ようこそ怪物たちの居る教室へ   作:月神サチ

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第4種目終了時点の状況
英語テスト 8人 イザーク出場、Cクラス勝利
弓道 1人           Dクラス勝利
フラッシュ暗算 9人 華琳、トキ出場、Cクラス勝利(DクラスペナルティCP-30)
バスケ 5人 エド、頼久出場、Dクラス勝利(CクラスペナルティCP-30)

Cクラス 増減 CP-30
Dクラス 増減 CP-30、恋未出場




第67話 選抜種目試験 後編

――Side 清華

 

「第5種目 ミステリー本クイズ、人数は6人!」

 

……司令塔は1問だけ介入可能。

 

逆に言えばひよりの爆走を止められなければコチラの勝ちはほぼ確定。

 

……ここで安全策として恋を入れるか、次種目が5人以上であること、コチラが勝てる種目であることを祈るか……。

 

……冷静に考えて次種目が5人以上で勝てる種目であると祈るのはリスクが高すぎる。

 

同時に最終種目がチェスな時点で私と有栖の一騎打ちになる。

 

ここで変に欲張るのは、面倒になる。

 

私は恋とひよりを入れて祈ることに。

 

……まあ、司令塔介入しなくても勝ちは確定したようなものだけど。

 

 

 

 

 

 

――Side 頼久

 

「流石図書館の令嬢とか言われてるだけあるな……」

 

ひよりとあまり関わらない面々が有栖の介入回も普通に早押しで撃破して単騎無双成し遂げたことに目を丸くしてる。

 

「んー、第6種目は社会のテストで人数は5人だそうだ」

 

呪里先生がメンバーを告げていく。

 

「コレ何もしない人がでそうな予感……」

 

ライザがしれっと隣に来ていた。

 

そういえばライザは英語で出場済みだから暇してる方……だったか。

 

「まあそれならそれで構わんだろ」

 

「女の子で頼久の匂いがついてる子とか、実力ある男子以外には雑なの、もう少し隠したら?」

 

「悪平等気取りなんでそれは無理だな」

 

「ふーん?なら私や朝倉さんは、やっぱり狙ってるってことね」

 

「……ノーコメント」

 

「そういうことにしておくね。なんなら合鍵今度渡す?」

 

ニコッとするライザ。

 

……色々強かな娘やなぁ……。

 

 

 

 

――Side 清華

 

「社会テスト、Cクラス 平均点81.2、Dクラス 平均点71.3。Cクラスの勝利!」

 

コレでお互いCP-30での最終種目である。

 

「最終種目、チェス!」

 

「介入時間は45分……さあ、楽しみましょうか」

 

有栖が妖艶な笑みでそう告げた。

 

 

 

選出は……女子バレー要員の1人で待機してたから出番のなかった恵に頼む。

 

『チェスのルール知ってるけど、勝てる気がしない!』

 

「……コチラが遅延行為したら勝てそうなんですけど、良いんですか?」

 

素で有栖が困惑してる。

 

いやー……のこってる人たちで一応一通り動かせるの、恵しかいなかったし……。

 

愛里とかはコマの動きとかすら覚束なかったし……。

 

月城理事長代理、なんで不思議そうな顔してるんですかね??

 

……そして出番は後手……これは……。

 

 

 

 

 

――Side 頼久

 

「コレどうなるんだ?」

 

「綾川の介入時間以内に決着つけられなければほぼ負けだな」

 

スクリーンに映る恵とCクラス男子のチェスの動きを見つつ、そう零す。

 

それぞれインカムで指示を聞いて1手ずつ打っていく。

 

基本的に遊びのない双方の手筋だが……途中で奇妙な1手が打たれた。

 

「……? 清華らしくないな」

 

「え? どういうこと?」

 

「本来ならナイトを動かすはずなのに、ルークを動かしたので……遊んでいる?」

 

「たぶん、お互いに最善尽くしたら清華負けるから、意図的に崩したんだと思う」

 

恋が冷静に判断する。

 

まー、ちょくちょくチェスしてるしなぁ。

 

プロレスに興じる有栖でもない。

 

なら意表を突く必要あるか。

 

この状況、買ったほうが収支CP+100、負けたほうがCP-60で司令塔のプロテクトポイント喪失なので可能なら勝ちたいところだが……。

 

 

 

 

――Side 清華

 

「……投了(リザイン)です」

 

有栖の言葉で一息付く。

 

あの意味のわからないミスからのリカバリーが綱渡りの極みだったけど、なんとか勝てた。

 

……あと数手先で定石を外す予定だったとはいえ、これは想定を狂わされた。

 

危うく詰むところだった……とも言える。

 

「なかなかどうして良い戦いを見せて貰いました。そして……コレによりCクラスはCP-60、司令塔の坂柳さんはプロテクトポイント喪失。DクラスはCP+100となりました。試験はコレで終わりです。退室後、下校して構いませんよ」

 

理事長代理の言葉で私と有栖はそのまま部屋を出る。

 

「あの時の1手……貴女の指示とは違う1手でしたね?」

 

有栖が聞いてきた。

 

私は静かに頷く。

 

「月城理事長代理の目的が貴女の能力を推し量ることとはいえ、想定外で私も一瞬思考が止まりましたよ、まったく」

 

止まっただけなあたり、流石は有栖といったところか。

 

「……さて、試験も終わりましたし、今年度は卒業式や終業式で終わりでしょう。今夜は頼久君に甘えるとしましょうか」

 

「帆波のクラスのお疲れ様会に紛れてお持ち帰りとか、編入してきた3人とかを連れ込んでないといいけど」

 

「…………否定できませんね。来年度の後輩とかに手を出さないと良いのですが……」

 

……頼久ならやりかねないので、私は何も返せず、そのまま各々のクラスに一度戻るのであった……。

 

 

 

 

――Side 甘粕

 

よもやよもやだな。

 

「コレにて試験終了。勝者Aクラス」

 

オレの宣言により、司令塔たちは肩の力が少し抜けたようだ。

 

「ククッ、運が悪かったなぁ、お互いに」

 

「何を……ウチのクラスの生徒が明らかに不調きたしてたの、何かやったんじゃないの!?」

 

「証拠もないのにそんなこと言われてもなぁ?」

 

「……!」

 

……まあ、出し惜しみするだろうと見て少数種目を後半に固めたオレは何も言わんほうがいいか。

 

「試験終了している。速やかに退出しろ」

 

茶柱先生の言葉に2人は退出する。

 

大勝したが、結果CPマイナスで終わったAクラス、もう片方は大敗してCPを2割以上失ったBクラス。

 

……さて、向こう次第だが、来年度も荒れるだろうな……。

 

 

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