ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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坂柳は出てこないだけで杖片手に見学枠で頼久の姿をみてたりします。

追記 予約投稿ガバしました


1年生2学期編
第34話 近づく体育祭にて その1


――Side 頼久

 

「二学期早々の遅刻がなくて何より。では朝のホームルームを始める」

 

全員揃った状態のDクラスで朝のホームルームが始まる。

 

「今月は来月の体育祭に向けて体育中心の時間割に編成される。基本どの学年も共通しているのでそのつもりで頭に入れておくといい」

 

その言葉で運動苦手な生徒が顔を青ざめさせる。

 

幸村は「偏り過ぎでは……?」とぼやいているが、無人島試験があったことから『そうなるかとしれない』と予想して心構えとトレーニングしてたからか傷は浅そうだ。

 

そして体育や自由時間多めの予定表が配布され、大まかなルール説明がされる。

 

 

 

3学年合同でA、Dクラスが赤組、B、Cクラスが白組で団体戦。

 

競技の各試合順位毎に得点が設定されて、総合点を争う。

 

勝った組はCP変動なし、負けた組はCP-100。

 

学年内でも1位のクラスがCP+50、2位は変動なし、3位は-50、4位が-100。

 

競技には『全員参加』/『推薦参加』、『個人競技』/『団体戦』の区別がある。

 

『個人競技』には個人報酬とペナルティがある。

 

なお紋章持ち12名は個人競技の100メートル、ハードル、障害物、200メートルの全種及び推薦競技の借り物競走、四方綱引き、男女混合二人三脚のうち2つまで登録・出場可能。

 

推薦競技も1競技あたり紋章持ちは最大2人までという制約がついている。

 

うち個人競技は紋章持ちから6人ずつランダムで出場が確定するため出場表は設定不可。

 

 

 

「大まかな説明は以上。細かいルールはインストールされてるアプリから参照するように。そして約3週間後までに全13種目の出場表を作成すること。できてない場合は機械的にランダム設定されるのでそのつもりで」

 

ホームルームが終わり茶柱先生が職員室に戻っていくと、クラスがざわめき始める。

 

「切り札的3人が全員参加の団体戦いなくて得点稼げないのきついなコレ」

 

「リレーが一番安牌か?」

 

「借り物競走は運が絡むしな……」

 

やんややんやとにぎやかだ。

 

「千手君、今回ど「今回オレ、恋、トキは指示待ち人間になるからよろしく」えっ?」

 

平田の声かけにオレは先んじて釘指しする。

 

そして鈴音に目線を向けると彼女がため息をつく。

 

「彼らはこうなったら指示出さないと動いてくれないわ。全体指揮を私がとって、平田君と櫛田さんが私とともに出場表の作成や他生徒の補助、須藤君はある程度自信ある生徒用の練習メニューの作成とソレを元にフィードバックしてそれぞれ向けに調整お願いできる?」

 

「それなら……」「できる限り頑張るね」「お、おう!任せとけ!」

 

「取りあえず次の自由時間で体力測定しておきましょう。何が得意で何が苦手か、把握しておかないと須藤君主軸以外マトモに方針すら立てられないから」

 

とか言ってたらなんかクラスのドアが開く。

 

そこには体操服の堀北学と南雲雅が立っていた。

 

「赤組として最初くらい合同で顔合わせや話し合いしておこうと思ってな。赤組は全部この後2時間自由時間のはずだ。他のADクラスには声をかけてある。体操服に着替えてグラウンドに来てくれるか?」

 

南雲の言葉に鈴音が息を吐く。

 

「……拒否する意味も理由もないわね。そういうことだから全員着替えてグラウンドに集合よ。そこ3人もね」

 

 

 

 

 

そしてグラウンドには赤組である1年から3年の生徒が全員勢揃いである。

 

途中鈴音に学が何やら話して答えを得た某赤いアーチャーみたいになっていたがそれはさておき。

 

「一先ず100メートルやハードルで実際どれくらいのタイムか取れるか確認しよう。運動系部上級生!タイム測定で1年生からタイム測定してやってくれ」

 

「こっちは競技種目の確認のため道具類倉庫から出してくれ」

 

学と南雲が指揮取って準備も並行して進めていく。

 

「1年、クラスの代表3人くらい来てくれ!」

 

鈴音がこちらを見たが首を横に振る。Aクラスは葛城、戸塚、華琳が向かうが放置である。

 

「次測定したい人、あるいはまだ終わってない人!」

 

お、せっかく出しやるかな。

 

オレが動くと恋とトキもついてくる。

 

「せっかくなので私も」「オレも混ぜろよ。実質頼久と恋でワンツーフィニッシュだから三着争いだけど」

 

何故かイザークとエドが参戦してきた。

 

「えっと、位置について、よーい」

 

ホイッスルの音と共に加速。即座に到着。

 

「……に、2秒32に61、3秒58、74、88……!?」

 

「「「「「えっ、今の全員分タイム一人で?」」」」」

 

測定してた人の言葉でオレらが驚く。

 

オレらでも5人分のタイム取るのはムズいのに……。

 

「コレリレーに来たら勝てなかったな……」「だから競技制限が……」「妥当ではあるが、強すぎるだろ」「さすが怪物だ……」

 

2年3年かざわめく。

 

「本当にすごく早い」

 

「油断できないね、色々な意味で」

 

