とある提督の日記   作:Yuupon

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今回の話は、ギャグに重点を置きました。
(果たしてこれはギャグなのか……?)

ちゃちゃっと書いたのでミスがあるかもです。
にしても定期テスト、早く終わらないかな……。
ちなみに、今回が大和さんラストです。


17 秘書艦・大和日記

 ☆月D日、

 

 

 今日は朝からバタバタとした一日でした。

 

「……はぁ、三日程本部へ行け、と」

「あぁ、申し訳ないけどな。金剛でも良いんだが、何か不安だし。他の子達は……その、な」

 

 何とも言えない表情を浮かべる提督。

 ……察しました。

 

「まぁ駆逐艦の子達は遠征や色々出来ますからね、……一応聞きますがまさかロリコンでは」

「無いからっ!俺にそのような趣味は断じてありませんからっ!YesロリータNOタッチ!俺、巨乳大好きです!」

「……、分かりました。ではエロ条提督。行ってきますね」

「オイちょっと待って大和さん!お願いだからその不名誉なあだ名で呼ばないでくれませんか、ねぇ待ってぇえええ!!」

 

 朝から提督は煩いですね。まぁ、それはさておき。

 提督から、本部への連絡及び横須賀鎮守府へ顔を出すように頼まれました。

 本部への内容は主にこの一週間の成果の報告書の提出。それから資材が足りないので、追加の要請などですね。横須賀鎮守府へはただのついでですが、まぁ仲は良い方が良いと、仰られてましたので仕方なく訪問する事にします。

 ……にしても最低二日間は泊まりでアチラに居なくてはならないので少し心配ですね。

 主に金剛さんが提督のベッドへ行く的な意味で。

 

「クソっ……なんで提督になってまで超絶美人なお姉さんタイプの秘書さんに罵られなきゃならないんだよう!」

 

 司令室から項垂れたような。そんな声が聞こえましたが、敢えて無視して私は部屋を後にしました。

 

 

 そして鎮守府を出ようとして、バッタリと。

 金剛さんと出会いました。

 

「hey大和さん!おっはよーございマース!」

「おはようございます金剛さん」

 

 やはり朝から元気のある方ですね。でも、にこやかな笑顔の筈なのに目が笑っていないのは何故でしょうか。

 

「ネー大和さーん。さっき司令室で何してたのー?」

「少しエロ条……。九条提督から二日間、本部へ向かうように指示されただけです」

 

 簡単に任務の内容を説明しました。まぁ、私としては駆逐艦の子でも果たせそうな内容の気がしますが、エロ条……。九条提督の事です。何かしら考えがあって私を指名したのでしょう。予想だと、ある程度黒い話になりそうですし。特に資材の追加は。

 

「そうデースか。それは大変デスね。それで、いつ頃戻って来るんデスか?」

「早くても二日後。遅ければ三日後ですね、……アナタまさか提督の部屋に侵入しようと考えては」

「い、いや!べ、別にそんなやましい気持ちは無いデスって!大和さんというガードが居ない間に提督とあんな事やこんな事しようなんて一切考えてませんからっ!」

「……………………、」

 

 恐らく私は今、目の前で慌てて弁解するこの金剛型の一番艦の姿をこれ以上無いジト目で見つめているのでしょう。

 金剛さんの慌てていた表情がますます酷くなっているのがその証拠です。

 ……クッ、どうなっているのでしょうか。この鎮守府にいる大人は皆、変態しか居ないのですか。

 いや、まだですね。まだ間宮さんが居ます。

 

 ……にしても、このまま提督の部屋に侵入させる訳にもいかないので釘を刺すとしましょう。何だかムカムカしますし。

 

「良いですか、金剛さん。男性は獣です。ちょっとでも油断を見せれば胸や尻に手を伸ばします。エロ条提督も例に漏れず、私にカル○スをぶっかけた挙句に胸を揉みしだき、更にはセクハラ紛いの言葉をぶつけました」

