ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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第23話 3日目――事件解決RTAと……

――Side 頼久

 

実に残念だ。

 

雲に月が隠れていても、オレや恋たちの目は、ごまかせないというのに……。

 

 

 

 

3日目

 

朝いつものようにスポット占領タスクをこなし拠点に戻ると、

 

騒ぎが起きていた。

 

「私たちの下着がない!」「誰か盗んだでしょ!」

 

どうやら穴倉で寝泊まりしていた女子たちの下着がないらしい。

 

まあ倉庫にいる清華と高円寺を出し抜けるのは紋章持ちくらいなものだし、小屋は中が見えないから入ろうとして起きてるのが居たらアウトだからだ。

 

そして魔女狩りならぬ犯人探しが始まるが……

 

「アンタたちが犯人ね!」「最低!」「平田君が頭下げたから残れたのにこんな事するなんて!」

 

山内のいる男子たちのテント、その出入りにあるカバンへ無造作に突っ込まれていたのが発見された。

 

「違う!」「オレ知らねぇよ!」「オレ夜起きてないし!」「オレが欲しいのは櫛田のやつだし!」

 

なんか1人弁明に混じってゴミカスCO(カミングアウト)してるがまあ良いだろう(やらせないが)。

 

「櫛田さんに手出しできなかったからアタシたちの取ったわけ!?」「まじめにやってて少しは見直したと思ったのに!」

 

火に油が注がれて本能寺の如き大炎上である。

 

敦盛踊ろうとしたら恋に殴られた。

 

「朝食……あと仲裁……」

 

「トキ、食事の方頼んだ」「面倒ですが承知しました」

 

オレはトキの返事を聞いたあと、恋と共に渦中に飛び込む。

 

「はいはい、濡れ衣着せられた男子を虐めるのはその辺でよしなされ、被害にあった女子の衆」

 

「は?濡れ衣?」「いやいや、コイツらがやったんでしょ」「男子だからと庇い立てしてるわけじゃないわよね?」

 

言葉の礫が割と遠慮ないな?

 

「そりゃもちろん。寝ずの番をしてたオレと恋は夜中誰がそっちのテントと穴倉両方を出入りしたか見てたからな」

 

オレの言葉にどよめく面々。

 

しれっと視界の隅でとうもろこしからトルティーヤ作って野菜を挟んだヘルシーサンド作るトキを見つつオレは告げる。

 

「だからさあ、不思議なんだよね。……恩を仇で返すなんて筋の通らない事をした、伊吹さんの行動が」

 

オレの言葉に他生徒の視線が伊吹に集まる。

 

「し、証拠は! 証拠はあるの!? あんな暗い雲も多い夜に見てたなんてアンタらデタラメ証言が証拠になるものですか!」

 

「その言葉を待っていた」

 

オレが指を鳴らすと何処からともなく中世の騎士のようなフルアーマーのゴーレムが現れる。

 

「ジャッジ! 罪を白日の元に晒せ! 『穴倉で寝ていた女子たちの下着を盗んだ犯人は誰か、真実を突き止めろ!』」

 

オレの言葉にジャッジは起動する。

 

『委細承知。コレより真実の開示を行う。――伊吹澪、昨日の夜、穴倉にて何故自分のを含め下着を盗み、男子のテントの片方、そこにある男子たちのカバンへ無作為にねじ込んだかを供述せよ』

 

中性的な声が響く。

 

「誰が――龍園に今後のためにDクラスの男女の仲を引き裂いてやれって言われて――!?」

 

慌てて口を手で抑える伊吹。

 

「ジャッジの前だとオレですら嘘はつけないからな」

 

『私は黄金の獣自身が浮気を疑われて作った強制自白装置。故に創造主である黄金の獣ですら嘘はつけぬ』

 

「作られた理由が想像の斜め下で困惑してるオレがいる。初めて知ったわ」

 

『未遂として火事などを可能ならやれと言われているようだが、自白させるか?』

 

「必要ないと思うが、確認待ちで待機」

 

オレは茶柱先生の方を向く。

 

「この場合、【他クラスの生徒に危害加えた】として処理できますかね?」

 

「自白の録音もとれているしな。窃盗は裁かれて然るべきだ。食料の横流しあたりで隠蔽がバッチリなら処理は難しかったが」

 

そう言って端末で船に連絡をする茶柱に、それを見て顔を青ざめさせる伊吹。

 

『私が船まで連れていきましょう』

 

そう言ってジャッジが指揮者のように手を動かす。

 

伊吹の私物が集まり――そしてその私物、伊吹、ジャッジが消える。

 

「「「…………」」」

 

「さて、朝食にしようか。ソレはそれとして罵っていた女子は濡れ衣着せられた男子に疑ったこと謝るように」

 

オレはそう告げてトキの手伝いをすることに。

 

 

 

 

――Side 須藤

 

やっぱりアイツはすごいのと同時に恐ろしい。

 

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アイツが伊吹を心配してるとき、怪我がかわいそうとか本心から言ってるように見えた。

 

なのに裁くときは多少の情があろうとバッサリだ。

 

……Cクラスの龍園ってのが暴力で恐怖政治してるらしいが、うちのクラスの本質はもっとやべぇかもしれない。

 

平時は平田や櫛田あたりを通してクラスへお伺いを立てたりしてるが、こういう必要悪な力の執行者として遠慮がないしな……。

 

(山内は気がついてないが)頼久が手を出してる櫛田や軽井沢が罵声を浴びせた女子に早く謝るように言ってるあたり、やっぱり筋が通らないことにも反応する。

 

鏡のように相手に反応する側面と、道義を重んじる側面。

 

なんとも言えない塩梅で持ち合わせているってことか……。

 

「須藤、どうした?」

 

「いや、何でもない」

 

退学にでもならない限り、同じクラスの仲間だ。

 

アイツも仲間で同じ方向向いてる限り、助力とかはしてくれるはずだ。

 

そしてオレは借りがある。

 

……ただ、もし間違ってると思ったら、身体はってでも留められるよう、今より鍛えたほうがいいかもしれないな……。

 




裏で龍園と伊吹がなにかやり取りしてるようですが、詳細は不明です。
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