「さすがだね!」

 

愛里が近寄ってきたのを皮切りに手を出した面々(鈴音桔梗は首脳会談のため不在)が抱きついてきたりしてきた。

 

おかげで学年問わず男子から嫉妬混じりの目線が……。

 

「基本私が借り物と四方綱引きに出て」

 

「恋が綱引きと二人三脚出れば一番成績がいい結果になると思う」

 

「だな」

 

「うげ、お前ら本気出したらキツイんだけど??」

 

「それは今に始まったことではありませんからね」

 

エドとイザークが呑気?にオレたちの出場予定をきいてそう零す。

 

「一芸特化のDクラスなんだからオレらだけ頑張っても趨勢は変わらんと思うがな」

 

「その一芸特化とかを使ってこっち潰しに来られたらたまったもんじゃないんだか?」

 

エドが噛み付いてくる。

 

「……ま、今回はオレは指示待ち人間だし、どう転ぶかは、予測できない、とだけ」

 

「お前……まさか……」

 

なんか察してきたけどオレはしらんぞ。

 

とか思ってると、井ノ頭もとい心がやってきた。

 

「頼久君、堀北さんたちが呼んでるから来てくれる?」

 

「リーダー殿の命令なら従いますって」

 

はて、何が起きたのやら。

 

 

 

 

 

そうやって各学年の首脳陣揃ってるところに集まると……

 

「頼久、リレーアンカーをやりなさい」

 

「ミサトさん!?」

 

いきなりの通告に思わずすっとぼけかますオレ。

 

そのまままじめに指摘(抜け道あるのはすっとぼけのまま)することに

 

「いや、ルール上無理やろ制限あるし」

 

オレが冷静を装って牽制球投げると

 

「禁則事項に代役について同クラスの生徒以外に制限かけていない。お前すっとぼけすぎてるぞ」

 

「先輩の言う通り本当にものぐさなところは手を抜こうとしてるんすね。出場に関して『リレー以外の推薦3種目から2つまで登録・出走可能』で『推薦競技は1競技につき紋章持ちは2人まで』だけどリレー代役に関してルール上代役のルールである『同クラス生徒しか代役不可能』しか事項に書いてない。先生方もノーコメントだしな」

 

学と南雲に潰された。

 

「……10万ポイント、誰が出すんだ?」

 

「もちろん貴方よ。ほら、出しなさい。命令よ」

 

「ひん……」

 

鈴音に言われて白旗上げるオレ。

 

「……本当にコレ先輩の上位互換なんです?」

 

「さっきあっちで歓声あったろ?恐らく100メートル3秒切ってるはずだ。その気になれば高育敷地内全部更地だろうとできるだろうさ」

 

「!?」

 

「何のメリットも無いことやるわけないじゃんホリー。オレのモラトリアムが終わっちゃうし」

 

オレの言葉にざわめく面々。

 

「彼はあの破滅の化身とも言われてるゲルマニアグループ総帥と『殺し合い』が成立する怪物よ?私たち紋章持ちともその力は隔絶してる。私たち紋章持ちは彼のモラトリアムを邪魔するモノを対処するための保険に過ぎないわ。なんなら恋とトキが同じクラスで世話役になってなかったら、私しか入学してなかったでしょうし」

 

華琳の言葉に冷や汗を垂らす南雲や事情知らなかった面々。

 

「生徒として理不尽を強いたら報復するだろうが、そうでもなければ普通の生徒みたいにモラトリアム謳歌してるだけだから限りなく無害だぞ」

 

「桃鉄でオレに集中砲火してくるホリーが言うと説得力が違うわな」

 

「兄さん……そんなことしてたの?」

 

迂闊な発言で鈴音からジト目されて学にダメージ。

 

「……というか、そっちの学年が不利になりそうなネタバラシしてよかったわけ?学年混合のリレーしか使えない手だし」

 

オレの言葉に眼鏡のブリッジを押して位置直しする学。

 

「白組もこの抜け穴に気がつく可能性が高いからな。組として負けるリスクを減らしたいところなんだ」

 

「意図的に用意されたルールだ。PP払ってでも勝ちを取りに行くために使うのはおかしくないだろ」

 

「明らかに逆転不可能な場合とかはその限りじゃないけどね」

 

「赤組内での方針もある程度決まったことだし、団体戦について全員で確認したりしようか」

 

 

 

 

 

 

 

取りあえず放課後

 

教室にはオレ(ご意見番ポジ)、平田、桔梗、鈴音がいた。

 

他の面々は部活か須藤による走り方指導か自主練にいるはず。

 

「二人三脚? 女子の方は波瑠加と千秋、愛里と心、恵と麻耶、桔梗と清華までは確定だろ」

 

「妥当なところかしら」

 

「私は?」

 

桔梗が笑顔で問いかける。

 

「小野寺あたりじゃないか?」「……なるほど?」

 

「二人三脚、騎馬戦の組み合わせが大変だな……」

 

平田が零すと鈴音が告げる。

 

「組み合わせが終わったら出場順よ。個人競技と二人三脚は可能な限りA組と食い合わないようにしたいから叩き台だけで擦り合わせは後日ね。頼久、組み合わせ関連で仕事して」

 

「オレは◯レクサじゃねぇんだぞ……」

 

そういいつつ命令はこなす。

 

指示待ち人間なのミスったかなぁ。

 

 

 

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