「ちょ、ちょっと待って欲しいネー。前半の胸を触ったまでは分かりマースが、それ以降は完全に大和さんが」

「シャラップ!丁度良い機会です。まぁエロ条提督もあの出来事を思い出せないように調きょ……もとい。お説教をしましたので貴女にも女性の在り方と言うものを」

「や……ヤバい雰囲気が!ここは一時撤退しマース!see you!大和さん」

「あっ!コラ!逃げないでください!、もう」

 

 説教モードへ移行した途端、冷や汗を流した金剛さんは一目散に逃げてしまいました。

 うむむ……失敗ですね。提督の睡眠時間を削るような真似はさせたくなかったのですが。

 

「……はぁ、なんか調子が狂いますね」

 

 なんとなくモヤモヤした気持ち。

 まるでテスト中に浮かびそうで浮かばない答えのような。そんなモヤモヤした気持ち。

 提督関連の話をするとそんな気分になります。

 本当にどうしてでしょうか。

 

「……あぁもう。これも全部提督の所為です」

 

 ぶつける相手が居ない、この気持ちを此処には居ない提督に向かってぶつけました。

 返事は、帰ってきませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 ☆月E日、

 

 

「冬夜ぁーっ!!」

「あぁぁぁあああっ!もう、何つーか!ツイてねぇぇええ!!」

 

 昨日の内に移動して本部での仕事を終えた私は横須賀鎮守府に宿を借りました。

 そして翌日の朝。即ち今日。

 迷惑な叫び声に私は目を覚ましました。

 何事だろうか、そんな思いで眠い目を擦りながらドアを開けると、

 

「冬夜のバカヤローッ!!」

「俺は悪くない!アレは事故!事故なんです!そもそも理沙先輩が俺のベッドに入るから悪いんでしょーがぁ!ってうわっ!誰だ鎮守府内で弾丸(タマ)ぶっ放したの!」

「安心して下さい、睡眠弾ですから」

「霧島ぁ!?睡眠弾って何処も安心出来る要素が無いんですけどっ!?撃たれて起きたら説教の未来しか見えないんですけどっ!!」

 

 …………、見なかった事にしましょう。

 そっと、私は部屋のドアを閉じました。

 

 えぇ、気のせいでしょう。横須賀提督が憤怒の表情を浮かべた理沙提督と、睡眠弾を構えた霧島さんに追われているなんてきっとこれは私が見ている夢か何かですね。

 

 と、

 

「ちょっと提督ぅ〜?私、貴方の所で寝てないんだけど〜?」

「まさかの愛宕(あたご)さん参戦ッ!?ってか走るなっ!走ったらそのマスクメロンが……ブハッ!」

 

 ドアの隙間から覗いていると、突然部屋から出てきたオッパイお化け……もとい、巨乳美人の愛宕さんが提督の後を追うように走り出しました。

 

 その際に、その豊満過ぎる胸がたゆんたゆん。

 いえ、バインバインと動く姿に興奮したのか横須賀提督が走りながら鼻血を吹き出します。

 しかし、その背後に二人の般若の姿が。

 

「と・う・や・ぁ〜?」

「て・い・と・く・ぅ〜?」

「ま、待てっ!早まるな!今のは決して愛宕さんのその豊満なマスクメロンにやられたとかそんなわけでは」

「ワリィ、久しぶりにキレちまった。だから一発受けてもらうぜッ!!」

「マイクチェックOK。あー、contact preparedness it is regstered(お覚悟はお済みですね)?」

「あ、終わった」

 

 絶望の表情を浮かべた横須賀提督が廊下に立ち尽くしました。そしてこれが最後だ、と言うかのように、

 

good-bye My Life(さようなら、俺の平和)。巨乳に囲まれて僕は本当に嬉しかったです」

 

 瞬間、ギャグか何かのように横須賀提督は鮮やかな手付きで気絶させられると、三人に引っ掴まれ運ばれていきました。

 成る程、あれがハーレムを作った男の末路なのですね、少しばかり勉強出来た気がします。

 エロ条。もとい、九条提督もそうなりそうでちょっと不安です。実際になったら……なんと言うか、ムカムカします。

 ……まぁ、何にせよ。

 

