――Side 恋
面倒くさいけど、御主人様の命令だから、問題作成と攻撃先を鈴音、恋、清華、幸村、みーちゃん、高円寺で各々叩き台を考えてる。
現代文、古文・漢文、数学、英語、日本史、世界史、物理、生物・化学……8科目の問題用紙と模範解答を作るのも大変。
歴史は年、ワード、経緯の3点がポイントになって、特に日本史はまだそこまでクセのある問題は作りにくい。
会話形式の文章とそれを踏まえた問答形式なら意図的に順番を紛らわしくできるけど、束から『凡人には解きにくすぎない?』とか言われそうだし……。
とりあえず……
「幸村、物理と数学の叩き台作った。解いてみて」
「ん?分かった」
数学は分野の違う計算を必要とする文章題大問4題、純粋な計算8個の大問1つ、特定の情報ワード6個(必須2個、1つは偽、1つはノイズ残る2つのうちどちらかは必ず使う必要枠)のうち、2個以上のワードを使って証明する証明問題を1問の大問6個。
物理は力学で摩擦係数を正しく求められないと後続の問題が正答できない問題を大問2つ、電気分野の特定の状態になっているときの虫食い図解に正しい抵抗やスイッチを設定する大問2つに会話形式で穴抜けしてる単語や数字を埋める穴埋め問題、とある熱力学の問題の解答について正誤及び誤答時の正しい正解を要求する大問2つ。
大問同士を利用すれば部分点含め4割以上が取れるようになってて、部分点がある箇所は示唆してあるから6割くらいは取れるようになっている。
しかし満点は簡単に取れないようにしてある。
高得点を取るためには難易度を見極めて取れるモノをしっかり取る取捨選択が出来るかを見る問題にしてある。
このくらいで一先ず様子見を……
「……間違いなく6割前後取れるだろうけど、高得点を狙いにくいなかなか難しい問題だな……多分満点もかなり時間かければ取れるけど時間オーバーする未来が見える。疲労してるところにコレ叩きつけられたら、自分でも8割取れるか怪しい気がする」
幸村の言葉から、多分コレなら行ける気がした。
「私も時間あれば満点いけるだろうが、少し意地の悪い問題で足を取られて時間が怪しいねぇ」
「……恋」
「何?」
珍しい、清華が私に話しかけてきた。
「……他の紋章持ちもこのレベル作れる?」
「出来ると思う。華琳にイザーク、エドは当然。アル、シャルあたりも。真面目にやれば呪那やネルあたりできるし、チョウジとリーシャは難易度調整で時間かかると思うけど」
「……他クラスもこのレベルを作れるってことか」
幸村が険しい顔をした。
「……でも紋章持ちは殆ど試験に積極的じゃない。シャルあたり怪しいけど……」
「ん?どういうこと?」
みーちゃんが聞いてきた。
「……イザークからついていけない人を置いてけぼりにしないよう、手を抜くべきって言われてる。体育祭もリレーは明らかに赤組不利だったから、少しまじめにやった。無人島も、島壊さないように慎重に動いたし」
「……まだ余力あるの?」
「ある。華琳は千里眼使ってないし、呪那も守護霊使ったカンニングしてない。チョウジ巨大化してないし、リーシャも本気の隠密してない。シャルは魅了使ったっぽいけど、イザークや恋たちの目を掻い潜ってるみたいだから証拠ない。それとエドとアルは無人島でだけ横着するために力を少し使ったはず」
「……恋たちはそういう不思議な力みたいなのは……」
「恋もトキもない。御主人様は……華琳や呪那の力はもちろん、総帥より色々できる。だけど……使いたがらない。人には、過ぎた力だからって」
皆が何か思う所あるような顔になった。
「……多分この試験も他のクラス紋章持ちは、皆レベルに抑えてると思う。だから、テストも関わらないと思う」
「ならいいんだが……」
……余計なこと、言ったかも。
――Side 頼久
「……ねえ、そろそろ無言でオレを抱きしめて撫でるのやめようか清華さんや」
なんか帰宅したらヘッドロックみたいな形で取り押さえられて無抵抗でいたら突然胸に顔を埋めさせるように抱きついて頭撫で始めたんだがどういうことだ???
かれこれ数十分このままなんだけど。
「……コレで少しは孤独感減った?」
「???話が読めない」
オレは清華から周りの成長にならないからと手抜き気味だよと恋が暴露したことを聞く。
「ホワイトルームで同期だった子たちは皆いなくなった。いなくなるとき、私を化け物のように見てて、壁を感じてたから……今はアレが寂しいって感情だと分かるから……」
「いや、オレ別にその辺気にしてないたい!」
なんか叩かれた。
「……朴念仁。人が優しさ向けてるのに無下にした。妥当な判断」
「ぐうの音も出ない」
とりあえずすり抜けからの抱きしめ返してそっと清華の撫でる。
目をとろんとさせながらされるがままである。
……そう言えば今日他の面々居ないな。トキが意図的に隔離したのかな?
