とある提督の日記   作:Yuupon

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よっしゃ! 久々の日記だーっ!
↑テンションがおかしい。


第3章 白い少女と九条in本土
31 とある提督の日記


 

 

 

 

 S月A日、それでも俺は、本物()が欲しい!

 

 

 

 久々の鎮守府! 一週間の入院生活を乗り越えて帰ってきたぜ! とまぁテンションMAXであることを書いてみる。

 病院では作戦の時一緒にいた電ちゃん達が一緒に居てくれたので特に不自由はしていない。

 いや、一個だけ不自由したな。

 

 

 携帯がぶっ壊れた(、、、、、、、、)

 

 

 うん、当たり前だね。銃弾の雨の中に放り出されたり海の中に引きずり込まれたりしたから当然だよ!

 まぁ、通信機器を買うのは明日行くので置いておこう。

 ついでに気になるのはやっぱり学校だよな?

 もうそろそろ一ヶ月くらい休んでることになるぞ? せめて出席しておかないと後々卒業出来ませんってなりそうだし……。

 

 そっちにも顔を出すことにしよう。

 何故か分からないけど、元帥さんから二週間も休暇をもらったし。

 その間に溜まってた仕事も済ませておかないとね! 電ちゃん達のような子供にやらせるわけにはいかないからね。

 

 ……はぁ、鬱だ。

 

 まぁそれは良いか。良くないけど、今は皆無事だったことを祝うべきだね! だが金剛さん抱きつくのはヤメろ。勘違いするから! 

 とにかくあんなのはもう二度と無いだろうし、今は平和と言う名の日常を享受しておこう。

 

 

 

 

 S月B日、負ける(晴れる)気がしねぇ!

 

 

 

 今日は雨だ。残念だけど今日のお出かけはパー。

 ……はぁ。

 まぁ良いけどね、明日行くし。

 それよりも今日は一つ問題が起きた。なんか侵入者が居たみたいなんだよね。

 それから深海棲艦も攻めてきたらしい。その時イヤホンつけてゲームしてたから気付かなかったよ。まぁバージョンアップしたらしく防衛戦が追加されててついのめり込んでしまった。

 どうやら防衛戦は稀にしか無いイベント戦みたいだけど。

 

 

 それと、鎮守府付近で怯えてた女の子を見つけた。一応保護して、俺の部屋に行かせてるけど何だろうね?

 なんか本土の方で船が行方知れずになったとか言う話も聞いたし、多分その船に乗船していたのかな?

 とにかく怯えてて、最初は声をかけても『カエレ!」とか「アッチイケ!』としか言わなかったから少し心配だ。

 

 とりあえず明日、本土に一緒に連れて行こう。

 

 

 

 

 

 S月C日、ちまちま雨を降らせるのも面倒くせぇな。

 

 

 今日は快晴だ。

 本土に行くのは俺と雷と響、それからあの女の子の四人だ。まぁ、横須賀鎮守府と演習を行うことが決定したから、後ほど他の子達も来るらしい。鎮守府には大和さんと島風が残るようだ。

 

 そして久々の本土。やっぱり都会だね。

 未だ土地を攻撃されたことは殆ど無いので、過去の繁栄を保っている。

 街にはビル群が立ち並び、忙しそうに人々が行き交っていた。

 そう言えばあの女の子の名前は『ほっぽ』、と言うらしい。深海棲艦さんのように白い身体の女の子だ。

 ちなみに服装は、着ていた服を脱がせて、洗濯して。今は鎮守府にあった子供服に、ポンポンのついた帽子を頭の上に乗っけさせている。

 

 ……今思えば服を洗った時についていたあの黒いタコ焼き型の球体は何だったんだろうか? 構わず洗濯機(妖精さん改造)に放り込んだんだけど中から『ミギャー!』と断末魔のような声が聞こえてきたのが気になる。

 

 まさか生き物だったり? いやいやいや。洗濯機(妖精さん改造)から出した時にポンポンがついた帽子みたいになってたし……違うよな?

 

 で、その帽子をほっぽちゃんはかぶって嬉しそうに歩いている。

 

「ネェ、アレ食ベタイ!」

「タコ焼き? 熱いから気を付けなよ」

 

 指差した先はタコ焼き屋だ。はぐれないように手を繋いでいるがどうにも心配になる。背後で何やら雷ちゃんと響ちゃんが話しているが一体何なのだろうか。

 もしかしてあれか? ロリコン扱いされてんの?

 

 ぃゃ、断じて違うからね!? 俺のタイプは年上の包容力溢れるゆるふわお姉さんだからね!?

