ソレではどうぞ。
――Side 頼久
10月初旬
「とうとうきたな、体育祭」
「練習で夏休み前よりは成果出せるようになってるはずだ、気合入れてけ!頑張ったことはオレと頼久が保証する!」
須藤が気炎を上げてそう叫ぶ。
オレも巻き込むなよ。
だがまあ……須藤頑張ってたしな
「ああ、フォーム改善したりして苦手な連中もマシにはなってる。全力ぶつかって今の自分がどうなってるか客観的に見てこい」
オレは須藤の付けた勢い消さないようにそう告げる。
そしてアナウンスと共に体育祭開催が宣言された――。
第1種目 100メートル走
オレ、チョウジ、ネル、シャル、華琳、エドの組み合わせが最初、
恋、トキ、呪那、リーシャ、アル、イザークが最後のに行われて……紋章持ちは総合的に赤組寄りの結果になっている。
そして紋章持ち以外について。
一応清華や六花、須藤等は1位をとれているのだが……
「……なんか1年は赤組のつよい組に最弱をソレ以外ぶつけられてる気がしてならない」
「ですね。私の調べた範囲ではそうなってますね」
オレがぼやいたときにしれっと有栖がやってきて同意してきた。
……AクラスとDクラスで擦り合わせしたというが、その情報をどこかで盗聴されていた可能性があるな……。
全体としては白組に押されている。
第2種目 ハードル走
オレ、恋、トキ、アル、エド、イザークで白組のアルが奮戦して4位に。
華琳、呪那、シャル、リーシャ、チョウジ、ネルの組み合わせで華琳が最下位でここでは差がつけられた。
「うーん、1年組こっちが押し負けてる。明らかにこっちの弱い面々が格上に狩られてるし」
「出走表は出してしまった故に変更不可。推薦種目なら交代できますが……ね」
「先輩に近くないかな坂柳さん」
笑顔で怒ってる桔梗。
ほれ、撫でてやるから怒るな怒るな
「やっ、こんなところで撫でないで……っ!」
駄目だったらしい。
結果として白組に押され気味で少し点差が離された。
第3種目 男子棒倒し
「Aクラスは葛城と鬼頭が主軸で防衛、須藤筆頭のDクラスで攻撃か……須藤が山田、龍園、石崎を1人で押し込んでる……!?」
なんか鬼気迫ると言うか八門遁甲で死門開いてそうな勢いだが大丈夫かな……
しかし隙を突かれて1年はコチラの負け、2年3年のおかげで総合点は少し縮まった。
第4種目 女子玉入れ
「今度は逆の結果になったな」
清華と六花筆頭に的確に玉を入れてるし、なんなら十数個まとめて六花がダンクかましてるから明らかに1年は赤組の勝ちだ。
代わりに2年3年はボロ負けしており、また白組リードを許す形になっている。
「旗色がよろしくありませんね……」
葛城派閥が采配してるから対岸の火事ではあるが、ボロ負けは気に入らないと言いたげな顔の有栖。
どうなることやら……。
第5種目 男女別綱引き
「赤組白組での戦いだが……」
高円寺と清華分モブが2人男になってるが、入れ替わった2人を補えるわけもなく……
流石に1年男子は赤組ボロ負け。
女子は逆にコチラが勝ち、2年はどちらかも2-1で赤組が勝ち、3年は女子が完敗の男子圧勝でほぼ得点差に変動はない。
「……今年のD組が一番能力高いと言われてるだけあるということでしょうか」
2年3年共にDクラスが足を引っ張ってるのを見た有栖の言葉に内心頷きつつもどうかな、とだけ返しておく。
第6種目 障害物競走
オレ、ネル、リーシャ、チョウジ、アル、エドで最初、
恋、トキ、シャル、呪那、華琳、イザークがトリで走るが……
「白組が強くてこっちボロ負けだな」
とか言ってたら茶柱先生が来た。
「キーロガーとかの可能性を今日までに何度か確認したが特になかったな」
