ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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第66話 選抜種目試験 前編

――Side 清華

 

いよいよ当日。

 

私は茶柱先生と共に指定された地点へ到着する。

 

既にAクラスの龍園以外は揃っている。

 

「やっほー、清華ちゃん。今日は頑張ってねー」

 

なんか星ノ宮先生が馴れ馴れしい。

 

「星ノ宮先生、あまり肩入れしてしないように」

 

真嶋先生が咳払いしてそう告げる。

 

……どうやら対戦とは関係ない担任が試験進行を担当するらしい。

 

「……もうすぐ時間だが……」

 

真嶋先生が時計を確認してると、足音が……4つ?

 

音の方を向くと、龍園に坂上先生、そして甘粕理事代理に月城理事長代理が居た。

 

「時間通りでよろしい。では先生方、予定通り案内をお願いします」

 

その言葉に先生方が頷いて、茶柱先生と真嶋先生、甘粕理事代理が龍園と帆波と共に部屋へ入り、残る面々で反対側の部屋へと入る。

 

そこにはデスクトップ型PC2台がそれぞれ八の字になるよう配置され、八の字の下側にあたる壁側に大型のスクリーンでプロジェクターからの映像が映されていた。

 

「Dクラスはコチラへ」

 

「Cクラスはこっちへ来てね」

 

それぞれのテーブル席に座ると、相手の画面や手元は見えないが、互いの表情が斜めではあるが見える位置になっており、スクリーンも見やすい位置に配置されていた。

 

「では、試験を開始します。不正等無いよう、お願いしますね」

 

 

 

 

 

 

――Side 頼久

 

実働するオレたちは教室で待機。

 

スタッフたちが必要に応じて呼びに来たりするシステムのようだ。

 

「やべぇ、凄く暇になりそう」

 

「ないと思いたいが、指名ないと暇を持て余すことになりそうなのが……」

 

「呼び出されて直ぐに動けるなら自習するなり本を読むなりしてて構わんぞ。形式上自習の時間だからな」

 

呪里先生がそう零す。

 

ならばと生徒たちはテスト前の最後の追い込みのように教科書等を見始める。

 

「とか言ってたら呼び出しだそ。第1種目。種目は英語テスト、8人でメンバーは……」

 

先生の読み上げで呼ばれた面々は慌ただしく動く。

 

そして外で待機していたスタッフに案内されてテスト会場へ向かう。

 

カンニング等防止の徹底のため、筆記用具は会場で用意されてるらしい。

 

うーん、すごいなぁ。

 

「……バスケとか水泳とかになったら、会場まで行って着替えもしないとなんだよな?」

 

「地味にキツイな。2回目が回ってきませんように……!」

 

池がそう零すが……たぶんその願いは叶うだろうな。

 

あ、スクリーンが用意されて試験の様子が映され始めた。

 

 

 

 

 

――Side 清華

 

「――第1種目、英語。勝者Cクラス」

 

「まあ紋章持ちが出てるし、勝ちは……確定ねぇ」

 

「紋章持ちを出してくるかと思いましたが……温存ですか……」

 

坂上先生と星ノ宮先生の言葉に有栖は少し肩透かしをしている。

 

出てきたのはイザーク。

 

順当に勝ったからCクラスにデメリットなし。

 

もしここで頼久たちを入れていたら-60CPとなっていたところだ。

 

……いや、実際平均点的に15点差あるから、一番低い成績の人が0点でそこに頼久たちを入れたとしても勝てないし……肩透かしされても困る。

 

「では、第2種目 弓道! 人数は一名!」

 

「!?」

 

弓道は干渉が実質不可能な1対1の勝負。

 

目を見開いて有栖がコチラを見るが……決めたの私じゃないし()

 

三宅……ここで落とすとキツイから頼むよ……。

 

 

 

 

――Side 頼久

 

「しかしまあ……よく弓道でサシとか通ったなぁ……」

 

「先生! こっちに見せつけるようにせんべい食べないでくださいよ!」

 

木林先生へ生徒からブーイングがとんでいる。

 

