ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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第1話 学と頼久

――Side 頼久

 

寮の確認と清華、恋、トキと合鍵共有を終えたあと。

 

そのあとトキがひとっ走りスーパーに買い物しにいき、夕食に舌鼓を打ったあと、夜を明かした。

 

夜を明かす間にトキからとんでもない事実を聞いてオレが一度ショックで心停止したり、恋や清華がトキに辛辣になったりしたが、まあ……過ぎたことなので諦めた。

 

 

 

 

そして夜が明け、午前中。

 

メッセージの示す座標にやってきたオレは、そこにある隠れ家のような喫茶店にて学と合流したのだが……。

 

「それで複数の女の匂い漂わせていたのか。不純異性交遊で処罰されかねんぞ?」

 

いきなり剛速球が投げ込まれた。

 

「悪いが昔と違って自分の意思でパイプカットしたり戻したりできるから、避妊は全くもって問題ない」

 

が、デットボールはなんとか回避ヨシ!(現場猫感)

 

「違うそうじゃない……って……遂に人間やめたのか」

 

「どー言うことだよ」

 

ジョジョの石仮面つけてないぞオレは。

 

「逆に自分の意思でパイプカットできるわけないだろう。生命帰還でも体得したのか?」

 

「そうだよ(強気)」

 

「……お前はあの欧州の怪物が直々に後継者と指名し直しただけあるな」

 

「どー言うことだよ(2回目)」

 

「「…………」」

 

内容の生産性が中学生以下のそれである。

 

人のいない喫茶店でのやりとりで店員さんたちも人がいないからか、そっとしておいてくれてるのを差し引いても、だ。

 

そっとしておいてくれてるのはありがたいでそのままで居て欲しい(切実)。たぶんココで密会みたいなことするかもだし。

 

「しかし本当にあの宇宙に浮かぶオバケ傘を作ったんだな」

 

窓の外からうっすらと見えるソレを見つつ学がそう零す。

 

「設計は9割束……篠ノ之博士のほうが通りいいか? そっちの担当だった。オレは材料を一部差し替えたり配線の変更案出しただけ。ポイント・ネモの海底で一人寂しく建造自体はやったけどな」

 

「なら半分以上お前の成果だろ」

 

「ホントはあと2機建造予定だったけど、部品不足で生産中止からの追加製造計画の凍結。暇になったと思ったら世界各地の原発の解体とか整備梯子する羽目になって、途中で発狂。本気で総帥の本体と殺し合いしてなんとか休みをもぎ取った」

 

時系列としてはトキに逆レされて退学→トキが付き人から外れて恋になる→アンサラー建造→原発梯子中にWRから清華拉致からの恋に丸投げ→発狂からの総帥と殺し合いで休暇勝ち取り→(半年のブランク)→高育(今ここ)になってる。

 

「気持ちは理解できるがお前……」

 

呆れられてしまった。

 

「……ところで、あのトキとかいう娘に逆レされた時の密告者について調べなくていいのか?匿名だったらしいが、密告書の投函された消印とか密告書の指紋とか調べさせればわかるだろうに」

 

フォークでパスタをくるくるしながら(軽食ってなんだっけ……?)学が真面目に問いかけてきた。

 

「んにゃ。ソレをしたのは見当ついてるし、ココで本人も見かけた「なに!」ステイステイ」

 

立ち上がりかけたのをどうどうとなだめる。

 

「……まさかウチの愚妹か?」

 

「それならもう少し沈痛な顔してる」

 

オレの言葉に強張らせた表情を弛緩させる学。

 

「ぶっちゃけ通報されたことについてなんとも思ってないし、揉め事起こさないなら昔のように仲良くするつもりではある」

 

「お人好しにもほどがあるぞ」

 

「せやろか」

 

「100人中97人はそう言うだろうな。残りの3人は天邪鬼と錯乱したヤツと言葉か社会常識が通じないヤツだろうし」

 

そこまで言うかね……?

 

「……わかった。お前が過去気にしてないことは」

 

「過去改竄なんてやったところで世界線が分岐するだけで結局今を書き換えできなくて虚しいし「おいこら何やってるんだよ」総帥殿が暇つぶしに教えてくれたんよ「あの人噂と違って色々軽くないか?」フットワークも軽いよ、呼ぼうか?「いやいい」」

 

ホリーに頭痛そうな顔された、悲しい。

 

「……とりあえず元気そうでなによりだ」

 

「ホリーが自発的に色々言わないのは……Sシステム関連とか、学校関連あるから?」

 

オレの言葉に学が目を細める。

 

「ノーコメント。少なくともしばらくの間は、な」

 

「なんか気をつけたほうがいいことは?」

 

「小中で他のやつが先生に注意されたことでも振り返るといい。お前は模範生で通ってたし勉強やスポーツで他生徒に後れを取るほど腑抜けてないようだしな」

 

小中で他のやつが注意されたこと、ねぇ……。

 

10万ポイントと毎月ポイントが振り込まれるって箇条書きマジックにホリーの言葉、監視カメラを加味するところは……。

 

「……裏取り取れて感謝しかないけど……ヒント出しすぎて怒られない?」

 

「オレは学生として当たり前のことを言ってるだけだ。何かおかしいか?」

 

ふっ、と鼻で笑うように告げる学。

 

「そうだな。オレ最終学歴未だに小卒だし」

 

「……あの総帥殿、学歴とか本当に気にしないんだな」

 

「素質と成長状態と将来性から判断してるからね。オレとしてはもっと変なことして後継者空逃れたいまである」

 

「……お前も大変だな」

 

「生徒会とか人を束ねるのとはベクトル違うけどな」

 

 

 

などという大事そうな話とどうでもいい話をあっちこっちととっ散らかりながら語り合い……

 

 

 

「そろそろ生徒会の仕事をしてくる。ここまでの注文の支払いはしておくが、後の追加注文は自腹で頼むぞ」

 

「うーっす」

 

伝票をしれっと回収してそのまま会計する学に彼女とかできたん?と聞きそびれたのはここだけの話。

 

 

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