「……AかDに内通者か……」
「コチラのクラスなら……橋本くんでしょうか」
「うちは容疑者それなりにいるからわかんねぇな」
オレは関わってないだけで、出走表を平田が多くの生徒と擦り合わせしているのを見ている。
容疑者多すぎて特定不可だ。
「偶然と思いたいが、出来過ぎているしな……疑わざるを得ない」
茶柱先生もかなり旗色悪いのを見つつそうこぼした。
第7種目 二人三脚
清華・鈴音コンビ、みーちゃん・六花コンビ、須藤・三宅コンビ、葛城・鬼頭等の一部の突出した組を覗きほとんど対策取られて1年がボコボコである。
かなり点差つけられている。
ようやく昼休みに入り――昼食の時間。
「百歩譲ってホリーと橘さんはわかるが副会長様までなんでこっちに乗り込んできてるんだよ」
「なんだよダメか?」
なんか1年赤組のフリースペースでオレが敷物広げてトキと恋が御重のタワー持ってきたところに3人がやってきた。
チラッとトキがこっちに目線向けてきたので頷いておく。
「御主人様の許可出たので南雲副会長の分も用意しました」
と箸と取り皿を副会長に差し出すトキ。
「……というか食堂で食べればよくないですかね?」
「生徒会長が食堂の一番お高いやつより美味いと太鼓判押してるモノなら、そっち食べたいだろ普通」
オレがホリー見たらホリーがさっと目をそらす。
「にしてもお前女たくさん囲いやがって、見せつけてるのか?」
敷物に集まってるのは不在の束と職員のテントでお弁当を食べてる(なんか星ノ宮先生に絡まれてる)茶柱先生くらいであとは有栖含めオレが手を出してる面々+みーちゃんと錚々たる顔ぶれである。
「頼久は小学校のときからモテていたからな。頑なにチョコレート受け取らないし、トキが受け取って目の前で食べるから泣いた女の子がかなりいたのは今でも印象に残ってる」
「うわ、それはひどくね? ……にしてもうまいなこれ」
懐かしそうな顔のホリーとドン引きしつつ舌鼓打つ南雲。
「罵倒するか食べるかどっちかにしたら副会長殿」
「……」
食うほうがいいのか……うーん、なんで絡んできてるんだろ。
「まじめな話、赤組かなり1年のおかげで赤組かなり点差ダメージ食らってるんだがどうなってるんだ?」
「お前が真面目にやってるなら本格的にお前のクラスかAクラスに内通者いると考えたほうがよさそうだが……」
南雲副会長と生徒会長殿の最もな言葉にオレは困った顔する。
「……今回千手君は出走表について推薦で出る組み合わせくらいしか提案してないわ。そして私たちが作った出走表を元にAクラスと食い合いが起こらないよう調整もしたの」
鈴音の言葉に南雲とホリーが顔を見合わせる。
「順当にいけば」「Aクラス、あるいはAクラスを調べ回ったやつがいる……か」
1つありそうな可能性――出走表を担任が受け取り、端末に入力する間、職員室などに放置されてるのを端末で取られそれを元に対策された――が浮かぶ。
が、今回は静観に徹する予定だし、今更調べたところでどうしようもない。
「推薦競技は点数高いはずだし、そこでなるべく上位取れればワンチャンあるんじゃない?」
「相手が悉く下位に沈めばあるいは……だがな」
そうホリーは零した。
かなり厳しい戦いになるのは、割と想像に難しくないだろう……。
1年白組圧倒的有利な理由(以下透明)
Cクラスは坂上先生が真嶋先生の処分してなかった出走表を撮影するようPPでオーダーしていた。
Bクラスはシャルがこっそり山内やAクラス男子に魅了かけて出走表の写真を撮らせて手に入れ、それを元に一之瀬と龍園にアドバイスしているため。