ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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加入キャラ一覧
坂柳クラス(現在Cクラス) リィン
一之瀬クラス(現在Bクラス) ランディ・オルランド
龍園クラス(現在Aクラス) 殺生院キアラ、朝倉和泉景鏡
堀北クラス(現在Dクラス) ライザ

低評価は……堪えますねぇ


第50話 冬休み前の編入生たち

――Side 頼久

 

試験で3人脱落した翌日の朝のホームルームにて

 

「さて、本日は重大発表がある。……入れ」

 

茶柱先生の言葉とともに、1人の女子生徒が入ってくる。

 

「ライザリン・シュタウトです。ドイツから来ました!趣味は工作で苦手なものは国語!日本語は一通り叩き込まれたけど、使い回しおかしかったら指摘して直してくれると嬉しいかな? よろしくね!」

 

「……シュタウトは自己紹介の通りドイツからの編入生だ。他のクラスにも編入生が来ているようだが、国外からの編入生はうちとCクラスだけだ。Cクラスにはドイツにて辣腕を振るう鉄血宰相の御子息が編入されている。言い回しが不慣れな相手の言葉にいちいち目くじら立てて喧嘩など論外と言っておくぞ」

 

そう言って3人退学後また席調整してなお空いてる席を茶柱先生は指し示す。

 

ライザリンは軽い足取りで席に座る。

 

「……冬休みもあと数日後で訪れるから、あまり学校では交流できないかもしれないが、クラスの一員として受け入れるように」

 

そう言って茶柱先生は去っていく。

 

すると生徒たちがライザリンに群がっていく。

 

「ドイツから来たんだ!」「わざわざ高育にきたのは!?」「工作得意って聞いたけど、どんなもの作ってるの!?」

 

「わわっ、落ち着いてください!」

 

わたわたしてるライザリン。

 

「……というかトキさんなんで私助けないんですか!?私が手を振ってもガン無視でしたよね!?日本語勉強する代わりに夜泣きする赤ちゃんあやすの手伝ったのに!?」

 

「はて、なんのことやら」

 

すっとボケかましてるな、トキ。

 

つかお前……オレのところにいない間、ドイツにいた感じ?

 

しれっとトキから教えられるまで知らされなかった話を共有してる娘がいることに気がついて頭痛くなってきた。

 

「この鬼! 御主人様狂い! おまつさん!」

 

「否定しませんが……」

 

「神は居ないのですか!?」

 

「? 此処は八百万の神々が住まう魑魅魍魎の国日本ですが」

 

「違う!そうじゃない!」

 

「……仕方無いですね。御主人様と私の子の一番大変な時期の面倒見てくれた貴女を助けてあげましょう」

 

「良かった!」

 

いやー、オレは良くないけどね。

 

2人の会話でオレがトキとの間に子供居るの知られて、一部女子から冷たい目で見られてるし。

 

「……ああ、御主人様は高育で合流するまで私が出産してたこと知りませんよ。よもや一撃命中とは思ってなかったでしょうし、私その後から総帥の命令で御主人様から引き離されてましたから。なんなら私が子育て中の御主人様は1人で太平洋の海の底でアンサラー4機の建造したり、原発改築や廃炉処理をハシゴして発狂したり怪しげな秘密研究施設爆破したりしてたので」

 

「ちょっとわけが分からない」「日本語話してるはずなのに脳が理解を拒否してるんだが」「非童貞な上に子供いて……学生……?」

 

トキの擁護に宇宙猫化する生徒が多数。

 

「……というか子供どうしたの?」

 

千秋が冷静にツッコミ入れる。

 

「ゲルマニアグループのしきたりとして、孤児院に預けました。総帥曰く『はじめからゲルマニアグループの子供として育つと性格歪んだのとか育ちやすいから物心つく前くらいに孤児院に』とのことで、物心つく前に孤児院に預けています。私も恋も御主人様も同じでしたから、さみしくはありますが、受け入れています」

 

「……なんか世間ズレしてるの、納得できた自分がいる」

 

幸村の言葉に生徒たちが頷く。

 

どういうことだよ!?

 

「それはそれとしてライザリンさん「ライザでいいよ」ライザは何故数年前から日本語の勉強を?」

 

清華が問いかける。

 

「自発的じゃないんだよね。数年前ゲルマニアグループ総帥がいきなりうちに訪ねてきて、トキさんに日本語教えてもらうように言われたし、そしたら先月日本の高育経編入するようドイツ政府から言われて村が大騒ぎだったし」

 

「総帥は一見トンチキなことを命じることありますが、あとから振り返ると的確な一手であったことがよくあります。未来を垣間見てるような鬼手をしたりするので、ゲルマニアグループや総帥個人の株取引はかなり注目されてるとか」

 

「つーことはなんかのためにシュタウトに日本語覚えるよう飛鳥馬を派遣したのも、なんか理由あるのかもしれないのか」

 

「総帥は基本そういうこと教えてくれないけどね」

 

「ん? ゲルマニアグループ総帥とちょくちょく会ってるような言い方ね?」

 

鈴音が首かしげ。

 

「ご先祖様に総帥の血縁者がいるから、ちょくちょく様子見しに来てたからね」

 

「あの秒単位で動くとかいう総帥が様子見しに来てたのか……」「はえー、すっごい人が転入してきたなぁ」

 

都会の人を珍しそうに見るステレオタイプの田舎の人みたいなリアクションしてる一部の生徒。

 

「いや、田舎の人小娘より、ドイツの鉄血宰相の御子息のほうがすごいと思うけどね。総帥がわざわざ就任祝いで名代じゃなくて本人が来てたし」

 

