それではどうぞ。
――Side 頼久
アレから数日後、試験四日目の夕方。
「ん?」
話し合いで人がほとんどいない船をオレと恋でゾンビのごとく徘徊してたらメールが来た。
卯グループは試験終了。
裏切り者の回答ミスにより結果4とする
該当グループの結果当てをした神裂恋(Dクラス)と結果が一致しなかったため、DクラスのCP-20、自クラスにマイナス効果があった場合、該当項目が倍になります。
「……駄目だったみたい」
「恋、また別のところで挽回すればいい。体育祭とかオレと恋で紋章持ち2強なんだしな」
「……そうする」
しがみついてセミみたいになってしまった……。
まあええか
そう思っていると、またメールだ。
丑グループの試験終了
裏切り者の回答ミスにより結果4とする。
該当グループの結果当てをしたリーシャ(Bクラス)と結果が一致したため、BクラスのCP+20、自クラスが受ける全ての結果が倍になりました。
うーん、的確に当ててるな……恋の抱きつく力が増したぞオイ。
とかなんとか言ってたら、なんかメールが来た。
……鈴音からか。
レストランで待ってる……?
意味ありげすぎるが、取りあえず行くとしようか。
あ、ありのまま起こったことを話すと、一年生首脳会談にパンピーが紛れ込むが如き包囲網をとられた。
何を言ってるのか(以下略)
Aクラスは有栖に橋本、葛城に戸塚、そして華琳(エドとイザークの3人でつるんでるときは大体華琳が苦労担当してるよな)。
Bクラスは一之瀬に神崎柴田のスリートップにシャル。
Cクラスは龍園が金田、山田を従え、保護者面してるネルがなんとも言えない顔してる。
そして我らがDクラスは鈴音に桔梗、平田に恵。
うーん、豪華な顔ぶれ。
「んで、早速本題だが……お前、追加試験について、本当に記憶をもってないのか……オレたちとっても疑ってるんだよな」
龍園が口火を切った。
「その心は?」
「お前が申グループの結果通知を見て高円寺を探し接触したところだ。……なぁ、本当は覚えてるんだろ」
「覚えてたら恋やトキの賭けた結果に合わせてDクラス誘導かけるし、何ならこうやって恋がセミみたいにしがみついてない。そろそろオレの骨が折れそうなんだが、そこまで身体張ってすっとぼけするほどオレが狡猾にみ……肋逝った……」
いい音がして龍園もなんか折れたのを確信した顔をする。
「それはそれとして、高円寺が1回目話し合いあと直ぐにオレにレストランの写真だけの無言メッセージ送ってきたからな。オレが覚えてるか確認も兼ねての呼び出しに応じたってわけだ」
オレが端末を見せると宛が外れたと空気が弛緩する。
「ちっ、振り出しか」
「こうなると私含め別試験組の残りが誰が何処にどの結果で賭けたか……それを推理したほうが良さそうね」
華琳が遠い目をする。
「追加試験側の想定と結果が一致してた場合、CP+20、自クラスの結果について倍増されて……」
「不一致の場合CP-20に加えて自クラスの結果がマイナスになる個所だけ倍化。かなりややこしいけど、一先ずいくつか場合分けしましょう。PPが関わってくるとさらに混迷を極めるだろうから、比較的単純にCPだけ見る形で」
恵の言葉に華琳が補足し、有栖が口を開く。
「まず、ハイリスクハイリターンなのが追加試験側結果4予想です。優待者が同じクラス前提におくと、ミスを誘発させることでCP50の2倍に一致でCP+120となりますが、ソレ以外の結果では、結果1が2でCP-20、結果3なら優待者当てられて-50の2倍に、CP-20の合計-120になりますからね」
「優待者が違うクラスの場合、結果1か2なら優待者と追加試験側同じパターンと同じCP-20、結果3は裏切り者が同じクラスなら+30、ソレ以外なら-20。結果4は裏切り者が自クラスなら-50×2の-20で-120、同じクラスの優待者当てられた場合と同じだ」
龍園がそう告げるとシャルが頷いてバトンを引き取る。
「次に追加試験側が結果3を選んだ場合を確認しようか。追加試験側と優待者が同じクラスの時点で最良は結果4でCP+30、次点結果1が2でCP-20、最悪は結果3で一致した場合で-120。追加試験側と優待者が違うクラスなら最良は自クラスが優待者当てた場合でCPが+120、最悪は結果4の自クラス不正解で-120、ソレ以外は-20だね」
