――Side 頼久
「ちょうど良いところに。これから貴方が発足した女子交流会が行われるのでオブザーバーとして参加してもらえませんか?」
ケヤキモールで放浪してると有栖に声かけられた。
隣には……神室だっけか。
こっちを咎めるような目で見てきてる。
「構わないが、女の園に異物混入して大丈夫か?」
「真澄がなにやら言いたそうですが、他は大丈夫かと。私にお人好しの一之瀬さんに、堀北さん、そしてそれぞれが連れてくる友人一人ずつですし」
「私お友達枠!?」
「なんか驚いてるけど」「気の所為です」
ずいぶん雑な扱いできる友人なんですねぇ(京都仕草感)
それはさておき
「なんでオレ睨まれてるんだろ」
「うるさい、複数人侍らせてる不潔男!」
「貴方への手土産にと誘ったらずっとこの有様で……」
天才には何故こうなったかボケ抜きで分からないらしい。
お前……そうか、勉強とか謀略方面に才能極振りでコミュニケーション能力とか共感性が貧弱なのか……。
「普通の人間は、不満の対象から『お前も竿姉妹にならないか?』と誘われても普通拒否するからな」
「そういうものですかね?」「なんでオレより人間側なのにそのあたり疎いんだよバカがよ」「ひどくないですか?」
オレたちのやりとりに目を丸くする神室。
「あの私以外には命令ばかりで人を手駒のように動かしてる坂柳が……会話を、成立させている……?」
「私そんなふうに思われてたんですか???」
「貴女も竿姉妹にならないかと誘う猗窩座のパチモンみたいなことしてればそう思われて仕方ないと思う」
「泣いていいですかね?」
取りあえずここで管巻いてても仕方ないので女子会?の集合場所だという掘りごたつ式の座席がある食堂兼外で言う居酒屋に向かうことに。
「冷静に考えてもう少しおしゃれなカフェとかじゃないの?」
「ソレだと6人……いえ7人では4人3人などになってしまうでしょう? この店なら7人でも問題ありませんからね」
そう言って坂柳予約で店にはいる。
どうやら7人で予約しており、足りない分は自分で補填方針で枠取りしたとかなんとか。
「今回はまだ来てませんね」
「通達してる予定の30分前でしょ来てたら怖いわ」
神室が正論言うが
「ふっ、甘いですね真澄さん、金平糖より甘いです。初回の交流会は鈴音さんか予定の1時間前にスタンバイしてて主催の帆波さんが20分前に来た時にもういてびっくりしたという珍事がありましたし」
「なにそれ怖い」
有栖から飛び出たとんでもない話にひえっと零す神室。
「なので念のため早めに来たというわけです。ちなみに先週は鈴音さんが主催して、今回は私主催です。どこでやろうかとアレコレ悩むのも楽しいものですね」
微笑も美少女がやれば絵になるものだな。
「アンタウチの冷酷無慈悲他人見下し系女王様を何処に隠したの?今なら警察には通報しないから言いなさい「酷くないです?」」
神室の言葉に有栖が心外と言わんばかりにそう零す。
「実際有栖は今のところ交流会の中だけだが、割と変わってるよ」
「人は変わってくものですからね。変わらないところもあり、ソレが良いところでも悪いところでもありますし」
「やっぱり変なもの食べて人格に異常きたしたんじゃ……「そろそろ私でも怒りますよ?」」
とか言ってたら、店の入り口から2人ほど少女が入ってきた。
「……ん? 堀北……鈴音……?」
そこにはショートヘアーになった鈴音が桔梗伴ってやってきた。
昨日の夜はまだ長かったし、今朝から今の間……恐らくケヤキモールの美容院でやってきたのだろう。
「貴女も私を髪の長さで認識してるようね、坂柳さん」
「先週までロングヘアーだったのをみていればギャップに驚くのも無理ないかと」
「なら私は逆に伸ばしちゃおうかな〜頼久は伸ばしたらどうなるか気になるとか言ってたし」
茶々入れする桔梗。
「にしてもどういう心境の変化で?」
有栖が踏み込むと鈴音はニコッとして
