポット占領、初日の拠点探しに食料探し……専用ポイントをどれだけ使ってどれだけ温存したいかのクラスの意思統一。コレ全部やるのは骨が折れるからな」

 

もちろん差し支えない範囲でそっちにも協力する、と追加。

 

「人数少ないと見られたときのリスクが上がるけど……」

 

「暗殺者やってるリーシャの本気の隠形以外は何とかなる。リーシャはたまに見抜けないからそのときはあきらめてくれ。アレ総帥でも見つけられないときあるし」

 

「……皆もいいかな?」

 

平田の言葉にポイント増えるならーみたいな消極的賛同が大半。

 

桔梗やオレが手を出してる面々は異論なし、一部が不満を零してるが対案無しである。

 

「それじゃ、頼んだよ」

 

「任された。――さて、須藤に少し頼みが……須藤?」

 

キーマン予定の一人の姿を確認しようとして、顔真っ青な須藤が視界に入る。

 

「……わるい、腹が……簡易トイレ使わせてくれ……」

 

 

 

 

8人用テント2つに簡易トイレ2つという明らかに『専用ポイント無使用縛り不可』な寝具・トイレ系支給品の事実が、男女の仲に亀裂を生み出している。

 

「最低限の簡易トイレ追加で済ませられるだろ」

 

「プライバシー皆無じゃない!無理言わないでよ!」

 

ポイント節約のため簡易トイレ追加でいいだろという男子の何割かとプライバシー確保できるトイレじゃないと無理となってる女子陣で派手に割れてる。

 

「仲裁しなくて良いのか?」

 

茶柱先生がそう問いかけてくるが……

 

「たまにはぶつかり合いしてもらったほうがいいかなと。んで……通せます?オレの提案」

 

「……さっき確認した。お前のPPで『リーダー変更』は出来ないがソレ以外で挙げてたことはPPで出来る」

 

「じゃあリーダー関連の件と、オレの指定した面子分の午後8時点呼をここで済ませてください」

 

「分かった。ポイント処理しておくから面子を集めろ」

 

 

 

 

 

 

鈴音、清華、愛里を連れてきて作戦を伝える。

 

本当は須藤、池あたりと清華で動こうと思ったが、2人は揉めてる爆心地、桔梗はクラスの調整役、トキは安全確保とか保険要員、恋は先行調査より言わずもがな。

 

などの理由により、比較的自由に動かせそうなこのメンツで行くことにした。

 

高円寺が自分をリーダーにと自薦してきたが、みーちゃんと別行動不可避と伝えるとオレに託したと丸投げした一幕があったが……それはさておき。

 

清華が面倒くさいとぼやいていたが、ポイント節約で揉めてる最前線か基本別行動で今後も起きそうな揉め事回避どっちがいいか聞いたらこっちがいいと納得してくれたのでヨシ!

 




余談 
女子の取りまとめとして軽井沢が代表してプライバシー確保出来るトイレやテント追加の要求をし、池や幸村が節約するべきと言っている。

頼久はリーダーではない。
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