「暴力は控える事にしましょう。人のふり見て我がふり直せ、ですね」

 

 また、新たな事が学べました。これでも私は生まれてから短いので、まだまだ学ぶ事が多いですね。

 小さい子が多い分、頑張らないと。

 それに、提督の負担も減らさないといけませんしね。

 

 

 

 

 ☆月F日、

 

 

 仕事を素早く終えて帰りました。

 元帥との会話もありましたが、提督に持たされた資料を見せただけでスンナリと資材の件を通してくれたので良かったです。

 ……元帥の表情が青かったのは気のせいでしょう。そうじゃなければ多分、提督が何らかの脅しを掛けたのか。

 で、

 

「何してんですか金剛さん。アレほど言いましたよね?男は獣だと。決してベッドに入るな、と。そもそもですね、付き合ってすらいないのにそんな事をするなんて」

「sorry……。提督は何で私を見てくれないんでしょうか」

 

 やりやがりました。

 金剛さんが提督のベッドに潜り込んだそうです。

 朝、起きた提督は夜に連れ込んでしまったと勘違いし、パニックになって責任を取る、とか土下座したり、とか色々と面倒な事になっていました。

 まぁ金剛さんには勘違いだと気付いた提督が説教をしていたので問題は無さそうですね。

 ……にしても、提督は本当に男なのでしょうか?幾ら艦娘とはいえ、美人な女の子がベッドに潜り込んできたら手を出すような気もしますが。

 でも、安堵している自分も居るから不思議です。

 そう言えば、

 

「大和さんだったら……」

 

 何やらボソボソと呟いていましたが、アレはなんだったのでしょうか。金剛さんと私を見比べていたような。

 

 

 

 

 

 ☆月G日、

 

 

 

 提督に、敵の接近を把握する為の監視塔を作ることを提案しました。

 場所は、鎮守府前の海域です。一度攻略したとは言え、既に数日経っていますのでそろそろ敵も来るか、と予想しての提案でしたが、アッサリと通りました。

 思わず拍子抜けするくらいです。

「あ、良いね」の二つ返事だったからかもしれませんが。

 

「全艦、単縦陣を取れ!」

 

 相変わらずの指揮。

 いや、パソコンの画面に目を向けていないにも関わらず、ほぼダメージをくらわずに敵艦を轟沈させていました。今回は何時もより指揮が少なかったので尋ねてみると、

 

「あぁ、練度だよ。自分で考えさせないと何時まで経っても伸びないし」

 

 流石、考えていますね。出陣()ている駆逐艦達もある程度九条提督の指示に慣れた為か、自分の考えで動いても充分過ぎるくらいの力を発揮していました。

 敵艦の攻撃をひょいひょいと躱し、沈める姿はまさに作業ゲームを思わせるものがあります。

 

「………………、」

 

 全てが上手くいっている。それなのにも関わらず、提督は少し暗い表情でした。いえ、正しくは仏頂面と言うべきでしょうか。

 何か、納得出来ない。そんな表情。

 

「どうしたのですか?順風満帆なのに」

「いや、最近嫌な予感がしてね。どうも、敵の動きが怪しいんだよなぁ」

 

 私には別段おかしいようには感じられませんでしたが、今日、敵艦が現れた場所を見て提督は頭をひねっていました。

 やはり、一般の人とは違う何かがあるのでしょうか。

 

「こちら第六駆逐隊の電!敵を全て轟沈させました……」

 

 その時、電から連絡が届きました。提督は私の方をチラリと見やります。恐らく、私の提案だから作成は私が指示しろ、という事なのでしょう。そう解釈して、私はその場の駆逐艦達に命令を出しました。

 

「了解しました。では、これより監視塔の建築計画を実行します」

 

 提督はその間、資材調整の仕事やその他の資料の確認作業を行っていました。

 時折、私の方を確認しては順調そうだね、と声を掛けてくれたのが嬉しかったです。

 

 そして、監視塔は無事に完成しました。妖精さんには頭が上がりませんね。

 

 

 …………、それにしても嫌な予感ですか。

 

 何が、起こるんでしょうね?

 

 






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