「はっ! 自習の監督させられてるだけで私の行動は縛られて『木林呪里先生、仕事中に生徒を煽り、せんべい食べてないでください』……(´・ω・`)」

 

どうやら月城理事長代理がちゃんとコチラも見ているらしい。

 

同時にザマァと煽り立てる一部生徒。

 

『今は試験中ですよ、試験以外の理由でCP減らされたいですか?』

 

月城理事長代理の言葉で全員すん、となった。

 

たぶんコレで数ポイント減ったな……。

 

 

 

 

――Side 清華

 

……何やってるんだか

 

クラスの生徒もPCの追加映像から確認でき、一部始終を確認していた。

 

大方監視カメラの映像だろう。

 

それはさておき

 

殆ど見守るだけで三宅が勝利し、1勝1敗となった現状。

 

3人はまだ温存してるのでここで畳み掛けるのもあり……か?

 

「第三種目、フラッシュ暗算の9人!」

 

……人数が多いし、司令側干渉は自クラス9人の回答のうち1問だけ答え書き換えることだけ。

 

残りの競技数と人数配分が不明な以上、1人出しておくべき……かな?

 

 

 

 

 

――Side 頼久

 

「第三種目、フラッシュ暗算の9人。対象は――トキ――」

 

「おや、私ですか。……恐らく向こうはエドかイザークでしょうから……私が全問正解し、最終問題を清華が代替しても厳しい気がしますがね……」

 

そう言いつつスタッフの案内に従って去って行く。

 

そして入れ替わるように三宅が帰ってきて、ヒーローのように全員小声で褒め称えている。

 

「相手が元弓道部と言われて動揺したけど、ブランクのおかげでなんとか勝てたよ」

 

「すげーな三宅!」「度胸あるな!」「お前はヒーローだ、誇っていい!」「すごぃなぁ……」「かっこいい……」

 

人気者でヨシ!

 

「にしても……フラッシュ暗算ってキツそうだな」

 

「数値を見逃さない動体視力、数値や計算途中を正しく保持する短期記憶、ミスの許されない計算力の3つが必要だからな」

 

「10問だして9人の正答率を争うってことは……全体的に才能あるCクラス有利なやつでは」

 

「それさっきトキがぼやいてた」

 

さて……どう転ぶことやら……。

 

 

 

――Side 清華

 

「……先生、最後の問題私たちや紋章持ちしか見えないほど早くなかったですか?」

 

「……あれー? こんなに表示速度と個数と桁数多かったかしら……?」

 

ちらっと月城理事長代理を見るが表情は変わらない。

 

明らかに確信犯だ。

 

私と有栖は最終問題の回答を変更するけど……。

 

「……結果、Cクラス正答率85%、Dクラス74%、Cクラスの勝利です」

 

……コレで1勝2敗、CP変動はこっち-60、Cクラス+30か……。

 

代わりに華琳が出たからあと向こうの紋章持ちはエドだけ。

 

「第4種目は……バスケ5人! 男女指定はないので5人から選ぶように!」

 

……ここで頼久たちが負けるとかなりきついことになるかな……。

 

「司令塔介入不可な種目とは……よほど信じているのか、あるいは……」

 

相手にはエドと鬼頭はじめ、Cクラスの運動得意な面々で揃えてきた。

 

だけど……

 

「須藤君と千手君は息ピッタリですね」

 

「でもウチのクラスのほうが連携出来るしー」

 

「なに星ノ宮先生は張り合ってるんですかね……」

 

見事な連携でエド含めた面々を翻弄していく。

 

「……コレで2勝2敗、CPはお互い-30」

 

「あと3試合でそちらがジョーカーをあと1枚持っていますが……残りが5人未満ならデメリットが大きそうですね」

 

女子バレーかミステリー本当てが来てくれればいいけ「あ、最終種目はチェスを予定してますのでよろしくお願いします」

 

「「「!?」」」

 

理事長代理の言葉で私たちは困惑するが……恐らく私の実力を今一度測るための行動……つまりはそういうことなのだろう……。

 

裏を返せばコチラの本命はあと1回。

 

そこで失敗したら最終種目はどのみち消化試合……か。

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