――Side 頼久
あれから数日後の放課後。
ネルがやってきた。
「頼久〜邪魔するぞ〜」「邪魔するなら帰って〜」「仕方ねーな……って帰るか!」
駄目だったらしい。
「んで、何?」
「あぁ?お前がトキに頼んだんだろうがテメェ。コレだよこれ」
とオレに茶封筒をブーメラン的投擲してきた。
オレはしっかり受け取る。
「ああ、コレか。ありがとう」
「アタシは運んだだけ。御礼は実働した連中にいえばいい」
それじゃあな、と去っていく。
「……何を受け取ったの?」
「内緒。まあ今回の体育祭とかに特に関係ない。500万PP賭けてもいいけど」
鈴音の問いかけに答えつつ、オレは高円寺に投げる。
高円寺は反射的につかんでみせる。
「ん? ……ああ、そういうことか。安心するといい、先日の私の発言に対して裏取りで私の身辺調査しただけのようだ」
茶封筒の封じに使われる紐を解いて中身を見たあと、そう告げる高円寺。
そして元のように封をすると投げ返してきた。
オレはカバンに茶封筒を仕舞う。
「取りあえず荷物部屋に置いてきたら合流するからよろしく」
オレは部屋にて分身を出して練習に合流するように向かわせる。
そして書類を確認するが……
「…………うーん? マジで? 高円寺グループのトップが情に流されるとは思えないんだが……」
高円寺がいるパーティで娘を嫁に出したら縁を切ると宣言してる情報や息子に譲るという発言はあるが、高円寺を後継にとかそういう情報が一切ない。
「……ん?」
追加情報に家系図の一部があり、女性は全員外に出されるか極稀に婿養子迎えるの二択になっていた。
「…………」
今のオレはなんとも言えない顔になってるだろう。
少し横になって頭を空っぽにすることを選んだ。
――Side 頼久(分身)
「二人三脚は個々の能力より足並みしっかり揃えられるかの勝負だ。足が早くても息が合わなきゃ意味がないからな」
オレが恋と組んでバカみたいなスピードで走って見せる。
「オレと恋ならこのくらい早くできる」「恋と御主人様だからできる」
2人でピースピースする。
「(あとで本体とも練習するから)」
バレテーラ
恋の小声を聞かなかったフリしてそれぞれの様子を見たりしてると。
「コレもしかして……ちょっと私の言うペースでやってみていい?」「え?何?どうするつもり?」
なんか長谷部が愛里たちに耳打ちして提案し、掛け声で走り始めた
パンパンパンっておいい!?
息ぴったりだけどさぁ!?
「……思ったより合わせやすい」「だね……」
「……御主人様のペース、身体が覚えてる」
愛里たちを見つつ恋がそう告げる。
「素直に喜べないんだが……??」
知られたら恥ずかし……まあそこまででもないか(開き直り)
「組んだ2人で掛け声決めて足動かす。慣れてきたら声なくても合わせられるか確認をしていこう」
運動苦手と申告してる組にそう告げると男子たちも声を出して返事してくれた。
運動できる組は……須藤が少し無理させすぎてるな。
「須藤、休憩入れないとそのままじゃ潰れかねないぞ」
「あ?まだ行けるだろオレは余裕「クラスの上澄みに合わせんな後ろ見ろバテバテ死屍累々だぞ」うっ、確かに」
ある程度組み合わせとか決まって練習したり体力作りに入るフェーズだから桔梗たちもいるが清華や鈴音、平田や数名の男子以外へばっている。
「もう少し段階分けて須藤についてこれた面々はチーム組ませて別メニュー、バテた面々に合わせて今回のメニュー見直しするのが良くない?」
「確かにそうだな……」
頭を揉むようにうんうん唸る須藤。
「……随分と動いてくれるわね」
「なんだかんだダメそうなら動いてくれるから」
鈴音の言葉に清華が答える。
うるせーあたりだよ!
っと、オレは運動苦手組のほうに戻ることに。
途中で本体と交代っと
――Side 頼久
その後そこそこの時間まで運動したりして解散となった。
即座に着替えて寮に戻る途中、コンビニにてひよりを見つける。
「ひより……今帰りか?」
「はい、体育祭の練習で自炊どころじゃないので、お弁当買いました」
少し後ろめたそうにお弁当の入った袋を見せるひより。
「……少しオレの部屋寄れるか?」「え?大丈夫ですけど……」
言質取ったので一先ずオレの部屋の階、そしてオレの部屋へ。
「ちょっと待ってろ」
オレは部屋に入り、暇だから作ってた惣菜類のタッパー詰めを8個ほど冷蔵庫から出す。
そして部屋から出たあと、ひよりのコンビニ袋に全部突っ込む。
「ほら、コレだけあればあとはご飯炊いてインスタントでも味噌汁用意すれば数日は朝食も夕食も困らないぞ」
「塊肉の紅茶煮と漬け卵、ニンジングラッセ、ナスの煮浸し、鶏むね肉とブロッコリーの炒め物、無限ピーマン、魚の煮付け、もやしのナムル、豚肉と大根煮込み……!? こんなに??」
「一応賞味期限書いておいたからその間に食べれば味は問題ないはずだ」
「こんなにたくさん……何も返せないんですけど」
「世話焼きのおばちゃんが勝手にやったと思っとき」
「そ、それじゃあありがたく……」
そう言ってエレベーターに向かうひよりを手振って見送る。
エレベーターに入ったの見たあと部屋に戻り――速攻で同じ料理作って時間加速させてもう一セット用意。
それを持って部屋の奥にある姿見からフェナスエリアの団地の1つでオレが保有してる部屋に転移するのだった。
その後数日ひよりから朝と夜ご飯の写真と完食後の写真、料理の感想が送られたりして微笑ましく思ったのはここだけの話。