――Side 頼久
取りあえず島番の小屋というスポット占領して恋と別れたオレたちは、占領島の南東方面のめぼしいスポットを占領して戻ってきたところである。
「おや、お早いですね」
平然としてるトキに疲労困憊の他面々(と茶柱先生)がおり、どうやら到着したばかりのようだ。
「先生、島番の小屋は使えるんです?」
「問題無いだろうが、試験で使わせられないものがないか確認だけしておく。穴倉や物置もチェックをいれる。恐らく問題無いだろうが……な」
そう言ってまず島番の小屋に入る茶柱先生。
「にしてもよく見つけられたね」
「恋と途中で合流してスポットも教えてもらったからな」
「そのスポットは何処にあるんだ?」
「滝の側にある祠の裏。見つかりにくいから気が付かれなかったようだ」
「しかし水も寝床もあるし最高の立地だなここ」
須藤がガッツポーズしてる。
「裏を返せば、活動してる時にここを奪われれば……ルール通りなら追い出されるか、ポイント大幅減少になる。だからスポット周りに見張りを立てておいてくれると助かる」
「恋やトキが寝ずの番しておくから、ソレ以外はほかの人……スポット占領してる人たち以外でお願い」
「それなら体力に自信無い人たちで持ち回り……かな?」
「ちなみに男女で揉めてたのは何とかなったのか?」
オレの言葉に平田が遠い目をする。
駄目だったか……?
「……飛鳥馬さんが双方をたしなめて妥協点を引きずり出してくれたよ。僕にはできなかった……」
「私がムチ役したので飴役は平田と桔梗にやらせました。疲れたので寝たいです」
なるほど?
「島番の小屋に倉庫、穴倉いずれも問題はない。好きに使えばいい」
チェック終えた茶柱先生の言葉にクラスの面々が歓声を上げる。
テントは8人用が2つ。明らかに足りないところに屋根のある小屋に穴倉や倉庫という雨風確定でしのげるところが手に入ったのだから。
「和式だが水洗トイレもあるのか……」
「恐らく浄化槽を使ったモノだろう。あんまり使いすぎるとしばらく……下手するとこの試験中は使えなくなるだろうから、小なら簡易トイレのほうが望ましいだろうな」
池の言葉に幸村がそう言うと
「ポイント節約しようとした男子は簡易トイレ優先で良くない?」
篠原がそういうと他の女子数名も同意するだろう。
「ぐっ……」
「いや、コレは仕方ないと思う」
そう言ってると平田が手をたたき、注目を集める。
「使い方については生理現象、リタイア発生しないためのケア、どうしても足りないリソースのための購入で優先順位をつけて、200ポイントは残せるようにしておきたい。どうだろうか?」
その言葉に甘いような、とか妥当では?という声が流れる。
「たぶん普通にやれば半分は試験用ポイント使わないと、脱落とか環境破壊ペナルティで余計にダメージ受けるような調整されてると思う」
オレがそういいつつ茶柱先生を見ると目を逸らす。
「このスポット維持で寝る場所の追加購入はほぼ無くせそうだし、小屋のモノ使えるなら釣りや採集に役に立つ道具もあるかもしれない。切り詰めすぎればパンクするだろうし、妥当なところだと思うぞ」
オレの言葉に女子たちも納得の反応を示し、男子たちもまあそうか……と何とか飲んでくれた。
「取りあえず釣り竿に恋が見つけたという作物を入れそうな背負籠がありました。釣りや採集で食事は何とかなるでしょう」
小屋から出てきて道具を広げるトキの言葉に同意しつつ、オレは口を開く。
「池、恋が見落としてるであろう、食料になりそうなもの探すのは任せたぞ。お前ボーイスカウトなんだろ?」
「え? ああいいけど……プロ程じゃないぞ?」
「この島に致死性や入院必要な毒性のモノ置いてない。この島番の小屋然り、人の手が加えられてる。恐らく『見分け困難でヤバいもの』はまず除外されてて、あるとしても『軽く腹痛』程度のモノだけなはずだ」
「一応恋と私で最終判断したりすればよいかと」
「面倒だけど、仕方ない」
トキと恋が最終判断してくれると聞いて安心したのか、胸をドンと叩いて
「こういうところくらいしか活躍できなさそうだし、全力尽くさせてもらう!」
そう池は告げるのだった。
取りあえず男性陣の殆どが恋の案内による食料調達に出向く中、
平田+女子でトイレ増設、浄化装置をつかった飲料水及びシャワールーム設置と食材を置くためのトレイに追加等で70ポイントが飛んで、大体の環境が揃った。
んで、小屋や倉庫、穴倉を誰が使うかになったのだが……。
「また揉めてる」
手狭だがベッドがある小屋か、小屋より広いがベッドが無いが温度安定してそうな穴倉、ある程度広いが温度が微妙そうな倉庫で揉めている。
平田が胃痛か胃の当たり抑えてる……。
「恵」
「何?今小屋の使用権巡って――」
「恵、清華、桔梗、愛里、鈴音とあと3〜4人で倉庫使え。必要なら色々手を加える。小屋を5人、穴倉で7人くらいの配分なら問題ないだろ」
「……アンタがそう言うなら……」
「平田の胃がそろそろ持たないからな、介入した。あんまり揉めないようにな」
そろそろ日が傾いてきたので枯れ木集めてしれっと適当な木を伐採からの脱水で薪木作成。
切り株には蘇生包丁して再生ヨシ!
ちなみに倉庫は先ほどの5人とみーちゃん、高円寺、長谷部と井の頭で使うことになったらしい。ルーンで温度安定とか健康補正とか部屋にかけとこう。
恋が案内した場所にあったとうもろこしや木苺の類に海沿いで釣った魚の焼き魚で腹を満たし、順番だがシャワーを使い汗を流せたおかげで全員調子はよさそうだ。
茶柱先生による点呼を確認したあと、4人でスポット占領を更新。
特に邪魔も監視もなく、更新ヨシ!
途中鈴音がペース落ちてきたので背中に背負って動いたのはここだけの話。