とある提督の日記   作:Yuupon

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新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします。それからお待たせしました。


41 とある提督の日記

 

 

 

 S月O日 さよならあめさん!

 

 どうも九条ですよ。なんか猛烈に不幸に見舞われまくってる九条さんですよ。色々溜まってるので、せめて日記の中だけでも言いたいことがある。

 

 ほっぽちゃん達が海に帰って行った翌日のことだ。

 

 そもそもの話。俺たちが本土を訪れた理由は休暇、がメインのはずだった。

 だが、今思えば休みって感じがしない。毎日のように事件に巻き込まれている!

 ……。

 …………、

 ………………(汗)

 

 いやおかしいだろォッ!!

 何あれ! 俺はただ学校に通おうとしただけだろ!? それなのに何で陸軍と海軍のお偉いさん達の会議に参加させられたり、前みたいに戦闘を体験しなきゃいけないの!? つか戦艦棲姫さんに至っては泣かせた場面を金剛さんに見られちまうという最悪の展開に陥ったし!

 

 もう、鎮守府に帰っても俺の居場所はない気がする。というか里帰りしたい。都会怖いマジ怖い。

 

 とまぁそれは置いといてだ。

 いや、置いておけないけどとりあえず置いておく。

 問題が起こったのだ。

 

 それも未だかつてないほどの。

 恐らく、俺は人生最大の危機を体験している。

 

 以下、雑な演劇で何が起こったのかを説明しよう。

 前回の所からだ。

 

「やったー、戦艦水鬼を海に追い返したぞー」

 

 まず、海軍本部に強襲を仕掛けてきた戦艦水鬼を追い返したのはいい。問題はここからだった。

 

「ってうわぁ! 逃げた戦艦水鬼に主要な海路を占領された!」

「大変だ。確かその海路は唯一日本と連絡の取れているドイツとイタリアとの海路だ! しかも今、その艦娘達が送られてきているー!」

 

 はい。この時点で俺は意味が分からなかった。前に、ドイツとイタリアだけが日本と艦娘のやり取りをしている話を聞いていたけれど、まさかここで出てくるとは思わなかった。そして酷いのがここからだ。

 

「このままでは日本と諸国との間に溝が出来てしまう! 今度は戦艦水鬼も真正面から戦おうとしないだろうしどうすればいいんだー」

「そうだ。戦艦水鬼を取り逃がしたやつに責任を押し付けてしまえーっ!」

 

 ……とまぁそんな流れがあった。

 実際はこんな簡単な話じゃないが、こんな事が起きてしまったのだ。

 で、問題。

 海軍と陸軍はその責任を一体誰に押し付けたのでしょーかッ!

 

 

 ーーーー俺だよぉっ!! 俺ですよぉっ!!

 

 何だよ「戦艦水鬼の撃破及び、海路の確保を九条大佐に頼みたい」って!

 完全に責任の押し付けじゃねーか! しかも金剛さんとかは割と当たり前な顔してたし!

 何ですか、あれですか。横須賀鎮守府に侵入した罪ってそこまで重かったの!? いやまぁ軍の機密を考えたら普通かもしれない気もするけど。

 

 ……逃げようかな。ガチで。

 

 

 

 S月P日 Pって何かの伏字みたいだよね。心は雨です。

 

 

 やっぱりこんなのってないよ。

 おかしいよ。

 あれから一旦鎮守府に帰ったんだけど、どうやら行く空気で確定してた。やっぱ味方はいないらしい。

 あの電ちゃんでさえ「大丈夫なのです。司令官さんなら何とかなります!」って返された。

 ……うん、無理だから。戦艦棲姫さんに襲われた時に死にかけたから。で、戦艦水鬼って戦艦棲姫さんより強いんだろ? 無理だよ、無理ゲーだよ!

 あれ、人生詰んでないか?

 

 ……いや待て! ポジティブにいこう。

 人間には言葉という武器がある! 諦めたら試合終了だとどこぞの先生も言っていた!

 某幻想殺しの話術を思い出せ。出来ないという幻想をぶち殺せ! 頑張れ頑張れ俺なら出来る! 何でそこで諦めるんだそこでぇっ! 

 

 ……うん、何となる。ネタ口調で何とか調子を取り戻した気がする。

 

 やっぱり物理はよくない。まずは話すことから始めよう。

 OHANASHI(お話)だ! それでこのピンチを切り抜ける。

 多分大丈夫な筈だ。何せ戦艦棲姫さんにだって対話は通じたし。何とかしてやる。最悪俺の黒歴史バラしてでも何とかする(血涙)

 

 よし、そうと決めたら明日は早速言われてた海域に行くぞ!