「そろそろ兄離れしないと駄目かなと思っただけよ。ロングヘアーにしてたのは、兄さんの好きな髪型がロングヘアーだって言ってたから」
「ブラコンの依存先を頼久に変わっただけでは?……まあ世間体的にはマシでしょうか」
「本当は四つんばいになると床とか地面に髪の毛ついたりして汚れるから、遊んだ後頼久に手入れさせるのは雌犬失格とか言ってたからだったり――いったい!」
鈴音が桔梗の足を踏み抜いてる。
「やっぱり不潔ねアンタ」「オスライオンの気持ちが今ならわかる」
オレの返しに疑問符を浮かべる神室。
オスライオン、ハーレムだけどメスに敷かれてるからな……。
とか言ってると一之瀬と……安定の白波が入ってきた。
「げっ、種馬」「千手君ごめん!なんかさっき南雲先輩と会ってから気が立ってて……」
そういいつつ4人も席に座る。
「……オレが誕生日席なのはなんかの嫌がらせ?」
「気の所為です」「別に?」「全員から監視できるし」
オレの右側に手前から鈴音、一之瀬、白波で左側が有栖、神室、桔梗である。
「それでは、女子会+千手、始めましょうか」
――Side 桔梗
頼久が場違いで居心地悪そうにしてるのを横目に私たちは自己紹介。
もちろん私は鈴音の友達として。
にしても……白波ちゃんは女の子には普通に会話できるんだね。
「? どうかしました?」
「いや、男の人いるけど余裕そうだなって」
「……アレと南雲副会長は恐るべき男より先に、帆波ちゃんに粉かけてる排除対象なので、怖いが抜け落ちました」
えぇ……すごいなこのコ。
「ソイツもあの男のコレでしょ。油断しないほうがいいと思うわよ」
神室さん、小指立てるとか頼久からネタで教わらなかったらわからなかったネタなんだけど白波さんに通じるのかな?
「……帆波ちゃんが手込めにされるなら、私もその後にやって間接的レズと竿姉妹達成するので手伝いお願いしますね」
「そ、想定の斜め上な回答が……」
軽く牽制球投げたら打ち返されて肩に直撃でノックアウト……かしら?
「安心して神室さん。一之瀬さんの偽装彼氏未遂事件の一部始終の中でも似たようなこと言ってるからこの人はたぶんブレないと思う」
「私としては逆にブレてくれてもいいんだけど「ダメです」当事者なのに意見ガン無視されるの!?」
しれっと割り込む一之瀬さんに対してもブレない白波さん。
「それにしても……少し前に生徒会副会長が一之瀬さんをスカウトしてたように見えたけど、気のせいかしら?」
「ああ、シャルちゃんと呪那ちゃんがなんとかしてくれたから助かったけど……たぶんあのままだったら千尋ちゃんが突撃かまして酷いことになってたかも……」
「オレの女になれみたいなことぬかしてた人が生徒会入りしないかとか薄い本導入の典型例すぎて駄目でしたから」
うわ、ヤバいやつね、南雲副会長っての。
そんな会話してたら飲み物に料理も届く。
明らかに昼のランチとはかけ離れてるけど、頼久含めて突っ込まない。
主催で電話予約したり自分で頑張ったとかいう坂柳さんが満足そうにしてるから尚更――
「冷静に考えてランチで来るようなところじゃないような」
――あっ、空気が死んだ!神室さんの人でなし!
「……そう、ですか?」
「いやいやいや、新鮮でいいと思うし!」「私はここの店の味気に入ってるからアリだと思うわ」「ほら、ドリンクきたし乾杯でとしない!?」
一之瀬さんと鈴音(フォローになってるかは……)、私でなんとか誤魔化す。
そして乾杯からの皆飲んだりで有耶無耶にしたあと、一之瀬が口を開く。
「……にしても後数日で二学期かぁ……私皆引っ張っていけるか心配だよ……」
「帆波ちゃん大丈夫。私が公私ともに支えるから!」
「千尋ちゃん……プライベートストーカーしないで、その分クラス取りまとめ手伝「嫌です」ひーん!」
まあそうなるよね。
……って鈴音と坂柳さん。なんで頼久側の手がテーブルの下に?
