ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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第58話 混合合宿の1日

――Side 頼久

 

オレたちサポート組の朝は――メンツによってまちまちだ。

 

オレは朝食作成をオーダーされてるので早くから仕込みをしている。

 

「少し変化球投げて様子見してみるか……」

 

食材は山程ある。

 

オレは鯖やブロッコリー、トマト等を手に取った。

 

 

 

 

 

――Side 清華

 

目覚まし時計が朝を告げた……眠い……

 

「清華ちゃん、起きないと大変ですよ」

 

ひよりが私を優しく起こす。

 

他の面々もパジャマから着替えをしている。

 

コレでも朝食を頼久が作ってくれるから、ゆっくり眠れてる方なんだけど……。

 

朝食、昼食はそれぞれの棟にある食堂で大グループ毎に食べることになっているんだけど……

 

「こちら、朝食の『林檎とベーコンのリゾット』に『鯖とブロッコリーのトマトスープ』、『チーズオムレツ』、『葉物野菜のサラダ』となっております。明日は和食テイストのモノをご用意させて頂きますので、よろしくお願い致します」

 

「うわ、すっご」「優雅な朝食じゃん」「スマホに残せないの勿体ないんだけど??」

 

上級生たちがにぎやかだ。

 

小グループ毎に座ろうとしたけれど

 

「せっかくですから、大グループでランダムに座るのはどうですか?」

 

とキアラ(名前呼びするよう部屋のベット決めの時頼まれた)から提案される。

 

「千手さん「こちら座席に置いた番号と対応する割り箸で作りました即席のくじがございます。好きな方から引いて頂き、その席に座って頂くとよいかと」まあ、準備がお早いですね。どうでしょうか?」

 

キラアの言葉に上級生たちが困惑してるが……ん?

 

六花と鬼龍院先輩がすかさず頼久からくじを引いて……そのまま番号の席に座った。

 

「自ら率先して動くとは、流石は高円寺コンツェルンの社長令嬢といったところかな?」

 

「鬼龍院先輩のように必要と断じたので動いたまで。判断も能力も頭打ちが見えている愚弟を次期社長に据えている未来の不穏なところにいたからこそ……と言われたら頷くしかありませんけどね」

 

なんかしれっと火花散らしてない?

 

とか思ってたらひよりやライザたちもくじ引き始めてるし、私も参加して流れ作っちゃおう。

 

女子は流れがあると「それに乗らない」ととなる生き物だ。

 

ひよりとか六花、恐らく鬼龍院先輩とかの例外は居るけど、基本的に周りに合わせていけば何とかなると思っている。

 

ならソレを逆手に取れば、流行や流れを作ってしまえば、こちらの思惑に乗せやすいと言うことにもなる、そういうことだ。

 

 

 

 

くじの結果、見知らぬ先輩たちに挟まれた。

 

そして食事を始めるが……やはり頼久のご飯は美味しい。

 

絶妙な塩梅で塩スイカとか微妙な私でも違和感がないのは流石だ……。

 

と思っていたら、左右の先輩から声をかけられる。

 

「千手君と仲が良いって本当……?」

 

「紹介してほしかったり……」

 

下心満載すぎる……。

 

「本人そこに居ますけど……」

 

「いや……」「話しかけにくいから……その……」

 

ヘタレ……。

 

「堀北先輩とタメらしいので、同い年ってところなら話しかけやすいのでは?」

 

「え?そうなの?」「何か理由あるの?」

 

なんか食いついてきた。

 

「ゲルマニアグループ総帥から割り振られた仕事がどうとかで……アンサラーの建造関連とかそのへんが関係してるとか」

 

「なるほど……?」「なら、今度声かけてみようかな」

 

二人とも3年生だし、頼久なら適当にあしらうから、別にいいよね?

 

 

 

 

 

朝食を終えたら掃除の時間……の前に

 

「本当でしたら私が片付けるのですが……朝食の食器分はとの学校方針ですので」

 

自分たちで使った食器を洗っている。

 

他の大グループでご飯自炊してた面々はその片付けもしてると考えたら、かなり楽な方だろうと思い、皆ホッとしている。

 

今日の掃除は近くにあるお寺のお掃除。

 

掃除場所が寺の日は直後が坐禅でそれ以外は勉強の時間らしい。

 

境内の箒掃除や廊下等の雑巾がけがメイン。

 

……男子の大グループもいたけど、たぶんあっちの座戦も此処でやるから……なのかな?

 

 

 

 

 

掃除を終えたら午前は坐禅の時間。

 

尼様が警策*1を持っている。

 

「本日は初回ですから、敷物の置き方、足の組み方、姿勢まで丁寧に教えますが、明日以降は姿勢以外指摘しません。そして最終日は開始と終了の合図だけ行います。では、やっていきましょう」

 

敷物は座布団2つ。

 

片方は普通にしいて、もう片方はお尻側に二つ折りにしておく。

 

「足元の方は使わないことが多いですが、慣れない方も多いでしょう。試験であっても使って問題ありません。採点の対象ではありませんので、ご安心を」

 

つまりお尻側に敷物があるという箇所は外してはだめと。

 

足の組み方は右の足を左の腿の上にのせる、半跏趺坐という形をとり、さらに左の足を右の腿の上にのせて結跏趺坐という形にする。

 

「今日は半跏趺坐ができれば上等、どちらもできない場合は胡座でも構いません。最終日には結跏趺坐ができるようになってると良いですね」

 

……坐禅の試験内容は座り方もチェック内容にあるのは妥当でまはある……かな?