――Side トキ
御主人様と清華のいる部屋の上の部屋にて、二人をハブってハーレム面々で夕食をとっています。
「全く、ハーレムの管理するのも面倒です」
「必要な時だけ的確に動くから適任」
「トキだけにですか?」
「…………」
とうとう恋にボケスルーされるようになりました。
悲しいです……。
「ちなみにペーパーシャッフルの問題や、攻撃先は順調に決まってますか?」
「坂柳は別クラスだ、教える必要はない」
有栖が口を挟むと、茶柱先生が必要なしと切り捨てた。
「進捗聞くくらいダメですかね? 「だめだ」同じ竿姉妹として疎外感感じますよ。やっぱり真澄を竿姉妹にしてBクラス派閥増やすべきでしょうか」
御主人様、また貴方の知らないところで1人抱える女が増えそうです。
まあ色仕掛けや女の子に手を出しやすくなる悪癖とデメリットを差し引いても女を引き寄せるから仕方ないかもしれません。
……腹の中が読めない華琳と自身さえ騙し切るリーシャはともかく、チビ従姉や呪那も総帥が肌馬枠に用意してるようですし、シャルは除湿機破壊できそうな湿度の目線で御主人様を見てるあたり、私の知らないところで何かやらかしてるようなので頭が痛い所。
紋章持ちではないですが、シャル種違いの姉妹であるマシュと同じで好きな人に権力や富、ハーレムとかを持たせようとしてるのかもしれませんが……。
そう言えば立夏というマシュに逆レされた彼は今元気にしてるでしょうか……最後にあったのは、去年でかなり痩せ細っていましたが……。
「トキーおかわりー」
っと、思考が逸れてしまいました。
……卒業までにあと何人増えるのかわかりませんが……これが怖いもの見たさというものなのかもしれませんね……。
――Side 頼久
「ひよりを引き抜いたのにこっちのクラスに足を運ぶとは、明日は雨か雪だな」
放課後に少し用事があってCクラスを訪ねたらいきなり龍園にそう言われた。
「お望みなら降らせるけど雪くらい。明日誕生日なのにそれで良いのかは疑問だがな、ドラゴンボーイ」
「テメェ……人が攻撃しないからとつけ上がってるのか?」
「化け物ゆえの傲慢」「PP全部オレによこして死ねばいいと思う」
酷いなぁ。
それにしても……山田含め紋章持ち以外の半数くらい……葛城が特にそうだが……微妙に浮き足立ってるな……。
「とりあえず用事だが、石崎、葛城、山田の頼みごと終わったから連絡しにきた」
「本当かよ!ありがとな!」「ダメ元だったが……借りが増えたな、必ず返すぞ」「Thank you brother」
「ほらね、僕たちよりフェナスエリア関連のことは頼久に頼んだほうが確実だって」「あーしたち紋章持ちだけど親はゲルマニアグループの経営とは殆ど無縁だからねぇ」「やっぱり総帥後継者候補筆頭だけあるな」
なんかチョウジたちが囃し立てる。
「お前ら何をコイツに頼んだんだ?」
「な、内緒っす」「そのうち教える」「Sorry」
龍園の言葉に逆らう3人。
「……まあいい。こっちはペーパーシャッフルの問題作成で忙しいんだ。さっさと出てけ」
「そうさせてもらうよ」
葛城加入で参謀が葛城金田の両輪となった……はずだが妙に金田の龍園見る目に敵意が見え隠れしている。
同時にオレに向ける目もかなり強い怒気を纏っている。
……ひより引き抜いたオレに敵意を抱いて、ひよりの引き抜きを認めた龍園にも思うところがある……ってところかな?
すまんな、オレがもう食っちまったから。
……ん?
父からのメール……理事長が不正疑惑、父はゲルマニアグループ東南アジアエリアでゴタゴタしてるから長期不在、月城という人が理事長代理になる……か。
コレは一波乱ありそうだな。
……あっ、この月城って人綾小路パパに送り込まれた刺客じゃん。
『清香』が綾小路パパ煽り倒してるはずだからオレか清華退学狙いで刺客送り込んでくるんだろうなぁ……まあ
メスガキとか入ってくるといいんだけど……?
……電波受け取ったけどメスガキとは如何に……?
翌日
「「「「お誕生日おめでとう!」」」」
部屋に朝食食べに来た清華に、オレ+手を出した面々全員でお出迎えする。
「……あ、そう言えば誕生日……だっけ」
「今日の主役はアンタだから好きにワガママ言うといいわ」
「丁度休みも重なったしね」
「私と頼久の3人なら温泉に宿泊で行ってもいいしね」
「このために勉強会の休み日をねじ込んだ甲斐があったわね」
「はい、コレ皆からね」
ワイワイガヤガヤと賑やかなものである。
「……悩ましい」
「ご飯食べながら考えるといい。腹に食事が入り、頭が回れば何か閃くかもしれんぞ」「先生がそれっぽく言ってる」
3人いれば姦しいというが、本当にそうだな……。
「……全員で頼久とレイドする……とか?」
「朝から!?」「まずご飯食べてからで……」「いいわね」
だめだ止めるやつが居ねぇツッコミ不在の恐怖かな?
「……本当は頼久から欲しいものあるけど、退学するのも竿姉妹の面々に隠すのもできないから卒業したら……かな」
夜死屍累々な部屋にてオレに抱きつきながら清華が零す。
「……退学……隠すのもできない……卒業したら……? ……ああ(察し)。……オレは清華をあの箱庭から連れ出した。人生責任は取るつもりですので、ハイ」
「……ならいい。……誰が最初になるんだろうね」
「すみません、私が既に最初を終わらせてるので、誰が卒業後頑張ろうと2番手になりますのでよしなに」
トキの言葉にコチラを見る清華。
ジト目である。
「……ちょっとカチンと来た。今なら桔梗と同調できそう」
「前田利家の嫁のすごさ、少しわかった気がしましたよ、ピスピース」
「……頼久、あと4回戦」
トキ、煽らんといて……清華コレでかなり負けず嫌いだから……。