 

 

 

 S月Q日 SUN値!ピンチ!命!ピンチ! 心の中は土砂降りです。

 

 

 ……助けて。

 ヤバイ、命がヤバイ。とりあえず書置きを残して鎮守府を出て行ったまではいいんだけど、何故か俺の後ろから電ちゃんが付いてきてた。

 ついでに電ちゃん曰く暁と雷と響、それから島風も一緒だったとか。途中で逸れたらしい。

 というかどんだけバレバレだったんだよ俺。

 とりあえず海上の迷子は大変だ、と直ぐに大和さんに電話でお願いして探しに行ってもらった。金剛さんには鎮守府を任せている。

 

 のだが、それはともかくとしてだ。

 

「ドコダァァ……忌々シイ人間ンンン……」

 

 ヤバイ、深海水鬼さん達のアジト内に侵入する事に成功したから、後はお話するだけだったのに深海水鬼さんがおこだ!

 というかおこのレベル超えてる。もう姿を見つけた瞬間殺しにくるんじゃないだろうか。馬鹿でかい砲台担いでるし! というか細い体のどこにそんなパワーがあるんだ!?

 気分はさながらスネークである。というかマジでダンボールの中に隠れている。ちなみに電ちゃんも一緒に。

 俺一人なら全力で逃げる、という選択肢が取れるけど電ちゃんを巻き込むわけにはいかないし。それ以前に他の子達も迷子だから巻き込む可能性があるし……。

 

 何とかして怒りを抑えてもらう方法はないだろうか。

 

 って、あ。見つかっt(以下読めない文字の羅列)

 

 

 

 S月R日 疾風のーー如く。心の中に雨が降る。

 

 

 昨日の話の続きをしよう。

 俺らは今、深海水鬼のアジト内に『匿われている』。

 勘違いしないで欲しいのは、捕まっているのではなく匿われているのだ。

 今、俺を匿ってくれているのは空母ヲ級さん。

 多分名前とは考えづらいので、コードネームなのだろう。彼女も真っ白い肌の女性で、変な帽子を被っていた。

 というか見た目が完全に戦艦棲姫さんみたいな感じだった。

 

 ……悪目立ちしないのかな?

 まぁそれは置いておこう。電ちゃんとヲ級さんの仲が悪いのも置いておく。

 どうして匿ってくれたのかに関しては、彼女が港湾棲姫さんと関わりがあったかららしい。潜入捜査してるとか何とか。港湾棲姫から要注意人物だが有事の際に頼れ、と渡してきた写真の顔と同じ人が居たから匿ったとのこと。

 

 で、お願いをされました。

 今の戦艦水鬼はおかしいと。その理由には多分戦艦棲姫さんが関わっているのではないか、と。

 そのため、彼女を何とかして落ち着かせられないか、と頼まれたのだ。

 

 あの、俺。提督って言っても名ばかりなんですけど。

 流石に拘束してる人を無理やり連れて行けるような発言力ないんですけど。

 

 だが、解決方法はそれ以外無いらしい。

 それから近々、付近の鎮守府の部隊もこちらに送り込まれてくるらしい。

 話を聞いたとか何とか。

 ……一つ思うけど情報がガバガバ過ぎない? 何で重要機密バレてんの?

 

 まぁそれは置いておこう。

 とりあえず声を聞かせるだけなら出来そうだし、電話させてみようかな。

 

 

 

 S月S日。血の雨が降りましたとさ。

 

 

 説得に成功しました。

 撤退してくれるそうです。本当によかった(白目)

 ただ、……うん。自分の責任なんだけどね。俺は全治三週間らしい。

 説得のために戦艦水鬼のいる部屋に飛び込んだら、風呂場だし。銃乱射されたし。

 いや、よく生きてたな俺。つか相手も羞恥心とか無さそうだったけど。「ヤット見ツケタ、臭イノ元凶」とか言ってたけど。というかどうやって一瞬で服を着たのかその辺りも詳しく知りたい。

 

 で、撤退させたと同時に何か外でも勝利宣言してた。何だろう? 戦闘でもあったのかな?

 応援に来たとか言ってた横須賀提督はポカンとしてたし。まぁ良いや。

 迷子の子達も皆見つかったし、本部からは任務達成ご苦労、感謝するってメール来てたし。

 

 あぁ、これでしばらくは休めそうだ。

 まぁ、怪我直すまで鎮守府に帰れないんだけど(溜息)





これにて第三章の九条サイドはEXを残し終了予定です。(書くかは不明ですが保険のため)
後は勘違いをまとめて終了ですね。

あ、それから艦これではありませんが新作書きました。
暇つぶしにでも見てみて下さい。

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