 

手の組み方は右手を左の足の上にのせ、その上に左の手をのせて両手の親指を軽く合わせる。

 

「これは法界定印(ほっかいじょういん)という形です。……キリスト教徒の形は仏教の作法に戸惑いあるかもですが、坐禅が授業の一環なので、しっかりやってくださいね」

 

「あ、ウチその辺ゆるいので大丈夫です」

 

「それは何より」

 

ライザの言葉にホッとした様子の尼様。

 

そう言えばドイツ人だっけか……となる他の面々。

 

短期間で箸普通に使えてるし、言葉遣いも違和感なくなったし、詳しく知らないと忘れるよね……。

 

そして次は姿勢。

 

背骨をゆったりと積み上げ、上に頭をバランスよく置きます。耳と肩、鼻とおへそは垂直に。

 

眼は見開かず細めず自然に開き、視線は前方におとすように。

 

「鼻で吸い、口でゆっくりと吐くことを意識して下さい」

 

そして警策について。

 

右肩を軽く打って予告するので、合掌し上体を左前に傾ける。

 

受けおわったら上体をもどし合掌低頭して、法界定印(ほっかいじょういん)にもどす。

 

「思考が乱れてるとき、眠気に誘われたときにこのようにやりますので、忘れないように」

 

と1人ずつ感覚を教えるように実演する。

 

痛みはあまりないけど、身体がビクッとする。

 

その後説明がメインで20分程度……ほとんど坐禅してなかったけど……一先ず今日は終わりのようだ。

 

「明日からは予告通りですので、お忘れないよう……」

 

ふむ、なかなか大変だな。

 

 

寺から戻ってきたら勉強の時間。

 

と言っても学年ごと指定されたプリントを解くだけだからほとんどの面々は直ぐに終わって暇を持て余す。

 

「頼久、暇になった」

 

「こちらは採点してますのでチェスや将棋、リバーシ、あるいはこちらの用意したパズルを解いてみてください」

 

3年生の渡されたプリントの採点しながらそう告げる頼久。

 

「ならチェスで勝負しようか、後輩」

 

「私はみーちゃんとやりたいんだけどねぇ」

 

なんか鬼龍院先輩が突っかかってる。

 

……特に問題ないし放置だな。

 

「なら私と……」

 

と有栖が私を誘ってきたが……

 

「たまには他の人とやりなさいよ」「私に勝てる人あんまりいませんし」

 

真澄の指摘に対する有栖の返答で何名か釣れたな。

 

後輩が生意気だからへし折るか、という気配がすごい。

 

……まあ結果見えてるけどいいか。

 

 

 

 

昼食は全員共通。

 

「朝のレベルが高すぎてギャップがすごい」

 

本当にそう。

 

普通……といっても高育の食堂のやつと大差ない。

 

「でも朝食食べてから調子いいし、午後もこの調子でいけそうかも」

 

とりあえず問題なさそう……かな?

 

 

 

 

午後は女子全体共通で駅伝の練習。

 

といっても、4日目まではグラウンドで体力作りらしい。

 

「飲み物も完備してますので安心して下さいね。必要なら手袋をつけても良いかと」

 

頼久のケアがバッチリでありがたい。

 

他の大グループだと此処までケアしてるのはほとんどいないようだし。

 

「私も少し走ったりしますね」

 

有栖はとうとう病弱キャラ卒業かな?

 

 

 

 

「ね、眠い……!」

 

運動の後のスピーチ練習となると気持ちはわかる。

 

まあ、手を出された面々は全然余裕そうだからいいけど、上級生組が大変そうだ。

 

コレで坐禅の日は阿鼻叫喚になりそう(こなみ)

 

「発音が気になる方何名かおられますね。皆さまのスピーチを文に起こしておき、発音が微妙なところにマークしておきましたが必要でしたらご利用ください」

 

……なんか凄く痒いところに手が届く感じあるね、頼久。

 

 

 

 

 

そして勉強、夕食、勉強となり、お風呂の時間。

 

大グループ単位での入浴だ。

 

「……1年の胸が全体的にデカい件について」

 

「一部例外あるけど、何食ったらそうなるの?」

 

……胸がデカくても、頼久とするとき以外邪魔なんだけどね……。

 

「うーん、羨ましい」「大体男はおっぱい星人だし……」

 

そうかな?……そうかも?

 

 

 

そして小グループ毎に部屋に戻り就寝の時間。

 

部屋に使い捨てのホットアイマスクが置いてある。

 

「流石というべきか……」「まだ1月ですからね。部屋に暖房があるとはいえ、適温より寒いのは事実」

 

皆布団に入っていく。

 

こういうとき夜のおしゃべりすると思うけど……

 

「……あれ、こういうときおしゃべりとかしないの?」

 

ライザが疑問を抱いたらしい。

 

……頼久に手を出されてるのがほとんどで、ピロートークとか朝食とかで会話してるし、今更感あるから……。

 

と言うに言えず、該当者が困惑することに。

 

キアラや朝倉がそれに反応して会話してくれたから、私たちは……ゆっくり……。

 

にしても……朝倉は……どこかで見たことあるんだけど……何処で…………?

 

*1
坐禅で寝てたり注意力散漫な時に肩を叩いたりするアレ

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