「そうなると結果1や2で平穏に終わることを願ったほうが追加試験側は安牌だったり……?」
平田が生徒役で確認するように口を開く。
「結果1と2はCP変動だけ見ればどっちも同じパターンになるからまとめて言うけど、結果一致したならCP+20。優待者が同じクラスで結果4か優待者別クラスで当てた人が自クラスならCP+30、優待者が同じクラスで結果3か優待者別の自クラス指名で結果4になったなら-120。ソレ以外は-20ね、結果と違うし、動いたのは別クラスか不正解でCP変動補正はないから」
鈴音か的確に答えを弾き出す。
「全グループ結果1で追加試験側も結果1前提で居てくれるのが最良ではあるが……」
「Dクラスの千手が結果3、Bクラスの浅間が結果4を選んでる次点でどう転ぶか不明瞭。臆してジリ貧か、進んで事故か、大当たりか……クラス毎のクセが出る結果になりそうだな」
葛城の言葉に龍園が締めくくる。
「まあグループの優待者を把握してないと結果3は狙うのが難しいし穏便に結果1狙いのほうが――」
一之瀬がそういい終わる前に――メールが複数届く。
子グループは試験終了。
裏切り者の正解により結果3とする
アルフォンス(Bクラス)と結果が一致しなかったため、BクラスのCP-20、自クラスにマイナス効果があった場合、該当項目が倍になります。
午グループは試験終了。
裏切り者の正解により結果3とする
華琳(Aクラス)と結果が一致したため、AクラスのCP+20、自クラスが受ける全ての結果が倍になりました。
酉グループは試験終了。
裏切り者の正解により結果3とする
ネル(Cクラス)と結果が一致したため、CクラスのCP+20、自クラスが受ける全ての結果が倍になりました。
亥グループは試験終了。
裏切り者の正解により結果3とする
シャルロット(Bクラス)と結果が一致したため、BクラスのCP+20、自クラスが受ける全ての結果が倍になりました。
「……やってくれましたね」
「何のことやら」
有栖が恨めしそうに龍園を見るが龍園は知らん顔である。
「コレで残りは寅、辰、巳、未、戌の5つか」
オレの言葉に葛城が口を開く。
「既にある程度結果は出ているが、引き続き我々Aクラスは結果1以外狙わない方針を取らせてもらう」
「坂柳派閥が暴走して兎グループで結果4を出してる件については?」
シャルが笑顔で刺しに行く。
「……坂柳に聞いてくれ、こちらとしては寝耳に水だったからな」
「こちらとしてはDクラスまで絞れたと聞いていたので、静観で結果1か2でかまわない、確信あるなら結果3狙いでもよい、と委任したまで。残りのグループに私の派閥はいないので、見守るだけです」
「もー、手綱はしっかり握ってくれないと困るよ?」
シャルが笑顔を向ける。
「にしても残り5グループか……追加試験側想定が結果1か2で対応グループも結果1か2ならCP変動は-20か+20だろうから残ってるグループはどちらにせよ待ちを選ぶだろうな。ギャンブルされたら困るし」
橋本は余裕そうにそう損切り寄りの計算を弾き出す。
「正直追加試験は優待者と違うクラスを選んで結果1で全部終わるよう待つのが一番CPが安定して増えるパターンのはず……選べなかった可能性……?」
平田が首を傾げる。
「全グループ追加試験側と優待者が違って結果3予想からの追加試験側と裏切り者が同じで結果3あるいは全グループ追加試験側と優待者同じで結果4予測の告発失敗なら全体で840CPの+になってただろうと思うとね」
「裏返せば全体で840CPを失ってたかもしれないと考えるとぞっとするがな」
シャルの言葉にネルが冷静に最悪の結果を示唆すると華琳もため息をつく。
「記憶ないから確証ないけど、4つの結果と追加試験側予想による補正はきいてるはず。穏便に終わらないだろうと見て私含め思って選んだりしてそうね」
「どのクラスの紋章持ちも一筋縄ではいかないことを理解してるようでなによりだ」
オイ龍園、その言葉はオレに効く具体的にセミになってる恋の締め付け具合として。
取りあえず流れ解散のあと、オレの部屋(個室)で恋を慰めてたら、有栖がやってきた。
そこで恋経由で有栖が手を出されたことが共有され、淑女同盟に加入したらしいが……めんどくさくてノータッチである。