――Side 頼久
「他の生徒が真面目に練習してる中、お前サボって私を呼び出したかと思えば……Aクラスの坂柳まで……どういうつもりだ?」
あれから数日後の自由時間。
オレはこっそり抜け出して学校の屋上に有栖と佐枝を呼び出していた。
なおクラスのところに分身が居るから恋に後ろから心臓貫かれなければバレることはまず無い。
「私たちを監視カメラも人気もないところに呼び出すということは……そういうことでは?」
スカートをたくし上げる有栖。
なんで履いてないの?(電話猫感)
「まあ、半分はそうだからいいんだけどさ」
「で、本題はなんだ」
自分の下腹部触りながら佐枝が問いかけてきた。
「有栖の方は治療の定期検診ついでなんでオッケーで……茶柱先生、出走表って基本提出したら変更不可、同じ組でも内容閲覧不可であってます?」
「そんなことか。提出後変更不可も内容閲覧不可もそうだな。私たちも受け持ちのクラス以外確認できないし、入力は職員室とは別室にある専用アプリが入ってる端末からしかできないから覗き見は不可能だ。あり得るとしたらお前たちが写しとかを流出させたり、口を滑らせた場合だろうな」
「……なるほど」
オレが納得してると佐枝は首を傾げる。
「篠ノ之博士のほうが詳しくないか?」
「高育を表立って歩き回るための根回しが難航してて、不貞腐れて海外に遊びに行ってるので無理ですね」
「しれっと凄まじいことを聞かされましたね……」
有栖が遠い目してる。
有栖は地味に束との面識はない。束に憧れてることを話したら複雑そうな顔をしてたがそれも関係してるのか……?
まあいいか。
「にしても専用端末ね……キーロガーとか入れられてなきゃいいけど」
「まさかそんな……調べる方法あとで教えてくれ」
「おかのした。あとでメッセージ送っておきますんで」
取りあえず覗き見の典型例ショルダーハックがないことと、キーロガーについて確認してもらえそうだから懸念事項はなくなった……と。
「ソレはそれとして有栖は派閥争い的なの大丈夫?」
「無人島試験CクラスにPP渡す契約する不利を負ってもDクラスに負け、船上試験でこちら派閥が1ミスとはいえ守りに入った葛城君側の優待者全員裏切られてCP大幅損失を受けたのです。失点は彼のほうが大きいと言わざるを得ません。それに……」
有栖はオレの身体に触れつつ
「私たちのクラスの紋章持ちは他の紋章持ちと比べたらあまり運動強くないでしょう?」
と告げる。
「運動に関していえばそうだな。オレ〉〉〉〉恋〉〉〉チョウジ、ネル〉〉トキ、イザーク〉〉シャル、リーシャ、呪那〉=エド、アル〉〉華琳だし」
「……やはり不利と言わざるを得ませんね」
「華琳でも普通に乗用車くらいなら片手で持ち上げて放り投げられるけどな」
「基準が狂いそうな話だ……」
とか佐枝が言ってたらチャイムが鳴り響く。
お楽しみと情報確認はこの辺でおしまいだな。
「二人三脚みーちゃんとペアを組ませるのに協力してくれたまえ、報酬は私の体だ」
「何言ってるんだおめー」
放課後いきなり高円寺に絡まれ、いきなりとんでもないことを言われる。
「あの、私そこまで足早くないし、六花さんの足引っ張っちゃう「だが断る」えぇっ!?」
「私と君のペアで1位をとる、とってみせる、私にはその覚悟がある!」
いい覚悟だ。私はそれを評価しよう、だが……
「……ジョジョみたいな言い回しされてもオレ今回傍観者だからなぁ。堀北とか櫛田に言ってくれへん?」
「君からも言ってほしいからこうして声かけたんだが?」
「君のゴリ押しなら堀北も諦めてくれるやろうに……」
オレがそう言って鈴音の方を向く。
鈴音がため息交じりに組み合わせを描いたノートを取り出して修整し始める。
「どうやら通ったようだぞ。オレは伝書鳩しただけだし、報酬は要らないよ」
「随分と控えめだね、謙遜しなくてもいいんだよ「今のお前は不良債権と何ら変わんねぇんだよオレにとっては!」ソレは聞き捨てならないね。私の何処に不満があるか言い給えよ」
オレはその言葉にブチッとなにかがキレた音がした。
「協調性皆無、オレの後ろ盾と種目当て、オレを射止められないこと親に言われた腹いせにオレを落として親見返そうとしてる魂胆が気に入らん」
「おや、軽井沢ガールたちにも言えることじゃなあないかな?私が駄目で彼女たちを認める差を是非ともご教授願いたいね」
「お前の場合高円寺グループの令嬢やろがい!」
「愚弟を親が溺愛して私を後継者から外し落ちぶれるのが目に見えた、と政治的婚姻の弾として扱われてる予定の、が抜けてるよMr.」
哀愁漂う表情しても騙されへんで
「ソレが本当ならあの親は本当にタヌキだな。あんだけ自慢の娘とかオレに言ってきてたのに」
「どちらかと言うと君が食いつかなかったからこうなっただけだと思うけどね」
旗色悪いな〜と思いつつ落とし所模索し始めてると
「はい、六花様そろそろお戯れはこの辺で」
「君から言質取れなかったか、残念だよ」
そういうと珍しくみーちゃんのスタンドすることなく去っていく。
んー……どうしたものか。
「先輩らしくないね。いつもより積極的じゃなかったし」
夜――腕枕に身を委ねる桔梗がそう零す。
「そうか?」
「いつものねちっこさがなかったし、微妙に上の空でおなか突っついても反応なかったし」
ジト目向けられた。
「頼久はたぶん高円寺のこと気にしてる」
「節操なし、強欲、変態色魔」
清華の言葉に桔梗が反応し、ペチペチとおなかを軽く叩く。
「そんなに気になるなら調べれば良いかと」
トキがしれっとやってきてそう告げる。
「ええ、高円寺よあの協調性皆無の。流石に拗れると思うけど……」
と桔梗。
「みーちゃんのために動けるし足並み揃えられるあたり、認めた相手には合わせられるはずだし」
と清華。
「ということで調べて貰っておきますね。もし本当なら彼女を迎えてあげましょう」
とトキがしめくくちょっと待て
「なんでオレが何か言う前に決まってるんだ?」
「今更何を」「先輩が優柔不断な時は私たちが代わりに決めてるだけ」「御主人様、諦めたほうが良いかと。気になってるんでしょう?」
オレなんだと思われて「種馬」「節操なし」「女殺し」
「泣いていい?」
「仕方ないから私の胸の中で泣かせてあげますよ」「たまになら私でも」「私で良ければいつでも」
……本当に悲しいことになってなかったら放置しようそうしよう。
オレは固く決意を決めるのだった……。