 

 それぞれ一パックずつ買って渡す。その際にふーふーするように言うと、三人ともふーふーしだした。可愛い。

 ……にしても、やけに雷ちゃんと響ちゃんの様子がおかしいな。

 むぅ、また知らず知らずのうちに何かやらかしたのか? とりあえず後で聞くことにしよう。

 

 

 

 S月D日、汚物は(雨で)消毒だーッ!!

 

 

 

 そう言えば題名に雨入れてるけど、何でだっけ。

 悶々鬱々? 確かそんな……まぁ良いや、習慣で。

 

 とりあえず今日は、携帯ショップへ行った。ぶっ壊れた携帯についてだが、よく見たら銃弾が突き刺さってた。

 確か右胸ポケットに入れていたので、どうやら知らない間に俺は携帯に命を救われていたらしい。

 

 御守り代わりに出来ないか交渉したら直ぐにオッケー出してくれた。それから最新の携帯も直ぐに契約出来たので良かった。流石日本一のケータイ会社。

 

 

 

 それからその用事を済ませた俺は一度ホテルに戻ったのだが、その時雷ちゃんと響ちゃんに引き止められた。

 曰く、ほっぽちゃんは深海棲艦とか何とか。

 

 また艦娘ごっこかな? ほっぽちゃんも一緒になってやるのは構わないけど、演技なら演技と言って欲しい。本当のことのように言われると一瞬ビビる。

 とりあえず、空気を読んで両者の間を取り持つキャラクターを演じてみたけど大丈夫だったのだろうか?

 

 

 

 

 

 S月E日、降らない雨など、あんまりない!

 

 

 横須賀鎮守府で演習を行った。今回は指揮を行わず、『万が一連絡がつかなくなった場合』を想定して行うらしい。曰く、艦娘の判断が鍵だとか。

 ……思ったんだけど、艦娘って人工知能か何かが埋め込まれてんの?

 高性能すぎだろ、どう考えてもオーバーテクノロジー。

 まぁ良いけどさ。ちなみに俺はほっぽちゃんの両親を探すために街の交番から交番へと歩き回っていたので演習を見ていない。

 まぁ国家機密を一般市民に見せるのは色々と不味かろう。鎮守府の事だって殆ど分からないし、というか雑用的な感じだし。

 

 そうして交番に行っては『捜索願』やらを出されてないか尋ねてみたが見つからなかった。

 海軍の方にも聞いてみたけど、沈没した船の客員は未だ全員が行方不明らしく知らないとの事。

 

 まさかとは思うが、身寄りがない?

 

 だとするなら大変だ。何がといえばこれからの生活が。

 こんな歳で後ろ盾が無くなってしまえば、後はどうなるか想像に難なくない。少なくとも辛い事が降りかかるはずだ。

 

 ……仕方ない、これ以上迷惑をかける真似をしたくないが、最悪土下座してでも許可をもらおう。

 

 

 ……電ちゃん達のような子でさえ働かせている鎮守府なら、きっとほっぽちゃんも雇ってくれるはず!

 

 

 

 

 

 

 S月F日、それがどれだけ信じられない雨でも、残された可能性が真実だ

 

 

 今日は一人で学校へ行こう、としたのだが。

 不幸だ……、こっそり制服まで用意していたのに雷ちゃん達に見つかった。

 

「司令官どこに行くの? 司令官は私が守るんだから離れないわよ? え、学校? じゃあ司令官の膝に座ってるわ!」

 

 本人としては最善策のように思えたのだろうが、それは完全にクラス騒然の予感しかしない。そもそも一ヶ月休んだ奴が学校に来るだけでも騒ぎになるというのに。

 とりあえず来させないために話をでっち上げたのだが、

 

「それこそ駄目じゃない。誰かに尾行()けられてることくらい私達も気付いてるわ。きっと狙いは司令官、それかそっちの北方棲姫ね。恐らく両方か……?」

「そうだね。でも電が和平派だから私としては何かするつもりはないよ。司令官に任せる、まぁ着いては行くけどね」

 

 何だかよく分からない。どうしてこうなった。

 

「ホッポモ、守ル! 司令官良イ人ダカラ!」

 

 あれえ? 本当にどうしてこうなった? ついでに三人とも行く気満々だし。今更嘘と言える空気じゃないし。個人的には普通に授業を受けさせて欲しいだけなのに!

 

 そんなこんなで移動である。

 早朝。

 通学路。

 制服を着た男女が当たり前のように学校に通っていく中、ただ一人。俺だけが女の子を三人も引き連れて(しかも全員小さい)、学校に向かわされるこの所業。

 

 一言言いたい。

 

「辛い、地味だけど本気で辛い! なんだこの全方位型場違い感! 周りの人達の、何アイツ。あんな子供引き連れてロリコンか? って言う空気をお前らは感知出来ないのか!?」

 

 答えはうん、という言葉。

 

 …………本当に辛いです。

 

 

 

 


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