――Side 頼久
無人島生活2日目
朝4時――スポット占領チームの朝は早い。
そっと倉庫に入り、鈴音たちを起こす。
清華の寝起きが良くないのでドナドナするのである。
そして朝6時に最後の占領スポットを抑え終えて道中色々3人に食べさせそのまま拠点へ蜻蛉返り。
3人には二度寝許可を出してオレはそのまま朝食としてとうもろこし畑や占領スポットにあった林檎林に足を向けて必要分を採集。
オレが準備を始める頃に桔梗たちが目を覚ましてきた。
「朝早いね」
「寝てないからな」
「ええっ……やっぱり先輩能力ぶっ壊れてる……」
「Mr.朝食の準備とはすごいね」
高円寺がそう零す。
「と言っても朝の分をとってきただけだかな」
「とうもろこしの類は朝一までに採らなければ、甘さが落ちてしまうからね。その労力は評価してるとも」
そう言ってる間に朝元気な男子達が起きてきて、残りの男女と茶柱先生が出てきて自然と朝食の時間が始まった。
「今日は引き続き食材確保だけど、昨日より人数減らして午前と午後で分担してもいいと思うんだけど……どうかな?」
平田の言葉に女子が食料調達に来るなら〜?と緩い感じに賛同が男子から来る。
女子たちが不満を上げようとすると
「男子たちには試験用ポイント使用とスポットにある設備に関して妥協してもらいました。女子も男子と協力して食料調達に力を貸すべきでは?」
というトキの一言で完封された。
ちなみにオレ、恋、トキは滝の上のあたり、見晴らしのいい場所に交代でスポットへの不法侵入に目を光らせることになっている。
「あと今日はオレ他クラスの様子とか探索してくるから食料調達は不在でいいか?ちゃんとスポット占領までに戻るから」
オレが提案すると
「たしか、島の西側のBクラスに北側のCクラス、北東のAクラスだったっけ……全部回るのは大変じゃない?」
桔梗がそう確認された。
「さすがにこれ以上千手君におんぶにだっこになるし……手の空いてる人に頼もうかな」
そう平田がいうと推薦(という名の押し付け)合戦が始まったが、オレは個人的に確認したいと平田に耳打ちして許可をもぎ取っておいた。
茶柱先生にオレ以外のスポット占領メンバーの点呼を別枠で取ってもらい、オレは普通に点呼参加。
そのままBクラスのところに向かう。
川がスポットの容疑あったので近くまで来てから意図的に気配を放ってみる。
するとリーシャがすっ飛んできた。
「宣戦布告……じゃないですよね。単にスポットにうっかり踏み込んでペナルティ踏まないための来訪通知ですかそうですか」
「? 逆に宣戦布告ならもっと圧かけてる」
なに一人で納得してるんやろ。合ってるけど。
「……取りあえずシャルロットさんが一之瀬さんからスポット立ち入りの許可確認してるので、もう少し待ってくださいね」
オレは素直に頷く。
「ようこそ、Bクラスの拠点へ」
Bクラスはテントを4つ程追加購入して小道具でシャワールームを作りつつ、食料確保をキッチリと行っているようだった。
一之瀬が笑顔で出迎えてくれた。
……が、他の生徒……特にオレと面識がほぼない生徒たちが警戒心を見せている。
「……オレがリーダー誰が見に来たんじゃないか……あたりかな?」
「あはは……千手君そのあたりどうでもいいと思ってると言っても、本人の気質知ってる私やシャルロットちゃんたち以外信じてないからね……あと貸し云々で借り返したと思言っても何故か信じてもらえてない……」
なんか漫画の縦線マークが頭上にあるようなどんより具合である。
……っと?
「あれはCクラスのやつじゃないのか?」
あちこち殴られた形跡ある男子が目に留まる。
「うん、どうやら龍園君がポイント全部使い切るって方針に異を唱えて何度も反発して……他の反発した女子と共に見せしめでああなったみたい……」
だから受け入れた、と一之瀬。
リーシャ、アル、シャルがなんとも言えない顔してる。
「そんなところかな。……そっちの拠点に遊びに行ったりしてもいいかな?」
「問題ないと思うぞ。悪質なタカリ行為と判断したら追い出したり、スポット占領の前後はエリアから一旦退避してもらったりするだろうけどな」
「それはないかなぁ……」
とか言ってたら
「あら、千手君じゃない?うちのクラスに移籍する気になった?今なら帆波ちゃんつけるし、私で良ければテントの中で相手してあげるけど?」
なんか来たよ。
「……茶柱先生との確執からの言動である限り、オレは首を縦に振ることはできませんね」
オレの言葉に星ノ宮先生が硬直する。
「……何のことかな?」
「Sシステムは束博士の親が作って、束博士に管理者権限がある。そしてサーバーには創設から今日に至るまで特殊記録媒体で保管されてる記録もある。ああ、記録媒体の保管庫は管理者に問い合わせ必須なので探しても無駄とだけ」
「……人の傷えぐって何がしたいのかな?」
笑顔だが、笑っていない。
「腹の中に溜め込むから淀んで捻れて腐る。夕日を背に河原で茶柱先生とキャットファイトでもしながら溜め込んでるものぶちまけることをお勧めしますよ」
「それで円満解決できると思う?」
「できる保証はないですが、最低限の溜飲は下がるんじゃないですか?」
「私たちいい大人なんだけど」
「溜め込んで拗れるのは大人も子供も大差ない。精神年齢が高校生のままのお二人にはちょうど良いのでは?」
「アオハルしてていいなと思うし、見た目だけならかなり好みだけど……腹立つわねぇ」
「手を伸ばさない方が幸せなこともあるってものです」
「今痛いほど理解したわ」
「それはなにより」
オレは用が済んだし一旦拠点に帰還する。
なんかCクラスの伊吹とかいう女子を山内が拾ってきたんじゃが……?