「いや、親がすごいだけでは?」「その人の人となり見てから判断するのでノーコメント」

 

なんと言うか、高育の騙して悪いがを経験して鵜呑みにしないのと自分で確かめるを意識するようになってきてるようだ。

 

っと、そろそろ授業が始まるぞ。

 

 

 

 

 

 

――Side 一之瀬

 

2人退学して、新しくランディ・オルランドという外国の男子が編入してきた。

 

「オレはランディ、ランディ・オルランドだ。趣味はグラビア鑑賞とダーツ、ビリヤード、あとは身体動かすこと全般かな。イタリアとオランダ系混じりのスペイン育ちってところだ。よろしくな」

 

うーん……色々とインパクトある男子だ。

 

声がよく響く。

 

にしても……匿名投票だからか、誰が2人を退学させたのか分からないままだ。

 

……退学には投票の過半数で退学が選ばれるのが必須だった。

 

つまり私の知らないところで一致団結してるはずのこのクラスで、別の誰かが、別の足並みで半分以上を揃えてることになる。

 

……シャルロットさんが一番怪しい気がするけど、リーシャさんやアルフォンス君も本心が見えてこないから、その可能性がありそうで……。

 

……ダメダメ、気を取り直さなきゃ。

 

退学したクラスメイトのことは忘れちゃダメだけど、今の皆を後回しにしていい理由には……ならない。

 

「それじゃ、帆波ちゃん。ランディ君の面倒よろしくね」

 

「あ、はい!」

 

……星ノ宮先生、私に丸投げして良いのかな?

 

後で小言誰かに言われない?

 

「お、美人さ……頼久のやつ、1年たってないのに他クラスのやつまで手を出すとか手が早すぎるだろ」

 

いきなり引き攣った顔したかと思うと、遠い目をするランディ君。

 

……私と頼久君の関係を一発で見抜いた?

 

指輪は私の部屋に置きっぱなしでつけてないし、匂いとかも残らないよう意識してるのに……。

 

「まあいいさ。オレもある意味アイツと同じモラトリアムのためにこっちに逃げてきたようなものだしな。痴情の縺れでまた揉めたくないし、おとなしくさせてもらうさ」

 

き、気になる言い方〜。

 

この後聴いてみてものらりくらりで千尋ちゃんの嘘探知もすり抜けてはぐらかされた。

 

……やっぱり言及してたあたり、頼久君の関係者……だよね。

 

 

 

 

 

 

――Side 龍園

 

「ソワカソワカ。初対面の方は始めまして、私は殺生院キアラ。皆さんと同い年です。……年齢でイジられると、思わず手が出てしまいそうなので、どうかどうか、お気をつけください」

 

「朝倉和泉景鏡と申します。かの有名な高育に編入し、皆さんと勉学を共にできること、心よりうれしく思います。和泉は諱のため、景鏡か朝倉でお呼びください」

 

……暴力団の抗争で近く通りかかったせいで敵対組織の女と思われて襲われたからと、銃弾飛び交う中両方の事務所壊滅させたイカれ女に、そのへんの棒切れで鉄板ぶった斬ったの見たことある化け物だとふざけるな。

 

コイツら美甘たちの同類だろ絶対……に……?

 

「……やっべぇ。朝倉はともかく……殺生院は頼久か総帥案件だろこれ」

 

「暴走したら総帥か頼久で早期に対処しないと地球滅ぶし」

 

「まあ起爆スイッチが特殊なものだし、暴走しなきゃ僕ら未満だからまだいいだろうけど……総帥の差し金っぽいし、頼久に丸投げさせるつもりかな」

 

ならDクラスに回せよなんでこっちに回すんだよバカかよ。

 

……逆に言えば2人をこっちに引き込めるなら力の面で千手や紋章持ち以外にかなり優位になるはずだ。

 

なんなら坂柳のところの紋章持ちの華琳とかいうのならこの二人とアルベルト使えばいけそうだし、そうなればあのクラスを掌握できるかもしれない。

 

……とりあえずこの二人の背後に千手が絡んでないか確認しておくか。

 

藪をつついて蛇を出すのはバカのやることだしな。

 

 

 

 

 

――Side 坂柳

 

「始めまして、オレはリィン・オズボーン。 父から外を見てこいとあちこち留学してはや数年、今回はここにやってきた次第だ。なかなか日本語が難しいので、何処か言い回しがおかしかったら、遠慮なく指摘してほしい」

 

ドイツに現れた辣腕の政治家にして鉄血宰相の異名で知られる怪物、ギリアス・オズボーン。

 

……自らの息子を高育にねじ込むことで、高育、ひいては日本へ干渉する糸口にするつもりでしょうね。

 

アメリカ、フランス、ロシアと、彼が留学した先で鉄血宰相による干渉が確認されてると聞きますし。

 

外部から隔離されてるからこそ、安否確認という名目で来られたら拒否が困難ともいえる。

 

……彼をここに招き入れたのは……父ではありませんね。

 

ゲルマニアグループの総帥……いえ、アレはその気になれば国境などガン無視できる存在。除外してよいでしょう。

 

……大方月城理事長代理と甘粕理事代理……そしてその後ろで蠢く海千山千の政治家たちの思惑でしょうか。

 

鉄血宰相の干渉に乗じて鬼頭総理の弱みの1つでも握れないかと高育を嗅ぎ回る可能性は大いにあります。

 

あるいは……ゲルマニアグループの総帥に少しでも優位に立てる方法を探すため……?

 

まあ父が不在の今、私にはどうすることもできません。

 

ひとまずは彼と敵対しないように、できれば取り込めるように動くとしましょう。

 

 

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