――Side 頼久
テストが即日返却された木曜日の放課後。
期末試験が終わって一段落したのも束の間、鈴音が自発的に『ペーパーシャッフル試験と月曜日の小テストについて考察する会』を放課後に実施した。
参加者はクラスの半数を切っており、恵あたりは「交友関係保持のため」といの一番に逃げ出している。
ちなみにトキは夕飯の買い出しのため離脱し、恋には取り寄せてもらった大型冷蔵庫と冷凍庫の搬入に向かってるため不在だ。
「……ペーパーシャッフルって言ってるあたり、試験で使う問題用紙の入れ替え……とかか?」
「解答用紙と一致する問題用紙を探すところから試験なんて作成側にも洒落にならない負担かかるからないと思いたいですね。1学期期末や中間試験がクラスで違うなら、ありそうかもしれませんが……」
疑問を腹に貯めたまま部活するのがもどかしいと珍しく部活を休んでこの会に参加してる須藤が口火を切って可能性を上げるが、心が多分違うとひよりに確認する。
「そうですね。1学期期末試験は私のテストと皆さんのテストの問題用紙、答案用紙共に同じです」
「一応私が集めた範囲で1学期期末と2学期中間の過去問とは部分的に一致するけど同じ教材使って大体同じ範囲だからそうなるってレベルだし」
ひよりの言葉を裏付けるように桔梗が同意する。
……多分生徒会なら守秘義務と引き換えに過去の各期生がどんな試験受けたか確認できるんだろうなぁ。
「オレ今思いついたけど、先輩たちにペーパーシャッフルの試験を受けたことあるか、その時のことを聞いてみるのもいいかもしれないな。4月のSシステムのように守秘義務課せられてるとか、別の試験だったから受けてないとかの可能性ワンチャンあるけど」
「……それもありね」
鈴音が頷くが、一応懸念事項も追加しておくか。
「ただ、同じ名前の試験があったとして、ソレを鵜呑みにしないほうがいいと考えている。……はい、先輩方への聞き込みだからと他人事のようにしてる佐藤さん、何故オレが鵜呑みにしないほうがいいと言ったか、予想して答えてください」
「えっ? ……鵜呑みにしないほうがいいと思う理由……?」
「平田たちも考えてくれ。高円寺はみーちゃんに教えない。ヒントは『オレ今思いついた〜』の下りにそう思った理由と同じ考え方で意見を出してるところかな」
オレは六花に釘指しして麻耶の回答を待つ。
「たしか……別の試験だったら……あっ、学年で試験が違うなら『試験名が同じでも、内容が違うかもしれない』から?」
「そう、オレはその可能に至ったから鵜呑みは危険と考えた」
オレは拍手して肯定する。
「つまり同じ試験名の情報を得られても、そのままかもというナイーブな考えは捨てて、『こういう傾向だろう』くらいに留めたほうがいいと……」
「あり得るわね。なにせSシステムの10万PPの箇条書きマジックに1学期の中間試験のテスト範囲ずらしからの過去問と全く同じっていう実績があるし」
幸村の言葉に波瑠加が納得してる。
「寧ろ試験名と内容が完璧に一致なら同じような考えに至った人が上級生から話聞き出したりしてアドバンテージを得ているでしょうし……」
「龍園君あたりも考えたはずでしょうし……」
「でも高育側がソレを簡単には許さない気がしますね……」
千秋、ひより、愛里が零す。
「とりあえず先輩や先生から聞き出せないか手分けするとして……月曜日の小テスト……茶柱先生が言ってた『成績に影響しない、0点でも問題ない』は……」
「ペーパーシャッフル試験絡みだろうね。最低でもペアかチーム戦の成績トップとビリ、2位とブービーのような組み合わせになるんじゃないかな?」
平田の言葉に六花が付け加える。
「そのペア、あるいはチームで一定成績以下だと連帯責任で退学……とかありそうかなと……」
「あとはクラス毎平均点で順位付けとか……入れ替える……クラス毎に問題作って解かせ合うとか……?」
「「「「「ありそう」」」」」
みーちゃんと清華の言葉に同意する面々。
「三人よれば文殊の知恵というけど、コレだけ集まれば僕の思いつかなかった可能性が見えてくる……やっぱり協力って大切だね」
「まあ、そうだな?」
「会はお開きにして、それぞれ心当たりを聞いてみたりで明日また擦り合わせしてみようか」
「「「賛成」」」
ということで夜
「ペーパーシャッフルについて教えてよ佐枝」
「貴様私が簡単に教えるとでも」
「オレにだけ教えてよ佐枝……だめ……?」
「……っ! ……!! だ、だめだ。教えるわけには……」
「……そうか……はい、終了!閉廷!解散!」
「えっ」
「いや、言わないなら今日はこのくらいで「ま、まて……」いやー、仕事だからね、仕方ないね「分かった!言う、言うから……!」」
わざわざ2人だけになっておいてよかったよホント。
そして翌日……
「なんの成果も、得られませんでした!!」
「調査兵団未満ね、使えない」
「ぐはっ」
「頼久君……傷が……致命傷です、もう……」
「先輩っ!!!」
オレがいの一番に朝のホームルーム前に成果を告げると鈴音からバッサリと切り捨てられた。
オレが倒れたらなんかひよりと桔梗が駆け寄ってきて致命傷宣告とと御臨終したときのような呼びかけされたんだけど、ここは死んでおいたほうがいいやつ?(錯乱)
「……まあ普段昼行燈かましてる能天気な化け物に期待してなかったから良いけれど「酷くない?」……私は櫛田さんと佐倉さんで先輩方から過去の試験で似た内容を受けたことあるか聞いてみたわ」
「…ペーパーシャッフルという全く同じ名前で2年、3年がそれぞれ別のタイミングでやったのを突き止めて、その内容がどちらも『数科目のテストを作り、ソレを他クラスに解かせること、受け取ったテスト結果と問題送りつけた側、及び送った相手と平均点競う』こと、『ペアあるいはチームで一定の総合点以下の場合丸ごと退学』が共通してました」
「3年は小テストの結果で昨日高円寺さんが挙げてた形でなるべく揃うように4人チームを、2年生はペアを組まされたこと、3年は五教科、2年生は基本五教科を分化して現国、古文、漢文、数学、英語、化学、物理、生物、地理、歴史から作成されたもの5科目を学校側がランダムで出したらしいわ」
3人が淡々と報告。
「……テスト作る方も解く方も2年パターンだと大変だなコレ……」
「ただ、3年は事前の小テスト100点、2年は200点だったらしいから、小テストの点数次第でわかる……かもしれないわね」
須藤を励ます?ようにそう鈴音が告げる。
「コレペアとかチーム組んだとき、上位層のほうが精神負担大きそうですね……」
「いや、引っ張る側と引っ張られる側、両方にストレスを与えて成長の促しやここ一番のときに全力出せるようにしてるところもありそうだ。だから一概に引っ張る側の精神負担が大きいとは限らないだろうね」
愛里の言葉に違うと見解を告げる六花。
あとは似たような情報を先輩とかから集めたとクロスチェックができたようだ。
めでたしめでたし「次は成果あげなさいよ」ぴえん。