――Side 清華
今日はクラス人気投票試験。
昨日は珍しく頼久が誰も呼ばず、来ることも拒否した。
食事はトキと恋が運んでたから、頼久の姿を見ていない。
私たちはいつも通り、一部の一年生は足取り重く、登校する。
まあ……お預け喰らう形となった一部の娘が若干不機嫌だが誤差だろうか……。
……ん?
Dクラス全員宛のメール?
『生徒会副委員長 シャルロット・デュノアです
東光輝、市橋海斗、本堂遼太郎三名に対する浅野リーシャへの強姦未遂の訴訟について、明日生徒会及び教員・甘粕理事立ち会いのもと、裁判されることになりました。
過去の事例及び証拠物から退学が妥当と生徒会は判断し、立ち会い予定の理事も同意しております。本日24時時点で3名全員の退学が確定している場合は訴訟不可とし訴訟は取り消すと原告より連絡が来ています。
以上、生徒会より通達致します』
……念押しがすごい……どれだけ退学させせたがってるんだ……?
私たちが教室に入ると平田が項垂れていた。
平田の隣を狙っていた女子含め、誰も近付こうとしていない。
……あの3人に批判票入れて退学させるという後ろめたさがあるせいだと思うけど。
すると、少しやつれている茶柱先生が入ってきた。
その後ろから甘粕理事も。
「……コレより、試験を始める。今から10分の投票時間の間に、称賛票、批判票をこの41人から3人へ投票するように。試験のアプリから、1年、クラス人気投票から選択できる。集計後、順位発表と人気順位の下位3位までの生徒の退学か保留の投票を再度行う。……では……試験を、開始する」
私たちは指示通りアプリを開く。
私が称賛票いれるのは桔梗、ひより、鈴音の3人。
批判票は……言うまでもない3人。
投票内容確認画面を経て、投票完了。
そして束の間の休息時間……からの
「人気投票結果を発表する。3位平田、2位櫛田、1位綾川だ」
その結果に少し驚く。
平田の順位が桔梗より低いのはまだ理解できる。問題は私の順位が高いこと。
……もしかしてクラス内で仲の良い同士で結託して相互投票等をしたから……クラスで分散して平田と桔梗に入る称賛票が低かった……?
頼久が手を出した同士で投票するスタンスにしてあったけど……細かい擦り合わせしてなかったから……そういうこと……?
「……下位3人は……東、市橋、本堂だ。引き続き、3人を退学させるか、残すかの話し合いを行え。1時間後に強制的に3人について多数決を行う。早期にきり上げ、投票に移ることもできる。……投票に話し合いを始めるといい」
そう言うと、パイプ椅子に座り込む。
甘粕は……まるで何かを思い出すような目で私たちを見ている。
「……話し合うことはない。投票しようか」「い、いや、待ってくれ!」
平田がまだ足搔く。
「……たとえ退学免れて、自分らが悪い浅野さんの訴訟で無罪を勝ち取れたとしても半年間PP0は……キツイかなって」
「オレたち、試験でも体育祭でも、足引っ張ってばっかりだったし」
「ここで50とはいえ、CPにも貢献できるなら、悪くないしな」
……桔梗は本性出してないし、人気投票1位取った私が動くしかないか。
「私としては、彼らの願いを叶えることにしたいと思う。……平田君、悪いけど、今回は私の意見を押し通らせてもらう」
「……っ!」
机に突っ伏す平田。
「平田少年。今の君は昔の私と同じだ。自分だけ無傷、怪我をした小隊の仲間を連れて無事なものだけで撤退するか、仲間を見捨てて撤退するか選ばねばならなかった私とな……。私は負傷した仲間を見捨てられず、全員撤退を選んだ。撤退途中で接敵し、私だけが残った。敵は全滅させたが、味方は全員死んだがな」
甘粕がそう告げる。
「……僕は、また、何も出来ない……のか……」
「何を言っている。残された側は脱落した者たちの意思を引き継がねばその犠牲は無駄になるぞ」
チラッと甘粕か3人を見る。
「……まあ、無理にとは言わないけどさ、Aクラス卒業して、オレたちに胸張って連絡してくれたら最高かな」
「平田がクラス取りまとめしてくれてるから櫛田さんや堀北さんは全体の方針考えたり、千手も色々動きやすかったって言ってたし、引き続き助けてやってほしい」
「オレ別の高校でサッカーやるからさ、全国大会でまた会えるよう……オレも頑張るから、平田も目指して見てくれよ」
「……東君、市橋君、本堂君……分かったよ。僕、頑張るから」
「無理すんなよ」「適度に息抜き忘れんなよ」「無茶しそうな典型例だし」
「……投票を始めてください」
東が言いたいこと伝えられたと冷静に茶柱先生へそう頼む。
「……では席につけ。……3人の退学を決める投票を始める」
――Side 頼久
オレたち紋章持ちは人のほとんどいないフェナスエリアのフードコートでのんびりすることに。
「Aクラスは坂柳が1人か2人切り捨てて現状維持か+αを選ぶでしょうね。恐らく……1人は確実に戸塚君を選ぶ」
「クソみてぇな試験だよな。オレら蚊帳の外だし」
「私たちCP依存しないPP取得が確定してるけど……」
イザーク、エド、華琳は無関心、呆れ、心配と三者三様だ。
「帆波ちゃんがどうするか、なんだよね」
「……」
