――Side 頼久
朝、ホームルーム前……
「コレが小テストから逆算したヤマ勘問題集と優先度下がるが今後踏まえて優先的に押さえておきたい逆算出題範囲の問題集にこっちが教師役確認用の模範解答な」
「こっちが恋たちが用意した、小中で躓きそうな単元を軽く復習できるプリントと模範解答」
「すごい……ありがとう!」
実質的に十部ほどのプリントセット(模範解答は三部)を渡すと、平田から感謝された。
「必要なら追加で刷るし、テスト範囲の内容次第でオレの作ったほうは新しいのになるから、無駄になるかもしれないがな」
「いや、こっちで使う範囲くらいは追加が必要ならこっちで刷るよ。印刷もタダじゃないのに、そこまでそっちにおんぶにだっこは出来ないから」
その心意気やよし。
ならついでに助言しておこう。
数歩踏み込み、耳元で囁く。
「1日1回が限度だろうが、なるべく茶柱先生に頼んで印刷してもらったほうがいい。コンビニやケヤキモールの印刷機だとそこそこ割高だ。しかし成績上げるための行動だからか、茶柱先生が少しだけ負担してくれるのか、他でやるより安く済むみたいだからな」
実は昨日散開してから茶柱先生に確認して頼んだから間違いない。
「そこまで調べて……? 助かるよ」
「たぶん赤点不安視してる男子はこっちに流れる。女子の過半はお前目当てでそっちに行くだろうから任せた」
「う、うん? とりあえずわかったよ」
女子モテの自覚ないの?
大丈夫かな……?
「ホームルーム前に全生徒へ通達がある」
その言葉に身を強張らせる面々。
茶柱先生がスクリーンをだしてプロジェクターの操作をする。
そして少しするとスクリーンにある男の顔が映る。
『殆どの方ははじめまして、私は千手忠久。ゲルマニアグループアジア統括マネージャーであり、高度育成高等学校理事の1人です』
その言葉でオレに視線が向いたりするが、スルーである。
『本日より、ゲルマニアグループ出資の複合施設【フェナスエリア】の開放を宣言します。同時にケヤキモールや一部商業施設の定休日や休業期間の設定及び調整を入れさせてもらいました。詳細は各自の端末に現在インストールされているアプリ【ショッピングインフォメーション】からこの放送終了後、確認してください』
その言葉に上級生のいるエリアから歓声が上がる。
『フェナスエリアにはケヤキモールと同等の施設はもちろん、臨海水族館、植物園等、ゲルマニアグループの研究部門が携わる施設がいくつかあります。研究職を将来の視野に入れている人、当グループに興味を持っている人は是非足を運んでください。我々は来訪を歓迎させていただきます』
その言葉にざわめく面々。
『以上です。是非とも、有意義な高校生活をお送りできることを、心より願っております』
その言葉と共に通信が終わり、ブルースクリーンになる。
「とのことだ。さて、ホームルームを始めよう」
「おいおいお前凄いやつじゃねぇかよ!」
ホームルーム終わるといきなり須藤がそう言ってきた。
遠巻きにオレを他の生徒も見てるし、なんか他クラスから偵察来てる。
「孤児院に預けられて小学校高学年まで育ったからあんまり親という実感ないけどな」
「えっ、そうなのか?」
「ああ。総帥殿のように分身できないから、月1で夕食食べるくらいであとは放置が多かったし」
なので会食回数は3桁行っていない。
まあ精神的に自立してるし付き人でトキが居たから問題はないが。
それに親として心配……よりあの洒落にならん過労枠の後継者指名を哀れんでる感じだし、親子の絆はないだろう。
アイコンタクトくらいできるから、お互い見えるなら、息くらい合わせられるだろう。たぶん。
「……なんか、すまんな」
「構わない。元よりそう言う家庭だ。紋章持ちも似たり寄ったりだしな」
「ん、恋も孤児院育ち」「私も孤児院で御主人様と共に育ちましたからね」
とか言ってると先生が入ってきた。
「さて、授業を始めるぞ」
放課後になり――平田が教室、オレたちは図書室で勉強会を開くことになり、運よく図書室の奥まったところの座席を確保した……まではよかったが……
「あれ、山内と池がいねぇ……どこ行きやがった?」
須藤が首かしげている。
「なんとなく予想は付くが……清華、探してきて「ヤダ。話しかけてきた時胸しか見てないような奴」アッハイ」
ちらっと鈴音を見るが……
「私も嫌よ。あの2人の面倒見るくらいなら、そっちの2人の面倒みるわ」
佐倉と長谷部がえっ?となってる。
できれば……と恋を見るが
「恋も……流石に……」
と首を横に振る。
ダメみたいですね……。
勉強できる勢のうち、幸村は勉強会自体に参加拒否、みーちゃんこと王美雨は平田ラブ勢で平田の助太刀と佐倉との友情で助太刀を選んだので教室に残留、高円寺もなんかみーちゃんに手を貸すためか教室に残留してる。
なんか実力隠してる松下もしれっとこっちに紛れ込んでいるが、中の上くらいで抑えてるから、教師役を頼みにくい……。
まあ、あのバカ2人が赤点でも問題ないと言えばない。
最悪ポイントで殴るから。
紋章持ちはCPによる支給と別口、特にオレは学校敷地内全ての電気代をアンサラーの給電でチャラにしてるせいか1千万PPの振込と毎月同額振り込む旨の通知……が送り主学校で通知きてるし……。
っと、思考が脱線した。
「とりあえずヤマ勘と問題集をやって、恋たちに採点してもらってくれ。恋たちはその結果で躓きそうな単元から必要そうなモノピックアップして渡しつつ、必要なら教えてやってくれ」
「ん?お前はどうするんだよ」
須藤の問いかけにオレは頷く。
「あちこち確認ついでにあのバカ2人を探してくる」
「なんか……悪いな」
「オレはお前をドナドナした。お前は勉強会参加したほうが良いと山内と池を誘った、来なかったのは2人の責任のはずだ」
オレはそういうと、そのまま図書室の出入り口へ。
なんか出入り口でBクラスとCクラスが居て立ち往生してる。
「ナニコレ?」
「あん?お前……は……」
Cクラス?の生徒がこっちを見て威圧しようとしたようだが、オレを見て固まった。
「出入り口塞ぐな。邪魔だ。退かないなら退かすぞ?」
オレの言葉に舌打ちして除けるCクラス?の男子たち。
「あ、あの、ありがとう!」
たしかアレは……Bクラスのリーダー的立ち位置の……
「一之瀬……だったか? オレとしても通れないから退いてもらっただけだ」
「それでも、助かったから」
「ならそっちで勝手に借り1としておいてくれ。クラスが違うから」
ぞろぞろと図書室に入ってくるBクラス生徒たち。
ん?なんか凄まじく肩身狭そうな娘がいたような……まあいいか。
とりあえずフェナスエリアに行ってみるとするか
「ふふ、お時間いただきありがとうございます」
「いえ、こちらとしても愚息の入学に合わせ調整させてもらいましたからね、このくらい都合せねば罰が当たりましょう」
父とAクラスで高育理事長の一人娘坂柳及びそのパパさんとの会話がすすんでいく。
なんか親父に呼び出されたと思ったら、茶柱先生から理事長室に案内されたんじゃが……?