ちょっと?こんなところでそんなことやる???
頼久は素知らぬ顔だし胆力が凄いわね……。
――Side 頼久
取りあえず女子会は穏便……穏便に済ませて離脱に成功。
約2名が不満げだったが知らん!
取りあえず学校に来てみたところ……声がする。
「しかし生徒会長と橘先輩が揃って不在とはなぁ」
「おかげで南雲副会長が仕事回してるんだよな。本人的に次期生徒会長としての経験になるからヨシ!みたいに言ってるけど」
なんか大変そうやな……?
とか通り過ぎようとしたところ、生徒会室の扉が開く。
「――お前は――」
「どうも、ホリーとタメだけど一年生の千手です。よろしく、南雲生徒会副会長様」
「……そうか、堀北先輩が認めてる本物の怪物か。すれ違いで会えなかったりお茶会で接触をあきらめていたがこうして会えるとはな。生徒会加入希望か?」
そうといかけてきたので首を横に振る。
「呪那とシャルか目をつけた実力ある人がどんなものか軽く覗きに。……なるほど。機を逃さず、相手に正面から向き合う事ができれば、勝敗は保証できないが悔いのない満足を得られるみたいですね。逆に目的の相手を引きずり出したり揺さぶるために盤外戦術を使うと悉く機を逃すようです。ルーンで言えばベルカナ……成長の逆位置、タロットで言えば運命の輪の逆位置でしょうか」
「お前占いとかそういうのやってる口か?」
「多少は。けど頼りすぎては転んだとき立ち直れないのでほどほどに、ですけどね。なんなら呪那のほうが得意ですよ」
「……心あたりが多くてな。頭の片隅に入れさせてもらう」
そう言って去っていく。
と思ったらなんか葛城がオシャレなプレゼントボックス持ってこっちに……生徒会へ来たようだ。
「む、千手か……」
「誰かへのプレゼントか?」
「……妹へのプレゼントだ。……外に贈る方法がないか、とな」
「生徒会は一応ルール側だからな。首を縦に振ってくれないから……」
オレは少し思案したあと確認することに。
「送り先の住所は?」
「え?――だが……」
「本当に贈りたい?」
「大事な妹たちだからな」
「なら分身ではあるけど、お前が手渡しで渡そうか」
「は?」
――葛城
ありのまま起こったことを話すと、空き教室でハンマーで殴られたと思ったら、自分から自分が出てきて、その分身にプレゼント抱えさせたと思ったら、何処かに千手が消えた。
そして暫くして戻ってきた分身をまたハンマーで叩いたらその分身が俺の中に戻ってきて突然記憶が流れ込んだ。
いつの間にか家の玄関前にいて、チャイム鳴らしたら妹たちがいて、プレゼントを受け取ったこと。
本当は駄目だが千手がなんとかしてくれたといい、来年も余裕あればプレゼント渡すのを手伝うと。
そして瞬間移動のように飛んで戻ってきてハンマーで叩かれた記憶までがはっきりと流れ込む。
「本当は本人が行ったほうが良いんだろうけど、ちょっとオレにかかってる制約に引っかかるから分身で勘弁してな」
俺は首を横に振る。
「いや、分身とはいえ妹たちに誕生日を祝う言葉を伝え、プレゼントを渡せた。感謝しかない」
「御礼は……まあもし派閥争いで坂柳が敗れてたらほどほどに扱ってくれ。方向性の違いあるだろうし」
「もともとそのつもりだが……」
「なら来年は別のなんか頼むかもしれないから、適当に身構えておいてくれ」
彼はそういうと用事が済んだと去っていく。
……デカい貸しになってしまったかもしれないな。