「面の皮百科事典ですかね、シャルロットさんは……」
どう転んでも構わないと言わんばかりのシャルロット、なんとも言えないアル、シャルロットのDクラス男子生徒への所業などから軽蔑の目線を向けてるリーシャ。
「アタシたちのCP依存じゃないPPが退学救済に使えないのわかってるし……何人か面従腹背がいるし、多分1人……2人くらい切りそうではあるが」
「まあ、退学してもケアちゃんとするってことを月城理事長代理から聞いてるから多分2人切ってCP取りに行きそうではあるね」
「それに気になる話もあったしね。僕たち以外各クラス39人未満になるなら、補充をするってのが」
ネル、呪那、チョウジがなんとも言えない顔でそう零す。
「……今回の試験で実質強制脱落させて……代わりに人間関係形成されたところに一石投じさせるのが目的?」
「船上試験が高育側の想定よりグループで動いてくれなかったから……という可能性もありますね」
「コレ船上試験みたいにクラス毎じゃない試験来そうだな……」
恋が可能性を挙げて、トキも心当たりを零す。
今丁度電波受信して次恐らく合宿だなーと思いつつ、可能性をボヤく。
「僕たちまたCPやPP増減のブーストアイテム扱いされそうだねぇ……」
遠い目するチョウジ。
「随分と冷静ですね、皆さんは」
月城理事長がやってきた。
「蚊帳の外に追いやられたんだ。あとはクラスの連中がどうするか……見守るだけだ」
エドが不貞腐れるようにそう告げると理事長代理は笑みを深める。
「では、コチラをどうぞ」
手持ちの茶封筒から12枚の紙……そこには12人の名前が乗っている。
「……コレは?」
「君たちを除くクラス生徒が39人になるよう調整として招集された編入生候補です。誰が何処の生徒の予定か……予想するのも一興では?暇つぶしですので、PPやCPは気になさらず」
「名前だけで判断は流石に無理かと」
「余興としては微妙だな」
「……ふむ、では守秘義務契約とセットでお見せしましょうか」
そう言って契約書を茶封筒から取り出す理事長代理。
用意周到だな。
オレたちがサインすると、契約書と引き換えに1枚に4人分の情報をまとめた紙が3枚1セットの4セット渡される。
男子
リィン・オズボーン、苗木誠、御狐神双熾、黒崎一護、夜神月、ランディ・オルランド
女子
殺生院キアラ、ライザリン・シュタウト、歌住サクラコ、黒川あかね、長尾美空、朝倉和泉景鏡
……この世界Fate系にDEATH NOTEとBLEACHに推しの子とダンガンロンパあたりが混在してる可能性がある……?
それ差し引いても半分くらいわからんのじゃが……。
「……経歴見るとある程度は予想付くけど……」
「コレ汚点系の過去の経歴ないからなんとも言えないパターンでは?」
「あとは皆さんの想像にお任せしますよ。暇つぶしですし」
「……」
Aクラス候補 夜神月、リィン、黒川あかね
Bクラス候補 御狐神双熾、歌住サクラコ、ランディ
Cクラス候補 黒崎一護、長尾美空、殺生院キアラ
Dクラス候補 苗木誠、ライザリン、朝倉和泉景鏡
コレでいいだろ。
オレたち全員さっさと書き上げて提出する。
「ふむ……皆さんある程度は同じですね」
「んで、オレらの意見を反映させるつもりか?」
月城は軽く頷く。
「場合によっては」
「僕たちの胃痛のタネにならなければいいけど」
「さあ、それは今回の試験次第です。お邪魔しましたね」
そしてそのまま去っていく。
「……どう思う?」「意見反映してしれっと教員から言わせそう」「場合によっては、面倒なことになりそうだ」
アルの言葉にエドがため息を付き、オレも同意する。
そして……オレたちに順次試験結果のメールが届く。
Aクラス 山形、千葉の退学により、クラス人数が41人となり、CP+50、PP+20万、プロテクトポイントは一之瀬が獲得
Bクラス 戸塚、矢野の退学により、クラス人数が41人となり、CP+50、PP+20万、プロテクトポイントは坂柳が獲得
Cクラス 鈴木、井上の退学により、クラス人数が40人となり、CP+200、PP+40万、プロテクトポイントは龍園が獲得
Dクラス 東、市橋、本堂の退学により、クラス人数が41人となり、CP+50、PP+20万、プロテクトポイントは綾川が獲得
つまりCPは
坂柳 :1002→1050
一之瀬:1030→1080
龍園 :973→1173
堀北 :871→921
となり、ほぼ団子状態だがまさかの龍園クラスがAクラスである。
清華……綾小路がCクラスのIFならあり得そうな話だが、清華はウチのクラスにいる。
……龍園に主人公補正でも付いてるのだろうか?
「うーん、龍園君裏で反発してる2人を的確に切り捨てたね……」
「まさかのAクラスとは……まあ補充される人が切り捨てた二人より問題児じゃないことを祈るしかないな。でなきゃ揉める」
チョウジの言葉にネルが遠い目をする。
「……うーん?帆波ちゃんの全員で卒業に反発した人がいるみたいだけど……2人かあ……まあいいけど」
「……坂柳に反発するヤツがこなきゃいいがな」
それぞれ問題が見えているようだ。
「……うちもうちで誰が来るのか警戒したほうが良さそうだ……」